現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
「売れる作家」と「売れない作家」の違いは、細かく挙げればキリがありません。
しかし、より原点に遡っていくと、両者は「マインドセット」に違いがあるようです。持っている考え方が、まるっきり違うんですね。
- はじめから正しいマインドセットを持っている作家は、デビューして間もなく売れっ子作家になっていきます。
- はじめは正しいマインドセットを持っていなかった作家でも、後天的に理解することで、急に花開きます。
この記事では、ボクの奥さんや、過去にお話ししたことがある作家さんから、売れる作家さんに共通する考え方をまとめました。
あなたは、これらの「売れる作家のマインドセット」のうち、いくつを持っているでしょうか?
なお、ここで紹介しているマインドセットは、ハンドメイドに関わらず、ビジネス全般で共通しています。
ひょっとすると、反対意見を言いたくなる項目もあるかもしれません。しかし、これは真実です。目を逸らさずに、聞いてください。
いま全部持っていなくても大丈夫。これから意識していこう!
目的思考
できる人は必ず「目的思考」で考えます。ハンドメイド作家に限らず、どんな業界でも、どんな職種でも。
目的思考とは、何かの行動をする際に、「それは、何のためにするのか?」を第一に考えることです。「Why?」から始めるということです。
- 上司に「やれ」と言われたから
- みんながやっているから
- やるのが当たり前だから
とは考えません。
ちょっとテストしてみましょうか。
例題
あなたは、とある商社のマーケティング部門のスタッフです。
上司に、「急ぎで、顧客リストを作ってもらって良い?」とお願いされました。
あなたは、直後にどんな行動を取るでしょうか?
新入社員だったら、「はい!わかりました!」と答えて、早速作業に取り掛かるかもしれませんね。まだまだヒヨッコですね。
2年目の社員だったら、「いつまでに用意しましょう?」と、締切くらいは確認するでしょう。まずまず成長しています。
3年目の社員だったら、「どんなアウトプットにしましょう?」と、顧客リストに含める項目を聞き返すかもしれません。まぁ悪くはないですね。
しかし、できる社員は違います。
1発目に、「何のために使う顧客リストですか?」と聞き返すのです。納期確認とか、アウトプットのすり合わせは、しょせん枝葉の話。もっと後です。
- 営業部のテレアポ用であれば、当然電話番号が必要です。
- ダイレクトメールなら郵便番号付きの住所が必要です。
- 経営会議に使うなら、経営戦略部とアウトプットを相談すべきでしょう。
- 特に理由がないなら、「それ本当に必要ですか?」と聞き返すべきです。
目的を知ればこそ、あなたなりの工夫の余地が出てきます。あなたなりの改善の余地が出てきます。そこに、あなたが仕事をやる「価値」が生まれるのです。
逆に目的を知らなければ、誰かの言う通りにやるしかありません。そこにあなたがやる「価値」は、一切ありません。
うわぁ、本当だ…。目的なしで、良い仕事なんでありえないんだね
ハンドメイドの文脈で考えてみましょう。
- 何のために、ハンドメイド販売を頑張るのか?
- 何のために、良い素材を仕入れるのか?
- 何のために、SNSに投稿するのか?
- 何のために、写真撮影に力を入れるのか?
- 何のために、おしゃれなパッケージを用意するのか?
- 何のために、マルシェに出店するのか?
もし、「何となく」とか「みんながやっているから」という目的しか思い浮かばないなら、三流以下の結果しか残せないでしょう。
今日、今この瞬間から、脳死で行動することを卒業してください。必ず、「これ、何のためにやるんだっけ?」と問うクセをつけてください。
ちと厳しいことを言ったけど、もちろん言うだけ言って見放しはしないよ
本サイトを読めば、各行動の目的は明確になる。地道に読んでいってほしい
成功する目的がある
先の「目的思考」に、通じる話を続けます。
いつもは午前7時に起きているあなたが、午前4時に起きられるとしたら、それは一体どういうときでしょうか?
旅行や出張で、飛行機の離陸時間が決まっているときではないでしょうか?
1ヶ月後に迫った賃貸契約の更新を「しない」と、不動産屋に通知したら?
