ビジネス一般において、「トレンド」は乗るものです。
いつの時代も、「いま来ているトレンドは?」「次に来るトレンドは?」「トレンドに乗るための方法は?」は、話題になりますね。
ただ、ハンドメイド作家に関しては、トレンドを気にする必要はありません。
乗っても良いのですが、世間一般の他のビジネスと同じようにトレンドに乗ろうとすると、かえって消耗の方が大きいと見えます。
この記事では、
- 「トレンドに乗る」とは、どういう意味を持つ行動なのか?
- なぜハンドメイド作家は、トレンドを意識する必要がないのか?
- トレンドに乗らずに、どう売っていくべきか?
を解説しています。
逆張りでもなんでもありません。「ハンドメイド」というビジネスの特性を理解すれば、自然とこういう結論になるのです。
もう「トレンド」という言葉に惑わされたり、一喜一憂したりするのは、もうやめにしませんか?
トレンドに乗ることの意味を考えよう
「トレンドに乗る」とは、ブームに乗っかって売上を上げる戦略です。
「乗る」という表現の通り、トレンドは「波」のようなもの。うまく乗れれば、自力で泳ぐよりもずっと早く進めます。
ブームの商品は、それ以外の商品の「数十倍〜数百倍」のトラフィックが集まります。インプレッション(露出)が跳ね上がるので、労せずとも集客しやすくなるわけです。
トレンドは乗り換え続ける宿命にある
「トレンド=波」のイメージが一般的ですが、ボクは別のイメージを持っています。
「トレンドに乗る」は、「下駄を履く」のニュアンスがピッタリです。トレンドに乗れば、自分の実力よりもずっと稼ぎやすくなるからです。
ただし、下駄の下の地面は「泥のぬかるみ」になっていて、どんどん沈んでいきます。やがて、下駄の底上げ効果はなくなり、いつしか足全体が泥に沈んでしまいます。
そうならないためには、下駄を履いた足が沈み切る前に、次の一歩を踏み出すしかありません。
- パンケーキを売って、
- タピオカを売って、
- 高級食パンを売って、
- 韓国初の何とかチキンを売って、
と、トレンドを乗り換え続けない限り、売上を作れないのです。
1つのトレンドの寿命は、だいたい1〜3年くらい。「トレンドに乗ってビジネスをする」という選択は、「1〜3年毎に、新しい商品に切り替える」という選択なのです。
これを「自転車操業」とは呼ばないけど、それに近い感覚はあるよ
トレンドに乗るなら自覚を持て
トレンドに乗る戦略もあれば、乗らない戦略もあります。トレンドの乗ること自体には、良いも悪いもありません。
ただし、トレンドに乗るなら、「乗っている自覚」は絶対に持っていてください。
自分が、
- 「実力で売れているのか」
- 「下駄によって売れているのか」
をちゃんと理解しておく必要があるということです。
下駄でブーストされていた売上を、「自分の実力で売れた!」と勘違いしてしまうと、悲惨な未来が訪れます。
例えば、コロナ禍によって「マスク」の需要が激増しました。これは言うまでもなくトレンドです。
「マスクが売れたのは、自分の実力だ!」と勘違いし、次のトレンドに乗り換えなかった作家は…。
今頃、売上0になっているでしょうね。
Oh…,これは想像したくないね
「トレンドに乗る」ということは、トレンドに乗ることの「良い面」も「悪い面」も飲み込むということ。「毒を喰らわば皿まで」なのです。
トレンドの良い面だけを享受し、「乗り換えが必要」という負の面をムシすればどうなるか?当然、奈落への一本道を歩むことになるでしょうね。
ハンドメイド作家がトレンドに乗る必要がない2つの理由
一般論で言えば、トレンドを掴んで乗りこなす経営者が正解でしょう。今も昔も、名が売れている経営者は、大抵はトレンドに乗って成功した人達です。
しかし、ハンドメイド作家は別。その他のビジネスとは、分けて考えた方が良いでしょう。
理由1. 乗っても乗らなくても、売上はあまり変わらない
その他一般のビジネスと、ハンドメイド作家の1番の違いは、「生産数の上限」です。
普通の企業の場合、売れ行きが良ければ増産できます。しかしハンドメイドの場合は、手で作るがゆえに、どうしても生産数に限りがあります。
仮にあなたが、「1日1作品」作れるキャパシティの作家だとしましょう。あなたはどんなに頑張っても、「月30作品」までしか生産できません。
もしあなたが「月30個」捌ける程度に売れている作家なら、トレンドに乗ったところで、結局「月30個」しか売れないのです。
需要が増えた分、買えないお客さんが増えるだけ。需要が増した分、「いくらか値上げが許容されるかな?」くらいの話です。
そっか。ボチボチ売れてる作家は、トレンドに乗ってもあんま意味ないのか
爆増した需要を呑み込めないと、トレンドの旨みは享受できないからね
一方で、トレンドに乗ってしまったがゆえに、その作品の賞味期限は短くなります。1〜3年で次の柱を打ち立てなければなりません。
トレンドに乗る旨みは少ない一方で、デメリットはしっかりと対応しなければならない。だからハンドメイド作家に、トレンドに乗ることをオススメできないのです。
理由2. トレンドに乗る仕事はつまらない?
