現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
本サイトでは、
- 「こういう作品は売れるぞ!」
- 「こういうのは高く売れるぞ!」
と、散々言いまくってきました。
しかし、「逆に、どういう作品は売れないのか?」という話をしていませんでした。
伸び悩んでいる作家さんには、ダメな見本を見せて、反面教師にしてもらう方が伝わりやすいかも?と思った今日この頃です。
というわけで、この記事では、「こういう作品は売れないからやめとけ!」という特徴を挙げていきたいと思います。
世間の発信者は、「需要がない作品はやめとけ」くらいの解像度で、ボンヤリした話しかしません。これではイメージできないので、もっと具体的な特徴を挙げていきます。
実際には、「高く売れないからやめとけ」ってニュアンスの特徴が多いかな
残念ながら、今もって多くの作家さんが、お客さんに選ばれる見込みのない作品を作っています。そして、当然の帰結に打ちひしがれています。
あー、もったいない。ちょっと変えるだけで何倍も売れるだろうに。
なお、念のため断っておきますが、今回挙げる特徴に合致するから言って、絶対に売れないわけではありません。
あなたが、「名の売れた作家さん」や、「フォロワーが何万人もいるSNS上手さん」であれば、効率は悪いですが、売れないことはないでしょう。
しかし、きっとあなたは、腕に覚えはあるものの、有名作家ではなく、SNSはこれからという立ち位置ではないでしょうか?
Yes, I am!
そうであるならば、これから紹介する「ダメな作品」を売ってはいけません。ひどく遠回りな道のりになります。それも、する必要のない遠回りです。
思いつきで書いた記事ですが、なかなかどうして、重要な話になりました。ぜひ最後までご覧ください。有用性は保証します。
買う習慣がないアイテム
あなたのお家は、「絵画」や「彫刻」を買う習慣はありますか?
もちろん買うお家もあるでしょうが、一般大衆には、絵画や彫刻のようなアート作品を買う習慣は根付いていません。
どんなに素晴らしい作品でも、「へぇ、すごいねぇ」で終わり。お客さんが財布の紐を開くことは、滅多にありません。
確かに!眺めて、満足して、おしまいだね
あなたがターゲットにするお客さんの大部分に、そのアイテムを買う習慣がなかったとしたら、あなたの作品はまず売れないでしょう。
もう少しハンドメイド作品っぽいモノだと、「ボトルシップ」が良い例です。
ボトルシップは、気の遠くなるような作業を経て完成します。短くても1ヶ月、長いと1年がかりで制作されるとか。実際に見ると、惚れ惚れするような完成度です。
しかし、残念ながらボトルシップを買う習慣はありません。いくら出来栄えが素晴らしかったとしても、「へぇ、すごい」でおしまいです。
お客さんに買う習慣のないボトルシップには、飯を食っていけるレベルの市場が存在しません。だから趣味にしかならないのです。
買うものリストに載らないアイテム
前からの続きのような話になってくるのですが、ニュアンスを分けたいので別立てとします。
あなたのこれまでの人生を振り返って、「買うものリスト」に載ったことがあるアイテムには何でしょうか?
- シャンプー
- お米
- ハサミ
- 水筒
- 冷蔵庫
- スマホケース
- 成人式で使う髪飾り
- (人によっては)クリスマスツリー
などなど、数えきれないほどの量だと思います。
あ、1つ1つ挙げていってもらう必要はないよ
「買うものリスト」に載るアイテムは、その時々で必要なアイテムです。買う理由が明確なアイテムです。無いと支障をきたします。
だから、どこかしらから調達しなければなりません。既製品で気にいる品がなければ、あなたのハンドメイド作品を買うこともあるでしょう。
逆に、「買うものリスト」に載ってこないアイテムは、買う必然性のないアイテムです。だから買われないか、気に入ったところで、安くしか買ってもらえません。
「キーホルダー」が良い例。買う習慣はありますが、買う必然性はないアイテムです。
旅行先のお土産や、子供のカバンに付ける用に買うことはあるかもしれません。しかし、値段はせいぜい1,000円ってところ。5,000円や1万円では売れませんよね。
これが「カラビナ」だったり、「ピアス」だったりすると、必要な人には必要なアイテムです。だからもっと高い値段でも買ってもらえるのです。
目安として、「火事で持ち物が全て焼失してしまったら、そのアイテムを買い直すか?」を基準に考えてみてください。
もし答えが「NO」なら、その作品は芽が出ない可能性が高い
消耗品
消耗品は、大抵は生活に必要なアイテムなので、需要自体はあります。
しかし、1回や1ヶ月使ったらゴミになるとわかっているモノに、高い値段を払おうとする人はいません。
この「どうせ後でゴミになる」という感覚が、割と重要になってきます。
使う時間が短いアイテムには、成人式や結婚式など、ライフイベント物があります。あるいは、一張羅で買った洋服も、日常ではなかなか着る機会がなかったりします。
モノによっては、ホントに1回しか使いません。しかし、使った後もモノが残るなら、いくら賞味期限が短くても、高い値段で買ってもらえます。
金額に低い上限がつけられてしまうのは、買う瞬間から「捨ててしまう未来」が見えているモノです。
歯ブラシやトイレットペーパーは言わずもがなですが、「ヘアゴム」なんかも消耗品ですよね。これが「バレッタ」だったらある程度高い値段でも買われると思いますが。
他には、「ポストカード」なんかも消耗品ですね。イラストや写真をやっている作家さんがよく売っていますが、高く売りようがないアイテムです。
まぁ印刷するだけで手作りするわけじゃないから、安い値段しかつけられなくても良いのかもしれないけどね
普通に1つ1つ作るハンドメイド作品だと厳しいね〜
汚れる前提のアイテム
大工さんや飛び職人でも、洋服に気を使って、高いブランド物を買う人はいくらでもいると思います。しかし、仕事で使う作業着に、1着何万円も払うでしょうか?
