現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
多くのハンドメイド作家が、「ただの趣味でしょ?」と一蹴されてしまうのは、売上云々の前に、心構えができていないからではないでしょうか?
仕事としてハンドメイドをするなら、あなたは今この瞬間から「プロ」として身も心も構えなければなりません。
お客さんからしたら、
- ショッピングモールに入っているブランドショップも、
- 楽天に出店しているネットショップも、
- ハンドメイド作家であるあなたも、
みな同じ目線で見ています。
あなたが「か弱い個人」であっても、「ビジネスは点で素人」であっても、お客さんは特別扱いをしてくれません。ミスをすれば怒られるし、売り手にあるまじき対応をすれば信用を失います。
しかし、「たかがハンドメイド作家に、高いレベルを求めるなよ 笑」などと言ってはいけません。思ってすらもいけません。
モノを売るとはそういうこと。それが「仕事にする」「プロになる」ということだ
プロとして持つべきマインドセットはいくつもありますが、1番の根っこ、1番下の土台にあるべきは、「自責思考」です。
ビジネスが成功する過程で、必ず芽生えるのが「自責思考」。これ無くして成功もありません。「自責思考」を持っているか否かは、成否を分ける1番最初の分かれ道です。
残念ながら、世のハンドメイド作家は、「自責思考」を持っているように思えません。専業作家のうちの奥さんも、何年か経ってようやく分かってきた。そんな感じです。
もしあなたに「自責思考」が芽生えていないなら、あなた自身が痛い経験をして学ぶか、誰かが叱りつけて目を覚まさせなければなりません。
ボクが、あなたの目を覚まさせる役目を買って出ることにしましょう。正直、嫌な役目ですが、あなたのためを思えばこそです。
初めてに言っておきます。この記事を読んだあなたはきっと、
- 「理不尽だ!」
- 「あんまりだ!」
- 「厳しすぎる!」
と思うでしょう。
いったい何を言われるんだ…
でもこれがリアルなんです。ボクがどんなに優しく言おうが、世界はこうやって回っている。抗えない自然の摂理なのです。
あなたのビジネスがこの先成功すれば、ボクの言っていることがわかるでしょう。そのときが来るのを信じて、この記事を記すことにします。
自責思考とは?
「自責思考」とは、読んで字の通り、「いかなる結果になろうと、その責任は自分にある」と考えることです。
これだけ読むと、「いい大人なら、みんなそう考えているんじゃ?」と思われたかもしれません。
ところがどっこい。大人であっても、99%の人は自責思考で考えられていません。
「学生気分」を乗り越えただけでは足りない
新入社員を揶揄する言葉に、「学生気分が抜けない」がありますね。「学生気分」とは、誰かが手取り足取り、全て教えてくれると思っている状態のこと。
教科書もカリキュラムも学校が揃えて、テスト範囲も教えてくれて、困ったことがあれば、先生が親切に教えてくれる。人の言うことを聞けば、万事クリアできる。
こう考えてしまうのが、「学生気分」です。言い換えれば、「お客様気分」ですね。
学生は、学費(または税金)を払って、ある意味でお客さんとして学校に通っています。学校や先生からすれば、生徒はお客さん。親切にお世話をする道理があります。
しかし社会人になると、あなたはお金を払うお客さんではなく、お金をもらう側に回ります。お客さんでもないあなたを、進んでお世話をしてくれる人はいません。
何を学ぶかも自分で考えなければなりませんし、あなたが誰かに何かを手伝って欲しいとき、無条件で手を差し伸べてくれる人はいません。
「自分から能動的にアクションしなければ、何も得られない」と気づいたときに、やっと学生気分を卒業できるのです。
まともな社会人経験がある大人なら、「学生気分」はちゃんと抜けてると思うよ
うん!ここまではOK!
