現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
マーケティングの勉強をすると、「ベネフィット」と「メリット」という言葉がよく出てきます。
雰囲気が似ているためか、ほとんどの人がこの2つを区別せずに使っています。実際に、「あなたの商品のベネフィットは何ですか?」と聞かれて、メリットをしゃべってしまう人をたくさん見てきました。
この瞬間、質問した人に「わかってねぇな、コイツ」って思われちゃうんだよね
しかし売れてる人は知っています。ベネフィットとメリットの間に、ハッキリとした違いがあることを。
重要なのは、圧倒的にベネフィット。メリットは、ベネフィットを支える下僕にすぎません。
ふーむ、ベネフィットが親で、メリットが子なのかな?
ただ辞書を引いても、英単語を訳しても、ベネフィットとメリットの真の違いは理解できません。具体的な例を交えて説明しなければ、まず腹落ちしないでしょう。
この記事を読み終えたあなたは、商品をパッと見ただけで、売れるか売れないかが判別できるようになります。まるで第3の眼が開いたかのような感覚になると思います。
もしあなたが、ベネフィットを理解して商品を企画すれば、お客さんから別次元の反応を得られるでしょう。
マーケティングセンスの根幹に関わる話なので、絶対に理解してね!
ベネフィットとメリットの違い
「ベネフィット」は、その商品を使うことで手に入る理想の未来のことです。意識しているか、無意識のうちに抱いているかはさておき、お客さんが叶えたい願望そのものです。
一方で、「メリット」は、ベネフィットが手に入る根拠となる商品の特徴です。仕様やスペックと呼ばれる類は、全てメリットです。
とあるベネフィットを叶えるために、その商品はメリットを備えるのです。
要領を得ない説明をよく目にするけど、ザッツオール
これが全てだよ
おー、言い切ったな
「ブランドトマト」を例にすると、次のようになります。
ベネフィット | メリット |
---|---|
フルーツのように甘い | 農薬なしの有機栽培 糖度12% あえて水をやらない農法 |
1つの商品のベネフィットはそう多くありません。
1つあれば十分で、多くても3つくらい。「その商品のベネフィットはなんですか?」と聞かれたら、もっとも強い1つだけを答えるのがマナーです。
一方で、メリットの数に上限はありません。いくら多くてもOKです。逆にベネフィットを実現できさえすれば、1つだって構いません。
語るべきはベネフィット
よく商品の素晴らしさを伝えるために、優れたスペックを並べ立てるプレゼンを目にします。
- 一人ひとりに最適な個別指導!
- 経験豊富な講師陣!
- ツボを押さえた専用テキスト!
こういった商品のスペックに当たるものは、全てメリットに該当します。
ベネフィットを叶えるための特徴に過ぎないメリットを、第一に伝えるのは大きな間違いです。
お客さんが聞きたいのは、「志望校に合格する」というベネフィットなんですから。
ベネフィットが先に来ないと、「で、だから何?」って感じ
よほど詳しい人ならスペックからベネフィットを連想できるけど、そうじゃない大多数の人にはポカーンだよ
お客さんが欲しいのは商品でなはない
とても大事なことをお話ししましょう。お客さんが欲しいのは、商品ではありません。
お客さんが、お金を払ってまで欲しいのは、その商品がもたらしてくれるベネフィットです。
この話は一生物のマーケティングセンスになるから、絶対に理解して!
欲しいのはベネフィットへの最適解
東京から大阪へ旅行するとき、あなたはどの交通機関を使うでしょうか?
求めているベネフィットは、「歩くと大変な距離を素早く、快適に移動できる」ですね。
飛行機?新幹線?在来線?高速バス?レンタカー?いずれも1つの商品です。時間と快適さをコストとの天秤にかけると、多くの人の最適解は「新幹線」でしょうか。
ただベネフィットが手に入るなら、どの商品だって良いはずです。もし飛行機の方が都合が良ければ、あっさり鞍替えするでしょう。
極端な話、「どこでもドア」があれば、最適解は塗り替えられます。全ての交通機関はお払い箱になるでしょう。
ね?商品なんてただの手段
商品そのものを欲しがってる人なんていないんだよ
んー、わかるよ?
わかるんだが、もうちょっと聞かないとしっくりこないような…
OK!じゃさらに深い話を続けていくよ!
より大きなベネフィットに大金を払う
その商品の価値は、ベネフィットの大きさで決まります。より大きなベネフィットをもたらす商品は、より高い値段でも買ってもらえます。
同じような移動距離で、電車やバスよりもはるかに高額なタクシーを使う人がいるのはなぜでしょうか?
