ぶっちゃけると、ボクは「ハンドメイド作家」という言葉が好きじゃありません。
このサイト内であなたのことを、「ハンドメイド作家」と呼んでいるのは、便宜上の話。ホントはそう呼びたくはないのです。
実際、ボクは奥さんのことを「ハンドメイド作家」とは呼びませんし、誰かに話すときも「お花の作品を作って、自分で売ってます」と説明しています。
本当は、ボクはあなたのことを、「クリエーター」と呼びたいのです。
じゃあ、そう呼べば良いんじゃないの?
サイト内から「ハンドメイド作家」というワードを消しちゃうと、作家さんが検索からこのサイトに辿り着けなくなるからね…
あなたが、自分のことを「ハンドメイド作家」と思っていたり、お客さんに対してそう名乗ったりしていると、弊害の方が大きいと見えます。
- あなたの作品が安く見られる原因
- あなた自身の成長を阻害する要因
になります。
「ハンドメイド作家と一緒にしないで!」くらいの気概でちょうど良い。
さて、この「ハンドメイド作家」という言葉の何がいけないんでしょうか?
知れば、今日から「ハンドメイド作家」とは名乗りたくなくなるでしょう。あなたの意識が180度変わる転機になるかも知れませんね。
ちなみに、極めて主観的な意見なので、「違う」と思ったらそれでも構わないよ
お客さんは「ハンドメイド」を求めているわけではないから
世の中の多くの人は、盛大な勘違いをしています。
実のところ、ハンドメイドが好きなお客さんなんていません。
いやいや。いやいや、いやいや!
- じゃあハンドメイドのイベントにくるお客さんは?
- minneやCreemaで買い物をするお客さんは?
- ハンドメイドが好きなんじゃないの?
と思ったことでしょう。
ボクの答えは変わりません。ハンドメイドが好きなお客さんなんていません。
お客さんは、「手作り」か「工業製品」かなんて気にしていません。
ただ、工業製品には一定のロット数というものがありますから、経済合理性の観点から、あまりマニアック過ぎる製品は作れません。
そこで、マニアックな品を求めるお客さんが、ハンドメイドに流れてきているだけ。あるいは、機械では再現できない品を求めて、ハンドメイドを選んでいるだけです。
別に、「手作り」を求めてきているわけではないよ
「ハンドメイドが好き」という勘違いは禁物
ここであなたは、こう思ったかもしれません。
「それって結局、そのお客さんはハンドメイドが好きってことなんじゃないの?」と。
ひょっとすると、お客さん自身も「わたしはハンドメイドが好き!」と勘違いしているかもしれませんね。
しかし、お客さんが本当に欲しいのは、
- 魔法使いの気分になれる杖
- ほっこりした気持ちになる動物の刺繍
- モダンな着物に合う髪飾り
なのです。
何度も恐縮ですが、手で作ったかはどうでも良いのです。
「職人が握った寿司」か「機械が握った寿司」かはどうでも良くて、ただ美味しい寿司を食べたいのです。それと同じですよ。
あぁ、ホントだ。手作りとかどうでも良い話だったんだ…
「手作りの温かみ」とか誰も求めてない。「世界で1つ」も印象的にはプラスだけど、それ自体を求めて買うわけじゃないよ
「手作りが好き」と勘違いしてしまっては、お客さんの像を見誤ります。
いかにもな「ハンドメイドの雰囲気」にすれば、「あのお客さん達の誰かは、買ってくれるだろう」という誤解を生むことになります。
しかし実際には、「ハンドメイドの雰囲気」を求めている人はいません。お客さんの欲しいものは、もっと針の穴を刺すようにピンポイントなのです。
素人に毛が生えた程度の印象を与えるから
「ハンドメイド作家」は、「ちょっとミシンが使える素人主婦」くらいの印象に聞こえます。きっと、ボクだけじゃないと思いますよ。
- 子供の「上履き入れ」を作るレベルのハンドバッグ
- カルチャーセンターで習ったフラワーアレンジメント
- 100均のビーズに紐を通したブレスレッド
のような印象を与えてしまうのです。
そこから漂うのは、「安かろう悪かろう」なニュアンス。
- 近所のバザーで買うような
- メルカリで定価の半額で買うような
そんなニュアンスです。
残念ですが、それが「ハンドメイド」という言葉のイメージ。「フリマ」「バザー」「ハンドメイド」は、カテゴリーとしては同じグループにいるのです。
うーん、否定できない。確かに素人臭さは拭えないよなぁ
つまり、「ハンドメイド作家」と名乗ること自体が、「逆ブランディング(マイナスイメージを与える)」になってしまうんですね。
だから、あなたが生活費を稼ぐために貰いたい値段をつけると、「高過ぎる」と思われてしまうのです。
「ハンドメイド作家」も「工芸家」も違いはない
なんとなく、「工芸家」と聞くと、高尚なイメージを思い浮かべると思います。
しかし、「ハンドメイド作家」と「工芸家」に明確な線引きはありません。手で作品を作り、何かを表現しようとしていることに、何の変わりもありません。
やってることは、全く変わらないよ!
