ハンドメイド作品のお客さんは、9割が女性です。
大型のハンドメイドイベントに行けばよくわかります。男性客は、大抵は彼女や奥さんと一緒です。男性だけのお客さんなんて、1%もいないんじゃないでしょうか?
また、minnneやCreemaで、「〇〇 メンズ」と検索しても、メンズ向けはほぼヒットしません。「レディーズ メンズ」が引っかかるだけで、これは実際にはユニセックスです。
このような現状から、「男性向けにハンドメイド作品は、そもそも需要がないのではないか?」と思ってしまうのも無理ありません。
しかし、中には男性をターゲットにしたい作家さんもいるでしょう
男性作家さんって、割合は少ないけどフツーにいるよね
やっぱり男の人は、男向けに作りたいんじゃないのかな?
もしあなたが男性作家だったら、やはり男性をターゲットにせざるを得ないでしょう。捻じ曲げて女性向けにしたところで、高確率でうまくいきません。
この記事では、かなりレアケースですが、男性向けにハンドメイド作品を売る2大戦略をお話しします。
ボクの奥さんは女性向けに作品を作っていて、ボクが話したことがある作家さんも、大抵は女性向けです。なので、実際に語れるほどのデータは持ち合わせてはいません。
しかし、ボクの持っている知識と経験からロジックを組み立てると、これ以外に勝ち筋はないと思います。
もしあなたが男性をターゲットにした作品を作っているなら、絶対に押さえておいてください。
無理やり女性向けに転向しても勝ち目はない
「ハンドメイド作品を買うのは女性だけ」と諦めて、本当は男性向けに作品を作りたいのに、女性ターゲットに切り替えようとしている作家さんもいると思います。
ビジネス一般で言えば、これは賢明な判断と言えるかもしれません。しかし、クリエーターとしては、勝ち目の薄い戦いだと思います。
クリエーターは、自分の理想を追い求める生き物です。
作る作品は、基本的には自分が欲しいモノの延長線上にあります。自分が欲しいと思うからこそ、細かいディティールまで突き詰められるのです。
もしあなたが男性作家だとしたら、自分では欲しくもない女性向けの作品で、細かいディティールを突き詰められるでしょうか?理想を追い求められるでしょうか?
オネエ系の男性作家なら、女性向け作品を作っても良いけどね
女性向けブランドをデザインしている男の人もいるけど、大抵はIKKOさん的な人だよね
- 彼女や奥さんに、いちいち「これどうかな?」と意見を聞きますか?
- それで、楽しく作品を作れますか?ワクワクしますか?
- 自分がワクワクできない作品で、誰かを満足させられると思いますか?
いちいち他人に意見を聞かなきゃ判断できない時点で、結果は見えています。自分で自分の理想を追えない時点で、クリエーターとしては負け確定。
もしあなたが男性的なセンスを持っていて、男性が欲しがるアイテムの方に関心があるなら、ターゲットは男性にするしかないでしょう。
ここは腹を括るべきです。勝ち目「0%」の戦いよりは、まだ勝ち目「10%」の戦いの方がマシでしょう。
男女を性差を理解しよう
本題に入るために、ちょっとお勉強タイムを挟みます。
なぜ女性はハンドメイドが好きで、なぜ男性はそうでもないのか。その理由を論理的に理解しなければ、男性の勘所を、真の意味で理解できないからです。
ハンドメイドで不利な男性を攻めるためには、この話は、とーーーーっても大事。絶対に知っておいてください!
ここでは、「進化心理学」という分野を使って解説するよ!
男と女はそもそもの思考回路が違う
進化心理学では、人間もただの生物の一種と考えます。生物に共通する唯一の生きる目的は、自分のDNAのコピーを作ること。つまり子孫を残すことです。
そのため、男も女も、「子孫を残すために最適化された思考回路を持つように進化してきた」ということになります。
進化は何万年とか何十万年もの年月をかけて、少しづつ変わっていくものです。人類はここ1万年で文明が急発展してしまったため、進化が追いついていません。
つまり、現代人は思考回路は、まだ狩りをしていた頃の原始人と何も変わらないということです。
わたしの思考回路も原始人と同じなのか!?