どんなに忙しかろうと、1ヶ月以内に新しい物件に引っ越すことになるでしょう。
人間は怠ける生き物です。いや、人間に限らないでしょう。
目的がなければ、尻に鞭打って頑張ろうとはしません。ドラマを見ながら晩酌したり、昼までゴロゴロしたり、日がなSNSを見たりして過ごすのです。
しかし、成功する人は違う!
目的があるから、「将来こうなりたい!」という明確なビジョンがあるから、いま歯を食いしばって頑張れるのです。
ボクの知るハンドメイド作家の多くは、仕事を辞めて、ハンドメイドだけで生計を立てることを目標にしています。そうなると決意したから、先延ばしせずに、チャレンジできるのです。
行動力があるorないは、人によって変わってきます。しかし、その先に目的があれば、どんなに腰の重い人でも行動せざるを得ません。
あなたには、ハンドメイド活動の先に、手にしたい目的はありますか?
自分の「リスク許容度」を明確に理解している
売れるハンドメイド作家は、総じて行動力があります。ガツガツとチャレンジするので、行動力がない作家の倍速で結果をもぎ取ります。
しかし前述の通り、行動力があるorないは、人によって異なりますね。生まれながらの性格や、育った環境によるところが大きいのでしょう。
慎重な人に、「いいから気にせず飛び込め!」と言うのは、あまり建設的なアドバイスじゃないよね
無理なもんは、無理だもんな
そこでボクは、「行動しろ!」と言う代わりに、「自分のリスク許容度をハッキリ決めろ!」とアドバイスをします。
「リスク許容度を決める」とは、最悪のケースに転んだとして、どこまでの事態は許容できて、どこから先は断固受け入れられないか、を明確に線引きするということです。
「500万円の借金をして、飲食店を開業する」は、失敗するとしんどい人生になりますね。ボクなら受け入れられないリスクです。きっとあなたもそうでしょう。
しかし、次のようなリスクはどうでしょう?
- マルシェに出展して、1個も売れないことは、受け入れられないリスクか?
- 3,000円の書籍を買って役に立たなかったら、失う金額は受け入れられないリスクか?
- 有益そうなツールに年額12,000円を支払うのは、受け入れられないリスクか?
- ライブ配信で緊張して恥をかくのは、受け入れられないリスクか?
- 目の前のお客さんに声をかけて、変なヤツだと思われるのは、受け入れられないリスクか?
- 独立して思うように稼げず、実家に戻ることは、受け入れられないリスクか?
ボクはあなたに、一か八か、一世一代の大博打を仕掛けろなんて言いません。外したときに、責任を取れませんからね。
でも、自分のリスク許容度を理解して、その範囲で行動を起こすことは、強くオススメできます。長い目で見れば、必ず大きなリターンを得られることを約束します。
先の「成功する目的」はアクセルで、「リスク許容度」はブレーキ
ブレーキがあるからこそ、安心してアクセルが踏めるようになるんだよ
正しい手法を学ぶ習慣がある
どんな業界でも、成功する人は我流でやりません。
その道の先輩の教えに耳を傾け、その通りに忠実に実行します。直感的に、それが成功への最短ルートであると知っているからです。
- ビジネス書で勉強する
- YouTubeやブログで学ぶ
- 講座を受講する
- コンサルを受ける
などなど。学ぶチャネルはいくつかあります。
ボクはビジネス書で学ぶことが多いですね。YouTubeやブログで学ぶのもオススメです(もちろんこのサイトも!)。
高額な講座やコンサルに申し込むのもアリですが、その場合は、信頼できる相手なのかをよく吟味してください。
無料で公開している情報のレベルが低い人は、その先にある課金コンテンツもショボい可能性が高いよ
100点を目指さない
「完成度80%」までの労力を「20」とするなら、そこから「完成度100%」まで持っていく労力は「80」に相当します。
100点(完璧)を目指すというのは、実はかなりコスパが悪いんですね。
- 写真撮影とか
- 文章の書き方とか
- SNSの発信とか
いちいち完璧を目指してからスタートしていては遅すぎます。
というより、完璧にする必要すらない
しかし、作品作りだけは、例外的に100点を目指す価値があります。
「神は細部に宿る」と言われるように、細かいところまでこだわりが行き届いた作品は、お客さんに感動を与えます。クリエーターにとっては、作品で100点を目指す姿勢はあって然るべきでしょう。