しかし、この記事で言う「自責思考」は、もっとずーっと先にあります。
学生気分が抜けただけでは、「自責思考」の境地には辿り着きません。
「雇われ気分」の先にあるもの
あなたが会社員で、「マンション管理会社」に勤めているとしましょう。
管理物件に入居しているお客さんから、「引っ越したばかりなんだけど、トイレが臭う!清掃代を負担しろ!」とお叱りを受けました。
しかし、委託先の清掃業者は先週廃業しており、請求のしようがない。しょうがなく、別の清掃業者を探し、費用は会社持ちで再清掃することになりました。
あなた自身はあくまで管理者なので、清掃はしていません。トイレの清掃が行き届いていなければ、もちろん委託先の清掃業者が悪い。
また、そんな委託業者を選んだのも、あなた自身ではありません。会社が指定した業者に、いつも通り発注しただけです。
多くの人は、このクレームを自分の責任だとは思いません。
実際に、この1件であなたの評価が下がることもなければ、お給料が下がることもありません。もちろん、清掃代をあなたが個人負担することもありません。
うん…、何も間違ってないと思うけど
雇われていると、そうなっちゃうんだよね
ボクは、こういう「自分に直接非がなければ、責任を負うことはない」という考え方を「雇われ気分」と呼んでいます。
雇われている人間は、この「雇われ気分」の理屈が通用してしまいます。しかし、ビジネスオーナーには、この理屈は通用しません。
全てを引き受ける覚悟を持とう
雇われている人間は、自分に責任がなければ、痛みを負うことはありません。自分に非がなければ、収入が下がることも、ましてやお金を取られることもありません。
体よく他人のせいにして、あっけらかんとできるのも、サラリーマンには必要なスキルだろうね
しかし、ビジネスオーナー(経営者や自営業者)は違います。
ビジネスオーナーには、「昇進」とか「毎月安定して振り込まれる給料」とかいう概念はありません。あるのは、目の前にある結果だけ。
- 理不尽だろうが、
- いくら自分に非がなかろうが、
- 世界中の誰もが「しょうがない」と認めてくれようが、
結果が全て。
あなたが「カフェのオーナー」だったとしましょう。
意気揚々とお店をオープンさせ、徐々にお客さんがついてきたところで、パンデミックが到来。3か月の休業を余儀なくされました。
収入は0。仕入れた食材はゴミになり、家賃は通常通りにかかり、雇っている社員の給料も払わなければならない。
大損害です。これ以上出ていくお金を払えない。もう廃業するしかありません。残ったのは、無惨に散った夢と多額の借金だけです。
辛すぎるぅ…
これは天災ですから、どうしようもないことです。誰もが、「かわいそうに」「それはしょうがないよ」と言ってくれるでしょう。
しかし、誰かが優しく慰めてくれたところで、あなたがお店を失い、多額の借金を抱えた事実は何も変わりません。
一方で、同じ飲食店でも、パンデミックを生き延びたお店もあります。
- テイクアウトを始めたり
- お弁当の通販を始めたり
- クラウドファンディングを募ったり
もしかするとあなたは、「カフェはテイクアウトには向かない」とか「そんなスキルがあるのは一部の人だけ」と思うかもしれません。事実そうなんでしょう。
しかし、結果は結果。パンデミックを想定して、生き残れる手立てを打たなかった、あなたのせいです。
うーむ、確かに。理由はどうあれ、受け止めなきゃいけない現実は変わらない…
厳しい話ですが、そうとでも思わなければ、また同じ過ちを繰り返します。
「自責思考」とは、
- 成功も失敗も、
- 酸いも甘いも、
- 喜びも悲しみも、
全ての結果を自分で引き受ける覚悟です。
