

「松竹梅の法則」は、もうみんな知ってますよね。
3つのグレードを用意すると、真ん中が選ばれやすくなる現象です。ビジネスの文脈では、主に客単価アップ施策として用いられます。

うんうん、それは知ってるわ
でもですね、松竹梅のポテンシャルはそんなものじゃないですよ。その心理構造をより理解することで、もーっとポテンシャルを引き出せます。
単に「真ん中が売れやすくなるんでしょ」程度の知識レベルじゃあ、まだ「松竹梅マスター」にはなれませんね。
例えば、こんな話は知ってます?
- 実は「2択」でも効果あり!
- でも「4択」はイマイチ!?
- 3択は、「下・並・上」か「並・上・特上」か?
- 伝える順番は、「松→竹→梅」か「梅→竹→松」か?
- そもそも、どうやって3グレードで商品を作るか?
知らないでしょう?
もっと深く知りたくなってきましたね?
では、始めていきましょう。松竹梅の法則を100%使いすためのレッスンを。
(改めて)松竹梅の法則とは?

改めて、「松竹梅の法則」とは、選択肢に3つのグレードがある場合、真ん中の選択肢が選ばれやすくなる心理現象です。
元々「松・竹・梅」は、宋時代の画材がルーツと言われています。この時点では、上下関係はなく、「犬・猿・きじ」のように「3種類あるよ〜」くらいの話でした。
「松・竹・梅」にランクの意味づけがされるようになったのは、江戸時代のこと。
お寿司屋さんで、「並・上・特上」のメニューがあると、人情的に安い「並」は頼みづらい。そこで、「並→梅」「上→竹」「特上→松」とラベリングして、気軽に「並」を頼めるように配慮したわけですね。
そんなんわけで、「松竹梅の法則」は、おそらく日本でしか使われていない呼び名。ワールドワイドでは「ゴルディロックス効果」と呼ばれています。
「ゴルディロックス」とは、日本ではあまり馴染みのない「ゴルディロックスと3匹の熊」という童話の主人公の女の子のニックネームです。
この女の子が留守のクマ宅に侵入し、勝手にベッドで寝たり、スープを飲んじゃったりするんですね。それで、必ず真ん中の選択肢に手をつけるんです。

どうでも良いんだけど、ゴルディロックスの童話は、何を伝えたいのかよくわからん話だ
なんで真ん中が選ばれやすくなるのか?
松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)は心理学で解き明かされた現象なので、そのメカニズムも、心理学の知見で説明されています。
人間の脳には、極端な選択肢を嫌う「極端回避性」という性質が備わっています。カンタンに言えば、端っこの選択肢を嫌うんですね。
イメージ的には、オリンピックの演技系競技の採点。5人の採点者がいたら、1番低い点数と1番高い点数は切られて、中3人の点数だけで評価します。この感じに近い。
例えば、次の3択があったとしましょう。
- 松:最高スペックPC→30万円
- 竹:標準スペックPC→18万円
- 梅:エントリーモデルPC→10万円
自分に必要なPCのスペックを完全に把握している人は、迷わずに必要十分な選択肢を選び取るでしょう。
しかし、ほとんどの人は、自分にどれほどのスペックが必要かわかりません。また、今は必要なくても、「先々に動画編集もやるかも?」とか考えていると、余計に定りません。
心理的にはこう考えます。
- 「松に30万円も払った挙句、全然そのスペックは必要なくて、お金をムダにしたくない」
- 「でも、梅を買って、スペック不足でやりたいことができないのも困る」
こうなると、真ん中を選ぶのが1番リスクが低いわけです。
「無難に真ん中かなー」という心理が、まさに松竹梅の法則で説かれている心理なんですね。

保守的に考えた結果の「竹(真ん中)」なんだね
松竹梅の活用事例
松竹梅の法則の事例で有名なのが、「オリジン弁当」。
オリジン弁当を展開するオリジン東秀は、それまでは幕の内弁当を1種類(450円)だけを展開していました。
それを2012年に、
- 並(450円)
- 上(490円)
- 特上(690円)
と3種類に増やしたところ、上(490円)が1番の売れ筋に。
幕の内弁当の売れ行きは、対前年度比78%増になったそうです。

iPhoneのラインナップやVODの料金プランも、松竹梅になってるよ!
松竹梅の法則をもっと詳しく!