問題となるのは、「完璧になるまでは世に出さない」というスタンスです。
陸でいくら泳ぎ方の練習をしようと、泳げるようにはなりません。さっさと水の中に入ってジタバタもがくことで、泳ぎをマスターできるようになります。
バットの素振りをいくらやったところで、ヒットは打てません。何度もバッターボックスに立って、バットを振り続けるから、ヒットを打てるようになるでのです。
市場の反応を見ながら叩き上げていかないと、お客さんが求めていない見当違いの方向に、あなたの労力が注がれることになります。これはものすごく遠回りな道のりです。
完璧主義の弊害だね
あなたの頭の中では完璧に仕上げた作品が、実際にお客さんに受け入れられるかどうかは、市場に出して反応を見るまでは分かりません。
実際には、その期待は裏切られることの方が多いでしょう。
ゆえに、100点満点の自信が持てるまで手元で温めておくよりも、80点の段階で「えいや」と市場に出してしまうべきです。
GoogleやAmazonも、よく荒削りのベータ版を提供して、市場の反応を見ています。機能が不完全なだけでなく、日本語訳すら怪しい状態で。
でも、それで構いやしないのです。
もし100点を目指すなら、「これは売れる!」と確信を得てからにしましょう。
未熟でOK!まずは一歩前に踏み出そう!
「100点を目指さない」の正しい意味を理解している
本来の「100点を目指さない」とは、高校入試で例えれば、国数英社理の5教科で、平均80点を取ろうということです。
1教科で100点を取る労力は、5教科全てで80点を取る労力とほぼイコール。英語で100点を目指すよりは、苦手な数学と理科を50点→80点に上げるほうがずっと効率的です。
しかし売れない作家は、「100点を目指さない」の意味を、「必ずしも全部の科目をやらなくても良い」と誤解しているように感じます。
「理科は苦手だから、捨てても(ノー勉でも)良いよね」と、必須科目をサボろうとするのです。
入試テストにおいて、全ての受験生は平等に扱われます。あなたが理科が苦手でだろうが、中学校の理科教師がポンコツであろうが、そんな事情は勘案してくれません。
5教科のうち、1教科でも30点しか取れなければ、志望校には手が届かないよね
当たり前の話だわな
ハンドメイド販売の文脈だと、
- 「マーケティングとか難しそうだから頑張んなくていいよね」
- 「SNSは苦手だからやらなくてもいいよね」
- 「文章は苦手だからテキトーでいいよね」
- 「写真撮影は古いスマホでも良いよね」
と、都合の良い解釈で、必須科目を捨てていくのです。
売れないハンドメイド作家は、「ビジネス素人の個人だし、そんな難しいことまで求められないでしょ?」と、言い訳をします。
しかしビジネスの世界は、素人だろうがプロだろうが企業だろうが、同じ土俵で戦っています。お客さんはシンプルに、1番気に入った作品を買うだけ。
あなたがビジネスの素人だからといって、特別扱いはしてくれません。
「100点を目指さない」とは、各々の科目で満点を取る必要はないということです。苦手な科目に手をつけなくても良い理由は、どこにもありません。
作品制作が第一優先
当たり前のような話をしますが、長く売れる作家さんが活動の重きに置いているのは、「作品制作」です。
コンサルかなんか知りませんが、やれ「マーケティングが全て」だの、「SNSが全て」だのと吹聴する輩がいます。確かに、マーケティングテクニックやSNSで、売上を伸ばすことは可能です。
そういうの聞くなー。聞く度にイラッとするけど
あなたが、発信主体の「インフルエンサー気質」ならそれでも良いでしょう。しかし、もしモノづくりが好きな「クリエーター気質」なら、そんなやり方は長続きしません。
ボクが知っているハンドメイド作家は、皆クリエーター気質です。作ることが大好きでしょうがない人たちです。発信活動は、ビジネス上の必要性に迫られてやっているに過ぎません。
好きでもないことで、この先10年、20年と続けられると思う?
どこかの1ヶ月を切り取って、「月〇〇万円売れました!おめでとう!パチパチパチ」で終わらせていいのでしょうか?まぁ、コンサルさんはそれで良いのでしょう。
しかし、人生はこの先も続きます。いいわけがありませんね?
