現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
minneやCreemaを見ていると、「それ安すぎじゃない?」という値段で売られている作品を目にします。比較的単価が高いiichiですらそう。
ごく一部なら別にいいんですが、結構な割合で安すぎる作品に遭遇するもんだから、首を傾げてしまいます。
これはマジでそう思う!
正直、ちょっと迷惑…
あまり良いことではないよね
おそらく多くの作家さんは、高い値段をつけるのが怖いんだと思います。それで1人が安い値段をつけて、それにならって他の作家さんも安い値段で…。
ってな感じなんでしょう。
しかし安売りしている限り、生活は楽になりませんし、独立なんて夢のまた夢。それだけでなく、ハンドメイド市場全体にとっても有害な話です。
この記事では、ハンドメイド作品を高く売らなければならない理由を解説します。加えて、「高く売るのが怖い」というマインドを取り払ってみせましょう。
高く売れば、あなたの生活が豊かになるだけでなく、ハンドメイドの市場全体が豊かになります。
怖くて安売りしてしまっている作家さんには、絶対に読んでほしい!
【みんな安すぎ】安売りの弊害を理解しよう!
実際のところ、ハンドメイド作家の半数近くは安く売り過ぎていると思います。
材料費と手数料を引いたら、ほとんど手元に残らないであろう作品が散見されます。これって異常じゃないですか?
高い値段をつけられない気持ちはわかるんですが、やっぱり安売りはダメです。
安売りは市場全体に有害
「安売りする作家は迷惑」という声も聞こえてきます。これはビジネスとしてやっている作家さんからしたら、当然の本音でしょう。
誰かが安く売ると、他の人も安く売らざるを得なくなります。
これが連鎖して、ハンドメイド市場全体が低価格に落ち着いちゃってる感じがする
ときに通常のビジネスの世界だと、いくら安く売る業者がいても、決して割らない最低ラインというものがあります。
社員が生活できるくらいの人件費は稼がなければならないので、どんなに価格競争しても、一定の利益が残る値段になっているのです。
しかし社員を雇うわけでもなく、ビジネス経験があるわけでもないハンドメイド作家は、平気でこの最低ラインを割ってしまうんですね。
こうなってしまうと、ハンドメイド作家全体が稼げなくなってしまいます。
ハンドメイド活動を続けられなくなる人が増えてしまえば、ハンドメイド市場全体が縮小することになります。
安売りの先は、全員がアンハッピーな未来しかないよ?
ハンドメイド業界が廃れるのはあまりに悲しい
趣味ならいいけど、趣味じゃないんでしょ?
趣味で安く売っているなら、誰も文句は言えません。だって趣味なんですから。
ただ作品を安く売っている作家さんも、実際には趣味で売ってませんよね?
作品を販売するには、けっこう面倒な工程も出てきます。これを趣味でやっているとは思えない。
メッセージのやり取りとか発送とかね
仕事じゃなきゃやらんでしょ
最初は趣味かもしれないけど、趣味のまま続ける人はほとんどいないと思う
材料費だけ回収できれば良いわけがありません。本音は、「相応の対価が欲しい!」ですよね?
ぜひ本音にフタをせずに、仕事としてハンドメイド活動をしてみてはいかがでしょうか?
ハンドメイド作品を高く売るべき3つの理由
実際のところ、高く売ることで得られるメリットは大きいです。
これを聞けば、あなたも作品を安売りしようとは思わなくなるでしょう。
理由①:お金が増えるから
値上げすれば、当然手元に残るお金が増えます。これをどう使うかは、あなたの自由です。
美味しいレストランで食事をするのも良いでしょう。海外旅行に行っても良いでしょう。
それも魅力的ですが、ハンドメイド活動に追加投資できる点も見逃せません。
- より高価な素材を仕入れて、さらに高く売る
- 一眼レフカメラを導入して、作品画像で差をつける
- 優れた設備(デスク、イス、工具、機械など)を導入して生産性を上げる
- ロゴがパッケージのデザインをデザイナーに依頼する
といったことも、お金があればできるわけです。
未来の売上を増やすために、どんどん投資できるようになる!
これは魅力的だわ〜
独立するなら高く売らざるを得ない
安売りしている作家さんは、手元に残るお金がかなり少ないと思います。
仮に稼働がパツパツになるまで売れたとしても、手元に残るのは数万円みたいな状況ではないでしょうか?
これだと生活できないので、本業を辞められないはずです。
旦那が稼いで、奥さんは自由ならいいけどね
でも今どきそんな家庭あるのかな?
作家さんによって、家庭環境も違えば、目指す目標も違うと思います。
しかし、「作家活動の収入でだけ生きていく」というのが、ほとんどの作家さんが目指すラインではないでしょうか?