うん。脳の大きさも変わらないし、頭の良さや考え方の傾向も変わらない
人類は一夫多妻制だった
当時の人類は、一夫多妻制でした。
(補足)なぜ人類は一夫多妻制だったのか
現代の先進国は基本的に一夫一妻制ですが、こうなったのはごく最近のこと。本来人間という生物は、一夫多妻制でした。
その理由は、男性と女性の体の構造の違いにあります。
男性は妊娠・出産しないので、365日いつでも繁殖行動できます。また女性に比べると、繁殖できる期間が長めです。
一方で女性は、一度妊娠・出産すると2-3年はインターバルを置かなければなりません。また男性と比べると、繁殖できる期間は短めです。しかも出産の前後は満足に体を動かせないので、誰かにサポートしてもらわなければなりません。
男性は手当たり次第に女性に手をつけたがる一方で、女性は自分と子供をサポートできるだけの経済力がある男性を品定めします。
こうなると受給の関係から、力のある男性が、複数人の女性と結婚することで均衡が取れます。こうして一夫多妻になってしまうわけです。
ちなみに生物学的には、メスよりオスの体が大きい種は、例外なく一夫多妻制です。珍しい一夫一妻制のテナガザルは、雌雄で大きさが変わりません。
一見すると一夫多妻制は、ハーレムを作れる男性側に都合よく見えますが、実際には全く逆。男性にとって、一夫多妻制は超過酷なシステムです。
女性は高い確率で子供を作ることができましたが、男性は他の男と競争して女性争奪レースに勝たなければ子孫を残すことができませんでした。
この不均衡が、男女の考え方の違いを生んでいます。男女の買い物の違いも、ここから端を発しています。
ボクみたいな陰キャは、一夫多妻の世界だと結婚できなかったろうね
一夫一妻の世界で良かったよ
そんなことないって(多分)
男がハンドメイドを買わない理由
男性は、他の男とのレースに勝たなければ子孫が残せなかったので、「常に他人より秀でなければならない」とDNAに刻み込まれています。
どこまで強くなろうが、偉くなろうが、金持ちになろうが、上へ上へと目指さずにはいられないのです。物心がついた瞬間から性欲が尽きる老人になるまで、終わらないレースを走り続けています。
ボク自身は、理性では「他人と争ったり比較することに意味はない」という考えで生きていますが、いつだって本能は「勝て!蹴落とせ!」とささやいてきます。この感情を100%押さえ込むのは不可能です。
男の精神構造って「バキ」の世界そのものなんだよね
純度を突き詰めると、男の脳内はまさにあれ
あれギャグじゃなくて、男にとってはマジな話なんだ!
現実的にあきらめてる人が多いからそう見えないかもしれないけどね
でも本能では常に最強を目指してるんだよ。例外はない
男性の買い物は「コスパ」が命
だから、男性が買い物に求めるのは、自分の能力や魅力を伸ばしてくれる武器なのです。
筋肉をつけたり、年収を増やしたり、他人から羨まれるステータスを身につけたりできる武器です。究極的には女性にモテるための武器ですね。
同じ値段ならなるべく効果のある武器が欲しいので、コスパは命です。スペックを細かくチェックして、数字で比較して、もっともコスパが優れた武器を買います。
また買った武器が壊れたら、また同じ武器が手に入るかも気にします。そのため売り手の規模が大きく、継続的に武器を調達できそうかどうかまでチェックします。
男の買い物は入念に比較検討するから、衝動買いはほとんどしないよ
ハンドメイド作品は、その魅力がスペックや数字には表れません。ハイブランドのように、他人に見せつけることもできません。その上、手作業なのでコストがかかる。
「コスパは最悪」という判断になってしまいます。おまけに小規模な売り手なので、「再調達に難あり」という評価になってしまいます。
というわけで、ハンドメイド作品は男性向けにはとことん向いていません。
なるほど。これは確かに男性客とハンドメイドは相性が悪い
女がハンドメイドを欲しがる理由
一方の女性はというと、子孫を残すことに(少なくとも男性に比べれば遥かに)苦労しませんでした。
強くなる必要もなければ、他人と争って勝つ必要もありません。男性の関心のベクトルが外に向いている一方で、女性のベクトルは内向きです。
女性が買い物に求めるものは、自分(と子供)が心地よく過ごせる空間。安全で、暖かくて、気持ちが良くて、笑顔で過ごせる空間を作れるアイテムを求めています。
女性の買い物は「世界観」が命
女性は、男性のようにコスパで比較することにさほど興味がありません。スペックを気にすることはなく、価格にもシビアではありません。
言われてみると、確かに比較とかしないな。面倒だし
大切なのは、そのアイテムを買ったら手に入る理想の世界観です。
女性にとって、ハンドメイド作品でなければ手に入らない世界が間違いなくあります。既製品にはない独特の世界観を叶えてくれる作品には、お金を惜しみません。
というわけで、ハンドメイドは女性客が9割なんだ。ひょっとしたら9割9分かもね
男性が求めるベネフィットを理解しよう
その商品を買った後に訪れる理想の未来のことを、マーケティング用語で「ベネフィット」と呼びます。
女性向け作品の多くは、「身につけたり飾ったりすることで、(雰囲気的な意味で)理想の自分になれる」というベネフィットを持っています。ベクトルは自分に向いています。
一方で男性が求めるベネフィットは、「他人から見た自分を大きく見せること」です。自身の能力や魅力を増大してくれる武器を求めています。ベクトルは外を向いています。
カンタンに言うと、
- 「あの人、仕事できる!」
- 「あの人、お金持ち!」
- 「あの人、かっこいい!」
と思われたいのです。要するにモテたいわけですね。
言ってて悲しくなるけど、これが男の深層心理なんだよ…
なぜ男は「クロムハーツ」を欲しがるのか?