「全ての結果は、自分に責任がある」と考るからこそ、先の先まで考えて、手を打つことができるのです。
自責思考で考えない限り、ビジネスオーナーになる資格はない。厳しいけど、これが事実なんだ
「家康」が2代将軍「秀忠」に伝えた覚悟
ボクは歴史が好きで、大河ドラマをちょいちょい見ています。2023年、松本潤さん主演の「どうする家康」で、とても印象的なシーンがありました。
「家康」の天下統一も大詰めに差し掛かった1600年、天下分け目の関ヶ原。東軍の大将は、もちろん「徳川家康」です。敵方西軍の大将は「石田三成」。
不運にも関ヶ原に遅刻した「秀忠」
家康の息子で、その後2代目将軍となる「秀忠」の軍勢は、家康の側近中の側近である「本多正信」、猛将の「榊原康政」を配されていました。これは、後継者へ花を持たせてやろうという家康の計らいです。
しかし、「秀忠」の部隊は、敵方の真田氏の足止めに遭い、また天候不良で川を渡れず、関ヶ原の合戦に間に合いませんでした。
遅刻を決して許さなかった「家康」
結果オーライで家康率いる東軍は勝利したものの、「家康」は遅刻した「秀忠」に激怒。しばらくの間は、面会すら許しませんでした。
「秀忠」に同行していた「本多」と「榊原」は、「秀忠様に非はありません。殿のなさりようは、あまりに理不尽。どうか会ってやってくれ」と懇願。ようやく親子の面会が許されたのです。
しかし「家康」は、面会を許しても、「どんな理由があろうと関係ない。関ヶ原への遅刻は、おまえの責任だ」と言い続けました。関ヶ原の戦いから10年経ってもずっと。
教えたかったのは将軍の覚悟
頭の上がらぬ父に小言を言われるたびに、「秀忠」はグッと堪えます。多くの視聴者は同情を寄せていたことでしょう。
しかしボクは、このエピソードを見ていて、「家康が絶対的に正しい」と思いました。
「秀忠」は、徳川家を背負って立つ次期リーダーです。
- 「秀忠」の遅刻によって、勝てたはずの関ヶ原の戦に負けていた未来もあったかもしれません。
- また、秀忠が遅刻しなければ、味方の犠牲はもっと少なくて済んだでしょう。
仮に「秀忠」に非がなかったとしても、実質的に指揮をとっていたのが、配下の「本多」や「榊原」であったとしても、負け負け。犠牲は犠牲です。
全ては、リーダーが背負わなければならない結果。誰のせいにしても逃れられません。
乱世を駆け抜けた「家康」は、自責思考がリーダーにとって最重要であることを理解していました。しかし、ボンボンの「秀忠」には、まだ理解できていなかったのです。
このエピソードは紛れもなく、家康から秀忠へ、「将軍としての覚悟(自責思考)」を植え付ける教育でした。
ひょっとすると、遅刻は「家康」の計算の内で、「秀忠」を教育するために、あえてこういう仕打ちをしたのかと勘繰ったくらいだ
あなたは1人のハンドメイド作家で、「家康」や「秀忠」のように、徳川将軍家を率いるリーダーではありません。自分には関係ない話と思いましたか?
とんでもない。もちろん、あなたに関係あるから話しているのです。これは、規模の大小の話ではありません。
「あなたが組織のてっぺんにいるか」という話です。
部下のいない個人事業であっても、てっぺんはてっぺん。誰にも責任を押し付けられない立場であることに、違いはありません。
あなたにも、「家康」や「秀忠」と同じように、全ての結果を引き受ける責任があるのです。
あれもこれも、あなたの責任だ
SNSを眺めていると、ハンドメイド作家のグチだか文句だかが目に入ります。あたかも、「自分は悪くない」「相手や環境が悪い」という口ぶり。
なんと甘い考えか。もちろん全て、本人の責任です。
ここでは、ハンドメイド作家にありがちな出来事を通して、自責思考の考え方を伝えていきましょう。
これもあなたの責任だ!