安く売っている限り、独立の夢は絶対に叶いません。
理由②:時間が増えるから
作品単価が上がるほど、制作する作品数は減っていきますよね。
仮に月10万円の売上があるとしましょう。
「単価2,500円」なら「40個」制作することになります。
もし「単価1万円」なら「10個」の制作で済みます。
もちろん高く売れる作品ほど、制作に時間がかかるかもしれません。
ただそれでも、お客さんとのやり取りや配送手続きを考慮すると、作品数が減った方がトータルの時間は短縮されるはずです。
浮いた時間も、何に使うかはあなたの自由です。
習い事に挑戦しても良いですし、家族と過ごす時間に充てても良いでしょう。技術を磨く時間にしても良いですし、新作をじっくり考える時間に充てるのもいいですね。
うーん、これも魅力的!
ゆっくり考える時間は必要だよ。仕事でも人生でも
理由③:客層が良くなるから
見逃されがちなのが客層です。基本的に、お客さんの民度は単価に比例して上がっていきます。
誤解を恐れずに言いますが、安く買おうとする人ほどクレームを入れてきます。またお値段相応以上のサービスを要求してきます。
これは「高級レストラン」と「ドヤ街の大衆居酒屋」の客層を見れば、一目瞭然でしょう。
ホント劇的に変わるよね。ウチは単価1万くらいだから平和だよ
こういう迷惑なお客さんを相手にしてしまうと、時間だけでなく、精神まで持って行かれてしまいます。絶対に避けなければなりません。
迷惑な客を寄せ付けない1番の方法は、「高く売ること」であると、ぜひ覚えておいてください。
良い客層は、安物には目もくれない
もっと言ってしまうと、高く買ってくれるお客さん(あなたが本当に相手にすべきお客さん)は、安い値段の商品を見てすらいない可能性が高いです。
- 普段1万円のTシャツを買う人は、2,000円のTシャツには目もくれません
- 普段3万円の靴を買う人は、5,000円の靴には目もくれません
- 普段10万円のバッグを買う人は、9,800円のバッグには目もくれません
1,500円のランチを食べる人に、500円のランチは目にも止まらないよ
あー、言われてみればその通りだね!
何なら、ネットで探すときに、「〇〇万円以上」でフィルターをかけて検索している可能性すらあります。
高く売るためには、高く買ってくれるお客さんの目に触れなければなりません。安く売っている限り、彼ら彼女らの目に、あなたの作品は触れなくなってしまうのです。
作品の値付けに対する正しいマインドセット
おっと、まだ高く売るのが怖いでしょうか?
実は、ボクも相当なビビりなのでよくわかります。ぶっちゃけ怖いですよね。
そんなあなたが一歩踏み出すために、ハンドメイド作家が値付けに対して持つべきマインドセットをお伝えしましょう。
ド直球のド正論なので、きっと納得してもらえるはず!
ハンドメイドは「厚利少売」のビジネスモデル
そもそも論として、ハンドメイドは「薄利多売」で儲けるビジネスモデルじゃありません。
ハンドメイドは、典型的な「厚利少売」のビジネスモデルです。薄利多売の逆で、なるべく高い値段をつけて、なるべく少ない数を売るのが正解なのです。
「厚利少売」って初めて聞いたかも。あんま聞かない言葉だよね?
辞書には載ってない言葉なんだよね。「薄利多売」から派生してできた造語なんだと思う
それだけみんなの頭から抜けてる考え方なんだろうね
理由はシンプルで、ハンドメイドは工場生産と違い、生産数に上限があるからです。
1人が1ヶ月に手作業で作れる量は、それほど多くはありません。量が増やせない以上、高く売らなければ売上も利益も上がっていかないわけです。
「ハンドメイド作家としての成長」=「作品の値段を上げていくこと」と言っても過言ではありません。というより、これが真理だと思っています。
色んな意見があると思うけど、「ハンドメイド作家は高く売るべき」は、絶対に曲げない!
異論はない!
安く売るのではなく、どうしたら高く売れるか
ハンドメイド作家は、「安くして売ろう」というマインドを完全に封印してください。
「安く売ろう=売る数を増やそう」になってしまうので、そもそもハンドメイドのビジネスモデルと相容れない考え方です。
ただ現実問題、あなたが高い値段をつけたところで、周りには訳わからない安値をつけたライバル作品が転がっています。
ですが、ここでバカみたいな安い値段に寄せてしまってはいけません。「どうしたら、他所の作品より高くても買ってもらえるか?」を考え抜きましょう。
高く売るのは怖くない!
きっと安く売る作家さんは、「自分なんかの作品を高く売るのは申し訳ない」と思っているのではないでしょうか?