トレンドに乗る仕事のもう1つの難点が、自由度が低いこと。
- 「タピオカ」が流行っているなら、タピオカ屋を開くしかありません
- 「ハンドスピナー」が流行っているなら、ハンドスピナーを売るしかありません
「トレンドに乗る」とは、自分のやりたいことは押し入れにしまって、とにかく流行に全てを寄せるということです。
あなたが何をしたいかは、一切汲み取られない
トレンドに乗る仕事は、あくまで「お金を稼ぐための仕事」です。否定する気はありませんが、やっていておもしろい仕事ではありません。
ハンドメイド作家は、「作品」を作るクリエーター業です。アーティストや、絵本作家や、映画監督の同類です。
クリエーターが、自分の作品を「つまらない」と思ってしまっては、もうおしまいでしょう。良いモノなど、作れるわけがありません。
売れてない作家がトレンドに乗ることの是非は?
あなたが駆け出しの作家で、まだほとんど売上が立っていない状態だとしましょう。事実、そういう作家さんはかなり多いはず。
「1円も売れないよりは、悪魔に魂を売ってでも売りを立てたい…!」
これが本音かもしれませんね。
うわぁ、その気持ちメッチャわかる!
売れてないと焦るしね!
この状況で、賞味期限は短いと知りながら、「コロナ禍にマスク(トレンドに乗る例として)を作ること」は正当化されるのか?
この質問は、あなたの懐具合によって、かける言葉が変わってきます。
今すぐお金が必要なら
もしその月の売上で、生活費を工面しなければならないなら、何としても売る必要があるでしょう。毒と知りながら、トレンドに乗るのも致し方ない選択だと思います。
ただ根本的な話をすると、今すぐお金が必要な人には、そもそもハンドメイドが向いていません。
ハンドメイドは、手仕事ができれば始めやすいビジネスではあるものの、結果が出るまでに1〜2年はかかります。仮に成功しても、他の個人ビジネスほど稼げる金額は大きくありません。
生活費を手っ取り早く稼ぎたいなら、パートに出た方が良いでしょう。どうしても個人でやりたいなら、インスタグラマーでもやったら良いと思います。
これはマジの話なんだけど、「稼ぎたいだけ」ならハンドメイドはやめた方が良い。純粋に「作りたい人」がやるべき職業だよ
異論ナーシ
長いスパンで考えているなら
一方で、近々のお金に切羽詰まっていないようなら、安易にトレンドに飛びつくことはオススメしません。
トレンドに乗ってお金を稼ぐようになると、「次もトレンドを乗り換えて」という具合に、自転車操業っぽくなっていきます。自転車が倒れないために、次のトレンド見つけて走り続けようとするわけです。
こういうやり方は、実にビジネスライクで楽しくないんですね。個人で働くクリエーターにとって、活動が「つまらない」のは死活問題でしょう。
トレンドよりも、まずあなたの作りたい作風を最優先すべきです。その作風の範囲で、売れやすい商品ジャンルに、ちょっと寄せにいく程度で良いのです。
当然、トレンドに乗るよりも初速は遅くなります。しかし、賞味期限がすぐには切れないので、実績が積み重なっていきます。
いま誘惑に耐えて、「トレンドには乗らない」という選択が、未来のあなたの売上を安定させる。そう思ってください。
では何を売れば良いのか?
では、トレンドに乗らずに何を作れば良いのか?