単純にタクシーの方がベネフィットが大きいからです。タクシーなら100%座れますし、決められた駅まで出向く必要がなく、目的地まで一気に連れていってくれます。
速さでも快適さでも、電車やバスを上回っているタクシーは、相対的に高いベネフィットを提供しているわけです。
商品は同じでもベネフィットの大きさは変わる
同じ商品ですら、ベネフィットの大きさは変わります。
どういうこと?
商品が同じならベネフィットも同じでしょ?
ノンノン。ヒントは「売り方」にある!
コンビニとスーパーには全く同じ商品が売っているのに、割高のコンビニでも売れています。これもコンビニのベネフィットの方が大きいからです。
お客さんは菓子パンや歯ブラシが欲しいわけですが、面倒なのでなるべく早く用を済ませたいのです。遠くのスーパーまでわざわざ足を運びたくないし、広い店内で目的の品を探したくもない。深夜だったら朝まで待ちたくないのです。
だから「手っ取り早く欲しいモノが手に入る」というベネフィットに、+αのお金を払うわけです。
最初にコンビニのコンセプトを聞いた人は、「スーパーで安く買えるのに割高で買うバカなんているわけない」と思ったんじゃないかな?
「ベネフィットが大きければ割高でも売れる」と、証明されたのね
美容師の腕も、ある一定のレベルまで到達すればそれほど差は出ないと思います。
ですが、カット3,000円の美容院もあれば、カット1万円の美容院もあります。やはりベネフィットによって値段に差が出ています。
人生相談や恋愛相談に乗ってくれる美容師さんは、常に予約でいっぱいと聞きます。髪を切るだけなら誰でもいいですが、悩みを解決してくれるのはその人しかいません。だから+αのお金を払ってでも、その美容院に通うのです。
商品の差別化=ベネフィットの差別化
よく「商品を差別化しよう!」と言われますね。
この「差別化」とは、「ベネフィットの差別化」に他なりません。
お客さんはベネフィットを買っているわけだから、当然ベネフィットが違ってないと差別化にならないでしょ
確かにそういうことになるな
差別化のパターンは2つあります。
2つの差別化
- 他の商品と同じベネフィットをより強化して提供する
- 他の商品とは違うベネフィットを提供する
前者は、「競合より優れていること」を差別化としています。
後者は、「競合とは根本的に異なる目的を持った商品であること」を差別化としています。
小規模プレーヤーは競争する体力がないので、後者を選びましょう。競合と違うベネフィットを提供するのがオススメです。
ベネフィットは悩みや欲求から生まれる
ベネフィットとは、お客さんが持っている
- 夜も眠れない「悩み」
- どんなハードルを超えてでも叶えたい「欲求」
を解決したり満たしたりすることで、生まれるものです。
お客さんは様々な悩みや欲求を持っています。
「モテたい」「お金を稼ぎたい」
「痛みを和らげたい」「不安を克服したい」
「誰かと仲良くなりたい」「ゆっくり寝たい」
「おなかいっぱい食べたい」
しかしどうやって解決すれば良いのかは知りません。
そこに「ベネフィット」という名の回答を提供するのが商品です。
お客さんの悩みや欲求なくして、ベネフィットは存在しません。ベネフィットがなければ、商品も存在し得ないのです。
ざっとまとめると、
- お客さんの悩みや欲求を理解できなければ、ベネフィットは見出せない
- ベネフィットがない商品はありえない
- お客さんの悩みや欲求を理解できなければ、商品は作れない
という三段論法になります。
マーケティングには色んな分野がありますが、全ては「お客さんの悩みや欲求」からスタートします。ここは絶対に腹落ちさせてください。
ココめっちゃ大事なところだね
悩みや欲求が変われば最適解も変わる
当然ですが、悩みや欲求が変われば、お客さんが求めるベネフィットも変わります。芋づる式に最適な商品のカタチも変わります。
ひとつ、「カメラ」を例に考えて見ましょう。
ここにスマホのカメラでは満足できない2人がいます。
- 「フォトグラファー」のタロウさん
主に自然の風景を専門に撮影している。雪山に泊まり込みで撮影に行くこともしばしば - 「ハンドメイド作家」のミキさん
ライバル作家よりもキレイな作品画像を撮りたい。カメラは全くの素人
欲しいものは「カメラ」で共通していますが、悩みや欲求は異なります。
この2人が満足する商品には、どんな違いが出るでしょうか?
