現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
「どう頭を捻れば、売れる作品を企画できるのか?」
ズバリ、あなたが1番悩んでいるのはこれでしょう?
しかし、ネットで調べてて出てくるのは、こんな情報ばかり。
【主婦でも売れるハンドメイドジャンル10選!】
- アクセサリー
- ドライフラワー
- レザークラフト
- 子供服
- ペット用品
- …(以降も続く)
これ、単にminneとかCreemaの主要ジャンルを挙げてるだけですよね。これを見たあなたは、「そういうことじゃないんだよなぁ」と、首を傾げていることでしょう。
そう。あなたが知りたいのは、こんな単純で、レベルの低い、誰でも飛び付けるような答えではありませんね。
このサイトのターゲットは、小遣い稼ぎの主婦ではありません。惚れ込んだ技法によって、独自の世界を表現しようとしているクリエーターです。
あなたがクリエーターなら、制作スタイルは大体決まっているはずですね。
- 「刺繍」かもしれませんし、
- 「レジンクラフト」かもしれませんし、
- 「陶芸」かもしれません。
- ボクの奥さんは「フラワーアイテム」でした。
フラワーアイテムの時点で、子供服とかレザークラフトとか無理だしな
「コレ!」と決めた制作スタイルの中で、どうすれば売れる作品を作れるのか?
例えば、アクセサリーといっても、競合が多すぎる。その中でどうやって、売れる作品に仕立てていくか?
知りたいのはこれでしょう?
まさにそれだ!
この記事で解説しているのは、「売れる作品に必要不可欠な4つの原則」と「それを満たすための15の着眼点」です。
あなた自身が、売れる作品を企画するための「土台」となる知識です。「売れるジャンル10選」のような一足飛びの話ではありません。
ボクがこの記事であなたに与えたいのは、「魚」ではなく、「魚の釣り方」なんです。
保証します。ここまで言語化した記事は他にはありません。売れる商品設計の極意を全て詰め込んだ超有料級の内容です。ぜひ最後までご覧ください。
売れる作品に必須の4原則
まずは売れるハンドメイド作品を企画するために、守らなければならない原則をお伝えしましょう。
売れる作品の原則
- 原則①:明快なベネフィットがある
- 原則②:ターゲットを絞る
- 原則③:ライバルと差別化する
- 原則④:ニーズとウォンツの両方を満たす
①②③は、全ビジネスに共通する絶対条件です。
④に関しては、ハンドメイド作品を含む、ライフスタイル商品全般で追加で満たさなければならない条件です。
この4つさえ押さえれば、売れる作品は絶対に作れるよ!
原則①:明快なベネフィットがある
「ベネフィット」とは、その商品を使うことでもたらされる理想の未来です。
お客さんは、商品そのものが欲しいわけではありません。ベネフィットが欲しいのです。ベネフィットに対して、お金を払っているのです。
例えば、世の中には次のようなベネフィットの製品があります。
製品名 | ベネフィット |
---|---|
新幹線 | 素早く遠くまで、快適に移動できる |
ヒートテック | とにかく暖かい |
UberEats | 自宅にいながら外食ができる |
ダイソンの掃除機 | パワフルな吸引力で部屋がキレイになる |
ブランドトマト | フルーツのように甘くて美味しい |
ライザップ | 自信が持てるボディが手に入る |
同じ掃除機でも、「ダイソン」と「ルンバ」は違うベネフィットを持っているよ。わかるかな?
ダイソンは「部屋を完璧にキレイにする」で、ルンバは「楽して時短で掃除する」か!
ベネフィットは、お客さんがその商品を買う理由そのものです。そして、どれだけ高いお金を払うかは、ベネフィットの大きさで決まります。
ここで1つ、あなたはマインドセットを変えるべきですね。
「わたしが売っているのは、作品ではなく、作品がもたらすベネフィットである」と。まずはここからです。
どんな作品にもベネフィットは存在する
あなたはこう思ったかもしれません。
- わたしの作品には、工業製品や便利なサービスのようなベネフィットがない
- アクセサリーやヘッドパーツのベネフィットって、いったい何なんだ?
しかし、ハンドメイド作品も例外ではありません。
お客さんは、あたなの作品を身につけたり、自宅に飾ったりした映像を思い浮かべます。
そしてその映像的なイメージが、自身の理想のイメージとピッタリ重なったときに、欲しくて欲しくてたまらなくなるのです。
これは、「キレイ」とか「カワイイ」みたいな、単純な話じゃないよ
お客さんが持っている、
- 「こうなりたい自分」
- 「こう見られたい自分」
を叶えてあげることで、理想の自分になれるようにする。
これがハンドメイド作品が満たすべきベネフィットです。
うおぉ!ふ、深い!