要するに、「トレンドに左右されない商品ジャンル」を選べば良いのです。
「売れる作品」のノウハウは壮大な話になるので、ここでは深くは触れません。以下の記事を参考にしてみてください。
ここでは、簡潔な話でまとめましょう。
「エバーグリーン作品」を売ろう!
一見すると関係ないようで、なかなかに重要な話をします。
WEBメディア、ここでは「ブログ」の話をします。
ブログの記事は、
- トレンドコンテンツ
- エバーグリーンコンテンツ
の2種類に大別できます。
トレンドコンテンツ | エバーグリーンコンテンツ | |
---|---|---|
コンテンツ例 | ニュース、芸能関連など | ノウハウ、学術的な内容など |
∟他媒体の例 | ニュース、雑誌 | ビジネス書、学術書 |
アクセスの初速 | 爆発的に伸びる | 緩やかに伸びる |
アクセスが来る期間 | 数日 | 半永久 |
コンテンツの資産性 | なし(腐っていく) | あり(積み重なっていく) |
運営の労力 | 新しい記事を投入し続けるので、ずっと変わらない | 過去のコンテンツが積み重なっていくので、どんどん楽になる |
「エバーグリーン」とは、一年中葉を落とさずに緑を保つ「常緑樹」のこと。落葉樹の反対だね
マーケティング界隈では、長期に渡って色褪せないコンテンツを「エバーグリーン」と呼ぶんだ
トレンドだけで構成されたブログは、「トレンドブログ」と呼ばれています。
例えば、「芸能人の不倫」とか「最近あったセンセーショナルな事件」とか「今やってるオリンピックのハイライト」とか。こういう記事を量産し続けるんですね。
「トレンドコンテンツ」は、その瞬間は爆発的なアクセスがある一方で、1週間〜1ヶ月もすれば、アクセスはほぼ0になります。過去記事が、どんどん死んでいくんですね。
新しい記事を書き続けなければならず、いつまで経っても楽にならない。これがトレンドブログの宿命です。
一方で、「エバーグリーンコンテンツ」は、爆発的にアクセスは集まらないものの、過去の記事が半永久的にアクセスを集め続けます。
過去記事が死なずに積み上がっていくので、書けば書くほど後が楽になって行きます。転がした雪玉のように、それまでの自分を糧にして、どんどん大きく実るわけです。
ちなみに本サイトは、100%エバーグリーンコンテンツだよ!
ハンドメイドの文脈に戻しましょう。
トレンドに乗った作品は、トレンドが去ってしまえば何も残りません。ブーム中にいくら評判が良かろうと、ブーム後では何の足しにもなりません。
流行に任せて、「高級食パン屋」が相次いでオープンした時期がありました。しかしブームが去って閉店した後に、かつての評判やお客さんを引き継げたでしょうか?
ただ潰れて消えただけだな
一方で、エバーグリーンな作品は、時代に左右されない需要があるので、ジワジワと売れ続けます。
過去に売れた作品の評判が、次のお客さんを呼び込みます。また、お客さんからのフィードバックにより、あなたの作品はさらに洗練されていくでしょう。
このサイクルを長く続けるほど、あなたの評判は上がり、未来のあなたはもっと楽に売り上げられるようになります。長きに渡り、売上を安定させられるようになります。
ときに「エバーグリーン作品」とは、「時代に関係なく根強い需要がある、定番の商品ジャンル」ということです。
- Appleの「iPhone」
- サーティーワンの「アイスクリーム」
- ミツカンの「ポン酢」
- サーモスの「魔法瓶」
- オールデンの「革靴」
のように、
- なくなれば、また同じものを買い足す
- あるいは、同じ品を修理してずっと使い続ける
そんな商品ジャンルですね。
半永久的に朽ちない「エバーグリーン作品」を、メイン作品に据えよう!
乗って良いトレンドもある
ここまでは「トレンドなんて乗る必要ないよ!」と言ってきました。
しかし実は、「乗っても良いトレンド」も存在します。
チャンスがあれば乗りたいトレンド
- 季節のトレンド
- 不可逆のトレンド
これらのトレンドは、「一過性のトレンド」ではなく、「定着している(あるいはしていく)トレンド」だからです。
ジェットコースターの軌道のように、一気に上がって一気に下がるのではなく、1度登った後も、売上を維持してくれます。
トレンドらしい流入アップが期待できつつも、ちゃんと実績が積み重なっていく。これは、なんとも美味しい話!