お客さん | フォトグラファー | ハンドメイド作家 |
---|---|---|
悩み/欲求 | 写真を通して、自然の美しさや雄大さを世界中の人たちに知ってほしい | ライバル作家よりキレイで雰囲気のある作品画像で差をつけたい |
ベネフィット | 目で見たまま風景を撮影できる 長時間使える | ズブの素人でもスマホよりキレイな写真が撮れる |
メリット | 画質が非常に良いフルサイズセンサー 見たままを撮影できる一眼レフ バッテリーが長持ちする | コスパの良いAPS-Cサイズセンサー 操作しやすいボタン配置 女性でも使いやすい軽くて小型 |
最適な商品 | フルサイズの一眼レフ(50万円) | ミラーレス一眼のエントリーモデル(10万円) |
カメラ屋の店員さんは、何も聞かずに「コレのカメラが一押しです!」なんて言いません。
まずお客さんがどういうシーンでカメラを使おうとしていて、どういう写真が撮れれば満足するかをヒアリングします。
そうしなければ、そのお客さんにとってどのカメラが最適解か判断できないからです。
1つの商品カテゴリーの中にたくさんのモデルが存在するのは、それを求める人によって悩みや欲求が違うからです。カメラでも車でも洋服でも同じです。
「運動会でリレーを走る息子を撮るパパ」なら、また違った商品を手に取るだろうね
手ぶれ補正が効いてるとか、オートフォーカスが早いとか
言われてみれば、至極当たり前の話だわな
理解すべき欲求の構造
ここまでで、「悩みや欲求」→「ベネフィット」→「メリット」→「商品」という一連の流れが見えましたね。
商品設計において、最上流にある「悩みや欲求」が全ての出発点なので、コレを突き止めなければなりません。
でも悩みや欲求って、人によって点でバラバラじゃん?
突き止めようがなくない?
ところがどっこい
悩みや欲求さえもパターンが決まっているんだな
ここでは1番有名な「マズローの5段階の欲求」を使って解説します。
マズローの5段階の欲求
心理学者のアブラハム・マズローは、人間の根源的な欲求を5段階に分類しました。
欲求の段階 | 欲求の中身 |
---|---|
①生理的欲求 | 食欲や睡眠欲などの生命維持に関する欲求 |
②安全の欲求 | 身の安全や身分の安定への欲求 |
③所属と愛の欲求 | 他人とのつながりを求める欲求 |
④承認の欲求 | 自尊心や他人からの評価を求める欲求 |
⑤自己実現の欲求 | 自分らしさや、自分のやりたいことを追求したいと考える欲求 |
様々ある悩みや欲求は、この5つを出発点にしていると考えると良いでしょう。
マズローの説は科学的に立証されてないから、心理学の世界では評判悪いけど、ビジネス界ではメチャクチャ人気あるよ
現場の人には納得感があったってことかな?
実践値は高そう!
低い欲求が優先されるが…
このピラミッドの絵で言うと、人間は、低い欲求ほど緊急性が高く、優先して満たそうとします。
これは想像してみれば当たり前の話で、明日食べるご飯にも苦しんでいるような人が、SNSで「いいね」を貰おうとは思わないでしょう。
ただ現代の日本は、低次の欲求はある程度満たされています。現代人の欲求は、より高次の「承認欲求」と「自己実現の欲求」にシフトしていると考えられます。
低次の欲求を叶えるだけだと、高く売れない
低次の欲求は、ある程度満たされると満足してしまいます。そのため、低次の欲求を満たす商品は、原則として高く売れません。
- 「生理的欲求」を満たすトイレットペーパー
- 「安全の欲求」を満たす防災グッズ
にあえて高額を払おうという人はいないでしょう。用をたせればOKなので、高いお金を払う動機がないからです。
医薬品は「安全の欲求」の範疇ですが、効果が同じでより安価なジェネリック医薬品に抵抗がある人は少ないと思います。これがブランド物のバッグだと、ジェネリックなど到底受け入れられません。
こういった生活必需品で、原価を大幅に超える値段がつくことはほぼありません。また同じ商品カテゴリーの中で2〜3倍の価格差はあっても、10倍以上の差はつきません。
高単価商品は、必ず欲求のレベルを上げている
低次の欲求は満たされると満足する一方で、高次の「承認欲求」と「自己実現の欲求」には終わりがありません。永遠に求め続けてしまう根深い欲求です。
ここにマーケティング的なヒントがあります。
世の中で高単価がつく商品は、必ずと言っていいほど「承認欲求」か「自己実現の欲求」を絡めています。
終わりのない欲求を相手にした商売なので、価格を青天井に吊り上げられるからです。上には上のグレードの人がいるので、庶民には法外な値段でもビジネスが成立します。
移動手段としての車は「安全の欲求」を満たす商品です。だから軽自動車は100万円もしないですよね。でも「承認欲求」を絡めた高級車は、500万〜2,000万円くらいで売れています。中には1億円を超えるような商品もあります。
腹を満たすための飲食店は「生理的欲求」を満たす商品です。だから立ち食い蕎麦は500円もしません。しかしそこに接待やデートや自分へのご褒美という属性が加わると、「承認欲求」が絡み客単価は1万円以上になります。
腕時計やアパレルもそうです。住宅も、美容整形のような自由診療も。事例はいくらでも転がっています。
- 同じ商品カテゴリーにも関わらず、下位と価格差が10倍以上ついている
- 原価から大きく乖離した値段なのに売れるている
のいずれかのサインが見えたら、間違いなく「承認欲求」か「自己実現の欲求」を絡めた商品です。
マジか!すげぇヒミツを知っちゃった気分だわ!
