現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
「どうやったら売れるんだろう?一体何をすればいいのか?」と悩んでいる人は多い。
しかし売るために必要なレバーは、
- 「インプレッション」
- 「クリック率(CTR)」
- 「コンバージョン率(CVR)」
の3つしかありません。
出た!横文字のやーつ!
たった3つでいいんだから、ここで覚えてしまおう!
あらゆるビジネスは、この3つの数字に支配されています。元々はネット広告用語ですが、リアル店舗のビジネスも同じ法則で動いています。
WEBマーケティングの基本中の基本なんですが、未経験からネットビジネスに飛び込んだ作家さんは、ほとんど知らないのではないでしょうか?
モノを売る方法って、実はシンプルなんですよ。
「インプレッション」「CTR」「CVR」を上げれば、絶対に売れるんですから。これは単純な掛け算の算数ですから、絶対にそうなります。
この記事を読めば、あなたが作品を売るために、何をすれば良いかが明確になります。何せ3つしかありません。ここさえできれば、マーケティングは成功間違いなし。
この記事を読んだあなたは、一生物のビジネスリテラシーを手にします。この後の長い人生で、得られるリターンは測りしれません。
ぜひ最後まで読んで、骨身に染み渡らせてください。
「インプレッション×CTR×CVR」とは?
まずは用語の説明をしていきましょう。
- インプレッション(imp)
クリエイティブ(バナーやサムネイル)などが表示された回数 - クリック率(CTR)
表示されたクリエイティブがクリックされる確率=商品ページが見られる確率 - コンバージョン率(CVR)
閲覧された商品ページから成約する確率
インプレッション × CTR × CVR = 売上個数
ということになります。
ふむふむ、何となく分かりそうな感じ
ここに「平均単価」をさらに掛けると、総売上高になるよ
インプレッション(imp)とは?
「impression(インプレッション)」は、元々は広告表示回数を意味する用語です。
略して、「imp(インプ)」と呼ばれることも多いよ
Webの性質上、一足飛びにボリュームのある商品ページには辿り着きません。その前に、商品を端的に表すクリエイティブ(バナー/サムネイル/タイトル)が表示されます。
クリエイティブをクリックすると、その先の商品ページに遷移することになります。クリックする手前で、クリエイティブが表示された回数がインプレッションですね。
なお広告に限らず、SNSで投稿が表示される回数もインプレッションです。ブログのタイトルがGoogleの検索結果に表示される回数もインプレッションです。
インプレッションの例
- 検索結果の一覧で表示された回数
- YouTubeでサムネイルが表示された回数
- SNSのタイムラインで表示された回数
- 広告が表示された回数
「インプレッション=露出=最初の接点」と思ってもらえれば良いでしょう。とりあえず、お客さんの目に映ることがインプレッションです。
インプレッションは全ての入口なので、インプレッションが0なら、売上も0。
売れない作家さんの多くは、作品の良し悪し以前に、インプレッション数が絶対的に足りていないケースが多い
クリック率(CTR)とは?
クリック率は、クリエイティブをクリックして、詳細ページに遷移する確率です。
「Click Through Rate(クリック・スルー・レート)」を略して「CTR」と呼ばれてるよ
CTR = クリック数(ページ閲覧数)÷ インプレッション数
1,000回表示されて、20回クリックされたなら、CTRは2%です。
もちろんCTRは高いほど優れています。
CTRが0なら、インプレッションが何百万あっても売上は0。クリック率を2%→4%の2倍に増やせたら、売上も2倍になります。ここは単純な算数ですね。
コンバージョン率(CVR)とは?