前の章は、一般的な松竹梅の話。
ここからは、さらに突っ込んで、ほとんどの人が知らない領域に入っていきます。

ここからが面白い話だ!
「松・竹・梅」の比率の話
「松・竹・梅」の選択肢を設けると、
- 松:2割
- 竹:5割
- 梅:3割
の比率に収束すると言われています。
なので、真ん中の「竹」が多いといっても全体の半分で、他の選択肢が売れないわけではありません。

あくまで期待値の話だから、もちろんここから差が出ることはあるよ
値段差の話
ソースを忘れてしまいましたが、松竹梅の値段差にも基準値があります。
- 松:5(例:10,000円)
- 竹:3(例:6,000円)
- 梅:2(例:4,000円)
この値段差の比率が、バランスの取れた3グレードになるわけですね。居酒屋のコースメニューも、大体こんな感じでしょう。
多少ズレても良いのですが、もちろんこの比率には意味があります。
「松30,000円:竹6,000円:梅4,000円」だったとすると、「松」が高すぎて、事実上2択になってしまう恐れがあります。
2択にすると、安い方が選ばれやすくなります。結果として、単価の低い「梅」の比率が上がってしまうでしょう。
逆に、「松10,000円:竹6,000円:梅1,000円」と、「梅」が安すぎると、もはやこのお店の提供する価格帯がよくわからなくなってしまいます。
「え?10,000円のメニューがあるのに、1,000円のメニューもあるってどういう店?」と。ブランドの品位を落としてしまうかもしれませんね。
差が少ない分には、あまり問題になりません。
- 松:16,000円
- 竹:13,000円
- 梅:10,000円
でも、松竹梅は十分に機能します。
過度に気にする必要はありませんが、「松5:竹3:梅2」を大きく超えて差をつけない方が良いでしょうね。

基準があった方が、値段を考えやすくて良いね!
「下・並・上」ではなく、「並・上・特上」
世間一般では、「竹(真ん中)を売るために梅と松がある」みたいな論調ですね。なので、1番売りたい商品を真ん中の「竹」にすると。
この考え方でいくと、ラインナップは「下・並・上」ということになります。
まぁ、それでもダメじゃないです。後ほど解説しますが、それでも「並一択」よりは売れます。
しかし、ちょっともったいない。「真ん中」に寄せられるのに、真ん中を「並」にしたんじゃ、客単価アップにならないじゃないですか。
そうじゃなくて、「並・上・特上」にするんですよ。
イメージ的には、
- 松:豪華海鮮コース+飲み放題(10,000円)
- 竹:旬のお魚コース+飲み放題(6,000円)
- 梅:旬のお魚コース(4,000円)
みたいな感じですね。
わざわざ下等なメニューとして、「お手軽コース(2,500円)」を付け足す必要はありません。
そうではなく、「特上」を見せ球にして、「並」を「上」に引き上げさせて単価アップを狙うのです。
見せる順番は、「松→竹→梅」
ちょっと細かい話になりますが、「松・竹・梅」の選択肢を、どの順番でお客さんに見せるか?についても触れていきましょう。
結論から言うと、「松→竹→梅」の順番が良かろうと思います。
理由は、大きい金額を先に見せたいからです。これまた心理学の「アンカリング効果」により、先に見た数字が、お客さんにとっての基準値になります。
「松10,000円」を見た後の「竹6,000円」は、安く見えるのです。
心理学的に色々考えると、「松→梅→竹」も良いんですが、「A→C→B」と並ぶわけですから、順番がわかりにくい。なので、「松→竹→梅」の順番が良かろうと。
視線の動きは、「左→右」か「上→下」なので、「松」を左上に配置するイメージですね。ラーメン屋の食券もこの並びになっています。
ただ、この話は理論先行的なところがあって、あまり気にしなくても大丈夫です。
ITツールなんかは、「梅→竹→松」とグレードが上がるにつれて、開放される機能が増えていきます。この場合は、素直に「梅→竹→松」 の順番がわかりやすいですね。
実は「2択」でも効果あり!
とはいえ、3グレード作るって結構大変なケースもあります。
そんなあなたに朗報!
実は、「2択」でもあった方が売れるぜって話をしましょう。
アップセル効果