もし両者のイメージに違いがあるとすれば、それは取り組み方の違いだと思います。
もちろん、
- 「ハンドメイド作家」は、意識の低い素人仕事
- 「工芸家」は、誇りを持ったプロの職人
という違い(注:あくまでイメージ上の)です。
伝統工芸の流れを汲む工芸作家さんも、やっていることは、あなたと同じハンドメイドです。しかし、自分たちの仕事を「ハンドメイド」とは呼びません。
それが、自分の価値を下げる呼び方だとわかっているからです。
言い訳の拠り所になるから
「ハンドメイド作家」は、いかにも「ビジネスの素人」、というよりも、むしろ「ただの個人」に近い印象を与えます。
イメージ的には、「メルカリの出品者」か、そこに毛が1本生えたくらいでしょうか。
「ちゃんとしたビジネスじゃなくて、あくまで個人ですよ」みたいな感じですね。
それはおかしい。あなたがやっているのは、間違いなくビジネスだ
不用品を売っているわけじゃないもんね。確定申告もしなきゃいけないし
「わたしはただの個人」と線引きしていれば、
- 個人なんで、高いレベルは期待しないでください
- 個人なんで、マーケティングとかよくわかりません
- 個人なんで、トラブル対応とかは難しいです
- 個人なんで、著作権とかよくわかってなくて
と言えるかもしれません。
しかし、
- 「ハンドメイド作家だからしょうがないでしょ?」
という言い訳 - 「ハンドメイド作家にそこまで求めないで」
という逃げの姿勢
が見え透いています。
あなたの元に、新人の銀行員が営業に来たとしましょう。
しかし彼は、ビジネスの話もわからなければ、財務の話も全くわかりません。
「すみません、ボク新人なんで 笑」と言われたらどう思うでしょうか?
- 新人でもプロの銀行員だろ!?
- ちゃんと客に価値を提供しろよ!
- じゃなきゃ役に立たねーんだよ!
と思いませんか?
そろそろ気がついた方が良い。「ハンドメイド作家」と名乗り続けるのは、永遠に「新人なんで」と言い訳し続けることと同じです。
あるいは、「外国人」であることを言い訳に、いつまで経っても日本のルールを守らない迷惑な移住者のようです。
「ガイコクジンナンデ、ニホンノルール、ワカラナイデス」なんて言い訳は、通用しないでしょ?
あちゃー。「ハンドメイド作家」って言い訳感覚で使ってるかもね…
その浅はかなスタンスが、あなたの本気を阻害し、あなたの成長を妨げているのです。
あなたの取り組みは、「メルカリの出品者」と同じレベルでしょうか?違いますよね?
あなたは1人のビジネスオーナーです。わかりやすく言えば、「社長」です。その自覚がない限り、あなたの取り組みは、永遠に趣味から抜け出せませんよ?
あなたは「クリエーター」だ!
「ハンドメイド作家」に代わる呼び名は、「クリエーター」が相応しいですね。
「クリエーター」もかなり広い呼び名ですが、「ハンドメイド作家」のような素人臭さは微塵もありません。
- 「米津玄師さん」もクリエーター
- 「新海誠監督」もクリエーター
- 「尾田栄一郎先生」もクリエーター
まだ駆け出しで1作品も売れていなくても、やっぱりクリエーターです。
「クリエーター」は、懐が深く、包容力のある呼び名なんだ!