原則②:ターゲットを絞る
同じ商品を探している人でも、求めているベネフィットは異なります。
スマホケースを例にすると、ざっとこんな違いがあるでしょう。
ターゲット | 求めるベネフィット |
---|---|
ミニマリスト | カードなども入って、財布の代わりにもなる |
工事現場で働く人 | 頑丈で、落としてもスマホが割れない |
バンギャ | とにかく推しが描かれたケースが欲しい |
ビジネスマン | 高級感があり、落ち着いた雰囲気で、取引先で取り出しても違和感がない |
アウトドア好き | バッテリー機能つきで、充電しなくても長時間スマホが使える |
言われてみれば、当たり前の話だわな
「ターゲットが広い=ターゲット不在=誰も欲しがらない」です。何の変哲もないただのスマホケースは、誰もが買うと思いきや、実際には誰の琴線にも触れません。
ターゲットを絞るとは、特定のお客さんのベネフィットを叶えることに焦点を絞り、それ以外のお客さんを無視することです。
ターゲットを絞るほど、競合が少なくなっていき、あなたの作品は確実に売れやすくなります。また価格競争に陥らないので、高い値段でも買ってもらえます。
どこまでターゲットを絞れるかは、その企業の規模によりますね。
ターゲットを絞るほど市場のパイは減ってしまうので、売上目標の大きい大企業はなかなか絞れません。売上目標の小さいハンドメイド作家なら、大胆に絞ってOKです。
原則③:ライバルと差別化する
ターゲットを絞れた時点で、ライバルはグッと減らせました。あともう一息です。
- 「ベネフィット」があって、
- 「ターゲット」が絞れていて、
- ライバルと「差別化」できていれば、
もう売れない理由はありません。
数ある候補の中から、あなたの作品を手に取ってもらう排他的な理由を作りましょう。「残り少なくなったライバル」と「あなた」との間に、明確な違いを作るのです。
「お客さんが買う理由=ベネフィット」ですから、「差別化=他の作品とは違うベネフィットを提供すること」となります。問題はその中身ですね。
ハンドメイドにおいては、次のような差別化が候補に挙げられます。
ハンドメイド作品の差別化ポイントの候補
- 品質(制作スキル)の高さ
- デザイン
- 機能
- 素材
- 知識
- 他の作家が使っていない機材による加工
- 作品や作家の持つストーリー
あなたの強みを活かした差別化をすべきですね。あなたの置かれた環境で、どう輝けるかを考えるべきです。
もしあなたの制作スキルのレベルが相当に高いなら、品質の高さで勝負すれば良いでしょう。できるならその道を歩みたいものですね。
しかし現実的には、必ずしも品質ゴリ押しで勝てるとは限りません。そこで、デザインやストーリーなどで、あなたにしかできない差別化をするのです。
なお、価格が安いことも差別化になりますが、この選択肢は取らないでください。量産できないハンドメイド作家にとって、価格勝負は切ってはいけないカードです。
ここまでの「ベネフィット」「ターゲット」「差別化」が、商品設計のキホンだよ!
原則④:ニーズとウォンツの両方を満たす
「ニーズ」と「ウォンツ」は、全ての商品で意識するわけではありません。しかし、ハンドメイド作品においては、絶対に押さえておきたい追加の原則になってきます。
結論から言ってしまうと、両方を満たさない限りハンドメイド作品は売れません。
「ニーズ商品」とは? | 「ウォンツ商品」とは? |
---|---|
それがないと生活や仕事に支障が出る商品。必要な「機能」を満たす。 | それがなくても生活に支障はないけど、欲しくなってしまう商品。消費することで「心」を満たす。 |
「ニーズ商品」の例 | 「ウォンツ商品」の例 |
米、塩やしょうゆなどの食料品 電気、ガスなどの生活インフラ 衣服、下着などの衣料品 | 宝石、腕時計 コレクターグッズ アート作品 |
例えば、「洋服」は、生活に必要という意味では、「ニーズ商品」です。しかし同時に、自分らしいデザインによって心を満たす「ウォンツ商品」でもあります。
- 現に必要なので、何かしらは買わなきゃいけない
- せっかくなら、+αのお金を払って、気に入った品を買いたい
こういう商品が、「ニーズ」と「ウォンツ」の両方を満たすのです。
「高級車」や「バッグ」も同じく、ニーズとウォンツの両方を満たしているよ
「ニーズ」がなければ、今すぐ買ってもらえません。場合によっては、永遠に買ってもらえないかもしれません。しかしニーズがあっても、「ウォンツ」がない限り、高く売れません。
こういう関係です。だからハンドメイド作品は、「ニーズ」と「ウォンツ」の両方を満たさなければならないのです。
売れる作品を企画する15の着眼点
では、より具体的に、売れる作品の着眼点をお伝えしましょう。
いずれも、先ほど伝えた4つの原則に従った着眼点です。
売れる作品の着眼点
- 買う習慣がある商品
- 応用美術
- オリジナリティあふれるデザイン
- UX上クリティカルな差別化
- すぐ使える/手間いらず
- 自作している人が多い商品
- タイムマシン戦略
- 1人が何個も買うアイテムか?
- ライフスタイル商品化
- ライフイベント系
- 儀式/宗教系
- ギフト
- 子供/ペット向け
- ブランドアイコンなしで高く売れてる商品
- 作家自身が自信を持てる作品
全部満たす必要はありません。というより全部はムリです。
ただ、売れる作品は、これらの着眼点を複数備えていることが多いですね。
ここから先は、本当に目からウロコが落ちるよ!
どんな話になるんだろう(ドキドキ…)
着眼点1: 買う習慣がある商品
「アフリカで靴を売りたい営業マンの話」をご存知ですか?