あなたが生涯にわたって、1番大好きなことで生きていくためには、好きな活動を主軸にしなければならないのです。この事実を、ゆめゆめ忘れないでください。
確かにマーケティングは必要ですし、その内訳としてSNSも重要です。しかし制作より優先順位が上がることは、決してありません。
もしあなたの優先順位が、制作第一にならないとしたら、そもそもハンドメイド自体が向いていないと思います。ぜひ進む道を再考することをオススメします。
自責思考
「自責思考」とは、読んで字の通り、「いかなる結果であろうと、その責任は自分にある」と考えることです。
もしあなたのお客さんが、「説明をちゃんと読まずに買って、クレームを入れてきた」としたら、あなたはどう考えるでしょうか?
自責思考がある人は、お客さんのせいにはしません。説明を伝えきれなかった自分が悪いと考えます。
- 販売サイトの障害で、お客さんが購入できなくなったとしたら?
販売チャネルを分散させていなかったあなたの責任です。 - コンサルの言う通りにして売れなかったとしたら?
間違ったコンサルを選んだあなたの責任です。 - 非常識なお客さんに粘着されて、断ったら営業妨害されたら?
売るべきでないお客さんに売ったあなたの責任です。 - 家族がハンドメイド活動を理解/応援してくれなかったら?
応援してもらえるように振る舞えなかったあなたの責任です。 - 電車の遅延のせいで遅刻したら?
もちろんあなたの責任です。
サラリーマンの多くは、自分の評価やキャリアに傷をつけないために、責任逃れの言い訳をします。サラリーマンにとっては、理にかなった行動でしょう。
しかし、ハンドメイド作家を含む自営業者は、上司の評価も出世のキャリアも何もありません。あるのは、目の前の結果のみです。
理不尽だろうが、誰の目から見ても「それはしょうがない」と思える事故だろうが、結果が全て。クレームも障害も売上低迷も、あなたが受け止めねばならない結果です。
「全ての結果は、自分に責任がある」と考るからこそ、先の先まで考えて手を打つことができるようになるのです。
ハッキリ言って、自責思考で考えられない人は、ビジネスオーナーになる資格はない!
厳しいが、確かにその通りだ…
相手の立場に立って考えられる(卓越論)
「相手の立場に立って考えられる」は、簡単に見えて、実は1番難しいマインドセットかもしれません。
言葉の通りなんですが、真の意味で理解するのに時間がかかるんですね。ボクもビジネスの世界に飛び込んでから、10年近くしてようやく腹落ちしたように感じます。
ほとんどの人は、相手と対峙したときに、
- わたしは、こう思う
- わたしは、これが正しいと思う
- わたしは、こうしたい
- わたしは、こうしたくない
- わたしに、どんなメリットがあるか?
と、まず「自分を主語」にして考えます。
これを180度反対にして、
- お客さんは、どう思っているんだろう?
- お客さんは、何が正しいと思っているんだろう?
- お客さんの望みは、なんだろう?
- お客さんが避けたいのは、どんなことだろう?
- お客さんに、どんなメリットがあるんだろう?
と、まず「相手を主語」にして考えるのです。
何かを考えるときに、相手の感情からスタートすること。それが、「相手の立場に立って考えられる」ということだよ
伝説的マーケティング本『ハイパワー・マーケティング』では、この考え方、すなわち「自分の都合よりも、お客さんのニーズを優先して考えること」を、「卓越論」と呼んでいます。
大切な人にご馳走するときに、あなたの好物を振る舞うでしょうか?違いますよね。きっと相手の好物を聞いて、もっと喜んでもらえる食べ物をご馳走するはずです。
知らない曲ばかり歌われるカラオケほど、つまらない時間はありません。ちょっと仕事ができる人なら、参加者が知っていそうな曲を選んで歌うものです。
やっていることは、「ハサミの持ち手側を向けて渡す」「クツを履き口の方を向けて置いてあげる」と同じ。相手を思いやる姿勢を、常にONにしておくんですね。
「卓越論」とは、ただそれだけのこと。一度気づいてしまえば、そうとしか考えられなくなります。なんですが、ほとんどの社会人は、まだ気づいていないんですね。
ビジネス大好きなウチの旦那が、10年近くかかってやっと理解できたんだもんな
これは一種の「悟り」だね。気づいてしまえばカンタンだけど、気づくまでに膨大な時間がかかる。一生気がつけない人もたくさんいる
ボクは、ハンドメイド作家さんから色々と相談を受けることがあります。
しかし頭ごなしに、いきなり「こうすべき!」とは、絶対に言いません。
相談者さんの悩みは、通り一辺倒ではありません。思い描いている未来も、家庭環境も違います。だから、通り一辺倒の回答などできないのです。
まずは、じっくりと悩みの理由を聞き、そうなってしまう環境や要因を細かくヒアリングします。その上で、一緒に対策を考えます。
コツを教えましょう。
エピソードトーク以外は、「一人称(わたし、ボク、俺)」を封印してしまうのです。
お客さんとのコミュニケーションでも、頭の中でビジネスのことを考えているときも、一人称を我慢してください。そうすれば、主語はおのずと「お客さん」になります。
「わたし」はガマン!