- 説明を読んでない客からのクレーム
- 理不尽な要求をしてくる客
- 全く集客してくれないイベント主催者
- コンサルの言う通りにしたのに売れなかった
- インスタが垢BANされて売上が激減した
- 家族がハンドメイドを応援してくれない
おー、なかなか辛辣な話になりそうだ
責任1. 説明を読んでない客からのクレーム
作品を受け取ったお客さんからクレームが来た。でも、「いや、それ説明に書いてるじゃん」というケースは、ままあります。
きっとあなたは、「ちゃんと説明を読んでいない、お客さんのせいでしょ?」と思うでしょう。実際にその通りです。読んでいない方が悪い。
お客さんにそう伝えたところで、お客さんは矛を収めるかな?
お客さんがどうこうの前に、あなた自身を振り返るべきです。
注意書きは目立つように書いていたのでしょうか?
ひょっとすると、プラットフォームの仕様で、太字やマーカーなどの文字装飾はできなかったかもしれませんね。
- ならば、画像も使って注意を促したのでしょうか?
- メッセージで念押ししたのでしょうか?
- 伝えるために、あらゆる努力をし尽くしたのでしょうか?
「うーん」と思うなら、そのクレームはあなたの責任でしょう。
念を押して伝え、お客さんに「これで問題ないですね?」と問うて、首を縦に振らせて、そこまでやってやっとあなたの非ではなくなるのです。
責任2. 理不尽な要求をしてくる客
注文したお客さんが、たまたまモンスターカスタマーで、非常識なリクエストをこれでもかと浴びせてきたとしましょう。いわゆる「カスハラ」の嵐です。
そんなリクエストを聞いていたら、何万円もらっても割に合いません。こういうお客さんは、まさに地雷。当たってしまうと、心身ともに大ダメージを被ります。
しかし、これを「最悪の客に当たったわ、もうこりごり」と、ただのアクシデントにしてしまっては、また同じ過ちを繰り返すでしょう。
そもそも、そんな質の悪いお客に売ったあなたに責任があるのです。
これも作家のせいなのかー!!
「いやいや、お客さんは勝手に買っていくんだから、選びようがないじゃない?」って思いましたかね。果たしてそうでしょうか?
基本的に、価格帯と客層は比例します。高い値段なら、相応に品の良いお客さんが集まります。もし、安く売って質の悪い客に捕まったのなら、それはあなたの責任です。
他にも、
- 「〇〇な方は、購入を控えください」と書いておく
- オーダーメイドは紹介客しか受けない
- 販売は自社サイトに限定し、特定のお客さんにしかオファーしない
など、お客さんを絞る手立てはあります。
もちろん、そこまでするのは現実的でないケースも多いでしょう。しかし、質の悪いお客さんをシャットアウトする方法は、確かにあるのです。
にも関わらず、モンスター客に捕まってしまったのなら、それはあなたの責任と言わざるを得ないでしょう。
責任3. 全く集客してくれないイベント主催者
原則として、ハンドメイド関連のイベント(マルシェ)は、主催者側が集客をすべきです。イベントの集客力に対し、ショバ代を払って参加しているわけですから。
しかし、とりあえず場所だけ用意して、集客を怠る主催者もいるようです。場合によっては、「作家側がSNSで宣伝しないのが悪い」と開き直る悪質な輩もいるでしょう。
しかし、もうわかってきましたよね?
ああ、もう次の展開は読めたぜ
そんなクソみたいなイベント主催者を見抜けなかった、あなたの責任です。
- そのイベント主催者に、あなたがターゲットとするお客さんを集客する能力があったのでしょうか?
- あるいはその努力をしていたのでしょうか?
- 事前に、そのイベントの下見には行ったのでしょうか?