有名なので、一度は耳にした人が多いと思います。
ライバル同士の靴メーカーA社とB社は、アフリカのある国に進出したいと考えていました。現地に飛んだ営業マンは、それぞれ本社に次のように報告しました。
- A社の営業マン
「ここはダメです。誰も靴を履いていないので、需要がありません」 - B社の営業マン
「誰も靴を履いていません!我々が市場を席巻するチャンスです!」
同じような光景を見ても、2人は違う反応を示しました。それが、両社のその後の明暗を分けたとかなんとか。
このお話では、「チャンスと捉えたB社の営業マンが正しい!」というオチが一般的です。しかし実際には、そうではありません。
「靴を履く習慣がない人」に靴を売るには、まず現地に靴を履く習慣を根付かせなければなりません。これは恐ろしく大変で、コストも時間もかかる話です。
日本に「バレンタインデー」の習慣が根付くまで、約40年かかってるからね
40年…。待ってたら、おばあちゃんになっちゃう
その覚悟があるなら、習慣が根付く前の市場は、素晴らしいブルーオーシャンです。しかしその覚悟も体力もないなら、手を出すべきではありません。
そして、個人で活動するハンドメイド作家は、手を出してはいけない側です。
「絵画」は、多くのお客さんにとって買う習慣がない商品です。
もしあなたが、週末にギャラリーに通うような「ハイソなお客さん」をターゲットにしているなら、「絵画」でも買ってもらえるかもしれません。
しかし「一般大衆」の中にターゲットがいるなら、「絵画」は買う習慣のない商品です。どんな素敵な作品であっても、手に取ってもらうのは難しいでしょう。
アメリカやカナダのログハウスに飾ってある、鹿だかトナカイだかの首の置物も、日本では売れないでしょう。だって買う習慣がないんですから。
おとなしく、買う習慣が根付いている商品を選びましょう。「わたしが先頭に立って、この商品を日本に普及させよう!」などと思わないことです。個人では不可能なので。
別に難しい話ではありません。あなたやあなたの身近な人が、実際に買ったことがある商品ジャンルを選べば良いだけです。
買う習慣がない作品を売らざるを得ない場合は?
もし特殊なジャンルを扱っていて、どうやっても一般大衆が買う習慣がない作品を売らざるを得ない場合は、どうすれば良いでしょうか?
打開策はあります。馴染みがあるジャンルになぞらえて売りましょう。
ニューヨークで明太子を販売したところ、「気持ち悪い!」と言われて、全く売れなかったそうです。アメリカ人に、生の魚の卵を食べる習慣はありませんからね。
そこで、「博多スパイシーキャビア」というキャッチコピーをつけて売ったところ、大ヒットしたそうです。
アメリカ人は、フランス料理をリスペクトする傾向があります。彼の地では見慣れぬ明太子を、高級食材として認知されている「キャビア」になぞらえたわけです。
すげぇアイデア!一本取られたって感じ!
着眼点2:応用美術
「応用美術」は法律用語なので、聞いたことがない人が多いと思います。
なんで、あえてそんな難しい用語を持ち出したん?
それは、「応用美術」の意味するところが、ハンドメイド作品が目指すべき1つの方向性を、絶妙に言い当てているからです。
- 純粋美術
:「鑑賞する」が想定されている美術品・工芸品 - 応用美術
:「使う」と「鑑賞する」の用途が混在している製品 - 工業製品
:「使う」が想定されている製品
絵画やオブジェなどの「純粋美術」は、実生活で使い道がないので、カンタンには売れません。名前だけで売れるネームバリューがないと、商売にならないでしょう。
一方で、単に使うだけの「工業製品」では、企業に太刀打ちできません。機能性でも、価格面でも、工場の大量生産品に敵わないでしょう。
そこで両者の中間である「応用美術」を狙うのです。実用性があり、一方で鑑賞の対象にもなるような、独特のデザインが施されている製品です。
応用美術の例
- デザイナーズ家具
- タコの形をあしらった滑り台
- 伝統工芸人形
- 絵皿
これらは、ほんの一例です。例に引っ張られる必要はありません。
意識すべきポイントは、「デザイン性のある実用品」です。ここを目指せばOKです。
着眼点3:オリジナリティあふれるデザイン
応用美術の話と重複感がありますが、作品のデザインについてもう少し触れておきましょう。
お客さんにとって、その製品が、
- 工場で大量生産されているか
- ハンドメイドで手作りされているか
は、全く重要ではありません。
「ハンドメイドだから」は、買う理由にはならないんだ
基本的には、工業製品の方が、丈夫で、機能的で、安価なことが多いですね。多くの点で劣っているにも関わらず、あえてハンドメイドの品を探すのなぜでしょう?
それは、とびっきりユニークなデザインを求めているからです。作者の個性が滲み出た、他では見たことがない、オリジナリティあふれるデザインを求めているのです。
そしてお客さんが求めているデザインは、単なる「キレイ」や「カワイイ」ではありません。
その作品を身につけたり、部屋に飾ったりすると、「自分らしくいられるデザイン」です。言い換えると、お客さんの「アイデンティティーを体現するデザイン」です。
- 好きで好きでしょうがなくて、もはや「それを好きな自分が好き」なもの
- 生まれ育った故郷の原風景
- 大事にしている考え方。信念、信条、哲学
など、なかなかに深い話になってきます。
これは考えさせられる話だなぁ
特定のターゲットにフォーカスすればするほど、対象になるお客さんは減っていきます。その代わりに、ごく限られたお客さんには狂おしいほどに刺さります。
世の中のほとんどの人は理解できないが、ごく少ない理解者だけに通じるデザイン。あなたが目指すべきは、そういう尖ったデザインではないでしょうか。
着眼点4:UX上クリティカルな差別化
字面が難しくてすみません。良いワードが見つからなかったので、このまま説明させてください。
UX(顧客体験)とは?