多数決ではなく独裁
ビジネスの世界では、しばしば、
- 民主主義(多数決)か?
- 優れた1人による独裁か?
で、論争になります。
実は、この話題に議論する余地はありません。答えが決まっているからです。
そもそも「民主主義(多数決)」は、ベストな選択をするためではなく、最悪の結果を避けるためのシステムです。歴史が生み出した苦肉の末のシステムなんですね。
無能な独裁者が、国や会社を牛耳ってしまうと、国民や社員が辛酸をなめることになります。だから、望ましくない独裁者を排除できるシステムとして、民主主義が生み出されたのです。
独裁者が優秀なら、独裁の方が良い結果が出るに決まっています。今日のAppleやテスラを見れば、明らかでしょう。
もうお分かりですね?
クリエーターの世界に、民主主義などあり得ません。あなたは1人の独裁者として、あなたのセンスで、あなたの世界を作るべきです。そこで勝負するしかないのです。
原液であるクリエーターのセンスを、その他大勢の意見によって薄めてはいけません。原液が持っていたはずの魅力を、押し並べてつまらなくする行為です。
村上隆が、奈良美智が、草間彌生が、山本耀司が、お客さんにデザインの意見を聞いて、その通りにするかな?
絶対にしないな!
もちろんお客さんの「評価」には、耳を傾けなければなりません。しかし、判断はあなた自身が下すべきです。決して、選択権をお客さんに与えてはいけません。
よくデザイン案を大衆に投票させるシーンを目にすることがありますが、あれは最悪ですね。失敗したときの言い訳のためにやってるんでしょうか?
全ての人に好かれようとしていない
全ての人に好かれようとする人は、その実、誰にとっても重要な存在になり得ません。
「賛否両論」で大いに結構。むしろ、「大賛成1:反対9」くらいで丁度良いのです。
キャラが立っている人ほど、熱狂的なファンがいると同時に、熱烈なアンチがいるものです。売れている人ほど、この事実をよく理解しています。
ローランドさんが、ホリエモンさんが、ジャスティンビーバーさんが、全ての人に好かれようと思っているかな?
なるほど!そういうことか!
ここで、その他大勢に嫌われることを、ネガティブに捉える必要は一切ありません。
そもそも、あなたの作品を買うお客さんは、ごく限られたあなたのファンだけです。
その他大勢は、あなたのお客さんではなく、ただの部外者。嫌われようが無視されようが、知ったこっちゃありません。
あなたは、ファンだけに向けて、ファンだけが望むスタンスを貫けば良いだけ。
- ファンだけが喜ぶ作品を作る
- ファンだけに向けて発信する
- ファンだけが理解できる言葉遣いをする
で良いのです。
あなたの人生に関係のない人に、好かれようとは思わないことです。
作品ではなく、商品を意識している
ハンドメイド界隈では、一般的に「作品」という言葉を用いることが多いですね。このサイトでも、馴染みやすいように「作品」と呼んでいます。
しかし、趣味でなくビジネスとして取り組むなら、「商品」を意識しなければ売れません。
- 作品
:自分が作りたいもの。自己満足を満たす - 商品
:お客さんが欲しがるもの。お客さんを満足させる
オブジェや絵画のようなアート作品を売るのは、非常にハードルが高いですね。お客さんが必要としているものではないからです。
そうではなく、「実用性があるモノ」を作るのがポイント。実用性があるモノに対して、作家らしい独特なデザインを施すことを考えると上手くいきます。
実際には、「100%商品」や「100%作品」ということはなく、両者はグラデーションのような関係になっています。
感覚的には、「商品7:作品3」くらいを意識するとGOOD!