もし、ロクに素性を確認せずに出展したのなら、あなたのせいとしか言えません。
責任4. コンサルの言う通りにしたのに売れなかった
ハンドメイドコンサルに高いお金を払ったのに、全く売れなかった。こういう経験をした人もいるでしょう。本サイトに感想をくれた方にもいらっしゃいました。
これも、そんな信頼の置けないコンサルを選んだあなたの責任です。甘い言葉に乗せられてしまい、カモになったあなたが悪いのです。
ただこれは、金額にもよるでしょう。
数千円〜数万円であれば、ビジネス書と同じで、当たりもあれば外れもある。今回は外れを引いてしまったと、開き直っても良いでしょう。
しかし、なけなしのお金を払って、何十万円もするコンサルをつけてしまったなら、それはもっと慎重に考えるべきだったと思います。
責任5. インスタが垢BANされて売上が激減した
稀に、SNSアカウントがBAN(凍結)されてしまうことがあります。明確な違反行為をしていれば自業自得ですが、心当たりがないのにBANされてしまうケースもあります。
プラットフォーム側に申し出ることで、BANが解除されることもありますが、されないこともあります。解除するか否かは、プラットフォーム側次第。
もし、Instagramが全ての集客を担っていたとしたら、垢BANによって、お客さんはほぼ0になってしまうでしょう。痛すぎる損害です。
しかし、「インスタの運営がおかしい!」と吠えたところで、何の意味もない
プラットフォームとは、そういうところ。全てのルールは運営が握っています。運営は神様みたいなものですから、どこぞの1人の言い分など聞いてやる必要はありません。
集客、もといビジネスの生殺与奪の全てを、1つのプラットフォームに任せてしまったのが、そもそもの間違いなのです。
- 複数のSNSを運用する
- 広告でも集客する
- お客さんのリストを自分で持っておく
などをしていれば、お客さんは減るにしても、その程度はずっとマイルドだったでしょう。少なくとも、いきなり0にはなりません。
究極的には、自分でお客さんのリストを持っているのが1番でしょうね。プラットフォームが死んでも、お客さんの連絡先さえ押さえていれば、必ず復活できます。
垢BANもそうだけど、そもそもプラットフォーム自体が終了するリスクもあるしね。プラットフォームへの過度な依存は避けた方が良さそう
責任6. 家族がハンドメイドを応援してくれない
「家族がハンドメイド活動を快く思ってくれていない」というのは、何度も繰り返し聞いた話ですね。よほど売れてない限り、なかなか賛同されないようです。
さすがに、「応援してくれないような家族を選んだのが悪い!」とは言いません。仮にそれを言ったところで、どうにもなりませんしね。
しかし、「ちゃんと応援されるだけのアクションは取っていたか?」は、ぜひ胸に手を当てて考えてみてください。
「ハンドメイドやりたい!」と言ったところで、
- 空いた時間にゴロゴロしながらドラマを見ていたり、
- 元々のあなたが担当していたタスクが疎かになったり、
- 逆にあなたの方も、家族の夢を応援していなかったり、
- ハンドメイドを仕事にするための努力を怠っていたり、
したら、あなたが応援などされるわけがありません。
現状ハンドメイドで稼げていないことは、それほど問題ではありません。応援されるか否かの鍵は、もっと別のところにあります。
理不尽だと思いましたか?
- 「いやいや、全部わたしのせいかよ」
- 「いくつかはわかるけど、全部ってのは理不尽すぎない?」
と、あなたは思ったかもしれませんね。
もしそう思ったのなら、あなたはまだ自責思考に辿り着けていません。
理不尽だろうが、受け入れなきゃ前には進めない
こう考えてみましょう。
あなたは、ド田舎のとても貧しい家庭に生まれました。父親はどこかへ出て行ってしまい、女手一つで育てられました。
しかしその母親も毒親で、暴力を振るわれ、悪い宗教にハマり、あなたが稼いだバイト代は搾取される。もちろん学費なんて出してもらえない。
これはキッツイなぁ
これ以上ない理不尽な環境ですね。あなたのハンドメイド活動で過去にあった、あるいはこの先に遭遇する理不尽も、これを超えることはないでしょう。
その一方で、優しい両親がいて、大学まで通わせてくれる。帰国子女で、子供の頃から英語ペラペラ。おまけに就職の世話までしてくれる。そんな家庭もあります。
全くもって、世の中は平等ではない!