「UX」は、「User eXperience(ユーザー・エクスペリエンス)」を略したビジネス用語です。直訳では、「顧客体験」となります。
主に商品企画で頻繁に使われる用語で、「お客さんが、その製品を通じて得られる全体験」という意味で用いられます。
- 買いやすかった
- わかりやすかった
- 使いやすかった
- 使ってみて本当によかった
といった感想も、すべてUXの範疇です。
ざっくり言えば、「総合的な使い勝手の良さ」といったところでしょう。商品企画の現場では、「UXが良い」あるいは「UXが悪い」と評価します。
「UX上クリティカルな差別化」とは、「その製品の利用シーンにおいて、とっても気の利いた特徴を持たせる」ということです。
一つ、ボク自身の体験から例を出しましょう。
長女が生まれたとき、親戚の皆さんから内祝いをいただきました。そこで、内祝いのお返しの品を贈ることになりました。
ボクは楽天経済圏ユーザーだったので、いつも通り楽天で買う予定でした。しかし実際に選んだのは、リクルートの「ゼクシィ内祝い」というサービスです。
ゼクシィ内祝いには、赤ちゃんの写真を載せたメッセージカードを同封できる機能があったんですね。スマホ操作だけで完了するので、メチャクチャ楽でした。
同じことを楽天でやろうとすると、商品を一度自宅に送り、別途プリントしたメッセージカードを同封して、親戚に送り直す必要があります。これは面倒ですね。
ちなみに品物だけで言えば、同じものは楽天でも売っています。むしろ楽天の方が安いし、ポイントもつくし、会員登録も必要ないしで、良いことづくめです。
しかし「メッセージカードの同封ができる」というたった一つの差別化だけで、選ばれたのはゼクシィ内祝いだったのです。
これは少しレベルの高い発想が必要です。よく考える必要があるかもしれません。
- 洋服は、「洗濯機OK」か
- 子供用食器は、「割れない素材」か
- ブックカバーに、「しおり紐」がついているか
など、その一点だけで、購入するか否かが決定する重要な特徴があります。
ボクはズボンを買うとき、絶対に「ジップフライ」を選ぶよ
「ボタンフライ」って、男だと外で用を足すときにすごく面倒でね
お、おう
あなたの作品を買うお客さんの利用シーンを想像してみてください。手の届かない痒いところはあるでしょうか?
何かの記念品であれば、「文字入れ」や「刻印」といったサービスが、決定的な差別化になるかもしれませんね。
着眼点5:すぐ使える/手間いらず
1つ前の「UX」の話に関連します。UXとは、ざっくり言えば、「トータルの使い勝手の良さ」です。
UXにおいて、「お客さんに手間や苦労をかけさせない」というのは、かなり重要な要素になってきます。
お客さんは、楽な方へと流れていきます。レンタルビデオ店が絶滅してしまったのは、もっと手間のかからないNetflixやAmazon Prime Videoが出てきたからですね。
あなたが、他の作家よりもっと手間のかからない選択肢を用意すれば、お客さんは、自然とあなたの作品へ流れ着くでしょう。
ちなみに手間がかかるのは、最初の準備だけではありませんね。途中のメンテナンスや、後片付けも含みます。
クリスマスツリーは、飾り付けも楽しみの1つですが、それが煩わしい人もいます。手軽にクリスマス気分を味わいたい人には、置くだけでOKなクリスマスツリーが良いでしょう。
昔ながらの鏡餅は、中に入っているお餅を食べ切らなくてはなりません。「そんなにたくさん餅食べたくないんだよなぁ」という人には、オブジェの鏡餅でも良いでしょう。
お花を飾りたいけど、交換やメンテナンスは面倒ですね。ならば、造花やプリザーブドフラワーのアレンジメントが良いですね。基本的には、メンテナンス不要です。
その商品ジャンルで、
- お客さんが面倒に感じていることはありますか?
- それはなんでしょうか?
- あなたが手を差し伸べることで、解消できる内容ですか?
ぜひ考えてみてください。
パッケージ化も1つの手
「〇〇は別途お客様にてご用意ください」っていうのも良くないですね。
ボクは、即席袋麺の「具材は別途ご用意ください」のスタンスが大嫌いです。手間をかけないための即席麺なのに、具材は別途用意しろって?冗談じゃない!
必要なアイテムなら、あなたがオプションで提供するべきです。
「たまごかけまぜそば(卵は別途ご用意ください)」って、見たときは怒りすら覚えたね
あー、それはイラッとする!
基本的に、同じ用途で使うアイテム群は、全部パッケージで提供すべきでしょう。「あれはここで、これはあっちで」ではなく、全部あなたが提供すべきです。
そうすれば、手間をかけたくないお客さんは、まとめてあなたから購入したくなります。ただ選ばれるだけでなく、客単価もグッと上がりますね。
着眼点6:自作している人が多い商品
SNS上で何やら多くの人が自作している品を見つけたら、ひょっとするとチャンスかもしれません。
プラモデルのように、本人が作りたくて作っているなら別ですが、そうでないなら、市場ではニーズを満たせない理由があります。
- 市場にまともな商品がない
- 相場が高すぎて手がでない
のいずれかでしょう。どちらにしてもチャンスありです。
なお、「相場が高すぎて手が出ない」は、けっこう打率の高いチャンスです。
例えばウェディングブーケは、式場経由で依頼すると4−5万円かかります。これが高いということで、ブーケを自作する人もチラホラいるようです。
あー、聞くね。最近の結婚式は節約思考みたい
花嫁が手作りするにしても、花材代だけで2万円くらいするわけですが、卸価格なら50%OFFとかで仕入れられてしまうんですね。この価格差がミソ。
花材を1万円で仕入れて、仮に2万円で売っても、1万円の粗利が出ます。
しかしプロが制作するんですから、もっと色気を出しも良いでしょう。
- 素人(お客さん自身)が休日を潰して作る2万円ブーケ
- プロの作家が作ってくれる2万5,000円のブーケ
なら、後者の方が魅力的じゃないですか?
