現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
ハンドメイド作家さんは、SNSを見る機会も多いですよね。
SNSで流れてくる情報はと言えば、「30万稼いだ!」「50万!」「わたしは100万!」と、お金の話ばかりです。どんな業界もあまり変わらないように思います。
そんなお金の話を見るたびに、
- 「うらやましい」
- 「あんなヤツがなんで…」
- 「わたしよりずっと年下があんなに稼いでるなんて…」
- 「それに比べて今のわたしは…」
と、心にイヤなざわめきを覚えているのではないでしょうか?
あぁ、正直に言えば、そう思うこともあるよ…
ハンドメイド作家は、「お金!」なタイプじゃない人が多いと思います。それでも、これだけお金の話ばかり聞かされては、心が銭で埋め尽くされるのも無理ありません。
ハンドメイド作家というよりは、1人の人間として、「お金」とどう向き合っていくか。ボクなりに意見を述べようと思います。
お金に支配されて、がんじがらめになっているあなたが、お金から「人生の主導権」を取り戻すお手伝いをしたいと思っています。
以前のボクは、割と給料の高い大企業に勤めていました。お金だけで言えば、サラリーマンを続けていた方が、はるかに安定していたと思います。
でもそんなキャリアは、ポイっと捨てました。最悪の時で、収入は月1万円くらいまで落ちましたね。
それでもボクは、過去の決断を後悔したことはありません。むしろ、人生最良の決断だったと思っています。
別に、「サラリーマンやパートを今すぐ辞めろ!」と言いたいわけじゃないですよ。清貧になれとも言っていません。
ただ、お金を最優先に考えることが、必ずしもあなたにとって最善の道ではないと言いたいだけです。
もしあなたが「お金」に心を乱されているなら、一読する価値はあると思います。
なぜ人は、「お金」が全てになってしまったのか?
「人生=お金、じゃない」「お金=幸せ、ではない」、誰しもそう思っているでしょう。
しかし、あなたが実際に取ってきた行動を振り返ってみてください。
- 時給良いバイト先を選び
- 比較的家賃の安い家に住み
- 収入の安定した就職先を探し
- 年収の高い企業に受かった友人に「おめでとう」と言う
大人になってから、銭勘定抜きで決断したことが一度でもあったでしょうか?
嗚呼、なんとお金に支配されてきた人生か。
だからこそ、「お金が全てじゃない!」と、自信を持って言い切ることができないのです。どこか歯切れの悪い意見しか言えないのです。
別にあなたを説教しているわけじゃないよ。ボクだってずっとそうだったから
お金が「万物の尺度」と見なされているから
「お金」とは何とも不思議な存在です。
お金には、世の中に存在する全く異なるものを、統一的に、かつ誰の目にも明らかな数値に変換する機能を持っています。
- 人の才能も
- 努力の末に培ったスキルも
- 食べ物の美味しさも
- 乗り物の移動距離も
- 土地の広さも
- 罪を犯した代償も
- あなたの時間も
全て1つ単位で測れます。
「メートル」や「秒」のように、何か1つの尺度しか測れない単位とは、根本的に異なっています。その汎用性の高さは、唯一無二の存在ですね。
実際には万物の尺度ではないんだけど、あたかもそのような扱いを受けているよね
世の中には、お金で数値化できないものも少なからずあります。しかし数値化できない以上、比較することが難しいがために、重要視されないのです。
結果として、価値の高い低いを簡単に比較できる、「お金」という便利な尺度に頼ってしまうわけです。
お金は人生にずっと付きまとうから
昔を思い起こせば、「足の速さ」が、人間の価値を決めていた頃もありました。「テストの点数」が、人間の価値を決めている頃もあったかもしれません。
しかし、足の速さなんてのは、小学校を卒業する頃には、大した意味を持たなくなっています。テストの点数も、学生時代までですね。
もしお金が、「足の速さ」や「テストの点数」のように、いつしかどうでも良くなる尺度であれば、誰も心を囚われることはなかったでしょう。
しかし厄介なことに、お金は、一生あなたの生活に付きまといます。
- 家に住むのもお金
- 水道を捻るのもお金
- お湯を沸かすのもお金
- ご飯を食べるのもお金
- お祝いで渡すのもお金
- 老人ホームに入るのもお金
- 葬式をあげるのもお金
あれもこれもお金。ゆりかごから墓場までお金。
もちろん、人の生活がこれほどお金に依存するようになったのは、お金が万物の尺度のごとく扱われていることと一体ですね。
結果として、「あなたはお金が全てじゃない」と知りつつも、同時に「お金より大事なものなんてあるんだろうか?」と思っているわけです。
結局、なんでもお金だもんなぁ
お金は生きる「目的」にならない
こんな記事まで書いて、「人生はお金が全てだから、全身全霊でお金を追いかけろ!」なんて言う訳ありませんね。もちろん、その逆を言いたいのです。
そう。ボクはあなたに、「お金が第一」という考えから抜け出して欲しいのです。
お金は「手段」に過ぎない
世の中の多くの人は、企業の目的は「利潤の追求だ」と言います。要するに、「企業は儲けてナンボ」と言っている訳です。
しかしドラッカーは、その意見を厳しく批判しています。あの「もしドラ」のドラッカーですね。名前くらい聞いたことがあるでしょう?
