現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
一般的には、ハンドメイド作家は作品そのものを販売します。
確かに、クリエーターとしての本筋は、自分の手で作り上げた作品を売ることでしょう。おそらく、多くの作家さん進みたい道がコレでしょう。
しかし、さまざまな事情から、作品そのものを売るやり方が合わない作家さんもいるんですよね。
ハンドメイド作家がお金を稼ぐ方法は、1つではありません。
え?作品売る以外に、何を売るんだ…!?
この記事では、ハンドメイド作家のスキルから派生できる「マネタイズプラン」の全種類を解説します。
「わたしの作風だと、お金にならないんだよねぇ」と感じている人は、ぜひチェックしてみてください。
以外な抜け道に気がつけるかもよ?
マネタイズ①:作品を売る
説明不要でしょうが、普通に作品を作って売るのが、1つ目のマネタイズ方法です。あなたが培ってきた技術の結晶として、制作した完成品を販売する方法ですね。
マネタイズとしてはシンプルですが、売る場所にさまざまなパターンがあります。大きく「オンライン(ネット)」と「オフライン(店舗)」に分けられるでしょう。
オンラインで売る
手軽なのは、オンライン販売ですね。初心者にオススメなのは、やっぱりネットです。
手軽さの裏返しとして、集客はちょっと頑張んなきゃいけません。ハンドメイド界隈も飽和してきたので、初心者が出品しただけだと、ほとんど見てもらえないんですね。
そんなオンライン販売は、
- プラットフォーム
minne、Creema、iichi、メルカリなど - 自社ネットショップ
BASE、STORES、Shopifyなど
に大別されます。
プラットフォームでの販売
プラットフォームは、ネット上のショッピングモールなので、お客さん自体は集まってくれます。
しかし、いかんせん出品数が膨大なので、プラットフォーム側の集客に頼りきりだと、月商10万くらいが関の山。
基本的には、SNSとセットになるでしょう。
自社ネットショップでの販売
自社ネットショップはより自由度が高い代わりに、集客をしてくれません。出店しただけでは、砂漠にお店を出したのと同じ状態なので、自力でお客さんを呼び込む必要があります。
独力で完全に集客できる人(最終的にはそうならなきゃいけないが)は、自社ネットショップでも良いかもしれません。
ただ個人的には、より高度なマーケティングを求めてたどり着くのが自社ネットショップだと思っています。多少プラットフォームより手数料が安いのは、瑣末な話です。
売り方に工夫を凝らすステージに上がるまでは、プラットフォームを使えば良いんじゃないかな?
オフラインで売る
オフラインの売り方にも、色々と売る場所があります。
いずれも、オンライン販売に比べるとハードルが高いですね
- イベント出展
東京ビッグサイトなどで開催されるイベントに出展する(地元のマルシェもあるが、客層や単価の面では、ハンドメイド専門イベントに劣る) - ポップアップ
百貨店などで、ブランドをフィーチャーした特設コーナーを出す。ある程度知名度がないとお誘いがかからない - 委託販売
他所のお店に作品を預けて販売し、売れた分だけお金が入る仕組み。集客は完全にお任せできる代わりに、手数料で売上の50%ほど持っていかれる - 実店舗販売
自分で実店舗を持つ。家業などで元々実店舗を持っていないと、かなりハードルが高いが
ただしオフラインでの販売はネット販売と違い、作家自身が集客をしなくても、ある程度はお客さんの露出を獲得できます。
店を出せば、道行く人の目には映るからね
ある意味で、「オフライン販売にかかるコスト(=場所代)」は、本質的には、「その土地が持つ集客能力に対して支払うコスト」と言っても良いでしょう。
個人的には、イベント出展は一度は体験してみると良いと思います。
直にお客さんの反応も見れますし、他所の売れっ子作家さんがどうやって売っているかを垣間見ることもできます。
無名の作家さんでも、申し込めば普通に出展できるので、勇気を出してチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
わたしも2回ビッグサイトでイベント出展したよ!
全然売れてない頃にw
マネタイズ②:制作キットを売る
完成品を売るのではなく、「制作キット」を売るマネタイズもありますね。
売っているもの自体は、「完成品」か「未完成のキット」かの違いしかありません。
しかし、「ハンドメイド作品を買いたい人」と「自分で作りたい人」では、客層が微妙に異なります。別のターゲットを狙っているので、完成品とは必ずしも競合しません。
そのため、「完成品だと需要がないが、キットにすると需要がある」というケースが存在します。
1人の作家が、完成品を売りながら、副業(?)として、キットも販売するパターンもあり得るでしょう。
ほー。その発想はなかったなぁ
やはり完成品と比べると、値段は安く収まってしまいがちですが、その代わり制作時間がかかりません。
本業や子育て・介護などで、どうしても完成品を作る時間的余裕がない人でも、キット販売ならハンドメイドに関わり続けることができますね。
でもできるなら、次に紹介する「講座」とセットにするのがオススメだよ!