1万円の材料原価が、2万5,000円で売れるなら悪くないビジネスですよね。技術力があるなら、3万円で売っても良いと思います。
ちなみに、「キット販売」は「作りたい人」の需要を満たしているから、また別の話ね
ここで言っているのは、しょうがなく作っている人がいるアイテムね
着眼点7:タイムマシン経営
「タイムマシン経営」とは、海外(主に欧米)で成功したビジネスモデルやサービスを、いち早く日本に持ち込んで展開する経営戦略のことです。
名付け親は孫正義さんで、米Yahoo!のビジネスを、日本に持ち込んで大成功させました。それが今日のYahoo! JAPANです。
海外で流行っているものは、1〜3年ほど遅れて日本にもやってきます。このタイムマシン経営は、ハンドメイドでも応用できますね。
例えば、我が家では、去年のクリスマスに「アドベントカレンダー」を購入しました。最近まで日本にはなかった商品ジャンルです。
海外セレブやインフルエンサーの動向をウォッチし、先取りして商品化しましょう。今だと、韓国からやってくるパターンもありそうですね。
海外の雑貨を扱うお店でリサーチしても良いかもね!
企業に先を越されても問題ない
ちなみに、「個人のハンドメイド作家よりも、企業が先に目をつけて商品化しちゃうんじゃないの?」と思った鋭い人もいるかもしれません。
その通りですが、別に構いやしません。日本で流行り始めたときに、数少ないプレイヤーの1人にノミネートされていれば良いのです。
ハンドメイドでお馴染みの「アクセサリー」も「スマホケース」も、企業はその前から販売しています。しかしそれで、ハンドメイド作品が売れないわけではありませんね?
工業製品を買う人と、ハンドメイド作品まで探しにくる人は、そもそも客層が違います。
ハンドメイドを求める人は、ハンドメイドにしかないユニークなデザインを求めて来ます。住み分けできているので、問題ありません。
そもそも企業が売ってすらいないものは、需要がないと思った方が良いよ
着眼点8:1人が何個も買うアイテムか?
世の中の商品は、2つに分類されます。
- 1人が、1つしか買わないアイテム
- 1人が、2個以上買うアイテム
両者の違いは、「恋人を選ぶ」と「友達を選ぶ」の差だと思ってもらえるとイメージしやすいでしょう。
他に解説している人を見たことがないのですが、どちらに属するかで、売りやすさが随分と変わってきます。
1人が1つしか買わないアイテム
1人が1つしか買わないアイテムは、売りにくいアイテムです。売れないわけではなく、売るためのハードルがちょっと上がってしまうアイテムです。
例えば、一般的に、家や車は1つしか買いません。吟味に吟味を重ね、どれか1つだけを選びます。そしてそれ以外の候補は、全て購入されません。
ある意味で、「恋人」を選ぶような買い物になります。バチェラー・バチェロレッテの世界を想像してみてください。
「コレじゃなきゃダメなの!」という決定打がないと選ばれません。強い差別化が必要ということです。
1人が1つしか買わない作品ジャンルの例
- スマホケース
- 結婚指輪
- 財布
- 成人式用の髪飾り
買い替えのケースはあるので、必ずしも一生に1つの買い物ではないかもしれません。しかし基本的には、同時に2つ以上持たないアイテムです。
まさに「恋人」のニュアンスがピッタリ!
こういったジャンルに、「手を出すな!」と言いたいわけではありません。「みんな気づいてないけど、ちょっとハードル高いって事実を認識して!」と言いたいのです
売るハードルはやや上がるものの、割と高単価で売れる傾向があります。自信があるなら、ぜひチャレンジしてみてください。
1人が2個以上買うアイテム
一方で、1人が何個も買ってくれるアイテムは、売りやすいアイテムです。
お客さんからすると、「友達」を選ぶような買い物になります。他の作家とお友達になったからといって、あなたと友達になれないわけではありませんね?
もしあなたより気に入った作家がいても、あなたが2番目に気に入れば、あなたから買ってもらえる可能性も十分あります。
1人が2個以上買う作品ジャンルの例
- アクセサリー
- 洋服
- 食器
- インテリア
ハンドメイドでは再現が難しいかもしれませんが、最高なのは、コレクターアイテムです。シリーズで集めたくなるアイテムは、必要性は度外視で買ってもらえます。
ボクは中学生の頃からスニーカーが好きで、通算で200-300足は買っています。今も自宅に40足ほどあります。足は2本しかないんですけどね。
初心者は、1人が何個も買うような、売りやすいジャンルを選ぶべき!
着眼点9:ライフスタイル商品化
まず「ライフスタイル商品」の説明をしましょう。ライフスタイル商品とは、カンタンに言えば、機能面だけでなく、心を満たしてくれる商品です。
洋服やバッグのように、機能だけを買っているわけではなく、それを身につけたときの「心のウキウキ」に、+αのお金を払っている商品です。
ハンドメイド作品も、ライフスタイル商品に含まれると思ってOK
そして、「ライフスタイル商品化」とは、現在は機能性のみで販売されている商品に、デザイン性を持たせてライフスタイル商品化するということです。
コロナ禍以前の「マスク」は、ただの白い布(紙?)でした。風邪や花粉症の時期しか使わないアイテムだったので、機能性のみで十分だったのでしょう。
しかしコロナで常時マスク生活になったことから、デザイン性のあるマスクの需要が高まりました。最初にデザイン性のあるマスクを売った業者は、死ぬほど儲かったはず。
「ライフスタイル商品」と呼ぶくらいなので、その需要はライフスタイルに根ざしています。新しいライフスタイルが登場すれば、新しい需要が生まれるわけです。
新しいライフスタイルが登場したとき、まず「機能性重視のアイテム」が世の中に流通し始めます。ここでチャンスを見極めましょう。
スマホが登場した頃、最初のスマホケースは、中身を守るだけの機能性ありきの商品でした。しかし程なくして、デザイン性にフォーカスした商品が出回るようになりました。
Air Podsケースも全く同じ展開です。「ケースのさらに外側のケースはいらんだろ」と思いましたが、最初に機能性重視の商品が出たので、「同じ流れになるな」と確信しました。
けっこうタイミングを選ぶ感じかな?