利益とは、企業存続の条件である。利益とは、未来の費用、事業を続けるための費用である。
ピーター・F・ドラッカー『マネジメント』
ドラッカーは、企業(あるいは事業)の目的は、「社会貢献」であると説きます。
ここでの「社会貢献」とは、砂漠に木を植えるとか、アフリカの子供に靴を送るとかに限りません。それぞれが信じる道で、世界をより良くする活動の全てを指しています。
そして、利益は、あくまで社会貢献をするための運転資金であり、社会貢献を継続するための手段でしかないと言うのです。
なんと美しく、清々しい考え方!
最高だよ、ドラッカーさん!
世の中には、「とにかくお金じゃあ!!」と言って憚らない経営者もいます。しかし、そういうリーダーは部下からも客からも好かれず、長続きすることはありません。
渋沢栄一も、松下幸之助も、稲盛和夫も、世界をより良くするために事業を興しました。決して、お金を目的に据えることはありませんでした。だから愛され、慕われ、成功できたのです。
あなたは「幸せ」になるために生きている!
ドラッカーの慧眼は、そのまま1人のハンドメイド作家である「あなた」にも当てはまります。
あなたは、あなたの人生をより幸福にするために生きていて、お金はその運転資金に過ぎないのです。
「幸福」は、人によってカタチが違いますね。
- 南の島でゆっくりとした時間を過ごす生活
- アルプスの山々を駆け巡るエネルギッシュな生活
- 年がら年中、ずーっと釣りをする生活
- 子供の成長を間近で見守る生活
- 都会で最先端に触れ続けるエキサイティングな生活
- 研究に明け暮れ本の虫になる生活
- 大好きなモノづくりに没頭するマイペースな生活
どれもが正解です。
その幸せな生活を送るために、それぞれの生活に見合った「お金」が必要なだけ。あなたは決して、お金のために生きているわけではありません。
わたしは、わたしと家族の幸せのために生きている!
他人と比べる必要はない!
もし人生に勝ち負けがあるなら、幸せな人生をまっとうした人が勝者でしょう。
人生は、「死ぬまでに何円稼いだか?」を競うゲームではありません。一人ひとりが、数値化できない自分だけの「幸福」を追っているのです。
あなたが人生に勝つか負けるかは、あなた個人か、せいぜい家族だけが関係する話。赤の他人がどう生きるかとは、一切関係ないのです。
学生時代のクラスメイトが、どんなにお金を稼いでいようが、どんな金持ちと結婚しようが、あなたには全く関係ないことです。
仮に年収100万円であっても、あなたが幸せだと思う生活を手に入れたなら、あなたは勝ちなのです。誰が何と言おうが。
ビジネスでも人生でもそうなんだけどさ、比べたり競ったりした時点でズレてんのよ。それぞれ目指すゴールが違うんだからさ
あなたの幸せにはいくら必要?
あなたは自分の人生を幸せにするために生きています。あなたに守るべき家族がいるなら、家族の幸せまで含めて、あなたの幸せということになるでしょう。
さて、その生活にはいくらのお金が必要でしょうか?