上位版の商品を展開して、客単価を上げる手法を「アップセル」と呼びます。
「松竹梅」の3択は有力なアップセル施策になるわけですが、2択でもアップセル効果はあります。
そりゃあ、そうでしょう?
- 特製ラーメン:1,200円
- ラーメン:800円
となっていたら、何割かは「1,200円」の方を頼むわけですから。
2択の場合、基本的には安い方が売れやすくなります。でも、多少なりともアップセル版を買うお客さんは出て来るわけです。
じゃあ、2択でもあった方が美味しいじゃないですか。
注意点は、「並」に対し、「上」を用意して2択にすること。「下」を用意したら、逆に客単価が下がるので。

これ!実際にやってみたけど、意外と「上」を買ってくれるお客さんいてビックリした!
囮(おとり)効果で機能する
これも重要な話です。
もし「商品A」の1択しかない場合、お客さんの脳内は、
- 「買うor 買わない」
- 「ここで買う or 他所で買う」
という選択になります。
ここに、「商品B」が投入されると、
- 「Aを買う or Bを買う」
の選択に持ち込めます。

これがどういう意味かわかるかい?
「商品B」という囮(おとり)があることで、お客さんが「買わない」という選択を取る可能性を減らせるのです。
「商品B」が売れるかどうかは、この際あまり重要ではありません。こいつがいることで、トータルの購入率が上がることが重要なのです。
アンカリング効果にもなる

先ほどもチラッと触れましたが、先に見た数字が基準になって、後に見る数字の印象が変わってしまう現象が、「アンカリング効果」です。
「上10,000円」を見た後の「並6,000円」は、安く見えるのです。
結果として、「上」という選択肢があるおかげで、「並」が売れやすくなるわけですね。
「3択」にするとこうなる!
2択から3択に増やせば、もちろん売上へさらにポジティブな影響が出ます。
ここまでで、松竹梅に対する知識が深まりましたね。一部復習も入りますが、ここでさらに理解を深めていきましょう。
浮動票を「竹」に寄せられる
選挙の「浮動票」は、特定の政党を支持しておらず、選挙のたびに投票先を変える人達を指します。
同じことが、買い物のシーンでも起こります。
以下の選択肢があったとしましょう。
- A定食:800円
- B定食:1,000円
このとき、「わたしは絶対に竹」「わたしは梅で十分」と、心に決めているお客さんもいます。こういう人は、迷わずに欲しい方を選ぶ。
一方で、「どっちでも良い」という浮動票的な態度のお客さんもいます。
どっちでも良いのですから、安い方を選びますね。

おさらい→「2択だと、浮動票は安い方に吸い寄せられる」
ここで「松」の選択肢を加えましょう。
- A定食:800円
- B定食:1,000円
- C定食:1,200円
自分に必要なグレードを選び取れる人は、やはり迷わず欲しい選択肢を選びます。
一方で、「どれでも良い」という浮動票は、真ん中の「竹」に吸い寄せられるようになります。
「並」の1択よりは、「並」「上」の2択の方が良い。しかし2択だと、安い「並」に吸い寄せられる。ここに「特上」を加えることで、「上」に吸い寄せる。
こういう心理メカニズムが働くようになるんですね。

いやぁ、したたかっつうか
囮効果がますます強力に
先ほど、1択にすると、「買う or 買わない」や「当店 or 他店」という選択になると言いました。
で、2択にすると、「Aを買う or Bを買う」の選択に持ち込めると話しました。
3択にすると、「Aを買う or Bを買う or Cを買う」という3択を迫ることになり、さらに「このお店で買わない」という選択の可能性を薄めることができます。
これは、ボク自身も営業時代に肌身に感じました。
見積りを「松竹梅」の3択で持っていくと、お客さんは目の前の3択を吟味して、「どれが良いかなぁ?」と選ぶモードに入ります。そうすると、本当に他所に相見積もりを取られづらくなるのです。
このカラクリに気づいてからは、少し面倒でも、見積りは必ず3パターン用意することにしました。
売れ始めてからでOK
ただし、3択を用意するのは、売れ始めてからで良いですよ。作風にもよりますが、3グレードで作品を企画するのは大変ですからね。
「松竹梅の法則」は、「0→1」に劇的に増やすのではなく、「1→1.3」みたいにヌルッと増やすテクニックです。
いま売れている商品を、もっと高く売る、あるいは何割か売れやすくするテクニックです。売れない作品が売れるようになるテクニックではありません。
なので、新作をいきなり3択にする必要は、ハッキリ言ってありません。ある程度売れることが確認取れてから考えれば良いことです。