そもそも「コンバージョン」とは何かを説明しておきましょう。
「コンバージョン(Conversion)」は、「転換」を意味する英単語です。
略して「CV」と言われることが多いよ
マーケティングでは、「コンバージョン=成約」という意味で使います。文脈によって成約の中身が変わってきます。
コンバージョンの例
- 購入
- 見積り依頼
- 詳細資料の請求
- 無料サンプルの請求
- 会員登録
- フォロー
ハンドメイド作家の場合は、わかりやすく「成約=購入」ということで良いでしょう。
そして、成約率を「Conversion Rate(コンバージョン・レート)」、略して「CVR」と呼びます。日本語で「コンバージョン率」と呼んでも良いでしょう。
CVR = 成約数 ÷ クリック数(閲覧数)
商品ページを見た人が100人いて、購入したのが3人なら、CVRは3%です。
もちろんCVRも、高い方が優れています。
やはりCVRが0なら、売上は0になります。またCVRを2倍にすれば、売上も2倍になります。ここもただの算数です。
全ての成果は「インプレッション×CTR×CVR」で計算できる
「インプレッション × CTR × CVR」で成果が決まることは、何となく分かってもらえたと思います。
ただ概念だけの説明だとピンとこないですね。この章では、直感的にわかる具体例を挙げていきます。
本来のネット文脈から拡大解釈するよ!
これでより意味が伝わるはず!
リアル店舗
物理的に存在しないネット上の取引よりも、現に存在するお店を例にした方がわかりやすいですね。
リアル店舗に「クリック」の概念はないので、用語はマッチしていませんが、意味するところは全く同じです。
インプレッション | 店の前を通る人数 |
クリック率(CTR) | 店に入るお客さんの人数 ÷ 店の前を通る人数 |
コンバージョン率(CVR) | 商品を購入する人数 ÷ 店に入るお客さんの人数 |
ときに、世の人々がネットビジネスに幻想を抱いてしまうのは、リアル店舗のイメージが抜けきらないからでしょう。
ん?幻想ってどういうこと?
リアル店舗は、よほど変な立地じゃない限り、インプレッションは0になりません。そこに道があれば何人かは通るので、0ということはないでしょう。
インプレッションがあるなら、お店の装いを整えて、良い商品を置けば、いくらかは売れるはずです。閑古鳥が鳴いたとしても、おそらく売上0にはなりません。
同じ感覚で、「ネットに出店すれば、何個かは売れるんじゃないか?」と思ってしまうんですね。これが幻想です。
ネット上にただ出店しただけでは、砂漠に出店している状態なんですね。店の前を人っ子一人通らない状態です。だから売上0ということが往々にして起こります。
テレアポ
リアル店舗とインターネットの中間にあるのが、テレアポです。
テレアポの流れは、本来のネット広告の「インプレッション×CTR×CVR」に近いイメージ
インプレッション | 荷電をかける人数 |
クリック率(CTR) | アポイントを承諾する人数 ÷ 荷電をかける人数 |
コンバージョン率(CVR) | 商品を購入する人数 ÷ アポイントを承諾する人数 |
アクション(ここでは荷電)を起こさない限り、インプレッションが0になるという点で、ネットビジネスに通じるところがありますね。
繰り返しになりますが、ネット上では、意図して露出を取りにいかない限り、インプレッションはずーっと0のままです。
その後に、電話口で提案の趣旨を端的に伝えて、アポイントを取るところも、まさにCTRに近い感覚があります。
ハンドメイド販売
SNSで集客して、自社ネットショップで販売するパターンで考えてみましょう。
すると次のようになります。
インプレッション | SNSで作品が表示される回数 |
クリック率(CTR) | 商品ページまで見にきてくれる人数 ÷ SNSで作品が表示される回数 |
コンバージョン率(CVR) | 商品を購入する人数 ÷ 商品ページまで見にきてくれる人数 |
minneやCreemaなどのプラットフォームで販売する場合は、次のようになります。
インプレッション | 検索にヒットして一覧に表示される回数 |
クリック率(CTR) | 商品ページを閲覧する人数 ÷ 検索にヒットして一覧に表示される回数 |
コンバージョン率(CVR) | 商品を購入する人数 ÷ 商品ページを閲覧する人数 |
プラットフォームは、それ自体に大量の人が集まってきます。そのため、検索に引っ掛かりさえすれば、あなたは何もしなくてもインプレッションを確保できます。
一方で、自社ネットショップの場合は、何もしなければインプレッションは0。だから、SNSや広告でインプレッションを集めなければなりません。
プラットフォームが徴収する高い手数料は、本質的にはインプレッション代ということになるね
ナンパ
実のところ、マーケティングは「ナンパ」によく似ています。
全然興味がない通行人を、「おっ?」と思わせて立ち止まらせ、立ち止まった人にここぞとばかりに買うべき理由を説くわけです。
やっていることは、ナンパと大差ありません。
一応言っておくけど、ボクはナンパしたことはないよ
ただ構造が似ているから教材として紹介してるだけ
インプレッション | 声をかける人数 |
クリック率(CTR) | 立ち止まってくれる人数 ÷ 声をかける人数 |
コンバージョン率(CVR) | 遊んでくれる人数 ÷ 立ち止まってくれる人数 |
声をかける頭数(言い方が悪いが)はもちろん大事。足を止めてもらうための声かけの工夫も大事。そして、最後について来てもらうための口説き文句もやっぱり大事です。
その全てが噛み合わない限り、ナンパは成功しません。まさにマーケティングと同じ!