優れた作品を作ることと、作品が優れていると伝わることは全く違う
売れない作家は、「良い作品を作れば、誰かに見そめられて、口コミで広がって売れるはず」と思っています。
それは淡い幻想なんですね。
絶対ないとは言わないけど、期待はしちゃダメ!
マリアナ海溝の奥深くに住む、まだ誰にも知られていない深海魚がいるとしましょう。この深海魚がいくら美味しかったとしても、知られていない以上は存在しないも同然です。
ハンドメイドも同じ。どんなに優れた作品でも、その事実を知られていなければ、この世に存在しないも同然なのです。
つまり、あなたの「優れた作品」を売るためには、「優れていると広く知ってもらう」活動が必要なのです。
この活動を一般的には、「マーケティング」と呼びます。要するに、売れる作家さんは、マーケティングが重要であると認識しているということです。
お客さんを「見る目がない大衆」と侮らない
スキルは高いのに売れない作家が陥りがちなのが、「プロの作品と雑魚の違いがわからないなら、そんな人は客じゃない」と、線を引いてしまうこと。
実は、ボクの奥さんもこの傾向があって、「あんな素人仕事で満足するなら、わたしの作品を買うに値しないわ」と言っていました。
もうちょい柔らかい言い方したと思うけど?
でもですね、お客さんは素人なんです。パッと見ただけでは、プロの仕事と素人の仕事の区別がつきません。
人気番組の「芸能人格付けチェック」と同じです。
ボクは、「ストラディバリウス」と「市販のバイオリン」の音色の違いがわかりませんし、「プロのダンサー」と「大学生のダンス部」の違いもわかりません。
確かに、お客さんは見る目がない大衆かもしれません。いや、実際そうなんでしょう。
しかしお客さんは、ベネフィット(その商品から得られる体験の価値)には従順です。より大きなベネフィットが得られると理解すれば、喜んで高い金額を払います。
大間の本マグロとスーパーのマグロの違いがわからないバカ舌でも、高級寿司屋で本物のマグロに高いお金を払うのです。誰だって、美味しい方に良いに決まってますから。
あなたに高いスキルがあるのなら、お客さんを「見る目がない」と侮るのではなく、お客さんに「違いを理解させる」を意識しましょう。
高く少なく売る
売れている作家は、ハンドメイド販売が、本質的に「厚利少売」のビジネスだと理解しています。
「薄利多売」の反対で、より高い作品を、より少なく売るということだ!
基本的に、「安く売る戦略」は、「たくさん売ること」とセットになります。生産数の天井が低いハンドメイド作家に、そもそも安く売る戦略など存在しないのです。
先日SNSで、「高く売らなきゃいけないなんて横暴!資本主義なんだから、安く売る自由もあるし、お客さんは安い作品を選ぶ自由もある!」なんて意見を目にしました。
思わず、笑ってしまいました。自ら雑魚宣言して、恥ずかしくないのかなと。いや趣味なら別にいいんですけどね。
まぁ事実だけどさ、口が悪いなぁ
この際だから釘を刺しておきましょう。
お客さんは、作品がもたらす「ベネフィット(その商品から得られる体験の価値)」に対してお金を払います。より大きな変化をもたらす作品に、より高い値段を払います。
そして売り手は、お客さんにより大きな変化をコミットするために、汗水垂らして努力・工夫・改善を続けます。その正当な対価として、相応の値段をいただくのです。
安く売る作家は、お客さんの人生や生活に、より良い変化をもたらすことを放棄しているのです。
「わたしの作品はショボくて、あなたにそこまで素晴らしい変化は届けられません。だから安く売りますね」と。これはプロの考え方じゃありません。
確かに、作家には「安く売る自由」があります。しかしそれは、「自分を安売りして、ジリ貧になる自由」を選んでいるに過ぎません。
ライバルをさほど意識していない
売れている作家ほど、ライバルを気にかけていません。
表面的には、ライバルと思しき作家はいます。もちろん、そういった作家の作品の品質や、値段なんかもチェックはしています。
しかし、対抗意識があるかというと、さほどない。価格競争もしません。
なぜなら、その表面上のライバル達とは、「相手にしているターゲット」と「提供しているベネフィット(その商品から得られる体験の価値)」が違うからです。
コンビニが安価で美味しいドリップコーヒーに参入したことで、スターバックスが脅威に感じているかといえば、答えは「NO」です。
スターバックスは、「サードプレイス(自宅と職場/学校に次ぐ、第3の居場所)」を掲げ、ゆったりと落ち着いたハイソな空間を提供しています。
ただコーヒーを飲みたいだけお客さんは、缶コーヒーからコンビニのドリップコーヒーに乗り換えたかもしれません。