ま、これは2択にするでも同じ。売れ始めてからでOK
「4択」以上はイマイチかも?

では、「4択」以上はどうなのでしょうか?
ダメではありません。実際に、4択でも売れている商品は存在しています。
しかし、特別な理由がなければ、「3択」までで留めることをオススメします。
余計な迷いを与えてしまう
3グレードから真ん中を選んでしまうのは、脳の「極端回避性」という性質から来ると話しましたね。要するに、両極端な選択肢を避けようとする心理です。
だから、「松・竹・梅」で迷ったときに、
- 松 → 無しかなぁ
- 竹
- 梅 → 無しかなぁ
と両端が消えて、「竹」に集約されるわけです。
それを4択にしてしまったら、両端が消えても、中に2択が残ってしまう。お客さんは、まだ悩まなきゃいけないわけです。
悩む
→ 検討に時間がかかる
→ その場で決断しづらくなる
→ 離脱の可能性が高くなる
→ CVR(成約率)が下がる
こういう理屈から、3択までに留めておくのが妥当を言えるでしょう。
4択の事例もあるにはある
スターバックスのコーヒーのサイズは、次の4グレードになっています。
- ショート
- トール
- グランデ
- ベンティ
正直、初見の人は迷うと思います。
ボクの記憶では、昔は「ベンティ」はなくて、「ショート・トール・グランデ」の3択だったと思います。
後から、さらなるアップセル施策として「ベンティ」を設けたか、お客さんの「もっと飲みたい!」という声を反映したのか。そんなところでしょう。

まずは3択で運用してみて、その上で必要なら4択目を検討しよう!
覚えきれない
人間が、パッと見てその場で覚えておける情報の数(=心理学用語では「短期記憶」と呼ぶ)には、限りがあります。
心理学の「マジカルナンバー理論」によれば、それは「7±2」とされていました。つまり、パッと覚えておける情報の数は「5〜9個」までということです。

幅があるのは、個人差ってことかな
しかしその後、マジカルナンバーは、「やっぱり4±1なんじゃない?」と、言われるようになりました。つまり、「3〜5個」ということになります。
スマホアプリのタブメニューの数も、3〜5がほとんど。6以上になってしまうと、パッと見で頭に入ってこなくなるからです。
言い方は悪いですが、下限の「3」は、どんなオツムの弱い人でも覚えておける数です。ここから増やすほど、認知のコストが上がって、選びきれない人が出てくるのです。

ま、4択なら覚えておけると思うけど、5択や6択はやめといた方が良いね
3択を作る方法&テクニック

では、松竹梅を実践するにあたって、どうやって3グレードを企画するのが良いでしょうか?
当サイトが想定しているのはハンドメイド作品。これは、なかなか3グレードを作りづらいビジネスだと思います。