「マーケター」ってチャラいイメージあったけど、あながち間違いじゃないんだな
ただ本物のナンパと違い、ネットでマーケティングをする場合は、直接話しかけたりはしません。しても良いけど、多分あなたはそこまでしたくないと思います。
基本的には、画像と文章のみで、読ませた相手をその気にさせることになるでしょう。そういう意味では、「ナンパ」よりも「ラブレター」に近いかもしれませんね。
インプレッションを増やす方法
ここからは、「インプレッション×CTR×CVR」の3つの変数を上げる方法を解説していきます。もちろん本サイトの趣旨通り、ハンドメイドの文脈でです。
まずは、「インプレッション」を増やす方法から。
あなたも1度は見たことがあるのではないでしょうか?
芸能人がTV番組の企画で作った工作ハンドメイド作品が、即完売したシーン。
あんな素人でも売れるなら、もっと上手に作れるわたしも売れるはず!と思って作ってみたが、なぜか売れない…。
これもインプレッションによるところが大きいですね。TVに映れば数百万のインプレッションが発生します。そもそものスタートラインが違いすぎますね。
これで騙された作家さん、いっぱい居そう…
なお、3つの変数の中で、インプレッションを確保するのが1番大変です。言い方を変えると、コストがかかります。
この後に解説する「クリック率」と「コンバージョン率」は、本人の努力だけで、ある程度上げることができます。
その一方で、インプレッションを獲得するためには、誰かに向いているお客さんの目を、あなたに向けさせなければなりません。
要するに、インプレッションは、他人と競争しなければ獲得できないのです。だから相応の頑張りを必要とされるわけですね。
インプレッション獲得は、最初にして最大の鬼門なのだ!
広告
広告の本質は、お金でインプレッションを買うこと。もっとも即効性があるインプレッション獲得の方法です。
かかる費用はピンキリですが、個人なら少額出稿できるネット広告がオススメ。
個人でも使えるネット広告
- リスティング広告
- YouTube広告
- SNS(facebookやInstagramなど)広告
- minneやCreemaの広告
特に手軽なのはインスタ広告でしょう。月数百円〜でも出稿できるので、始めるハードルはかなり低めです。
また反応が良かった投稿をそのまま広告として流用できます。広告のためだけに、クリエイティブ(バナーやサムネイルなど)を作らなくて良い点もありがたいですね。
手っ取り早くインプレッションを稼ぐなら、ぜひ広告を検討してみてください。
*広告は、かけたコストよりも大きなリターンを得ないと赤字になります。厳密に運用する場合は、インプレッション、CTR、CVRだけでなく、CPC(クリック単価)、CPA(コンバージョン1件あたりの獲得単価)、ROAS(トータルの広告費用対効果)などの指標もチェックする必要があります。
昔は広告以外にインプレッションを獲得する手段がなかったけど、現代は他の手段もあるよ。続けてご覧あれ
SEO
プラットフォームの検索結果で上位表示されれば、インプレッションを獲得できます。
そして、上位表示のためにあれこれ頑張ることを、「SEO」と呼びます。
SEOは、「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略だよ
SEOの良いところは、ホットなユーザーのインプレッションを集められること。「ホット」とは、成約につながりやすいという意味です。
例えば、「クリスマスツリー 小さめ」と検索した人は、手狭な部屋でも飾れるサイズのクリスマスツリーが欲しいはず。気に入れば、買ってくれる可能性は高いですね。
反対に広告は、購買意欲が低めなユーザーの目を、無理やり奪っているだけ。検索流入よりも成約しづらいです。広告で集めたユーザーは、もっと「コールド」です。
なお一般的に「SEO」と言ったら、Googleで上位表示させることを指しますが、プラットフォームの数だけSEOは存在します。検索窓の数だけSEOが存在するわけですね。
ハンドメイド作家なら、minneやCreema内で上位表示させるSEOが有効です。
SNS
インプレッションとは、お客さんの目を奪うことでしたね。
では現代人が、1番時間を費やして見ている媒体はなんでしょう?