子供は親を選べません。地獄のような環境で生まれたことを、「おまえ自身のせいだ!」と言うのはあまりにも理不尽。実際に、あなた本人には何の非もありません。
- あぁ、あいつらは何て羨ましいんだ。なんてズルいんだ。
- どうしてわたしはこんな家に生まれてしまったんだ。
- こんな環境でどうしろと言うんだ?
と嘆きたくもなるでしょう。
普通の家庭で育ったボクに、偉そうに「どうすれば良かったか」を語る資格はありません。何を言ったところで、この境遇のあなたの耳には響かないでしょう。
しかし、1つだけ確かに言えることがあります。環境のせいにしても、あなたの人生は変わらないということです。
- 親のせいにすれば、
- 政治のせいにすれば、
- 時代のせいにすれば、
あなたの気持ちは少し晴れるかもしれません。環境が悪いだけで、自分は何も悪くないと言えますから。実際にその通りです。
しかし、環境を言い訳に何もしなければ、あなたの人生は惨めなまま。もしあなたも親になったとしたら、あなたが軽蔑してきた両親と同じ姿になっていることでしょう。
いかに理不尽であろうが、あなたは、与えられた環境の中で輝く道しかありません。理不尽を受け入れて、前に進むしかないのです。
厳しい。厳しすぎるが、その通りだ…
「随分と悪いクジを引いちゃったなぁ」と、運命を受け入れた瞬間に、初めて道が開けるんだ
あなたは悪くなくても、あなたが何とかしなきゃいけない
「自責」と言われると、「自分が悪くてそうなった」というニュアンスに聞こえますね。実際に、大抵は、「最終的には自分が悪かったな…」と言えることがほとんどです。
しかし中には、そう言い切れないケースもあります。
例えば、あなたが作品を配送する際に、「ヤマト運輸」を使ったとしましょう。しかし、突然の大地震の影響で、配送が大きく遅延してしまいました。
いつになっても品物が届かないお客さんは激怒。「記念日に使うはずだったのに台無しだ!注文はキャンセルだ!」と、あなたにメッセージをよこしてきました。
ボクが知る限り、ヤマト運輸は配送レベルの高い業者です。ヤマト以上の品質を望むなら、もはや自分の手で運ぶしかないでしょう(もちろんそんなことはできない)。
あなたは、やれるだけのことはやりました。人事を尽くした上での結果なら、「自分が悪い」と気に病む必要はありません。
そうだ!これはわたしのせいじゃない!
「善悪」や「道徳」の話で片付けられない
しかし、あなたに非がなくとも、お客さんはお金を払ったにも関わらず、目的を果たせなかったのです。お客さんは現に、損害を被っています。
現に起こった事実に対しては、どうハンドリングするのでしょうか?
もちろん天災を理由に、キャンセルの要望を突っぱねることはできるでしょう。そうしたいなら、そうすれば良いと思います。
しかし、その結果として起こるかもしれない
- クレームが拗れて、あなたの時間と精神を持っていかれる
- 「悪い」の評価をつけられる
- SNSで悪い評判を流される
- 真摯に対応したら得られたかもしれない上客を逃す機会損失
といった未来も、あなた自身が引き受けなければなりません。
これは、「あなたに非があるか、ないか」という、次元の話ではありません。道徳的にどちらが正しいかを論じても、ここではあまり意味がないのです。
突っぱねようが折れようが、その後に起こる結果は、あなたの身に降りかかります。誰が悪かろうが、もしくは誰も悪くなかろうが、全てあなたが「自分事」として対処しなければならないのです。
そう考えて、取るべき行動を判断してください。
あぁ、そうか。自分のせいじゃないからといって、それで万事収まるわけじゃないんだ
そう!それが、「雇われ気分」の先にある「自責思考」だよ!
自責思考を身につけるには?