この気持ち、よくわかる!
否定されるかもしれないと思うと怖いよね!
でもですね、冷静に考えてみて欲しいんです。
高い値段をつけたところで、誰もあなたを怒ったりしません。ただ買われないだけです。
もし万が一売れたとして、お客さんから「高い作品の割にあんまりだ!」と言われてしまったら?
ショックは受けますが、「ゴメンね」と言えばいいだけです。最悪でも、返品してもらえれば済む話。
あなたの生活が脅かされるようなことは一切ありません。そう、高い値段をつけたところで、全くのノーダメージなんです。
安く売ったところで、手元に残るお金がないなら消耗するだけ
なら思い切って、高い値段をつけてみてはいかが?
プロフェッショナルだからこそ高く売る
お客さんは、作品そのものではなく、「ベネフィット(あなたの作品を使った先にある、理想の未来)」に対してお金を払っています。
より良い未来とは、すなわち「変化」ですね。より大きな変化に対して、より高い対価を支払うのです。買い物とは、そういう行動なんですよ?
売り手は、お客さんにより大きな変化をコミットするために、必死で考え、さらなる改善のために努力し続けます。その正当な対価として、相応の金額をいただくのです。
安く売る作家は、お客さんにより大きな変化をもたらすことを放棄しています。
「わたしの作品はショボくて、あなたに素晴らしい変化は与えられません。だから安く売りますね」と。これはプロの考え方じゃありません。
あなたがプロの作家として活躍を望むなら、お客さんへより素晴らしい未来をコミットすべきです。そして、当然のプレミアムとして、高い単価をいただきましょう。
誇りと自信を持って高く売るのがプロだ!
あなたの作品の適正価格は?
「高く売るべし!」とわかったのはいいですが、果たしていくらで売るのが正解でしょうか?
どんな商品にも、適正価格というものがあります。
ハンドメイドの場合は、「原価の3倍」が適正価格と言われることが多いのですが、これはちょっとズレています。
お客さんはいくらまで払えるか?
ハンドメイド作品の適正価格は、お客さんが払う意志のある最大の値段です。
つまり値段を決めるのは、あくまで市場。作品の原価云々は、適正価格とは関係ないということです。
1番良いのは、お客さん自身に「いくらなら買う?」と聞いてしまうこと。ですが、聞けるチャンスがなかなかないと思います。
次善の策として、
- 「同じ商品ジャンル」で
- 「同じような品質」で
- 「実際に売れている商品」の中で
- 高めにつけられている値段
を取ってくるのがオススメです。
あとはその適正価格に見合うように、コストを調整しましょう。
コストには材料費だけでなく、自分の人件費も加えた上で、利益が残るようにしよう!
例外的に安く売るケースも
ここまで「高く売れ!」と散々言ってきたのですが、例外的に安く売っても良いケースがあります。
- 作家活動を始めたてで、早くレビューを貯めるために安売りする
- 高い作品を売る布石として、安いエントリー作品を用意する
どちらも戦略的な安売りになっていますね。
前者は、あくまでスタート期のみの特別価格。十分にレビューが貯まったら値上げします。
後者は、一部作品のみの例外価格です。メインの作品は、少なくとも1万円くらいで売りたいところです。
値上げするタイミングは?
現在安く売って(しまって)いる作品を、値上げするタイミングはいつが良いでしょうか?
これは、まったく大した問題じゃありません。
今すぐ上げても全く問題ありません。値上げはもっとカジュアルに考えてOKです。クレームなんて来ませんし、誰からも怒られません。
一応値上げの目安もお伝えしましょう。今の値段で、出品すればコンスタントに売れているなら、値上げしてしまって問題ありません。
毎月買ってくれるお客さんがいる限り、その作品は値上げしてもOKと思ってもらって大丈夫
まとめ
おかしな値段で売られてる作品があんまり多いもんだから、記事にしてみたよ
気持ちはわかるけど、不用品売ってるわけじゃないからね
材料費に毛が生えた値段で売るのは、ちょっと違うわな
そうだね。ただ安く売る作家はいなくならない
そんな環境でも、高くても売れる作品を目指そう!
そもそもハンドメイドは作品を供給できる量に限りがあるので、高く売らない限り、売上も利益も上がらないビジネスモデルです。
まず持って、この事実を念頭においてください。
安く売っている限り、生活は楽になりませんし、独立もできません。そればかりでなく、ハンドメイド業界全体に悪影響を与えてしまいます。
ちょっと冷静になって考えてみましょう。
別に高い値段をつけたところで、誰からも怒られません。全くのノーダメージなんです。
安くして売ろうとするのではなく、どうしたら高い値段で買ってくれるかを意識しましょう!
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