マネタイズ③:講座を売る
ハンドメイド制作のノウハウを売るのが、「講座」というマネタイズ方法になります。
客層は、「キット販売」とほぼ同じ。「自分で作りたい人」がターゲットとなります。やはり完成品に需要がなくとも、ハンドメイドをお金に変えられる有力な方法です。
原則として、ただキットを売るだけよりも、高い単価をいただける可能性があります。なぜなら、商品としての価値が異なるからです。
例えば、造花のフラワーアレンジメントのキットがあるとしましょう。キットを買ってお客さんが手に入れるのは、「手作りの造花のフラワーアレンジメント」です。
一方で、これを講座として売るなら、お客さんが手に入れるのは、「お客さん自身が、フラワーアレンジメントを作れるようになること」です。
このニュアンスの違いがわかるでしょうか?
- キット販売が売っているのが「魚」なら、
- 講座が売っているのは「魚の釣り方」です。
食べたら終わりの「魚1匹」よりも、この先ずっと楽しめる「魚の釣り方」の方が価値が大きいですね。
確かに、それは天と地ほど違うかもしれない…!
「講座は、人が教える分だけコストがかかるから値段が高くなる」は、ビジネスをわかっていない人の考え方です。値段の違いは、商品がもたらす価値の違いです。
講座を売るからには、単に「キット販売に、講師の説明というオマケがついている」とは考えないことです。「お客さんが、1人で〇〇が作れるように育てる」を、意識した商品にしてください。
これはどんな講座形式のビジネスでも共通なんだけど、お客さんを「A地点(現在の状態)」から「B地点(理想の状態)」へ連れて行くが本質なんだよね
オフラインのワークショップ
オフラインの講座は、一般的に「ワークショップ」と呼ばれています。
大きなハンドメイドのイベント会場には、必ずワークショップのコーナーが併設されています。そういった場所を借りて、ワークショップを開くのも1つの手。
ただ、イベント会場のワークショップは、講座というよりは祭りの出店です。「〇〇を作れるようになりたい」という動機ではなく、夜店で「カタヌキ」をやる感覚ですね。
そのため、「キット販売に、講師の説明というオマケがついている」くらいの感覚になってしまうので、単価はそれほど高くなりません。
大体3,000〜5,000円くらいだよね
まぁ、知ってもらうには悪くない機会だけどね
一方で、どこかで会場を借りて、もう少しハイソな感じのワークショップを開くこともできます。平日の昼間に、有閑マダム(?)っぽい人がよく集まってますね。
こちらは、本当に「〇〇を作るれるようになりたい」という動機のお客さんが来てくれるので、単価1万円ほどでも売れます。
ボクの奥さんはフラワーアイテムの作家なので、フワラーアイテムの例を話しましょう(ボクの奥さん自身が講座を開いているわけではありませんが)。
都内には、いくつか業者も買い付けるお花の資材屋さんがあります。低層階は普通に売り場ですが、上の階は、ワークショップ用のスペースになっていたりします。
講座のお客さん(要するに生徒)と一緒に、低層階でお花を選んで、そのまま上の階に行って、フラワーアレンジメントを作ってみましょう!という設計です。
この講座を通してお客さんは、
- 「材料の選び方」
- 「材料の買い方(買い付け場所も含めて)」
- 「作り方」
をいっぺんに学べるわけですね。
こうやって、自力で作れるだけのノウハウを届けるわけです。
だから高く売れるのか!
オンライン講座
昨今では、オンライン形式の講座も増えましたね。
「材料(またはキット)+動画教材+困ったときの相談」が、パッケージになった商品です。材料は、別途お客さんに選ばせるパターンもあるかもしれません。
現地でFace to Faceで行うワークショップに比べると、オンラインの満足度は下がるでしょう。そのため、やや低めの値付けになるかもしれません。
その代わり、場所の制約を受けずに、お客さんを集められるのが強みです。
オフラインのワークショップだと、どうしても場所に縛られます。東京で開催すれば、首都圏近郊に住んでいる人しか物理的に集められません。
加えて、一度に教える生徒の数に天井がありません。1回の講座で、5-6人と言わず、100人でも1,000人でもサービスを提供できます。
「売上の天井の高さ」という意味では、オンライン講座に軍配が上がる
ただし、集客は完全に独力になってしまうので、SNSやYouTubeなどのスキルが必要になってきます。
なかなかに上級者向けのマネタイズと言えるでしょう。
マネタイズ④:図案だけ作って工場生産する
これは作風を選ぶのですが、イラストのように、1度描いたアウトプットを元に、商品を量産する手もあります。
「SUZURI」というプラットフォームをご存知でしょうか?
minneと同じGMOペパボ社が運営しているサービスなので、知っている作家さんも多いと思います。
画像をアップロードするだけで、
- アパレル
- スマホケース
- エコバッグ
- マグカップ
などにプリントしたオリジナル商品を販売することができます。
しかも、作家側が在庫を持つ必要がなく、1個から生産・販売できるんですね。
オリジナルTシャツとか、楽しそうだよね〜
ウチの奥さんはフラワーアイテム作家なので活用が難しいのですが、イラストレーターやフォトグラファーなら、カンタンに自分の商品を販売できちゃうんですね。
ハンドメイドの括りに入るかは微妙ですが、こういうマネタイズもアリでしょう。
OEMという選択肢
「SUZURI」のようなサービスは便利で手軽ではあるものの、既製品の企画にある程度縛られます。
細部まで思い通りの商品を仕上げたいなら、「OEM」という選択肢もあります。
OEMとは?