乗らなきゃいけないことは全くないけど、作風が許すなら是非チャレンジしてみて!
季節のトレンド
- お正月
- 成人式
- バレンタイン
- 入学/卒業式
- 母の日
- ハロウィン
- クリスマス
といった季節のイベントに関するトレンドです。
毎年決まってやってくる季節行事なので、もちろん一過性のトレンドではありません。
1年目の評判は、ちゃんと2年目3年目にも引き継がれます。1年目でトレンドに乗って獲得したお客さんは、2年目3年目も買ってくるかもしれません。
加えて、季節商品に満足したお客さんは、通年使える別のアイテムも手に取ってくれるかもしれません。
という風に、ちゃんとあなたの頑張りが積み上がっていくのです。
トレンドというよりは、「需要のある時期が著しく偏った商材」と呼んだ方が正確かもね
不可逆のトレンド
「不可逆」とは、「勢いが弱まることはあっても、決して後戻りはしない」という意味。
言い換えれば、「次代の新たな定番」として定着するトレンドですね。
- スマートフォン
- IoT家電(スマートスピーカーなど)
- キャッシュレス
は、不可逆のトレンドでしたね。
「不可逆なトレンド」も「一過性のトレンド」と同じく、最初は需要がグッと上がります。しかし、ピークを迎えた後も需要が0になることはなく、緩やかに売れ続けます。
成り上りのIT経営者もこのパターンですね。インターネット黎明期のビッグウェーブに乗り、その後も定着したインターネット業界に居座り続けているわけです。
黎明期のブームに乗っかれば、作品は飛ぶように売れ、作家としての評判も上がります。ブーム後は一旦落ち着くものの、長きにわたって売上を作ってくれるでしょう。
不可逆のトレンドの見分け方
問題は、数多ある「一過性のトレンド」から、どうやって「不可逆のトレンド」を判別するか?ですね。
「石ころの中から、どうやってダイヤの原石を発掘するか」という話。
それがわかれば苦労しないっつーの!
絶対の見分け方はないけど、大まかな予測はできるよ
まずは、高確率で消えてしまう「一過性のトレンド」の特徴から。
一過性のトレンドの特徴
- 一次的な需給バランスの逼迫による、ただの需要超過
- 他の商品でも、同じような満足が得られる
コロナ禍の「マスク」は、需要の急増で生産が追いつきませんでした。しかしそれは束の間の需要超過。後に生産が追いつき、ブームが去る未来は決まっていました。
「食べ物系」や「アイドル」のように、興っては消えを繰り返しているブームは、よほどずば抜けた満足感を与えない限り、一過性で消えてしまいます。
タピオカは美味しいですが、「タピオカ」じゃなきゃいけない理由はあまりないかと。「ハンドスピナー」は、そもそも大して満足する商品じゃないですよね?
ただ、この「ずば抜けて満足感がある」というのは、得てして後で振り返ってわかること。ブームの真っ最中に、「これは定着するぞ!」と判断するのは至難の業です。
個人的には、「パンケーキ」と「食べるラー油」は、ずば抜けて満足感高かったけどね
一頃よりは減ったけど、今でも普通に売ってるもんね
不可逆のトレンドの特徴
- トレンド前後で、明らかなライフスタイルの改善が見られる
- トレンド前後で、明らかな経済的なメリットがある
- 法制度の変化によるトレンド
「スマホ」は、文句なしに不可逆なトレンドでした。よって、スマホに付随する「スマホケース」も、同じく不可逆のトレンドとなりました。
「キャッシュレス化」も、不可逆のトレンドです。ボクが高校生の頃は、長財布がみんなの憧れでしたが、この先は名刺大の「コンパクト財布」に変わっていくでしょう。
「不可逆のトレンド」は、1度体験したら、元には戻れない変化をもたらします。
「西洋の科学技術に直面した明治の新政府」に例えられるかもしれませんね。直面すれば、もう前進以外に考えられない。明らかな「潮目の変化」を感じるはずです。
性質上、不可逆なトレンドの多くは、「テクノロジー」に連なっていることが多いよ
そっか!ライフスタイルを一変させるのは、最新テクノロジーだもんね!