コーヒーとかポテトみたいに、単に増やせば良いってならないもんね

ハンドメイド作品でもでき得る3択のアイデアを列挙してみよう!
大きさを変える
なんだかんだで、サイズを大きくするのが一番わかりやすいアイデアです。
絵画の世界は、本来であれば大きさはあまり関係ないはずですが、やっぱり大きな絵ほど高い値段が付きます。
結局、「質量が大きい=高い」なのです。原材料費も上がりますから、お客さんにとっても、大きさで値段が分かれるのは納得しやすいですね。
洋服の場合は、S・M・Lで値段は変わりませんが、
- ブローチのサイズが変わる
- 刺繍のサイズが変わる
- アクセサリーのパールの大きさが変わる
- バッグのサイズが変わる
は、値段が変わるのが普通ですね。
繰り返しになりますが、2択でも効果はあります。まずは、「M」と「L」の2択からトライしてみてはいかがでしょうか?
素材のグレードを変える
飲食店では、量以外に、素材のグレードによって松竹梅を設けているケースが多いですね。
「鰻の成瀬」の事例
- 並:海外養殖アメリカ種
- 上:海外養殖のニホンウナギ
- 特上:国産鰻
ハンドメイド作品でも応用できるでしょう。
- 「真鍮」と「14金」と「18金」
- 「人工皮革」と「本革」
3択になりきらないかもしれませんが、2択は作れるケースもあると思います。
なお、注意点として、素材のグレードが上がると、どういうメリットがあるのかは明記するようにしましょう。
例えば、メッキが薄い金属だと剥がれやすいですが、14金の「14kgf」はそこそこ分厚く圧着されているので、ほとんど剥がれません。ベースの金属が露出しづらいので、金属アレルギーが出づらい特徴もあります。
こういう「お客さんにとって正味の良いこと」を添えて、素材をグレードアップさせる価値があると理解させましょう。
数量を変える
サイズを大きくすることもできなければ、素材のグレードを変えることもできない。こういうケースも少なくありません。
以前お話した作家さんで、子供向けのおもちゃストラップを作っている作家さんがいました。用途的に大きさは同じですし、素材も必要十分なもので1択のみです。
そんなときに打てる手が、数量を増やしてグレードを作ること。
- 1個のみ
- 2個セット
- 3個セット
で、グレードを作るのです。
このとき、数量が増えるほど、1個あたりの値段がお得になるように設定します。言うまでもなく、上位版へ誘導するためですね。
これ意外に有効で、洋服のようなセットで買うイメージがないアイテムでも、セットで買っておく客さんがいるのです。
理由は様々で、お友達や家族の分を一緒に買っていくケースもありますし、本人が色違いで買っていくケースもあります。
納期を変える
サイズでも、素材でも、数量でも差をつけることができない。そんなときの最終奥義が、「納期の早さ」でグレードをつけること。
フリーランスのクライアントワークや、ラクスルの名刺発注でも、プラスαの値段を払うと、納期が早くなります。有料ファストパスみたいなものですね。
受注制作やオーダーメイドで使える手法になってきます。
まとめ

意外と深い「松竹梅」の話をしてみた!

ただ「真ん中が売れやすい」ってだけの話ではなかったね〜
この記事のまとめです。
「松竹梅の法則」の概要
- 3グレードの選択肢で真ん中が選ばれやすくなる心理現象
- 端っこの選択肢を避ける「極端回避性」という心理から生じている
- 最初は1択でOK。ある程度売れてきてから3択を用意する
「松竹梅」の細かいあれこれ
- 収束する比率
「松2割:竹5割:梅3割」に収まる傾向がある - つける値段差
「松5:竹3:梅2」が基準値。この差を大きく超えないように。逆に差が少ない場合は、それほど問題にならない - 「並・上・特上」の3択で
「下・並・上」だと真ん中に集めても単価アップにならない。「特上」を見せ球にして、「並」から「上」に引き上げる - 見せる順番は「松→竹→梅」
先に高い商品を見せておくと、続く商品が安く見える
実は2択でもそこそこ機能する
- アップセル効果
「並」と「上」の2択でも、上位版を買うお客さんは一定数いる(ここに「特上」を加えると、より「上」が売れるようになる) - 囮効果
「商品A or 商品B」の選択になり、「買う or 買わない」や「ここで買う or 他所で買う」という選択肢を薄められる - アンカリング効果
「上」があることで、安く見える「並」が売れやすくなる
3択を作る方法
- 大きさを変える
- 素材のグレードを変える
- 数量を変える
- 納期を変える(主に受注制作やオーダーメイドで)
おそらく、「単に3グレード用意しよう」とだけ考えていた人には、全く知らない情報が含まれていたと思います。
全くこの通りじゃなきゃいけないことはありませんが、セオリーはセオリーです。この記事の内容を出発点に、施策を考えてみてください。
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