昔はテレビ一択だったけど、今はスマホだねー
テレビもまだそれなりに見られていますが、若年層を中心にSNSにシフトしていますよね。現代でインプレッションを集めるなら、SNSは本丸です。
なぜインフルエンサーは、あれほど儲かっているのか?
スポーツ選手や芸人のような技術があるわけでもなく、タレントほど見た目が良いわけでもない。しかし巨万の富を個人で稼いでいる。
誰もが最初は、インフルエンサーの存在を理解できなかったと思います。「なんで、コイツがこんなに稼げるんだ?」と不思議に思ったのではないでしょうか。
これもやっぱりインプレッションの力です。100万フォロワーいれば、1発の投稿で100万インプレッション獲得できます。これはTV紹介に匹敵する効果でしょう。
インフルエンサーは、歩く「王様のブランチ」みたいなもの。
自分の商品を売れば、飛ぶように売れます。他人の商品を紹介すれば、かなりの額の広告フィーをゲットできるのです。
難易度は日に日に上がっていますが、それでもSNSのハードルは低めです。
理由は、企業と競合しづらいから。
広告やGoogle検索は、個人と企業が同じ土俵で戦います。どうしても体力のある企業が有利なので、個人は企業がいないショボい領域でコソコソやるしかありません。
一方でSNSは、属人性が強いプラットフォームです。企業よりも個人のフォロワーが多いので、パワーバランスは「個人>企業」。これは他の媒体にはない現象です。
インプレッション獲得の費用対効果は、SNSに軍配が上がるでしょう。ハンドメイドとの相性を鑑みると、Instagramがオススメです。
複数のプラットフォームに出品
ハンドメイド販売では、
- minne
- Creema
- iichi
- メルカリ
などのプラットフォームが使われます。
「複数サイトで出品した方が良いですか?」って質問よく聞くなぁ
インプレッションの観点で言えば、たくさんのプラットフォームに出品する方が良いですね。当たり前に。単純な足し算で、インプレッションが増えていくので。
ただ売る場所を増やすと、それだけ管理が面倒になります。一点物がメインだと、売れた作品を他のプラットフォームから削除しないといけませんね。これはなかなかの労力です。
受注制作の場合は、そういった手間はかかりません。より多くのプラットフォームに出品しても良いかもしれませんね。ここはうまく使い分けてください。
ちなみに、SNSも同じ話です。
- Instagramだけじゃなく、
- X(旧ツイッター)も、
- threadsも、
- TikTokも、
- Pinterestも、
理論上は全てやった方が、インプレッションは確実に増やせます。
ブログだって、YouTubeだってそう。やればやるだけ、インプレッション獲得のチャンスは広がります。
やった方が良いかと聞かれれば、答えはいつだって「Yes」です。とはいえ、現実的に全てはできません。ほどほどを見極める必要がありますね。
まずは「minne」+「Creema」+「Instagram」あたりだね
イベント出展
インターネットがインプレッションを獲得しやすいのは事実です。場所の垣根がないので、大量のインプレッションを獲得できるチャンスがあるからです。
しかし一方で、場所に縛られないために、日本中(場合によっては世界中)の人と競争になります。ゆえにネットでインプレッションを集めるのは、それなりに大変です。
ネットの世界を放棄するのは得策ではありませんが、今一度リアルの世界に目を向けてみても良いかもしれません。
イベントは、そのイベント自体がお客さんを集めてくれます。よって出展するだけで、それなりのインプレッションを集められます。
ネットで全然売れてない頃でも、イベント出展したらちょっとは売れてたね
なぜ企業ブースはタダで手提げ袋をくれるのか?