「自責思考」とは、ただの考え方です。知識もスキルも入りません。ただそう思えば良いだけの話。気の持ちようです。
しかし、「気の持ちよう」は、何かのきっかけがない限り、なかなか変わりません。
よく両親に、「親心は、親にならなきゃわからない。お前もいつか親になればわかる」と言われました。まさにその通りで、自分に子供ができて初めて、しかし自然に、親心を理解できるようになりました。
「自責思考」も同じです。ビジネスオーナーとして酸いも甘いも乗り越えれば、自然と身につきます。しかしそうなるには、しばしの時と経験が必要かもしれません。
この記事を読み進めたあなたは、もっと早く自責思考を身につけたいと思っているでしょう。ボクもそうなって欲しいと思っています。
そこで、「いち早く自責思考の境地に辿り着くコツ」を伝えよう!
言い訳するな!
とってもカンタンです。言い訳をしないことです。
- 「でも」
- 「だって」
- 「しょうがない」
- 「〇〇のせいだ」
と言わないこと。
言い訳とはすなわち、自己正当化。ただ、「自分は悪くありません」と述べるだけです。それでは何の対処にもならないことに気づいて下さい。
ボクの新入社員時代の上司は、とても仕事ができる人でした。
まだ甘ちゃんなボクは、怒られるとついつい、
- 「取引先からのなかなか返信もらえなくて…」
- 「それは〇〇さんに対応を依頼してて…」
- 「電車が遅延して…」
と、言い訳から入っていました。
すると、「言い訳するな!そんな話聞きたくない!!」とよく叱られたものです。当時はなんて理不尽なんだと思いました。その上司に苦手意識すらありました。
しかし、今ならよくわかります。彼の言っていたことは100%正しい。
大事なのは、「この状況にどう対処するのか?」の一点のみ。
いくら言い訳したところで、状況は何にも変わらない。そんな話したところで、1mmも前には進まない。じゃあ、言うだけムダってもんです。
エラく厳しい上司だったんだな
そうだね。でもこの経験があるから、今こうしてビジネスオーナーとしてやっていけてる。感謝してるよ
もし、心の中で言い訳が出てしまったら、自分を「バカ野郎!」と戒めてください。あなた自身に、言い訳が許されない立場にいることを意識させるのです。
そうすれば、早くに自責思考が宿るでしょう。
「命」がかかっていると思え
サラリーマンに自責思考が宿りづらいのは、失敗の痛みを負わないからです。
自分に非がなければ、なんのお咎めも受けない。ばかりか、もし非があっても、毎月の給料は保証されています。生活が脅かされることはありません。
この環境で自責思考が養えるのは、よほど優れた人材だよ。普通はあり得ない
しかしハンドメイド作家を含むビジネスオーナーは、本人に非があるか否かに関わらず、結果が収入に直結します。あなたや家族の「命」がかかっているのです。
「真剣にやる」とは、言葉の通り、本物の刀で斬り合うということ。命のやり取りをするということです。竹刀やチャンバラでは、負けても死にませんし、血も出ません。だから本気になれないのです。
真剣で斬り合う「宮本武蔵」と「佐々木小次郎」のつもりになって下さい。
天気がどうとか、道中山賊に襲われて手負いだとか、腹を壊しているとか、そんな言い訳が通用するでしょうか?あの世へ逝った後の慰めにでもするつもりですか?