OEMは、「Original Equipment Manufacturing」または「 Original Equipment Manufacturer」の略語。
工場を持つメーカーが、第三者の委託によって、自社ではないブランドの製品を製造するビジネスモデルを指します。
要するに、工場を持たない中小企業(または個人)が、自社のブランド製品を外部工場に生産してもらう手法のことです。
- イベントグッズ
- バンドのライブ会場で売っているアイテム
- ノベルティーアイテム
- 健康食品
なんかも、大抵はOEMで生産された商品が流通しています。
OEMなら、イラストや写真に限らず何でもありなので、アイデア次第でもどんな商品でも作ってもらうことができます。
オリジナルアクセサリーも、オリジナルインテリアも作れるよ!
へぇー!そんな仕組みがあったのか!
ただここまで来ると、ハンドメイド作家というよりは、経営者・実業家といった方がしっきりきます。
生き方が変わってくるので、「私、本当はどうなりたいんだっけ?」を考え直す必要があるかもしれません。
マネタイズ⑤:周辺アイテムを売る
OEMの1パターンとも言えますが、あなたが好きなハンドメイド制作に関連するアイテムを販売するマネタイズ方法もあります。
- 手芸作家が企画した、オリジナル手芸アイテム
- 服飾作家が企画した、オリジナルボタン
- フラワーアイテム作家が企画した、オリジナル花瓶
といった具合ですね。
例えば、ウチの奥さんはフラワーアイテムの作家なので、当然を「お花」を仕入れるわけですが、それだけでは作品を作れないんですね。
フラワーアレンジメントを入れる「花器」だったり、ブーケを留める「リボン」だったり。こういった周辺アイテムは、通常、既製品を使うことになります。
しかし意外と、センスにハマる周辺アイテムが見つからなかったりするんですよね。結局、理想は脇に置いておいて、妥協した既製品で済ませることが少なくありません。
だったら、「理想のアイテムを自分で作ればいいんじゃね?」と、頭をよぎった作家さんも多いのではないでしょうか?
これ、めっちゃあるよ!
こだわりがある作家さんは、1度は感じたことあるんじゃない?
OEMなら、周辺アイテムも理想通りに作ることが可能です。
自分でもオリジナルで作った周辺アイテムを使いつつ、他の作家や、趣味で作る人に売っても良いわけです。
もっと言うと、別にオリジナルじゃなくてもOKです。既製品を卸価格で仕入れて、あなたがイチオシの周辺アイテムとして、普通に販売するだけです。
こういう手もないわけではない!
まとめ
クリエーターたるもの、作品を売りたいのが本音だと思うけど、そう上手くいかないケースもあるでしょう?
あるある!有名作家だけどハンドメイドだけじゃ生活費にならないから、パートと掛け持ちしている人もいたよー
興味ない仕事するよりは、少しでもハンドメイドに関わる仕事でお金を稼ぎたいもんね
この記事をまとめます。
ハンドメイド作家のマネタイズ方法
- 作品を売る
一般的なハンドメイドのマネタイズ方法 - 制作キットを売る
完成品ではなく、制作キットを販売する。ターゲットが「作りたい人」になるので、完成品とは競合しづらい - 講座を売る
制作キットと同様に、「作りたい人」がターゲット。ただ「作るだけ」ではなく、「作れるようになる」が本質の商品なので、キットよりも高額で売れる - 図案だけ作って工場生産する
イラストや写真をプリントしたアパレルや日用品を販売する。なお、ややハードルは上がるが、OEMならどんな商品でも痛く生産できる - 周辺アイテムを売る
イマイチな既製品しかない周辺アイテムを、作家オリジナルで生産する。それを他の作家や趣味で作りたい人に販売する
実のところ、一番稼げるポテンシャルが高いのは、「オンライン講座」です。生活費どころか、平均的なサラリーマンのウン倍も稼げる可能性があります。
ただしこの場合は、ハンドメイド作家の皮を被った「ネット自営業者」になります。あなたが目指している姿とは、少し変わってくるかもしれません。
- モノづくりがしたいのか?
- お金を稼ぎたいのか?
どちらに比重を寄せるべきかは、あなたの胸に手を当てて考えてみてください(別に、お金のためのオンライン講座を否定してるわけじゃないですよ)。
今のところ、ウチの奥さんは作品販売以外のマネタイズは考えていません。が、別のマネタイズ方法にチャレンジした際は、そのノウハウについても発信したいと思います。
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