このような背景から、実は女性よりも男性の方が、ハイブランド志向が強いです。
- ハイグレードなモノを持っている
- →経済力がある
- →仕事ができる
- →モテる
という連想ゲームが成立するからです。
例えば、「ブレスレット」で考えてみましょう。
女性は人によってセンスが異なるので、なりたい自分の姿は様々です。だから、色んな種類のブレスレットに需要があり、それに応えるように多くの商品が市場に出回っています
一方で男性の場合、基本的には、アクセサリーによって「経済力をアピールしたい」だけ。
だから、売れ筋のブレスレットは、多くの人が「ハイグレードである」と認識しているものに限られます。結果として、「クロムハーツ」や「HERMESのシェーヌダンクル」ばかりが人気になるわけです。
「少数の勝ちブランド」と「その他大勢の負けブランド」が、クッキリ分かれちゃうんだ
男性向けハンドメイド作品の2つの戦略
ほとんどの男性は、「ブランド」で買い物をします。
ステータスになるかが重要なので、世間で「一流ブランド」と認識されているか否かでジャッジします。
個人のハンドメイド作家は、ハイブランドのようなブランドは持ち合わせていません。ここは、どうしても不利と言わざるを得ません。
しかし、攻め所はちゃんとあります。
男性向けハンドメイド作品の戦略
- 自分のスタイルを持っている男性をターゲットにする
- デザイン以外のベネフィットを追う
このどちらかになってきます。
女性向けでも同じことは言えるんだけど、男性向けはもっとシビアに要求されるぞ!
戦略1. 自分のスタイルを持っている男性をターゲットにする
おそらくは、こちらがメインの攻め方になるでしょう。
大前提として、自分らしいスタイルを持っていない量産型の男性は、相手にしてはいけません。
- 「流行っているから」
- 「有名人が身につけていたから」
- 「みんながカッコいいって言ってるから」
でしか、買うものを判断できない人たちです。他人の価値判断基準でしか、買うものを選べない人たちです。
完全にボクの偏見ですが、休日に行く先が、「イオン」か「パチンコ屋」か「居酒屋」しかない男性は、自分のスタイルを持っていません。
- 腕時計は、「ロレックス」が欲しい
- 車は、「アルファード」が欲しい
- 財布は、「ヴィトン」が欲しい
- 革靴は、「オールデン」が欲しい
- ダウンは、「モンクレール」が欲しい
としか思っていません。こういう男は、絶対にハンドメイドを買いません。
ここで挙げたブランドが悪いわけじゃないよ。ホントに好きで買ってるならいいんだ。でも、あいつらはそうじゃないんだよ
どんな男性が自分のスタイルを持っているのか?
では、どういう男性をターゲットにしたら良いのでしょうか?