仮のその境界を、「幸福収入ライン」と呼ぶことにしましょう。便宜的に考えた造語なのですが、この記事ではこの用語で通すことにします。
「幸福収入ライン」に達するまでは、お金を稼ぐことは、優先順位の高い行動になります。自分の時間をいくらか犠牲にしても、致し方ないでしょう。
しかし、「幸福収入ライン」を超えた後の収入は、あなたの幸福にそれほど寄与しません。その先は、何かを犠牲にしてまで稼ぐ必要のない領域です。
欲望に優先順位をつけよう
99%の日本人は、「幸福収入ライン」を高く設定し過ぎていると思います。
だからいつまで経っても、幸福収入ラインを超えることなく、あくせく銭勘定ばかりしなければならなくなるのです。
- しょっちゅう海外旅行に行って
- しょっちゅう高級な寿司を食べて
- 食べ物は全部オーガニック食材で
- 都心の一等地に家を買って
- ペットを2匹飼って
- 高級車に乗って
- ブランド物のダウンコートを着て
- 子供を小学校から私立に通わせて
そんな多くの人が羨む生活。確かに、人生をいくらか幸せにしてくれるかもしれませんね。ボクだってできるなら、(いくつかは)そうしたいかもしれません。
まぁ、確かに悪くはないよね
しかしそれは、「あなたの幸せ」にとって、どれほど大事なことでしょうか?
1番目、あるいは2番目に大事なことですか?
あれもこれもと、欲望のままに求めていては、いつまで経っても「幸福収入ライン」に達しません。それどころか、収入が上がるにつれて、幸福収入ラインもどんどん上げてしまっているのが実状。
だから、「年収1,000万円でも足りない!」なんて言う人が出てくるんだね
先ほども言いましたが、あなたの幸せは、あなた自身が決めること。周りもそうしてるからとか、世間一般の価値観だどうとかは、一切関係ありません。
欲望に優先順位をつけて、あなたの幸せの必須要件だけを選び抜かなければ、あなたは一生お金に支配される人生を送るでしょう。
もしペットがあなたの幸せにとって不可欠なら、飼えば良いでしょう。子供の安全を考えて、私立の学校に通わせるべきと考えるなら、それも良いと思います。
それなら、相対的に重要でない高級車やブランド物のダウンコートは、必須要件からは落としましょう。
あなたにとっての幸せを定義しよう
いまあなたは、こう思っているのではないでしょうか?
- 「わたしにとっての幸せって、一体何なんだろう?」
- 「優先順位って、どうつけたら良いのだろう?」
無理もありません。ざっと9割以上の日本人は、自分の幸せを定義していないのですから。
嫌なことから考えよう
「わたしの人生、何ができたら幸せかな?」と考え始めると、ドツボにハマります。
こう考えると、ボクだって
- 家族で海外旅行に行けたらいいな
- 毎週うな重が食べれたらいいな
- 英語が話せたらいいな
- デザイン家具に囲まれた仕事部屋にできたらいいな
と思ってしまいます。
しかし、それがどれほど大事か、どれほど優先順位の高いことなのかと聞かれると、答えに窮してしまいます。
ここは逆説的に考えましょう。
あなたが「やりたくないこと」「絶対に避けたいこと」を列挙していくのです。
これらをひっくり返した状態が、あなたにとって本当に幸せでしょう。
例えば、↓は随分前、ボクがまだサラリーマンのときに列挙した嫌なことリストです。
(例)なおが昔掲げた「嫌なこと」
- 通勤で何もできない時間がもったいなくて嫌
- チャットやメールで集中を乱されるのが嫌
- じっくり考えられない環境が嫌
- 電話が嫌い。かけるのもかかってくるのも嫌い
- お客さんと話すのは好きだけど、ノルマで追われるのは嫌
- 深夜まで残業はありえない
- 有給取っても電話やメールをチェックしなきゃいけないのが苦痛
- 日程調整がダルくて嫌い
- 嫌いな人と仕事したくない
- 疲弊しすぎて、電車でお年寄りに席を譲れないのは人として間違ってる
これをひっくり返したのが、ボクにとっての本当の幸福なわけです。最も嫌なことを避けることが、最も優先順位の高い望みなわけです。
(例)なおが昔考えた優先順位の高いこと
- 家族と過ごす時間を1番大切にする
- 自分1人で全て意思決定できる仕事をする
- どこにいてもできる、場所に寄らない仕事をする
- 働く時間は全て自分で決める。休みも自分で決める。休まなくてもいい
- 人脈は最低限にする。人脈ありきの仕事は無し
いま見返すと、昔嫌だと思ったことは、全部ボクの人生から消え去っていますね。だから今は完全にノーストレス。心やすらかな人生を手に入れられました。
英語が話せるとか、うな重が食べられるとか、もちろんそうなるに越したことはありません。しかし、叶わなかったとて、どうということもない。
どうということもない願望のために、短い人生を切り売りするのは馬鹿げています。幸福度の収支で言えば、マイナスの方が大きくなってしまいますから。
優先順位の低い「見せかけの願望」に惑わされないこと!