タイミングの波に乗るのは強力だけど、必ずしも必須ではないよ
例えば、少し前のスポーツウェアは、「ザ・体育」のようなデザインばかりでした。アウトドアウェアは、「山登りのおっさん」のようなデザインばかりでした。
しかし、デザイン性の高いウェアが登場すると、一部のお客さんはそちらへ移行しましたね。女性客は特にそうだと思います。
これもライフスタイル商品化の成功例です。
コロナやスマホのような天変地異のタイミングはありませんでした。ずっと前からライフスタイル商品化の需要はあったものの、最近まで見過ごされていたように思います。
ライフスタイル商品の見分け方
ここであなたは気になったはずです。「ライフスタイル商品化」するには、どういう商品がピッタリなのか?見分け方あるのか?と。
はい、見分け方はあります!
次の2点に注目してください。
- 他人の目に映るアイテム(特に重要!)
- 自分が頻繁に目にするアイテム
想像してみてください。他人の目に映るアイテムは、身につける品によって、あなたがどういう人間か値踏みされることになります。
あなたが、「安物のちゃっちい服」を着たくないとしたら、それは、周りにそういう人間だと思われたくないからです。
あなたが、「アースカラーで丈の長いワンピース」を着たいとしたら、それは、周りの人にそういうセンスの人間だと思われたいからです。
基本的な考え方として、他人の目に映るアイテムほど、ライフスタイル商品の需要が強くなります。「洋服」や「アクセサリー」は、典型的なライフスタイル商品でしょう。
確かに!無人島で暮らすなら、そんなの気にしないもんな!
逆に他人の目に触れない「トイレットペーパー」や「歯ブラシ」は、別にどんなデザインだって構いやしません。よって、ライフスタイル商品化には向きませんね。
しかし例外があって、他人の目に触れる機会はほとんどなくとも、自分が頻繁に目にするアイテムには、デザイン性を求めるようです。
「インテリア」や「手帳」は、よく目にするがゆえに、ちょっと気が利いたデザインに惹かれてしまいます。「Air Podsケース」も、このパターンでしょう。
着眼点10:ライフイベント系
冠婚葬祭や、卒業式、七五三といったライフイベント系のアイテムは、不思議な需要があります。
ハンドメイド作品を含むライフスタイル商品は、基本的に景気に敏感です。旅行やブランドバッグと同じように、景気が悪くなれば、買い控えるようになります。
しかしライフイベントとなると、景気はさておいて、何万円・何十万円もの大金をポンと払ってくれます。家計が苦しくても、貯金を取り崩してまで買うわけです。
「ちゃんとしなきゃバチが当たる」みたいな義務感があるのかもね
しかも、一生で一度のイベントだから、安物で妥協しようとしないんだ
「スワッグ」と「ウェディングブーケ」は、見た目がよく似た商品です。にも関わらず、売れやすさや価格帯は全く異なります。
「スワッグ」はただのインテリアなので、差し迫って買う必要はありません。どうしても買わなきゃいけないシーンはないでしょう。単価は3,000円くらいです。
一方で、「ウェディングブーケ」は、結婚式の必須アイテム。絶対にどこかで調達することになります。単価は15,000〜30,000円くらいです。
結果として、ライフイベント系のアイテムは、底堅い需要と高単価が期待できます。これは実に、美味しい市場じゃないでしょうか?
この手の商品は、材料原価の割に、バカみたいに高いイメージがあります。ちょっと下の値段を提示しても、ハンドメイド作家なら十分な利幅を取れるでしょう。
着眼点11:宗教/行事・儀式系
ライフイベントと似ていますが、
- 宗教に絡むようなアイテム
- 季節の行事や儀式に関連するアイテム
も良い狙い所になってきます。
実用性はないものの、必要な人には、義務感に近い感覚で消費するアイテムになってきます。かつ、そこそこ高い値段でも売れます。
- ただの「オブジェ」はいらないけど、「風水の置物」なら必要
- ただの「ネックレス」はいらないけど、「ロザリオ」なら欲しい
- ただの「ブレスレット」はいらないけど、「数珠」は持っておきたい
いずれも、カタチは似たような商品ですね。
しかし、宗教や行事を絡めるだけで、必要性が格段に上がるのです。
「ダルマ」や「神棚」は、物理的にはただのオブジェと同じです。しかし、それを必要とする人とっては、買うに値する特別な意味を持ったアイテムです。
「クリスマスツリー」や「正月飾りの角松」は、言ってみれば観葉植物みたいなもの。多くの人には本来縁のない商品ですが、行事が絡んでいるから買われるのです。
我が家はマンションに住んでいるとき、母から「ひな人形」をもらいました。狭い部屋でも飾れるように、コンパクトで、デフォルメされた可愛いひな人形でした。
ただの人形だったらまず買わない
ひな人形だったから買ったんだよ
作品の意味づけで、需要が変わるんだね
日本でビジネスをする以上は、日本の風習にちなんだアイテムが対象になるでしょう。ターゲットを外国人に絞るなら、海外の風習にちなんだアイテムでもOKです。
一点注意するとすれば、一般人が勝手に作っても意味がないケースがあります。特別な人が作らなければ、ありがたみというか、恩恵がないようなアイテムです。
おそらく「絵馬」は、神社で買わなきゃいけない類のアイテムでしょう。「熊手」は、酉の市のあの儀式みたいなのがセットになっていると思います。
着眼点12:ギフト
「ギフト商品」も、義務感に近い購買動機があるので、底堅い需要が期待できます。
かつ、「安すぎるとかえって失礼」という縛りがあるので、高単価で売れます。自分用なら絶対に買わない値段でも、ギフト用なら売れるのです。
ギフトの予算には、
- 3,000円
- 5,000円
- 10,000円
- 15,000円
- 20,000円
といった段階があります。この段階に沿った、値付けにしましょう。