しかし、都会っぽい洗練された空間で、リラックスしたひと時を過ごしたいお客さんは、引き続きスターバックスに通います。
スターバックスは、コンビニにお客さんを奪われることもなければ、対抗して値下げする必要もありません。
売れている作家は、ターゲットを絞り、そのターゲットだけが喜ぶユニークな作品を作っています。端的に言えば、他の作家とハッキリ差別化できているのです。
刺繍やネイルチップやワイヤーアクセサリーなど、同じジャンルに属する作家は無数に存在します。しかしターゲットの心を射止める作風は、自分以外にはできない。
こうなってくると、意識するのはライバルではなく、お客さんになってきます。試行錯誤の方向性は、もっぱらお客さんとの対話になっていくでしょう。
ボクもこのサイトを執筆するにあたって、世のハンドメイドコンサル達をライバルとは思ってないよ。参考にすらしていない
逆に、お客さんよりもライバルに目が行ってしまうなら、あなたは有象無象の作家と同じように、ターゲットが曖昧で、大して違いのない作品を作っているということです。
美しい女性を口説こうと思った時、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい? そう思った時点で君の負けだ
Apple創業者 スティーブ・ジョブズ
ライバルより「1gでも軽く!」や「1円でも安く!」というフィールドで戦ってはいけません。ライバルと競ってはいけないのです。
そうではなく、「その作品が欲しいお客さんは、あなたから買うしかない」というフィールドを選びましょう。
ナルシストっぽいところがある
売れている作家さんは、どこかナルシストで自信過剰なところがあります。
ナルシストといっても、鏡を見るたびに前髪をいじってるわけじゃないですよ。自分の作品や作風に対して、自己陶酔している感じがあるんですね。
自分の技術が1番とは思っていませんが、
- 「わたしってセンスいいよね」
- 「こんなの作っちゃうのは、世界にわたしだけだよね」
くらいは余裕で思っています。
あー、ちょっと思ってるかも
この「自分で、自分の作品がサイコーだと思っている」という自画自賛の状態は、ビジネスをする上では有利です。
人は、大好きなものを誰かに伝えるとき、自然と熱が入ります。これでもかと雄弁にその魅力を語ります。もう、暴走するくらいの前のめりで。
ジャパネットたかたの創業者の高田明さんは、惚れ込んだ商品しか紹介しなかったそうです。
本気で素晴らしいと思っているからこそ、魅力を伝えようと躍起になります。プレゼンは半ば魂の叫びとなって、話し切ると興奮で涙が溢れたこともあったとか。
その熱量がお客さんの心を動かすんですね。これが、テレビショッピングの神が掴んだセールスの真理なんです。
あなたの熱量は、お客さんにも伝わるんですね。説得力があるんです。「あ、この人ホントにこの作品を愛しているんだな」とわかるんです。
これが自信のない作品だと、あなたもどこか推しきれません。70点くらいの映画を見た後の感想のような、歯切れの悪い伝え方にしかならないのです。
自分だけのちょうど良いペースを知っている
人間のカラダは面白いもので、オーバーペースの活動は続かないようにできています。一次的なら体に鞭打ってムリできますが、何年も同じペースは続かないんですね。
1911年10月、2つのチームが南極到達点に向けて出発しました。アムンゼン隊とスコット隊です。彼らは、どちらが早くゴールに辿り着けるかを競っていました。
アムンゼン隊は一足先に南極点に到達。その後に祖国へ帰還しました。その一方で、遅れてゴールに辿り着いたスコット隊は、帰路でチーム全員が死亡しました。
彼らの明暗を分けた要因はいくつかありますが、その一つが「1日に進むペース」です。
アムンゼン隊は、「1日20マイルだけ進む」を維持していました。天気が良い日で余力があっても、20マイルで止める。悪天候でシンドイ日は、20マイルまで頑張る。このペースを維持しました。
一方で、スコット隊は、天気の良い日は30~40マイル進み、天気が悪い日は休んでいました。
ダイエットや筋トレもそうですし、もちろんハンドメイド活動もそうです。
初めはハイペースで進んでいても、何かの事情で、そのペースを維持できない瞬間が訪れます。ものすごく疲れた日だったかもしれませんし、家族の体調不良だったからかもしれません。
そして、一度ペースが途切れると、糸が切れたようにどうでも良くなってしまうんですね。これで、いつもの「続かないあなた」の出来上がりです。
オーマイガー…それで続かないのか…
では、どれくらいのペースがベストなのでしょうか?