あなたの幸せに必要な金額は意外と少ない?
ぜひ、あなたが幸せに暮らせる「幸福収入ライン」を考えてみてください。
- 屋根のある家で、温かいご飯が食べられて、安全に暮らすことができる
- その上で、1つか2つ、せいぜい3つ、自分にとって最も大事な望みだけを叶える
そんな生活に、年間あるいは月間で、いくらのお金が必要でしょうか?
他人の目も世間体も、一切気にする必要ありません。隣の家より安い車に乗っているとか、実家に頼ることになるとか、毎年同じ服を着ているとか、そんなのはどうだって良いことです。
あなたの最優先事項が、「他人からよく見られたいこと」であれば別ですが、きっとそうではないでしょうから。
賭けても良いですが、あなたが幸せに暮らせる「幸福収入ライン」は、それほど高い金額にはならないでしょう。平均的な世帯年収と、そう変わらない額で収まるはずです。
これが「足るを知る」ということだよ
嫌儲バイアスを乗り越えよう
「嫌儲(けんちょ/けんもう)バイアス」という言葉をご存知でしょうか?心理学っぽい用語ですが、ネットスラングから生まれた造語です。
意味は、「お金儲けが汚い、あるいは道徳に反している」ように思ってしまう心理を指します。日本人っぽい感覚かもしれませんね。
もしあなたが、理由もなく、「わたしの作品をこんな値段で売って良いのかな?」と考えているようなら、あなたも嫌儲バイアスに陥っている1人でしょう。
清貧に陥るな
ボクはここまで、「あなたの生きる目的は”お金”ではない!」と言い続けてきました。しかし、お金を稼ぐことを避けろとは言っていません。
むしろ、あなたが幸せに暮らすための「幸福収入ライン」に達するまでは、積極的にお金を稼ぐべきだと言っています。
お金を稼ぐことを後ろめたく思うようになれば、当然お金はあなたから離れていきます。あなたが幸せに暮らすために必要なお金も、遠のいてしまうのです。
ビジネスでお金を貰うのは良いことだ
むしろ、ビジネスでお客さんからお金をいただくことは、素晴らしいと思いましょう。
お客さんも、あなたと同じように、自分の人生の幸せのためにモノを買います。高い金額を払うとすれば、それはそれだけ大きな幸福をもたらすと判断したからです。
あなたが誠実な商売をしている限り、「高く売れる」ということは、それだけあなたがお客さんに、大きな幸せを届けたことの証なのです。
「こんなに貰ってしまって良いのだろうか?」と、後ろめたく思う必要はありません。もちろん、こちらから値下げする必要もありません。
堂々と胸を張って、「ありがとうございました!」と言えば良いのです。
ボクは15歳のとき、初めての日雇いバイトで、ポンと1万円を手渡されたんですね。思わず、「こんなに貰っていいんですか!?」と言ってしまったんですが、当然堂々と貰えば良いのです。
ハンドメイド作家のモデルケース
あなたにとっての幸せが何かは、ボクにはわかりません。ただ、ボクがこれまで話してきたハンドメイド作家さんから、おおよそのパターンは想像できます。
ここは1つ、具体例をイメージできるモデルケースを提示してみましょう。
あなたが女性で、会社員の旦那さんと、2人の子供がいると仮定します。(違う構成でも良いのですが、割合的に子持ちのお母さんが大多数だったので)。
あなたにとっての幸せは?