イベント会場の入り口付近には、企業ブースが出展していることが多いですね。
そして、担当者が手提げ袋を配っているシーンをよく見ます。「パンフレット入れに使ってください!」という体で。
ボクが先日足を運んだイベントでは、「ユザワヤ」さんがロゴ入りのショッパーを配っていました。
実はこの施策も、目的はインプレッション稼ぎです。お客さんに自社のロゴ入りショッパーを持たせて、他のお客さんの目に映るようにしているのです。
ただの親切だと思っていましたか?企業がコストをかけてやってるわけですから、当然その裏には下心がありますよ。
直にお客さんの反応を見れますし、ファンの感想も聞けます。他の人気作家さんの売り方も勉強になるでしょう。売上とはまた別のところで、多くの学びを得られます。
できれば出展前に、一度そのイベントにお客さんとして足を運んでみましょう。
- 多くのお客さんが訪れているか?
- あなたのお客さんになりそうな人が来ているか?
を観察してみてください。
「デザインフェスタ」は、客入りもよく、ハンドメイド作品を買いそうなお客さんで溢れています。こういうイベントを選びましょう。
もっと柔軟に考えよう
インプレッションは、結局のところは人の目を奪うこと。要するに人の目がある場所に、あなたやあなたの作品が映れば良いのです。
- 路上ミュージシャン
- リアカーで花を売り歩いているおばあちゃん
- 飛び込み営業
のように、泥臭くインプレッションを稼ぐことも可能です。特別なスキルを学ぶ必要はありませんし、お金もかかりません。
別に彼らと同じことをしろと言っているわけではありません。
ただスマートにインプレッションを稼ごうとすると、どうしても労力やお金がかかります。事前に色々と勉強することも出てくるでしょう。
インプレッションの本質に立ち返れば、方法は何だって良いのです。柔軟に考えてみてください。身近な方法で、インプレッションを獲得できるかもしれませんよ?
クリック率(CTR)を上げる方法
インプレッションを集めた後は、作品ページに遷移させましょう。そうしないことには、売れることもありません。
ここでテコ入れするレバーが、「クリック率(CTR)」です。
意味としては、閲覧数を増やすことイコールだね
インプレッションの段階では、まだ画像1枚だけか、せいぜい作品タイトルしか見えていません。ここで興味を持たせて、詳細をクリックさせるのです。
なお多くのプラットフォームは、CTRが高い商品や投稿を、上位表示するアルゴリズムが組まれています。CTRが高いこと自体が、インプレッション獲得に有利になるのです。
ターゲットがいる場所でビジネスをする
厳密には、インプレッションを集める時点での話です。ターゲットから外れたインプレッションを集めてしまうと、クリック率は上がりません。
- 女性が、ネクタイの広告をクリックすることはないでしょう
- 沖縄在住の人が、沖縄旅行の広告をクリックすることもありません
言われてみると、ごく当たり前の話だわな
ハンドメイド作品でクリック率を上げるなら、大抵の場合は女性が集まる場所でインプレッションを集めなければなりません。お客さんは9割女性ですから。
ただ、ターゲットを思いっきり外すことは、普通あまりありません。
あるとすれば、広告で配信ターゲット設定をミスってるケースでしょう。あとは、ハンドメイドに興味がない地元民が集まる地域イベントに、出展するケースなどです。
InstagramやminneやCreemaでインプレッションを集めている限り、基本的には問題になりません。
一歩踏み込んで考えてみよう
もう少し頭を使って、ターゲットが集まる場所めがけて、釣り針を垂らしても良いですね。
発想は、都会のタクシー広告と同じ。都会のタクシー利用者は、役職が高いビジネスマンがメインです。だから車内で流れる広告は、BtoB(企業向け)サービスばかりなのです。
もしウェディング系の作品であれば、現実的かは別にして、ゼクシィ掲載が効果的でしょうね。ハンドメイドイベントよりも、ウェディングの見本市に出展する方が効果的でしょう。
店舗向けインテリアであれば、お客さんはminneやCreemaを見ているか怪しいですね。店舗内装系のSNSアカウントに紹介してもらったり、ブログを書いてGoogle検索に引っ掛かるようにしたりする方が、効果的かもしれません。
ターゲットを絞る
似たような話が続きますが、ターゲットを絞っておくのも、クリック率(CTR)アップには効果的です。
小手先の数字の話ではなく、もっと手前の商品設計の話です。
もしあなたが、「0歳の娘の初おもちゃを探しているママ」だったら、次のどちらをクリックしたくなりますか?