中途半端に「6,500円」とするよりも、「4,900円」や「9,800円」とした方が、予算で品物を選んでいる人に選ばれやすくなります。
ギフト商品は、百貨店に行けばたくさん売っています。ギフト用の通販サイトもありますね。その中で、あなたが作れそうな商品ジャンルを探してみてください。
着眼点13:子供用/ペット用
人は誰しも、好きなスタイルや趣味嗜好を持っています。そしてそのスタイルを、自分以外の家族にも、押し付けたい取り入れたい気持ちがあります。
「パートナーに」というケースもあるかもしれませんが、「子供」や「ペット」のような、選択意志が弱い家族に向くケースが多いですね。
スニーカー好き界隈では、こんな消費行動があります。
自分用のレアスニーカーとは別に、子供用のスニーカーも買って、親子でお揃いのコーデを楽しむというものです。
親子でストリートファッションを着飾って遊びに行き、その写真をSNSで共有するといった具合です。
「親が好きなファッションを、子供にも着せたい」というのは、よく聞く話。これは、お父さんでもお母さんでも、共通している傾向のようです。
個人的には、親の趣味を子供に押し付けるのは好きではありません。親がNIKEを履かせたくても、プリキュアの靴を履きたい子供の気持ちを尊重すべきだと思っています。
ボク個人の意見はさておき、需要はあるからビジネスは成立する
ポイントは、親が好きな商品の家族版を作ることで、家族版もちゃっかり売れるということです。
ハンドメイド作品は、基本的には「成人女性向け」が多いと思います。そこで、その作品の、「子供版」や「ペット版」を作ってみてはいかがでしょうか?
あなたの作品を気に入ったお客さんに、子供やペットがいれば、ついでに買っていってくれるかもしれません。
また、「子供用」や「ペット用」の方が、「成人女性用」よりもターゲットが絞れています。競合を避けて、ターゲット特化するポジションもアリだと思います。
着眼点14:ブランドアイコンなしで高く売れてる商品
見えるところにブランドアイコンがないのに、高く売れている商品は、一つの狙い所になってきます。
純粋に商品の良さだけで、高い値段を払うお客さんがいるということは、あなたも同じ値段で売れる可能性があるということです。
飲食店がその典型で、お店のブランドで選んだりはしないと思います。「味」と「値段」と「雰囲気」が良ければ、大手チェーンも個人店も関係ありません。
実際に、食べログで高評価になっている飲食店は、個人店が多いですね。一流店と認められるのに、ブランドは関係ないのです。
その代わりゴリゴリに品質が求められるから、玄人向きではあるんだけど
でも、そういう作家を目指したいよね!
これが、ブランドロゴが付いている商品だとそうはいかないんですね。
「ルイヴィトン」と同じ素材と作りのバッグを作っても、モノグラムロゴがなければ、同じ値段では売れません。
「Rolex」や「LEXUS」や「NIKE」もそう。ロゴでなくても、「ボッテガヴェネタ」の革を編み込んだデザインは、ブランドアイコンになっていますね。
パッと見でブランドを想起できる商品を買うお客さんは、本質的にはブランドロゴに対してお金を払っています。無名の作家は、同じ土俵では戦えません。
では、「ブランドアイコンがないのに、高く売れている商品」とは、どんな商品なのでしょうか?
ヒントになる例を紹介するね
例①:チタンタンブラー
ボクは親戚の叔父さん夫婦に、「チタン製のタンブラー」を贈ったことがあります。2つセットで3万円くらいしました。
ブランドロゴは付いていませんでしたが、奥さん曰く、有名なブランドだったらしいです。ボクは知らずに買いましたが。
ボクが気に入ったのは、
- 冷たい飲み物がぬるくならない機能性
- シンプルで洗練されたデザイン
- 落としても割れない(老夫婦だったので安全を重視)
といった点です。同じような特徴であれば、他のブランドでも、ハンドメイド作品でも良かったのです。
例②:スカジャン
ボクは、「テーラー東洋」というスカジャンのブランドが好きです。ここのスカジャンは、他のブランドとは全く違います。
刺繍には、スカジャンが生まれた時代のオリエンタルな雰囲気が、忠実に再現されています。現代的ではなく、ラーメン丼の龍のように、どこか愛着が湧く懐かしいデザインです。
生地は、シャカシャカのポリエステルではなく、上品な光沢があるアセテートです。変に着膨れすることなく、フワッと、自然に体のラインを覆います。
ボクが思うに、テーラー東洋のスカジャンは、まさに「本物」なんですね。
いかにも結婚していなそうな、パチンコ屋にいる太ったおっさんが着ている、嫌なテカリがあって、派手なだけのダサい「紛い物」ではないんです。
ボクが買っているのは、ブランドではなく、あくまで品質です。テーラー東洋じゃなきゃダメな訳ではなりません。
同じくらい素晴らしいクオリティで、「本物」のスカジャンを作ってくれるなら、別の人からでも構いません。
着眼点15:作家自身が自信を持てる作品
これが最後の着眼点です。精神論に聞こえるかもしれませんが、実はそうでもないんですね。
「プラシーボ効果」をご存知でしょうか?偽物の薬であっても、本物と信じて飲んだ人は、ホントに体調が改善してしまう現象のことです。
そして、プラシーボ効果のとある調査で、面白い現象が発見されています。
この調査では、歯科患者が、痛みを伴う典型的な治療を受けた後に、偽物(プラシーボ)の鎮痛剤を受け取った。歯科医自身がその鎮痛剤を本物だと信じていた場合だけ、それを服用した患者の痛みは緩和した。歯科医が無意識のうちに取っている振る舞いによって、患者は偽薬の効力を信じたのである。その反面、偽薬であることを知っていて、知らないように振る舞った場合は、患者の痛みは緩和しなかった。
ジェラルド・ザルトマン『心脳マーケティング』より引用
いや、衝撃的な内容じゃない?