もしあなたが、ボクが今まで話してきた作家さんと同じようなタイプなら、きっと無心で作品を作っている時間が1番幸せなのではないでしょうか?
- マイペースにモノづくりをやっていたい
- 自分らしい作品を作りたい
- 生涯現役で製作を続けたい
- 作った作品でお客さんに喜んで欲しい
こんな感じですね。慎ましくも、実に正直な意見だと思います。
こんな望みを叶えるのに、それほど大きな金額は必要ありません。というより、普通の家族が暮らしていく金額と、ほとんど変わらないでしょう。
必要な生活費は?
必要な生活費は、大体月20〜30万円くらいでしょう。住居費の割合が大きいので、主に住むエリアによって開きが出ると思いますが、大体この範囲じゃないでしょうか。
ただ一時的に飛んでいくお金(例えば家電の買い替えとか、引っ越しとか)もあるので、もう少し余裕が必要です。あと、将来のための貯蓄もいくらかは必要でしょう。
そうすると、正味で必要な金額は、世帯で月30〜40万円といったところでしょう。サラリーマンの感覚だと、世帯年収で500〜700万円くらいですかね。
このくらいまでは、夫婦力を合わせて、何とかして稼がなきゃいけないと思います。逆に、これ以上は、お金のために時間を犠牲にする必要はないでしょう。
まぁ絶妙なラインだよね 笑
決してラクとは言えないけど、すごく難しいわけでもない。ごく普通のラインだね
贅沢は好きなことで稼いだお金で
ボクが口酸っぱく言っているのは、優先順位の低い望みのために、イヤイヤお金のために働く必要はないということ。贅沢をするなと言っているわけではありません。
好きなことで稼いだお金で贅沢をするなら、何も言うことはありません。あなたであれば、ハンドメイド作品を売ったお金で贅沢するなら、こんな幸せはないでしょう。
ボクは今更サラリーマンに戻るくらいなら、永遠にうな重を我慢しても良い。でも、フリーで余裕が出るくらい稼いだら、ご飯の下にも鰻が敷いてあるうな重を、思う存分食べてやろうと思います。
ずっと「うな重」言ってる。元太なのか?
最低限のお金の勉強を
お金に振り回されずに生きていくには、ある程度お金の知識が必要です。「マネーリテラシー」というやつですね。
あくせく働く仕事と違い、お金に関しては、どんな形で置いておくかだけで、価値が増えたり減ったりします。ちょっとした知識の差だけで、天と地ほどの金額差が出ます。
マネーリテラシーがある人は、何もしなくてもお金が増えていくのに対し、マネーリテラシーがない人は、どんどんお金が減っていくのです。
逆説的とも言えますが、お金に振り回されない人生を手に入れるためには、お金を知って、お金を味方につけなければならないのです。
ボクが思い切って会社を辞めれたのも、完全にマネーリテラシーのおかげだからね
現金の価値は目減りする
例を出しましょう。
あなたは今、「500万円」の現金を持っています。それを「20年間」寝かせるとしましょう。インフレ率は年2%で、株式は年利5%とします(*極めて現実的な設定です)。
「現金」で持っていた場合
20年後も、「額面500万円」のままです。ただし、インフレ率の分だけお金の価値が下がっているので、「正味334万円」となります。
「株式」で持っていた場合
20年後も、「額面1,327万円」まで増えます。ただし、インフレ率の分だけお金の価値が下がっているので、「正味903万円」となります。
ただ持ち方が違うだけで、実に「2.7倍」の差になってしまう!
現金、めっちゃ損してるぅぅ!!