劇場に古くからある格言に、「もっと見たいと思われている内にやめよ」があります。満足する一歩手前で止めた方が、また次も劇場に足を運びたいと思ってもらえるからです。
これと同じで、「もうちょっとハンドメイドしたいな」と、思えるくらい余力を残して止めるのがちょうど良い。そうすれば、また明日もその次の日も、同じペースでハンドメイドを続けていけます。
食事で言えば、「腹8〜9分目」くらいでやめておくのと同じ感覚!
満腹まで食べた次の日は、あんま食べたくないと思うもんね。それと同じか!
具体的なペースは、人によって違います。まとまった時間を投下しつつも、調子が良い日は余力を残し、忙しい日もなんとかこなせる程度のペースを見つけましょう。
まとめ
あなたに必要なマインドセットを解説したよ!
いくつ持っていたかな?
デビューしたときのわたしだと、3つくらいしか持ってなかったよ
最初から全部持っている人なんて、いないから大丈夫!
今から意識していこう!
この記事をまとめます。
ハンドメイド作家が持つべきマインドセット
- 目的思考
- 成功する目的がある
- 自分の「リスク許容度」を明確に理解している
- 正しい手法を学ぶ習慣がある
- 100点を目指さない
- 「100点を目指さない」の正しい意味を理解している
- 作品制作が第一優先
- 自責思考
- 相手の立場に立って考えられる
- 多数決ではなく独裁
- 全ての人に好かれようとしていない
- 作品ではなく、商品を意識している
- 優れた作品を作ることと、作品が優れていると伝わることは全く違う
- お客さんを「見る目がない大衆」と侮らない
- 高く少なく売る
- ライバルをさほど意識していない
- ナルシストっぽいところがある
- 自分だけのちょうど良いペースを知っている
正直、「ちょっと数が多いなぁ」と感じた人もいるでしょう。実際、多いと思います。
一時的に売上を上げるだけだったら、こんな大層なマインドセットは必要ないでしょう。短期間なら、テクニック論だけで済むかもしれません。
いまこの瞬間だけなら、「インスタ攻略」だけで稼げるかもね
ただボクは、そういう近視眼的な話をしているのではありません。「この瞬間稼げてOK」ではなく、その先も続く人生まで見越した話をしているのです。
テクニック論は、時代と共に腐っていきます。ほとんどは、2-3年の賞味期限しかありません。一方で、マインドセットは、時代や環境に依らず不変の拠り所になります。
あなたが、ハンドメイド作家として、この先10年、20年、さらにその先も食べていくには、この記事で紹介したマインドセットが必要です。
逆に言えば、今回紹介したマインドセットを持っていれば、現代の環境から全く変わってしまった未来でも、あなたのビジネスはずっと生き続けられます。
Instagramがオワコンになっても、minneやCreemaがサービス終了しても、インターネットがメタバースの世界に置き換わってもです。
今の時点では、全てを兼ね備えている人は、100人に1人くらいでしょう。大丈夫、今はそれで構いません。これから意識していってくださいね。
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