自分のスタイルを持っている男性とは、
- 特定の音楽に傾倒している人
ロック、パンク、レゲエなど - どっぷりハマっている趣味がある人
マリンスポーツ、キャンプ、アウトドア、スキーなど - 特定の国や地域に強い憧れを持っている人
古き良きアメリカ、英国、スウェーデン、あるいは故郷など - 特定の信条や哲学を持っている人
宗教の信者、ビーガン、LGBTQ、ミニマリストなど - アートが好きな人
現代アート、古典美術など - 本当の意味でファッションが好きな人
周りは気にせず、自分の好みだけで服を選ぶ(ファッションを「流行」と捉えていない)
といった人達です。あくまで一例なので、他にもあるでしょう。
ボクの親父は、ロレックスが好きです。若い頃にダイビングをやっていたので、高い防水性能のロレックスのダイバーズウォッチに、特別思い入れがあると言っていました。
当時のロレックスは、今のようなラグジュアリーブランドではありません。他人に見せつけるブランドではなく、自分のスタイルを持っている人が好むブランドでした。
ミニマリストは、財布がどれだけコンパクトに収まるかを重要視しています。使うカードの枚数や、現金を使う頻度も考慮して、ベストな選択肢を選りすぐります。
ヴィトンの長財布など、ハナから眼中にありません。
いわゆる「ロゴドン(ブランドロゴがデカデカプリントされている)アイテム」を、冷めた目で見ているのも特徴だ
ロゴドンって、余計な主張しちゃうもんね。この歳になると、恥ずかしくて着れないよ
彼らのように、自分のスタイルをちゃんと持っている人は、ブランドを「ネームバリュー」では選びません。
- 機能性
- デザイン
- 素材の良さ
- 込められたストーリー
で、ブランドを選びます。
ちゃんと、「品質」を見極めているんですね。目が肥えているので、質の悪い商品はすぐに見抜かれてしまうでしょう。
厳しいお客さんですが、「品質」さえ納得させれば、あなたからも買ってくれます。
難しいと思われたかもしれませんね。しかし、逆立ちしてもどうにもならない「ブランドのネームバリュー」を求められないので、ちゃんと勝機はあります。
もちろん「スタイル」も妥協しない
自分のスタイルを持っている人は、自分の行動が、目指すスタイルと矛盾していないかを神経質に気にします。
自分のスタイルからのズレは、彼らにとっては禁忌なのです。
ロックが好きな人は、ボブマーリーのTシャツは着ません。反対に、レゲエが好きな人は、ローリングストーンズのTシャツは着ません。
どちらも着られる人は、スタイルを持っていない人です。
ボクはスニーカーが好きなんですが、NIKEのスニーカーを履きつつ、adidasのトラックパンツを履くのはイヤなんですよね。
NIKEもadidasも好きなんですが、合わせちゃいけないと思ってるんです。周りは誰も気にしないでしょうが。
そして、スタイルを持っている人たちは、こだわりも強いです。ちょっとしたディティールの違いに、いくらでもプレミアムの金額を支払おうとします。
世間の人が細かい違いを理解できるかは、全く重要ではありません。
彼らは他人の目ではなく、自分の目でスタイルを見極めています。他人に認めて欲しいのではなく、自分が納得したいだけなのです。要するに「自己満」の世界ですね。
この「自己満」というのは、重要なキーワードでしょう。スタイルを持っている人ほど、他人にどう思われるかは二の次で、もっぱら自己満足のために買い物をします。
あなたは彼らと同じ世界の住人か?
彼らをターゲットにするには、その世界の住人以外には伝わらない一方で、住人には、狂おしいほど突き刺さる。そういうディティールを突き詰めなければなりません。
そのためには、あなた自身も、彼らと同じ世界の住人である必要があります。そうでなければ、まずディティールなど突き詰められません。
80年代の英国ロックのスタイルで攻めるなら、あなたも80年代の英国ロックの愛好者でなければなりません。
あなたがモチーフとして選ぶのは、当時の「アルバムのジャケット」だったり、あるライブでの「ステージ衣装」かもしれません。
80年代の英国ロックを知らない人は、さっぱり理解できません。
しかし、愛好者は、「マジかよ!この人、めっちゃわかってんじゃん!」と、鼻息荒くなります。こうならなくては、お客さんは振り向いてくれません。
当然、企業が狙わないような、針の穴を通すように狭い世界を狙います。
超ニッチなターゲットを攻めることになるので、市場規模が小さすぎないか心配になった人もいるでしょう。
しかし心配は無用です。