- 赤ちゃん用のつみ木
- 0歳児から遊べる知育つみ木
後者じゃないでしょうか?
ただの「赤ちゃんのママ」と「赤ちゃんのママ×0歳×知育」の勝負です。ターゲットが絞られているほど、クリックされやすいのは明らかですね。
ターゲットを絞ると、次のコンバージョン率(CVR)にも効いてくるよ
クリエイティブを魅力的にする
あなたの作品がどんなに素晴らしかったとしても、インプレッションの時点ではクリエイティブ(バナーやサムネイル)しか見えていません。
つまり、クリックされるかどうかは、クリエイティブの出来次第ということになります。実物がどうかは、ここではあまり問題にはなりません。
クリエイティブを構成するのは、次の3点です。
クリエイティブの構成要素
- キャッチコピー
- 画像(写真)
- デザイン
これらを魅力的にすることで、クリック率をアップさせることができます。
なおデザインについては、ハンドメイド作家がゴリゴリに作る機会は少ないと思います。やってインスタ投稿の表紙くらい。それでも凝ったデザインにはなりません。
基本的には、「キャッチコピー」と「画像(写真)」での戦いになるでしょう。
キャッチコピー
キャッチコピーとは、見た人が「あっ!」と感じて、その先を見たくなるような短いフレーズのことです。
販売サイトの場合は、作品名がキャッチコピーの役割も果たします。SNS投稿の場合は、表紙画像の文字入れやキャプションの1行目が、キャッチコピーになります。
目を引くキャッチコピーを作るには、心理学が有効。以下がよく使われています。
名称 | 意味 |
---|---|
カクテルパーティー効果 | 自分に当てはまる言葉ほど、スッと目や耳に入ってくる |
ツァイガルニク効果 | 結果がわからないと、続きが見たくなる |
認知的不協和 | 矛盾を感じると、納得する理由を知りたくなる |
カリギュラ効果 | 禁止されると、かえってやりたくなる |
損失回避性 | 損失を強調されると、それを避けるために行動しやすくなる |
どれも強力です。YouTubeのサムネイルで見たことがあるのではないでしょうか?
ハンドメイド作家なら、「カクテルパーティー効果」が、文脈的に1番自然です。
要するに、見た人に、「あっ!これってわたしのための話じゃない!?」と思ってもらえるタイトルをつけるわけですね。
- お客さんの属性を言い当てる
→卒園式を迎える娘のママさんへ - お客さんが求めるベネフィットを言い当てる
→0歳児が遊んでも怪我しない・飲み込まない - お客さんの悩みを言い当てる
→置く場所がなくてひな人形を諦めている人へ
といったパターンが有効です。
さっきの「ターゲットを絞る」も、結局はカクテルパーティー効果狙いで一緒
ぼんやり当てはまる広いフレーズでなく、「そう!そこのあなたの話だよ!」と突き刺すように具体的なフレーズを使いましょう。
SNS投稿なら、他の心理効果を使っても良いでしょう。ちなみに制作動画を最後まで見たくなるのは、ツァイガルニク効果のためです。
画像(写真)
画像よりもキャッチコピーの方が効くケースが多いのですが、ことハンドメイド作品においては、画像(写真)の方が重要です。
作品がとびっきり魅力的に写った1枚を採用してください。
画質 | スマホ上位機種やミラーレス一眼デジカメを使う |
背景 | 作品の世界観にマッチする背景や小物を用意 |
光のあたり具合 | 基本は自然光(またはそれに近いライト)+レフ板を使う |
構図 | 三分割や日の丸など、作品が魅力的に映る構図使う |
ハンドメイドは、サプリメントや家電のように、機能を文字で説明するタイプの商材ではありません。洋服やインテリアのように、ビジュアルがほぼ全てです。
ゆえに、画像は命。画像でしか、作品の魅力を伝え切ることができないのですから。
手を抜いてはいけないとこだね
苦手でも頑張るしかない!