命がかかっているからこそ、何の言い訳もできないと自然に自覚します。だから、先の先まで手を尽くそうとするのです。だから、何をしてでも勝ちに行くのです。
ぜひ、あなたの一挙手一投足に、あなたや家族の「命」がかかっていると思って下さい。
勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
これから自責思考で生きていくあなたに、素晴らしい言葉をお教えしましょう。
勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
プロ野球監督 野村克也
元々は江戸時代の大名である松浦清(または松浦静山)の言葉で、のちに野村監督の座右の銘として広く知られるようになりました。
勝つ(成功する)ときは、運や巡り合わせによって、上手くことが運ぶことがあります。というより、100%実力だけ勝つことは基本なく、ほとんどの場合で、運命の女神に愛された結果の勝利です。
これが、「不思議の勝ちあり」の意味することですね。
しかし、負け(失敗)は、必ずその原因を辿ることができます。負けるべくして負けたと確信できる理由があるのです。それは、後から振り返らねばわからない理由かもしれません。しかし、間違いなくあるのです。
これが、「不思議の負けなし」の意味するところです。
とまぁ、これが「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」の一般的な解釈です。しかしこの言葉は、もっと深い意味を求めることもできます。
負けて初めてわかること
実のところ、勝ち(成功)も負け(失敗)も、相当な部分を「運」が支配しています。
ビジネスはまさにそう。ジャンケンやサイコロの目のような、100%運任せではないものの、半分以上は運に身を任せているのです。
例えば、あなたが「ステーキチェーン店の社長」だったとしましょう。
急拡大を目指すあなたは、「マクドナルド」が出店しているエリアを狙って出店する戦略を仕掛けることにしました。
マクドナルドは、最も成功している飲食チェーン一流企業。綿密に出店エリアを調査しているはずなので、そこにそこに乗っかってしまおうという算段です。
試しに数店舗を出店してみると、あれよあれよと売上目標を達成。「これはしめたぞ!」と思い、出店ペースを思いっきり上げました。
するとどうでしょう。次第に苦戦する店舗が続出。
大半の店舗を閉店せざるを得ないはめに。こんなはずじゃなかったのに…。
マクドナルドが出店しているエリアは、確かに良い立地なのでしょう。同じエリアにステーキ店をオープンすれば、それなりにお客さんは集まるのかもしれません。
しかし、マクドナルドとステーキ店では、価格帯も異なりますし、来る客層も異なります。ステーキ店に、マクドナルドに来るような学生やファミリーは来ないでしょう。
ステーキ店なら、ステーキ店に来るようなお客さんが集まる立地を選ばなければなりません。その立地は、必ずしもマクドナルドの立地とは重ならないのです。
実のところ、マクドナルドの近くに出店する戦略は、必ずしも勝率の高い策ではありませんでした。成功した店舗は、たまたま運よく売れていただけだったのです。
これは実際にあった某ステーキチェーン店の話なんだけどね
上手くいってしまっていると、勝因は挙げられても、その裏にある敗因には気づけません。負けてない以上は、負けの理由を挙げようがないですからね。
しかし、上手くいっているときでも、成功の裏に、「敗因につながる要素」を孕んでいます。運によって、その敗因が表に出てこなかったというだけの話です。
何度かトライすれば、確率的にいつかはボロが出ます。負けて、初めてわかる敗因。失敗してみないことには、失敗の理由は見えてこないのです。
不運にも失敗してしまっても、それを、天のせい、人のせい、環境のせいにしない。たまたま見舞われたアクシデントではなく、自分の不得によってなるべくしてなった。
そう自分に言い聞かせるのです。それが、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉なのです。
審判も、人間であるかぎり、間違いはあります。
サッカー日本代表監督 岡田武史
それも含めて、我々は、勝たなければ駄目なのです。
岡田監督は、あるJリーグの試合で、誰の目にも明らかな誤審で敗北しました。その試合後のインタビューで語ったのが、この言葉です。
審判のジャッジは、大抵は正しいもの。しかし確率は低くても、誤ったジャッジをすることはあるでしょう。また国際戦だと、別の思惑でジャッジが偏ることもあり得ます。
「それもこれも、全部ひっくるめての試合である。全てを呑みこんだ上で、勝たなければならないんだ」
これが、岡田監督の覚悟です。なんと清々しく、美しい覚悟でしょうか。ビジネスオーナーたる者、かくありたいものです。
す、スゲェ…。自分に言い訳しないから勝ち続けられるのか…!
- プラットフォームのアルゴリズムが変わったせい?
- 環境が変わったせい?
- 悪い客のせい?
- モラルのない競合のせい?
そんなの関係ない。そんな言い訳はしてはいけない。
全部ひっくるめてビジネスです。全てを呑み込んだ上で、勝ちにいかなければならない。これが、自責思考で生きるということです。
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