あなたが理想とするスタイルに共感する同志は、あなたが思っている以上にたくさんいるもの。あなた1人の生活費を賄うくらいの市場規模は、間違いなくあります。
戦略2. デザイン以外のベネフィットを追う
お客さんが、その商品を使って実現する理想の未来を、ビジネスの世界では「ベネフィット」と呼びます。
実のところ、お客さんは商品そのものが欲しいのではなく、ベネフィットが欲しいんですね。商品に対してお金を払っているのではなく、その先のベネフィットにお金を払っているのです。
多くのハンドメイド作品(女性向けも男性向けも)は、「身につけることで、自分らしいスタイルを体現できる」というベネフィットを追っています。
要するに、見た目のデザインによって、ベネフィットを追求しているわけね
一般に、「ライフスタイル商品」と呼ばれているジャンルは、同様のベネフィットを追っています。アパレルや、アクセサリーや、デザイナーズ家具などもそうですね。
しかし、よくよく思い出してみてください。
- ドライヤーに求めているベネフィットは、スタイル云々ではなく、「髪が早く乾く」とか「髪がキレイになる」でしょう。
- 外食に求めるベネフィットは、「美味しい」や「ヘルシー」や「デートでいい雰囲気になる」ですよね。
- 予備校に求めるベネフィットは、もちろん「志望校に受かる」です。
「自分らしいスタイル」というベネフィットは、有力な勝ち筋の1つではあるものの、それ以外に戦う道がないわけではありません。
- 肩が凝らないショルダーバッグ
- 取引先と仲良くなれる名刺入れ
- 出世できるお歳暮・お中元
といったベネフィットを追求したって良いわけです。それがお客さんの求めるベネフィットなら、喜んで買ってくれるでしょう。
見た目云々ではなく、機能性や素材といった、使用感に変化を与えるような特徴を備えるということです。
お客さんが欲しがるベネフィットをどう定義するか?
ここであなたは、こう思ったかもしれません。
- 見た目以外のベネフィットを考えるって言っても、選択肢は無限にあるよね?
- どうやって当たりをつけるの?
- ベネフィットを考えるための法則はないの?
実は、これはとってもシンプルな話ですよ。
考えるのは、この2つだけです。
- 「その商品は、最終的には、何のために使うものなのか?」
- 「その商品を使う上で、何か不都合に感じていることはあるか?」
どちらか課題を解決すること。それがお客さんが求めるベネフィットです。ザッツオール。それだけの話ですよ。
名刺入れは、名刺交換で使いますね。その名刺交換の先には、取引先と円滑にビジネスを進めたいという目的があります。
なら、「仲良くなれる」というベネフィットがドンズバです。
加えて、男性は数字を気にする生き物です。
使った結果が、数字や具体的な改善となって現れるようなベネフィットだと、なお良いですね。
ハンドメイドの強みを活かしづらいことは念頭に
なお、一点だけ注意点があります。
見た目のスタイルで勝負する場合は、既製品にないニッチなデザインが価値になります。求めるスタイルは人によって千差万別。ハンドメイドにしかできない領域は確かにあるので、どこかに勝ち筋はあるでしょう。
しかし、見た目以外のベネフィットを追う場合は、あくまで機能的な価値を追うことになります。そしてお客さんは、だいたい同じような機能を求めます。
ターゲットを絞ってニッチを攻めるにしても、デザインほどニッチにはならないのが現実。ハンドメイドじゃなきゃ実装できない機能などほとんどないでしょう。
故に、どうしても工業製品との差別化が難しくなっていきます。商品設計の難易度が、デザインで攻めるよりも、いくらか高くなることを念頭に置いておいてください。
やっぱり男性向けの方が難しい印象だね
逆に、ツボを押さえてる売り手が滅多にいないから、チャンスとも言えるけどね
販路も女性向けとは分けて考えよう
普通に女性向けにハンドメイド作品を販売する場合は、まずはminneやCreemaから始めるのが王道です。
ハンドメイド作品の売買プラットフォームとして市民権を得ており、多くの女性客がminneやCreemaに集まっているからです。
しかし、男性はというと、minneやCreemaで買い物をすることは皆無と言って良いでしょう。それどころか、存在すら知らない人の方が多いと思います。
マーケティングは、「魚がいる場所に釣り糸を垂らす」のが鉄則。魚のいないminneやCreemaでは、釣果は期待できません。
そっか。男の人に売る場合は、minneもCreemaもダメなのか
男性が使っているプラットフォームは?