高次の欲求を満たす商品は、総称して「ライフスタイル商品」と呼ばれている
三越とか伊勢丹に山ほどあるから、勉強のつもりで上から下まで見るといいよ
ベネフィットで考えるハンドメイドの商品設計
前置きが随分と長くなってしまいましたね。
ここからようやくハンドメイドの話になります 笑
ここまでが全部前置きだったの!?
商品設計の原則はハンドメイドでも同じ
- お客さんの悩みや欲求を突き止める
- ベネフィット(作品を使うことで得られる理想の未来)を定義する
- ベネフィットを実現するための仕様(メリット)を決める
- 作品制作
という、商品設計の一連の流れは、ハンドメイドでも変わりません。
しかし、おそらく世の中のハンドメイド作家の多くは、
- 素材は何使おうとか
- 何色にしようとか
- 大人っぽいデザインにしようとか
から考え始めて、そのまま制作に進んでいると思います。
厳しいことを言いますが、そんなことはどうだっていいんです。お客さんが欲しいのはベネフィットなんですから。
お客さんが喉から手が出るほど欲しい「ベネフィット」を語らない限り、あなたの作品は手に取ってもらえません。
ビジネスも川と同じで、上から下に流れていきます。上流の工程が正しくない限り、下流の工程で正しくなることは絶対にありません。
スタート地点でやり方を間違えてしまうと、その後も永遠に間違えたままになってしまいます。
ここに気づけないと、いつまで経ってもあなたの作品は売れないよ!
「作品を使うシーン」からベネフィットを想像する
お客さんの悩みや欲求からスタートして、キレイに上流から下流に進めるのがベストですが、実際には行ったり来たりしながら商品設計することになります。
ハンドメイドだと自分の制作スキルで何でも作れるわけじゃないので、
- 「名刺入れを作ろう!」
- 「手袋を作ろう!」
- 「花束を作ろう!」
と、初めから作品に当たりをつけているパターンも多いと思います。
ワタシはフラワーアイテムの作家だから、作れるものってけっこう絞られちゃうんだよね
別に悪いことじゃないよ
大事なのは、その後の思考!
こういうときは、次の順番で考えてみましょう。
- お客さんが作品を使うシーンをリアルに想像する
- お客さんにとって、そのシーンは何のためにあって、どうなったら成功なのか?
- そのシーンを行う上で、何かネガティブなことはないか?
まず①に想いを馳せて、②③からベネフィットのヒントを得ます。
「名刺入れ」のベネフィットの例
- 使うシーン
→取引先の人と初めて会って名刺交換するとき - 何のため?どうなったら成功?
→初対面の取引先に自分を覚えてもらって、これから一緒に良い仕事ができるようなる - ネガティブなこと
→2度と名刺が見られないで、自分のことを忘れられてしまうこと
ベネフィットは「初対面で好印象を残せる」「覚えてもらえる」などが考えられそうです。もっとシンプルな言葉に直すと、「取引先と仲良くなれる」が良さそうですね。
商品コンセプトは、もちろん「取引先と仲良くなれる名刺入れ」です。
(余談)仲良くなれる金色のMacBookの話
ボクはサラリーマン時代に、金色(マッキンキンじゃなく、落ち着いた感じのゴールドですが)のMacBookを使って仕事をしていました。
初めてボクのMacBookを見た人は、「え?それパソコン?そんな色あるの?」とか「なんでその色選んだの?」と突っこんでくれます。
その度にいつも、「カッコいいでしょ?実はこうやって突っこんでもらえるからこの色にしたんです 笑」と答えていました。
そうやって自然なアイスブレイクができて、たくさんの人と仲良くなることができました。
ボクにとって金色のMacBookは、単なるノートパソコンではありません。初対面の人と仲良くなれるベネフィットを持ったコミュニケーションツールでもあったのです。
他にも色々考えられます。
ベネフィットの例
- 「取引先と仲良くなれる」名刺入れ
- 「肩が凝らない」ショルダーバッグ
- 「プロポーズに成功する」花束
- 「チクチクしない」ニット
- 「指先までジンワリ暖かい」手袋
- 「出世できる」お歳暮・お中元
コレらのベネフィットが、5段階の欲求のどれを満たすか考えてみよう
高次の欲求を満たすベネフィットほど、高く売れそうなことに気づくかな?