コンバージョン率(CVR)を上げる方法
商品ページまで見にきてくれた人は、あなたの作品に興味を持っています。
- ここで購入されるか
- あるいは戻るボタンを押されてしまうか
を左右するのが、「コンバージョン率(CVR)」です。
ここまで様々な苦労を重ね、いまゴール前にセンタリングが上がった状態です。
敵がいないわけではありませんが、ほぼあなたとお客さんの「1対1」の勝負。あなたの頑張り次第でゴールが決まります。
ベネフィットを伝える
ベネフィットとは、商品を使うことによってもたらされる理想の未来のことです。
お客さんは、商品そのものが欲しいのではなく、ベネフィットが欲しいのです。お金を払うのも、ベネフィットに対して。だからベネフィットを伝えなければなりません。
よくある間違えが、「ベネフィット」ではなく「スペック」を伝えてしまうこと。
お客さんが欲しいのは、
- コラーゲン〇〇ml配合
- 100%天然成分
といったスペックではありません。
- お肌がプルプルになる
というベネフィットです。
スペックは、ベネフィットを得られる根拠でしかありません。お客さんはスペック自体を欲しいのではなく、そのスペックによって、「わたしにどんなハッピーな未来を届けてくれるのか?」を聞きたいのです。
あなたの作品のベネフィットはなんでしょうか?
ピンと来なかった人は、「ベネフィット」の解説記事を読んでみてね。これも真に迫る内容だよ
良い悪いに関わらず、全ての情報を伝え切る
商品ページで意識すべきは、「商品をまだ手にしていないお客さんに、あたかも手に取ってもらったかのような気にさせる」ことです。
前述の通り、ハンドメイド作品はビジュアルが命です。画像はフルに掲載しましょう。
実物に近い色味の画像が、全アングルにわたって掲載されているのが当たり前です。実際の利用シーンに近い着画もマストですね。
よく聞く「画像を増やせ!」ってのは、ここに効いてるんだね
また良い点だけでなく、悪い点も含めて全て伝え切ることも大事なポイントです。
お客さんはバカではありません。耐久性や機能性に不安があれば、その説明を探します。探しても答えが得られなければ、買うこと自体を躊躇するでしょう。
デメリットに当たる内容であったとしても、開示してもらったほうがお客さんは安心します。どの程度のデメリットかがわかれば、それを許容できるか判断できるからです。
この沼は深さ30cmだよと言われれば、足を踏み入れるか判断できます。しかし何も言われなければ、お客さんは底なし沼のように感じます。怖くて足を踏み入れられません。
CTAを忘れない
CTAとは、「Call To Action(行動喚起)」を略したマーケティング用語です。
あなたがお客さんに取って欲しい行動を、明示的にお願いするという意味です。
- 買って欲しい!
- フォローしてほしい!
- いいねして欲しい!
と、口に出して言うということです。
「付き合ってください!」「結婚してください!」って口に出して言うのもCTAだねw
それは口に出してもらわなきゃ伝わらないな
またCTAには、その行動を取るべき理由を添えるのが効果的です。CTA=購入のシーンなら、今すぐ買うべき理由を添えると良いでしょう。
- 販売する日を絞る(月に1回など)
- 数量限定にする
- 一点物をアピールする
- ラスト1点をアピールする
- 材料が手に入りづらいとアピールする
- オーダーの予約が逼迫しているとアピールする
- 徐々に値上げしていく
といった具合です。
お客さんは、今すぐ買う理由を突きつけないと、なかなか買いません。いつしか欲しかったことも忘れてしまうのです。いわゆる「カゴ落ち」ですね。
そうならないために、「今逃したら買えないよ!」や「今買わないと損するよ!」と伝えるのです。だから今買ってくださいね、と。
ただし、「今だけ値下げ」は、オススメしません。供給量に限りがあるハンドメイドは、高く売るのが基本。安売りのイメージはマイナスです。
必ずしも計測はできないが、それでも良い
ここまで読み進めたあなたは、こう思ったかもしれません。
- そもそも、インプレッション・CTR・CVRの数字は、チェックできるものなの?