汚れる前提で使うアイテムは、感覚的には消耗品に近いモノがあります。やはり、値段には低い上限が付いて回ってしまうのです。
例えば、「エプロン」に高いお金を払う人は多くはないでしょう。「子供服」も、おめかし用の服は高く売れるポテンシャルを秘めていますが、普段着は安くしか売れません。
ちなみに、「マスク」もこのカテゴリーに入ると思っています。
コロナ禍で、マスクで荒稼ぎした作家さんもいると思いますが、単価はかなり安かったはず。それでも作るのがカンタンで、特需が来ていたので、ビジネスとしては成り立っていたのでしょう。
平時に戻ったいま、マスクで食っていけるハンドメイド作家はもういないよね
アイデア商品
ここで言う「アイデア商品」は、昔でいうところの「主婦が考案した痒い所に手が届くお掃除グッズ」のようなモノです。
それ自体は便利でしょうから、需要はあると思います。
しかし、これも高くは売れません。特許をとって大量生産するなら、一時で財を築けるかもしれませんが、ハンドメイドでは叶いません。
3Dプリンターで出力したアイデア商品などが、このパターンに該当します。「オリジナルのタブレットホルダー」みたいなヤツですね。
使い勝手が良いのであれば、買いたいお客さんはいるでしょう。
ホントに使い勝手が良いならボクも欲しいな!
しかし、1個1,000円、良いとこ2,000円くらいでしょう。それでは相当な数を捌かないと、生活費の足しにはなりません。
ハンドメイド作品は、工業生品にはない、独特の装飾(デザインやモチーフ)によって選ばれている部分が大きいですね。装飾性のないただの便利グッズは、本来ハンドメイドを買うほどのモノではありません。
もし良いアイデアを秘めているなら、手作りではなく、「OEM(工場への生産委託)」でビジネスを検討した方が良いですね。
他人の目に触れないアイテム
あなたの持ち物を見渡してください。家電やパソコンなどのハイテク機器を除き、高い値段で買ったアイテムの共通点に気がつくでしょうか?
- 洋服
- バッグ
- 財布
などなど。
これらは、「他人の目に触れる」という共通点があります。
さて、なぜ他人の目に触れるアイテムにお金をかけるのでしょうか?
カンタンです。そのアイテムによって、あなたが値踏みされるからです。あなたがどんなセンスの人間か、見ただけで判断されてしまうからです。
だから、外食の回数を減らしても、電球をLEDに替えても、少しでも安いクリーニング屋を選んででも、洋服には一定のお金をかける人が多いのです。
こういう他人の目に触れるアイテムは、総じて「ライフスタイル商品」と呼ばれています。安い商品と高い商品で、価格差が何十倍もあるのが特徴です。
なお、普段は他人の目には触れなくても、
- 肌身離さず持ち歩くアイテム
- 家に誰かを招いたら目に入るアイテム
も、ライフスタイル商品の一種になります。
ぜひ、あなたの作品が、「ライフスタイル商品」に該当するか意識してみて!