あったかい手袋は嬉しいけど、高く買ってもらえるイメージは湧かないかも?
頭を捻る必要はありますし、全ての作品がここまで明快なベネフィットをつけられるわけではありません。
しかし、明快なベネフィットがある作品は、間違いなく強いです。
ハンドメイドで1番頭を使うのはベネフィットの定義。ここはぜひ真剣に向き合ってください!
ハンドメイドによくあるベネフィット
明快なベネフィットがあるに越したことはないのですが、現実として、ハンドメイド作品のベネフィットはボヤッとしてしまいがちです。
総称すると、ハンドメイド作品の多くは、「身につけたり、部屋に置いたりすることで、自分らしいライフスタイルを手に入れられる」というベネフィットになるでしょう。
あー、だいたいコレだわ
そうだとしても、構造を分解することで、作品をブラッシュアップできるよ!
このベネフィットの裏には、次の2つの欲求が隠れています。
- 他者に「私はこういうセンスや嗜好を持つ人間なんだ!」と認知させたい(承認欲求)
- 思い描いている理想の自分になりたい(自己実現の欲求)
ここが重要なポイントで、お客さんは「キレイな作品」や「かわいい作品」を求めているわけではないということです。
ぜひ過去の買い物のシーンを、冷静に思い出してみてください。
雑貨屋さんに行けば、キレイでかわいい商品がいっぱいあります。でもそれだけは買わないはず。ほとんどは「へぇー」と思いながら、お店を後にしていると思います。
「あ!コレ買おう!」と思うのは、その商品に「自分らしい雰囲気」を見出したからじゃないでしょうか?
作品を「キレイにしよう!」「かわいくしよう!」という意識よりも、「お客さんが求める自分らしさを演出しよう!」という意識を持つのが正解です。
なんか難しそうだけど、やるしかない…!
お客さんの中には、どんな理想の自分がいるか。これをよーく理解しなければならないよ!
詳しくは↓の記事を参考にしてみて!
まとめ
今回はベネフィットの話でした!
重要なことしか話さないこのサイトの中でも、特に重要な話だったよ
いやぁ、深い内容だった
知ってると知らないでは、作品にかなり差が出そう!
この記事をまとめます。
ベネフィットとメリットの違い
- 「ベネフィット」
:その商品を使うことで手に入る理想の未来のこと。お客さんが叶えたい願望そのもの - 「メリット」
:ベネフィットが手に入る根拠となる商品の特徴。仕様やスペックと呼ばれる類は全てメリット
お客さんが真に求めているのは?
- お客さんが求めているのは、商品ではなくベネフィットへの最適解
- より大きなベネフィットには、より高い金額を払う
- 商品は同じでも、売り方でベネフィットを大きくできる
ベネフィットの根っこにある欲求
ベネフィットは、人間が持つ欲求から生まれる。有名なマズローの説では、欲求は次の5段階に分けられている。
- 生理的欲求
:食欲や睡眠欲などの生命維持に関する欲求 - 安全の欲求
:身の安全や身分の安定への欲求 - 所属と愛の欲求
:他人とのつながりを求める欲求 - 所属と愛の欲求
:自尊心や他人からの評価を求める欲求 - 自己実現の欲求
:自分らしさや、自分のやりたいことを追求したいと考える欲求
お客さんは商品そのものを求めているのではありません。お金を払ってでも欲しいのは、その商品がもたらしてくれるベネフィットです。
そしてベネフィットとは、お客さんが持っている悩みや欲求を、解決したり満たしたりした先にある未来の姿です。
だから商品設計は、必ずお客さんの悩みや欲求からスタートしなければなりません。
お客さんをよく知ることが何より大事。このビジネスの大原則は、ハンドメイドでも変わりません!
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