円安であなたの資産は溶けている
昨今は、円安が進行していますね。大体1ドル100円だったのが、今や1ドル150円が当たり前。見方を変えると、100円=1ドルが、100円=0.67ドルになってしまったわけです。
あなたの全資産が円建てならば、額面は同じでも、正味の価値は-33%のマイナスを食らっています。1,000万円の貯金が、667万円に溶けてしまったようなもの。
もしあなたが、資産の半分をドル建てで持っていれば、両者はプラスマイナスは行って来いでした。正味の資産価値は、下がらずに済んだのです。
ウチはドル建て資産の方が多いから、むしろ円安で増えちゃってるけどね
複利効果の威力を知ろう
利息で増えたお金にも、さらに利息がつくことを「複利」と呼びます。反対に、利息分には利息がつかないことを「単利」と呼びます。
普通、投資リターンは、「複利」で増えていきます。
1960年、池田勇人首相は、「所得倍増計画」を打ち出しました。年平均10%の経済成長を続けた結果、7年で国民所得は2倍になりました。単利なら10年かかりますが、複利なので7年で達成しています。
この複利効果は、2年や3年では大した変化になりません。しかし、10年、20年、30年と長期になるにつれ、雪だるま式に増えていくと、暴力的な威力を発揮します。
以下は、株式投資を想定して、「100万円」を年利5%で運用した場合の推移です。
年数 | 元本+利息(円) |
---|---|
1年後 | 1,050,000 |
2年後 | 1,102,500 |
3年後 | 1,157,625 |
4年後 | 1,215,506 |
5年後 | 1,276,282 |
6年後 | 1,340,096 |
7年後 | 1,407,100 |
8年後 | 1,477,455 |
9年後 | 1,551,328 |
10年後 | 1,628,895 |
11年後 | 1,710,339 |
12年後 | 1,795,856 |
13年後 | 1,885,649 |
14年後 | 1,979,932 |
15年後 | 2,078,928 |
20年後 | 2,653,298 |
25年後 | 3,386,355 |
30年後 | 4,321,942 |
後半の伸びがスゲェな!
だから投資は早めに始めた方が良いのよ
お金を味方につけるためにできること
もし上記の話を難しく感じたなら、残念ながらマネーリテラシーが足りていません。気づかないうちに、あなたの懐からお金がスルスルと抜けていっています。
反対に、あなたが最低限のリテラシーを持ってお金を扱えば、お金は減るどころか、どんどん増えていきます。
本サイトは「お金」がテーマではないので、あまり具体的な話はしません。「〇〇で証券口座を開設しよう!」とかも言う気はないです。
ただ、↓くらいは理解しておいた方が良いと思うよ
資産の全額を「円」で持たない
投資の世界には、「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります。すべての卵が乗ったカゴをひっくり返せば、全てが台無しになるぞ?という忠告です。
「円」しか持っていないとは、資産を全額「円」に投資していると同じことです。つまり、卵を1つのカゴに持っちゃっている状態です。
「円」が紙切れになる未来は想像できませんが、暴落する可能性はあります(現になってますし)。円が値下がりすれば、あなたの資産は大ダメージを受けるわけです。
もちろん、円高に触れれば、円の資産価値は上がります。しかし、それはただのバクチでしょう。
あー、投資してない人は、「円」に全額ベットしてるってことか
全額「円」で持つのは、安全とは程遠い大博打なんだよ
インフレに強い資産も持っておく
日本は失われた30年で、物価も給料も上がらない時代を過ごしました。そのため、「物価が上がっていく」という感覚に乏しいかもしれませんね。
しかし、本来物価とは上がっていくもの。日本の平成の30年間の方が例外なのです。
物価が上がるということは、額面が決まった資産の価値が下がるということです。例えば、現金や債券ですね。これらはインフレで価値が下がる資産です。
一方で、株式や実物資産(金や不動産)は、長い目で見れば、インフレと一緒に値段が上がっていきます。こういうインフレに強い資産も持っておくべきでしょう。
NISA
NISAは、非課税で投資できる制度です。本来なら儲けた分の約20%が税金として差っ引かれるのですが、これが0で済むのです。
ちなみに、「株って、上がることもあるけど、下がることもあるんでしょ?リスクが怖い」と思っている人もいると思います。それも大分誤解がありますね。
確かに、1銘柄に絞ったり、短期間で見たら、元本割れのリスクはあります。しかし、10年20年のスパンで市場全体を見渡せば、元本割れのリスクは限りなく0に近く、大抵は数倍の価値に膨れ上がります。
インデックス投資のように、個別銘柄を選ぶ必要のない投資もあります。それでも年平均リターンは5〜7%ほど。これが無税です。
美味しさしかない制度だと思うけどね?