高い商品が存在しないアイテム
ハンドメイドに関わらず、広く市場を見渡して、そもそも高い商品が存在しないアイテムは、残念ながら高く売れる見込みはありません。
これは、売っちゃいけない作品の「足切り条件」として使えるでしょう。
「キーホルダー」や「髪ゴム」は、残念ながら初めから負け戦が確定しているのだ
しかし見回してみると、高くても売れる商品はいくらでもあります。洋服もバッグも財布もインテリアも。百貨店に置かれているアイテムなら、大体クリアしています。
欲を言えば、安い商品が存在しないと尚良いですね。
ギフトや、冠婚葬祭、ライフイベント系などは、安いとかえって都合が悪い。高くしか売れないアイテムです。この辺りは、ハンドメイドでも美味しい市場になってきます。
カンタンに作れる
理屈で言えば、制作の難易度とお客さんの需要は、関係ありません。難しかろうと欲しくなければ買いませんし、カンタンでも欲しければ買います。
ただ現実は、普通の主婦が思い立って作れるレベルの作品が売れることはありません。もうハンドメイド業界は、「ド素人でも稼げる」ような場所ではないのです。
確かに昔は、
- 天然石のビーズに紐を通しただけで売れる
- ユザワヤで買った布地をバッグにしただけで売れる
という時代もありました。
でも、これだけハンドメイド作家が溢れかえるようになった今、そんなイージー商売は許されません。
そんなカンタンに儲かるなら、素人作家がハイエナの如くわんさか群がってきます。
あなたの作品はあっという間に埋もれてしまい、ドングリの背比べの一列に名を連ねることになるでしょう。どうしましょう?安売りでもしますか(笑)
素人主婦でも楽に稼げるなんて幻想、もう存在しないからな
他との違いがわからない
お客さんから見て、「他所のお店との違いがイマイチわからない」ようでは、あなたの作品を手に取る理由がありません。
他所と同じ作品を売るなら、安く売ろうとするのが自然です。いや、そうするしかないのでしょう。こうして、悩めるハンドメイド作家がまた1人増えていくのです。
- デザインなのか
- モチーフなのか
- 素材なのか
- 機能性なのか
どこかしらで、あなたは他のハンドメイド作家と、「明確な」違いを作らなければなけないのです。
繰り返しになるけど、これは「お客さん目線」の話だ
作家であるあなたにとっては、細かいところで、他の作家とは違うのかもしれません。しかし、それをお客さんが認識できていなければ意味がないのです。
「日向坂と櫻坂って、どっちがどっちなの?」みたいな見られ方をしてしまっては、あなたは「One of them(大勢の中の違いのない1人)」にしかなれません。
ヒントを出すと、明確な違いを作れないのは、「ターゲット」を絞れていないか、そもそも意識できていないことに原因があるケースが多いです。
作家自身が思い入れを持っていない
よく、「自分が作りたいものを作るな!需要のあるものを作れ!」と言われます。確かにその通りではありますね。
かといって、思い入れのない作品、あるいは特に好きでもない、作っていて楽しくない作品も、残念ながら売れることはありません。
これは精神論じゃないよ。明確な理由があってのことだ
儒教の創始者で、もはや神格化すらされている孔子は、この言葉を残しました。
これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。
(その分野を知っているだけの人は、その分野を好きな人には敵わない。そして、その分野を好きな人は、その分野を楽しんでいる人には敵わない)
孔子『論語』より
これは紛うことなき真理です。
もしあなたの中にある情熱があるなら、こだわりがあるなら、思い入れがあるなら、作品を作ることはこの上なく楽しい時間でしょう。
楽しいからこそ、24時間そのことばっかり考えて、誰も気づかないようなディティールにも妥協せず、脇目も振らずに高みを目指せるのです。
それが、特に思い入れのない作品だったらどうでしょうか?いつぞやタピオカ屋のように、「ただ儲かりそう」という理由で始めたら?
「こんなもんでいいんじゃね?」というラインで手を引くでしょう。
その先はお客さんも気づかないし、面倒なだけ。そもそも、自分もたいしてこだわりがないから、追求するような箇所も見当ららない。
「OK、OK。100点目指す必要はない。70点あれば、お客に見せても恥ずかしくないっしょ」と、まぁこんな具合です。
その程度のレベルでは、ライバル作家を突き放すことはできません。他のタピオカ屋との違いがわからないように、あなたの作品も、他所との違いがわかりません。
それじゃあ、ハンドメイド作品は売れないね
また、作品への思い入れは、セールスの成否にも大きな影響を与えます。
もし思い入れがあり、こだわりにこだわり抜いて作った作品なら、あなたは、あの手この手で作品の素晴らしさを伝えようとするでしょう。
押し売りする気は毛頭なくても、その想いが、文章や言葉の端々にほとばしるのです。「つまらないものですが」なんて、口が裂けても言いません。
その想いは、もちろんお客さんにも伝わります。インターネット越しでも伝わります。
思い入れがなければ、あなた自身も強く推すだけの材料がありません。「よかったらどうぞ」くらいの控えめな印象です。それではなかなか売れませんよね。
作品が悪いわけじゃないかも?
ここまで、「売れない作品」の特徴をツラツラと述べてきました。
ひょっとするとあなたは、いずれにも該当していないのにも関わらず、作品が売れていない状況に陥っているかもしれません。
もしそうなら、売れていない原因は、作品が悪いからではない可能性が高いです。
そう。ハンドメイド作品が売れない理由は、必ずしも「作品が悪いから」とは限らないんだ
ムムムムム!
モノが売れるには、
- インプレッション
お客さんの目に作品が映る - クリック
気になって、商品ページを閲覧する - コンバージョン
商品ページで納得して、実際に作品を購入する
という3つの点を経ることになります。
どんなに作品が良くても、誰の目にも止まっていないようなら、売れるはずがありません。作品が優れているからといって、自動的にお客さんに見てもらえるわけではないのです。
また、作品はちゃんと見られていても、写真で作品のイメージが伝わらないために、売れないのかもしれません。文章でお客さんの疑問を払拭しきれていないからかもしれません。
実のところ、作品以外が原因で売れないケースもかなり多いのです。
↓の記事で事細かく解説しているので、該当する人はぜひチェックしてみて!
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