創造者であれ!
また、「クリエーター」は、日本語で言えば「創造者」です。
「創造」とは、過去になかったモノを世に送り出すこと。このニュアンスもいいですよね。まさに、あなたがすべき仕事です。
ときに「ハンドメイド作家」というと、悪意のある素人がキャラクター物の布地を使って、堂々と商標侵害しているケースもあります。
それでも、手作りでミシンをガタガタやってる以上は、「悪意のあるハンドメイド作家」という括りになるでしょう。
しかし、クリエーターは「創造」をしているわけですから、誰かを模倣している限り、「クリエーター」を名乗る資格はありません。
きっとあなたは、あなたにしかできない、ユニークで魅力ある作品を作っているはずです。あるいは、作りたいと考えているはずです。
あなたは「クリエーター」を名乗ることで、「わたしはパクリ作家ではない」と意思表明できるのです。「あの意識低い連中とは違うから」と弁明する必要もありません。
あなたの活動をもっとも的確に言い表しているのは、「クリエーター(創造者)」だと思いませんか?
Yes, I am a “クリエーター”!
もっと具体的な肩書をつけよう
大きい括りで言えば、あなたは「クリエーター」です。
うん、いいですね。しっくりきます。
しかし、それでは何をやっている人かわかりません。
プロスポーツ選手が、「職業はなんですか?」と聞かれて、「スポーツマンです!」とは答えませんね。
きっと、「プロ野球選手です」とか「プロゴルファーです」と答えるでしょう。
あなたも同じように、もっと具体的な肩書をつける必要があるでしょう。
「刺繍デザイナー」とか「ワイヤーアーティスト」とか、あなたの活動を言い表すような肩書です。基本的には、この肩書きで活動していくことになります。
よりストレートにブランドイメージを伝えるために、「森の刺繍デザイナー」とか「空想動物ワイヤーアーティスト」とすれば、さらに良いですね。
兎にも角にも、「ハンドメイド作家です♪」などと、名乗らないように!
編集後記:なぜこの記事を書いたのか?
正直なところ、この記事は、全く書く予定のなかった記事です。
あ、もちろんあなたの役に立つと思ったから書きましたよ。しかし、もともと書く想定はしておらず、ふと思い立って書いた記事なのです。
なぜ、わざわざ書いたのか?
それはやはり、「ハンドメイド作家」を名乗る人たちの意識の低さに、憂いを感じたからです。このままでは、真剣に取り組む人たちの足を引っ張ると思ったからです。
平気でよその作家の作品をパクる輩もいます。クリエーターならあるまじき行為だと分かるんですが、ハンドメイド作家様にそういうモラルはないようです。
SNSで平気でグチを垂れ流している作家もいます。しかも裏垢とかじゃなくて、普通にブランドの発信をしているアカウントで。
「え?お客さんの前で、そんな発言するの?」と、あまりの意識の低さに呆然としてしまいます。
元ハンドメイド作家のコンサルとやらも、あまりに低レベルな発信で「これでお金もらうなんて正気か?」と目を疑ってしまいます。他の業界と比べても、際立ってレベルが低いです。
おそらく儲かれば良くて、クライアントの成功なんて二の次なんでしょう。だからあんないい加減さで、客を募集できるのです。ボクにはとてもマネできません。
どうやら、「ハンドメイド作家」を自称する人々は、意識もモラルも実力も欠如している人が多いようです。「転売ヤー」と大差ない民度でしょう。
これからハンドメイドを真剣に始める作家さんは、やはり「自分はハンドメイド作家」と認識して、そういう意識もモラルも実力もない人を先輩として見てしまいます。
そうなっては、いくら真面目な作家さんでも、粗悪な人たちに毒されてしまいます。中には、道を誤ってしまう作家さんもいるでしょう。ボクにはそれが許せないのです。
これは、「近所で悪評高い不良高校」へ進学しようとする子へ、「そこはマジでやめとけ!せめて、もう1つ上の高校にしとけ」とアドバイスする親心のようなもの。
ボクに「親心」とか言われてもウザいでしょうが、みすみす堕ちていく(かもしれない)あなたを見たくないので、この記事を書くことにしました。
この記事を読んだあなたが、「ハッ!」と気づいて、道を誤らないことを祈る!
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