少なくともボクは、目ん玉が落ちるくらいビックリしたよ
別の実験では、「商品に自信を持っている営業マン」は、そうでない営業マンよりも、営業成績が高いことが判明したともありました。
これはスピリチュアルな話ではなく、実験で証明されている科学の話です。つまり、再現性があるということです。
あなたが作品に自信を持っていれば、それは無意識のうちに、あなたの振る舞いにプラスの影響を与えます。そしてそれを感じ取ったお客さんは、あなたから買いたくなるのです。
上記の実験は対面で行われているので、ネット販売でどこまで通用するかは不明です。しかし、プラスの影響があることは間違いないでしょう。
クリエーターの本筋って感じ!
自信を持って世に出せる作品を作りたいね!
商品設計に成功したと言える条件とは?
この記事では、徹底的に、「売れる作品を企画するノウハウ」を提供してきました。この記事の通りに考えれば、売れる作品は作れます。
しかし、「作品が優れていること」と「優れた作品であることを多くの人に知ってもらうこと」は、別次元の話です。
どんなに売れるポテンシャルがある作品を作れても、その後のマーケティングが噛み合っていないと、多くのお客さんに手に取ってもらう結果にはならないんですね。
つまり、「作品が売れた数」で、「作品が優れていること」は測れないんだ
では、どうすれば「商品設計が成功した」と言えるか?
「優れた作品を企画できた」と判断できるサインは何か?
目安は、「お客さんから熱のこもった感謝のコメントをもらえたか?」です。数は問題にならないので、1件でも構いません。
商品設計で目指すべきゴールは「たった1人の感動」です。
たった1人のお客さんでも、感動させられた作品なら、その背後にいる何千・何万人の潜在顧客も感動させることができるでしょう。
数が売れないのは別の問題なので、商品設計の成否とは切り分けて考えてください。変に落ち込まないことです。
まずは、たった1人を感動させる作品を作る!
まとめ
みんなが喉から手が出るほど欲しい、「売れる商品企画のヒミツ」を解説したよ!
いやぁ、今回は特別長かったね〜
でも、マジで他では聞いたことない話ばっかだったよ!
深い話だから、短くはまとめられなかったよ
でも、ボクの持ってる情報をかなり言語化できたと思う!
この記事をまとめます。
売れる作品の3原則
- 原則①:明快なベネフィットがある
- 原則②:ターゲットを絞る
- 原則③:ライバルと差別化する
- 原則④:ニーズとウォンツの両方を満たす
売れる作品の着眼点
- 買う習慣がある商品
- 応用美術
- オリジナリティあふれるデザイン
- UX上クリティカルな差別化
- すぐ使える/手間いらず
- 自作している人が多い商品
- タイムマシン戦略
- 1人が何個も買うアイテムか?
- ライフスタイル商品化
- ライフイベント系
- 儀式/宗教系
- ギフト
- 子供/ペット向け
- ブランドアイコンなしで高く売れてる商品
- 作家自身が自信を持てる作品
ボクが考えられる限りの情報を詰め込んだので、ちょっと情報過多な気分にさせてしまったかもしれませんね。今のあなたは、お腹タプタプな気持ちかもしれません。
総括として、売れる作品の極意を、一言で伝えるならこれ。
「ベーシックな商品カテゴリーで、ユニークな作品を作れ」です。
まず、買う習慣がない商品はなかなか買ってもらえません。これは、非力な個人では覆せない領域です。数学で言えば「定数」なので、あなたの努力では動かせません。
そういう意味では、昔から売れている「ベーシックな商品カテゴリー」は、売れることがわかっています。需要が担保されている、安全な領域なのです。
しかし「ベーシックな商品カテゴリー」は、競合がひしめくレッドオーシャン。周りと同じような作品を作っていては、埋もれてしまうでしょう。
だからこそ、「ユニークなデザインの作品」を作るのです。ここは数学で言えば「変数」なので、あなたが自由に動かして良い領域です。
ちなみに、「unique」という単語は、「ただ一つしか存在しない」という意味です。文字通り、「あなたにしか作れないユニークな作品」を作ってください。
ユニークって、「個性的」って意味だと思ってた!
本来は、「世界に1つだけ」という意味だよ。IT業界でよく使う、「ユニークID」は、他の誰とも重複しない番号を指すんだ
結果として、多くのお客さんには見向きもされないかもしれません。しかし、ごく少数の理解者は、狂おしいほどにあなたの作品を求めるでしょう。
この記事では様々な着眼点を紹介しましたが、「ベーシックな商品カテゴリーで、ユニークな作品を作れ」は、全てのハンドメイド作家が共通して守るべき鉄則です。
これが、弱肉強食のマーケットで、弱者が生き残る道。ぜひ覚えておいてください。
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