と言っても、不可逆のトレンドが、必ずしもテクノロジー発とは限りません。
最近では、徐々に「脱ランドセル」のトレンドが進行しているそうです。
確かに、ランドセルじゃなきゃいけないルールはない。画一的なデザインで、しかも値が張るランドセルを、あえて選択する道理はないのかもしれません。
新たに、小学生の用途に最適化した「スクールバッグ」を再定義すれば、ヒットするかも?いや、いずれ誰かが作ってヒットさせるでしょう。
頻度は稀ですが、法制度の変化も見つけると強力です。例えば、「自転車のヘルメット義務化」。
元々ヘルメットといえば、バイク乗りかスポーツ用途くらい。一般人が街中で被るものではありませんでした。
それが、思春期の高校生も、オシャレに敏感なOLも、みな一様にヘルメットを被るようになったのです。これは大きな「潮目の変化」でしょう。
こうなると、「ただ頭を守るだけのヘルメット」では済まなくなります。よりカッコよく、よりオシャレに、よりラグジュアリーに、といった方向性が出てきます。
ヘルメット単体だけでなく、ヘルメット周辺のアクセサリ類も出てくるかもしれませんね。ヘルメットを被っても髪型が崩れないアイテムとかも考えられます。
ボク自身は未体験ですが、「キャンプ」や「サウナ」も、不可逆なトレンドに見えます。体験者の話を聞くに、その満足度は他では代え難いとお見受けしました。
ニュースとか雑誌とか、色々アンテナ立てとかないと!
不可逆のトレンドの切り口には、「PEST分析」が使えるよ
Politics(政治)
Economy(経済)
Society(社会)
Technology(技術)
の略ね
まとめ
自分を曲げない範囲で乗るならいいけど、無理して乗るようなもんじゃない。それがハンドメイド作家にとってのトレンドだよ
焦って周りの作家に流されないようにしたい!
この記事をまとめます。
トレンドに乗ることの意味
- 「トレンドに乗る=下駄を履く」。トレンドの力によって、実力以上の成果が出る
- しかし、トレンドは長くは続かない。売上を維持するためには、1〜3年で商材を乗り換えなければならない
- 下駄によるブーストを、「自分の実力」と勘違いしていると、近い将来詰む。下駄を履くなら、「履いている自覚」を持つべき
ハンドメイド作家がトレンドに乗るべきでない理由
- トレンドに乗ったところで、作れる数に上限がある以上、売上は頭打ちになってしまう。むしろ賞味期限が短いアイテムを作るデメリットの方が大きい
- トレンドに乗るためには、自分の創作意欲にフタをして、流行に寄せなければならない。「つまらない仕事」は、クリエーターにとっては死活問題
ではどんな作品を作れば良いのか?
- 「エバーグリーン商品」を作るべし
- すなわち、「時代に関係なく根強い需要がある、定番の商品ジャンル」を選ぶ
乗っても良いトレンド
一過性ではない、定着している(あるいはしていく)トレンドなら、攻める価値は大いにある
- 季節のトレンド
毎年来る季節行事系のトレンドは、実際には定番といって良い。ただ需要がある時期が著しく偏っているというだけ - 不可逆のトレンド
「次代の新たな定番」に落ち着くトレンド。後戻りが考えられないような潮目の変化。テクノロジーによってもたらされることが多い
とまぁ、
- 「トレンドに乗るな」と言ったり、
- 「場合によっては乗っていい」と言ったり、
あれこれ気を揉ませてしまいましたね。
要するに、「トレンドなど、あまり気にするな」という話です。最終的には、あなたが本当に作りたい作品でない限り、長く売れ続けることはありません。
コロナ禍に突入した際、裁縫系の作家さんの多くは、「マスク」に飛びついたのではないでしょうか。スコッーンと売れてしまった作家さんもいるでしょう。
そんなシーンを横目に、
- 「わたしもマスクを作るべきなのか?」
- 「やるなら急がないと…!」
と、ヤキモキした作家さんも、また多かったはずです。
悩んだときは、ぜひ胸に手を当ててみてください。目を瞑って、「これは、本当にわたしが作りたいものなのか?」と、自らに問うてください。
心が声が「NO」なら、そのトレンドには乗るべきでないということです。
そんなトレンドなど気にせず、昔から売れている「定番商品」に目を向けてください。この記事では、マーケティング用語を用いて「エバーグリーン作品」と呼びました。
ピアスでも、お茶碗でも、お財布でも、候補はいくらでも転がっていますね。
定番商品の中から、あなたの作風にあったものを選べば良いだけです。焦る必要なんかありません。昔からの定番に、今さら早いも遅いもありませんからね。
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