- あるいは、計算が苦手だから、こういう数字物はちょっと億劫…
実際のところ、ハンドメイド販売で、綺麗に「インプレッション・CTR・CVR」の数字を計測するのは難しいです。
- Instagramの統計データ
- 各種プラットフォームの閲覧数
- 購入数
などをガチャガチャ組み合わせれば、近似的に計算できるかもしれません。が、日々の作業量を考えると、ちょっと現実的じゃないかと。
この際、正確な数字の計測も計算もしなくて良いです(すぐに見れる統計データは、日頃からちゃんと眺めてね!)。
ガチガチに分析しなきゃダメかと思ったから、ちょっとホッとした
インプレッション × CTR × CVR = 売上個数
という力学で、売上が決まることを理解していることが、何より大事。
ダイエットをイメージしてみてください。あなたも知っているように、「カロリー」や「糖質」や「運動量」などの変数で、痩せるか太るかが決まります。
把握できる数字は「体重」だけでも、「太った原因」や「痩せるための生活習慣の改善策」を、自分の頭で考えることができますね。これは、力学を理解しているからです。
ビジネスも同じ。力学を理解していれば、「売れた原因」あるいは、「売れなかった原因」「どうすれば売れるかの仮説」が、自ずと見えてきます。
まずは、あなたの思考回路に、この力学をぶち込みたかった!
それができれば、この記事は十分に役目を果たしたと言える
まとめ
マーケティングの基本中の基本、「インプレッション×CTR×CVR」を解説したよ
最初は難しい話かと思ったけど、リアル店舗で考えたらごく当たり前の話だったね
これは絶対の法則だから、マジで理解しておいてほしい!
この記事をまとめます。
「インプレッション × CTR × CVR = 売上個数」
- インプレッション(imp)
クリエイティブ(バナーやサムネイル)などが表示された回数 - クリック率(CTR)
表示されたクリエイティブがクリックされる確率=商品ページが見られる確率 - コンバージョン率(CVR)
閲覧された商品ページから成約する確率
インプレッションを増やす方法
- 広告
広告=インプレッションを買う行為。手軽なインスタ広告がオススメ - SEO
検索結果の上位表示を狙うこと。minneやCreemaの上位表示を狙うべし - SNS
見られている時間が長く、企業と競合しづらいSNSは、インプレッション稼ぎの本丸。避けては通れない - イベント出展
インプ稼ぎはネットだけとは限らない。イベント出展は、インプレッション獲得だけでなく、多くの学びがある
クリック率(CTR)を上げる方法
- 最低限ターゲットを外さない
ターゲットを外すと絶対にクリックされない。インプレッション獲得時点で、ターゲットを外さないことが前提条件 - ターゲットを絞る
ターゲットを絞るほど、お客さんの反応が良くなる - クリエイティブを魅力的にする
「これわたしのための話だ!」と感じるキャッチコピーと、魅力的な作品画像を用意する
コンバージョン率(CVR)を上げる方法
- ベネフィットを伝える
その作品を手に取ったお客さんに、どんなハッピーな未来が訪れるかを伝える - 良い悪いに関わらず、全ての情報を伝え切る
実際の作品を手に取ったレベルの情報を伝える。画像はフルに使い、デメリットもきちんと説明する - CTAを忘れない
取って欲しい行動(買ってくれ)を伝える。今すぐ買う理由も添えるとなお良い
ハンドメイド作家のようなクリエーターは、まず「どんな素晴らしい作品を作ろうか?」に頭がいくはずです。もちろんそれが正しいと思います。
ですが、「作品が素晴らしいこと」と「作品が売れる」の間には、大きな隔たりがあるんですね。この記事で言っているのは、そういう話です。
まずインプレッションが鬼門になるでしょう。
どんなに良い作品であったとしても、人の目に触れない限り、決して売れることはありません。だって知られてすらいないんですから。
そしてインプレッションは、基本的にお客さんの目の奪い合いです。競争です。何もせずに、お客さんの目が、自然とあなたの作品に向くことはありません。
作品の次は、「どうインプレッションを獲得するか?」を考えると良いでしょう。
続く「クリック率(CTR)」と「コンバージョン率(CVR)」は、一定数のインプレッションが流れてこない限り判断できません。なので、まずはインプレッションです。
長々と書いてしまいましたが、ものすごく大事な話です。一生使えるビジネスリテラシーです。ぜひ骨身に染み渡るまで、繰り返し読み込んでくださいね。
コメントを残す