やらない理由がない(あくまで自己責任だけど)
確定拠出年金(401K)の設定変更
いくつくかの会社では、「確定拠出年金」という制度があります。米国の同等制度の名称から、「401K」と呼ばれることも多いですね。
「確定拠出年金」は、会社側が毎月の給料とは別に、年金用にお金を積み立ててくれる制度です。このお金は、60歳以降に引き出すことができるようになります。
で、そのお金を自由に投資できるのですが、デフォルトの設定は定期預金になっています。現金とほぼ同じで、ゴミみたいな利息しかつきません。
あなたが定年間近で、まもなく年金として引き出すなら、定期預金でOKです、しかし、引き出しまで10年、20年、30年あるなら、機会損失でしかありません。
今すぐに、他の銘柄に変更するべきです。ほったらかしているサイトにログインして、ポチって設定を変えるだけ。これだけで、未来にもらえるお金が増えるんですよ?
ボクは全世界株式インデックスにしてたよ
今はiDeCoにスライドしてるけど、銘柄はそのまま変えてない
サラリーマンは4-6月の給与に注意
あなたがサラリーマンであるなら、社会保険と厚生年金に加入しているはずです。
社会保険と厚生年金の金額が何で決まるかというと、毎年4月・5月・6月の所得の平均値(「標準報酬月額」と呼ぶ)で決まります。
つまり、4-6月に稼ぎすぎると、社会保険料と厚生年金が高くつくということ。なので、4-6月は極力残業しないことをオススメします。
また、この「標準報酬月額」のムカつくところは、なぜか給与だけでなく、交通費などの立替費もカウントしてしまうこと。4-6月は、経費精算もやめておきましょう。
あれ?割と重要なのに、あんま知られてないよね?
借金の繰上げ返済は待った
貯金に余裕が出てくると、借金を繰上げ返済したくなりますよね。ボクは借金したことはないのですが、仮にしていたなら、早くスッキリしたい気持ちになると思います。
しかし、金利がそれほど高くないなら、繰り上げ返済は機会損失です。
株式インデックスの年平均リターンは5〜7%。借金の利息が5〜7%より低いなら、借金は返済せず、そのまま投資に回した方がお得ですよね?
ふるさと納税
今更言うまでもないですが、自己負担2,000円でたらふく飲み食いできる制度なので、「美味しい」以外の言葉が見つかりません。
ただ、ふるさと納税は住民税の再分配制度ですから、寄付すればするほど、自分の住む自治体の財源が減っていくことになります。
制度自体に賛同していない人も多いみたいですね。ボクはあまり気にしませんが。あなたの考え方にお任せします。
とりあえず、お得なのは間違えない
まとめ
今回はハンドメイドとは直接関係ない、お金の話をしてみたよ
ハンドメイド界隈でも、「いくら稼いだ(すごいだろ?)」みたいな話ばっかだから、いやんなっちゃうよ
多くの日本人は、お金に支配されて生きていますね。ゆりかごから墓場まで、とにかくお金。お金で得するか損するかで、行動のほぼ全てを選択しているようです。
しかし、お金というのは、あなたが幸せに生きていくための必要経費です。とっても重要ではありますが、あくまで手段であり、生きる目的にはなり得ません。
そして、あなたが幸せな生活を送るのに、それほど多くのお金は必要ありません。
雨風しのげる家があって、温かいご飯が食べれて、安全に暮らすことができる。まずはこれがベースです。そのベースの上に、あなたにとって本当に大事なことが、2つか3つ乗っかれば、十分に幸せに生きていけるのです。
それ以上の贅沢は、人生に幸福はもたらすかもしれませんが、その元手を稼ぐために貴重な時間を犠牲にするなら、むしろマイナスの方が大きいでしょう。
お金に振り回されないためには、
- 欲望に優先順位をつけて、本当に大切なことだけを選び抜く
- 正しいマネーリテラシーを身につける
が大切ですね。
2500年前の兵法家の孫子は、「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」という言葉を残しました。
お金と人生の文脈で言い換えれば、「敵(お金=マネーリテラシー)を知り、己(自分の欲望の優先順位)を知れば、人生は健やかなり!」といったところでしょう。
ぜひこの記事を読んだら、実践に移してください。そうして、あなたはようやくお金から解放され、人生の主導権を取り戻すことができるのです。
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