男性が普段、ネットで買い物をするプラットフォームは、
- Amazon
- 楽天
- Yahoo!ショッピング
- メルカリ
- ZOZOTOWN
辺りが多いですね。
他はプラットフォームではなく、個々のネットショップになってしまうでしょう。
「メルカリ」はダメじゃないけど、良くもない
この中で、ハンドメイド作品でも出品しやすいのは「メルカリ」ですね。
魚のいないminne・Creemaよりは現実味がありますが、正直ハンドメイドを売るのに適したプラットフォームではありません。
所詮は不用品を売買するところ。有名ブランドでもなければ、高くは売れません。加えて、ハンドメイドに理解のないお客さんが多いので、クレーム率は上がってしまうでしょう。
「iichi」は狙い目かも
プラットフォームで望みがありそうなのは、「iichi(イイチ)」かなと思います。ややマイナーですが、ハンドメイド作品を取り扱っているプラットフォームです。
サービス自体は、minne・Creemaとほぼ同じではあるものの、
- 品質重視のラインナップが多く、単価が高い
- 男性客の割合がいくらか高い
という特徴があります。
販売手数料が20%と高額なのですが、それでも他のプラットフォームよりは現実味のある選択肢でしょう。
スタート時点では、まず「iichi」への出品を検討してみてはいかが?
最終的には自社ネットショップ
これは女性向けであっても同じなんですが、いずれは「BASE」や「Shopify」などで、自社ネットショップを持つべきでしょう。
- 他の作家の作品と一緒に並べられないので、低単価に引っ張られづらい
- 顧客情報が手に入るので、より細かいマーケティング施策が打てる
というメリットがあるからです。
みんなが言うように、「販売手数料も安く収まる」もメリットではありますが、上記に比べると瑣末な話です。
ただ、「iichi」の手数料20%は流石に高い。自社ネットショップに切り替えた方が、手元に残る金額はずっと多くなるね
と、魅力いっぱいの自社ネットショップですが、「100%自力で集客しなければならない」という、大きな大きなハードルがあります。
逆に言えば、自力で集客できない人は、自社ネットショップを持っても何の意味もありません。砂漠にお店を出店するようなものですから。絶対に売れません。
個人の作家でもできる集客方法は、ほぼSNS一択です。
- X
- YouTube
などで露出を取り、自社ネットショップへ誘導していくのです。
というわけで、大方の予想通り、「SNS」+「自社ネットショップ」の組み合わせが最終形です。
男の人は、「X」が好きだよね。何だかんだで、「Instagram」も男の人多いと思う
年代などの他の属性にも左右されるよね。あなたのターゲットが、普段どのSNSをチェックしているかを考えてみて!
SNSは全部やると大変なので、1〜2種類当たりをつけるのが良いですね。当然、ターゲットなる層が集まりやすい媒体を選択しましょう。
まとめ
ほとんどの作家には関係ないニッチな記事を書いてしまった
他ではまず見ない内容だったわ 笑
男性向けに売りたい作家には、かなりピンポイントだった!
この記事をまとめます。
男と女では思考回路が全く異なる
- 体の構造の違いから、男女の考え方には明確な違いが生じている
- 男性の買い物は、自身の魅力や能力を引き上げる武器。スペックとコスパが命なので、ハンドメイド作品では部が悪い
- 女性の買い物は、理想の世界観をもたらすもの。雰囲気が何より大事なので、ハンドメイド作品がよくハマる
男の買い物の勘所は?
- 男性は、「他人から見た自分を大きく見せること」を求める
- 「仕事ができる」や「お金持ち」に見られることで、女性にモテたいという深層心理から来ている
男性向けハンドメイドの攻め方
- 自分のスタイルを持っている男性をターゲットにする
ネームバリューではなく、品質で品定めができるお客さんを相手にする。彼らは自分のスタイルを持っていて、矛盾を許さない。他人の目は気にせず、自己満足で買い物をする - デザイン以外のベネフィットで攻める
「その商品を使う目的」「その商品を使う上でネガティブなこと」を達成・解消する作品に仕上げる。見た目ではなく、機能面での差別化となる
男性向けのハンドメイド作品は、女性向けに比べると、市場のパイはずっと小さくなります。市場規模は、ずっと小さいものになります。
「有利」か「不利」かで言えば、残念ながら「不利」と言わざるを得ません。
しかし、もしあなたが、女性向けの作品に興味も思い入れもないなら、女性向けにターゲットを変えたところで、勝ち目はないでしょう。
幸いなことに、いかにハンドメイドを好む男性の数が限られていても、作家1人が飯を食えるくらいの市場規模はあります。
ここは、あなたが理想を追い求められるフィールドで戦うべき。勝ち筋は、ちゃんと残っています。ぜひ自分を曲げずにチャレンジしてみてくださいね。
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