現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
胸に手を当てて、最近の自分を振り返ってみてください。
- 最近チャレンジしていますか?
- 緊張感のある環境で、仕事をしていますか?
- 仕事で「怖い」と感じる経験はありましたか?
答えが「NO」なら、あなたは今コンフォートゾーンに留まっています。
コンフォートゾーンとは、直訳すると「心地の良い領域」です。人は誰しも、易き方へ流れていきます。いつも通り、無理せずできる範囲に留まろうとするのです。
しかし、いつまでもコンフォートゾーンに留まっていてはダメなんです(あぁ、自分に言っているようでツラい…)。
あなたが同じ風になるとは言いませんが、朝パチンコ屋の前を通ると、コンフォートゾーンに留まり続けた人の群れを見ることができます。
いつか痛い目を見ることは必定です。
いやー、これはボク自身にも頭の痛い話だ
ビジネス初心者は、もちろんコンフォートゾーンを抜け出す必要があるでしょう。
しかし、むしろ気がかりなのは、中級者以上の人。一定のレベルに達した人ほど、コンフォートゾーンの罠から抜け出しづらくなります。
また、サラリーマンに比べると、個人事業主はコンフォートゾーンから抜け出しづらい性質があります。
加えて、30代を過ぎたあたりから、日常にあたりまえにあった挑戦の機会が、ポツポツと消えていきます。気を抜くと、変わり映えのない毎日の繰り返しに。
あなたが30代以降の年齢なら、「コンフォートゾーン世代」と言えるでしょう。今すぐに、ぬくぬくした「その場所」から抜け出す準備を始めましょう。
コンフォートゾーンとは?
「コンフォートゾーン」という言葉はよく知られていますが、実は3段階ある概念のうちの、1番目という立ち位置になっています。
すなわち、
- コンフォートゾーン
- ラーニングゾーン(ストレッチゾーン)
- パニックゾーン
の3段階です。
ここは、3段階まとめて解説した方が、スッと理解してもらえるんじゃないかな!
コンフォートゾーン
「コンフォートゾーン」とは、その人にとって、ストレスや不安を感じずに過ごせる領域を指します。
ここで言う「領域」は、必ずしも「空間」という意味に留まりません。行動であったり、交友関係だったり、仕事の内容だったりします。
総じて、緊張感や恐怖心を感じず、気楽な気持ちで取り組めることは、すべてコンフォートゾーンの内側ということになります。
コンフォートゾーンの例
- 実家で暮らす
- いつもの友人と過ごす
- いつものお店でご飯を食べる
- いつもと同じ仕事をする
あなたの24時間は、99%がコンフォートゾーン内の行動で占められているでしょう。人によっては、100%かもしれません。
すでに何度も経験していて、結果はほぼ100%予測できて、安全であることは保証されています。失敗の可能性はほぼ0です。
コンフォートゾーンの内側は、あなたにとって安全地帯!
ラーニングゾーン(ストレッチゾーン)
「ラーニングゾーン」は、直訳すれば「学びの領域」です。
コンフォートゾーンのすぐ外側に位置していることからもわかるように、「ちょっと背伸びしないと届かない領域」となっています。
ラーニングゾーンの事柄をこなすには、過去のパフォーマンスよりも少し上を要求されます。また、その結果を100%予測することはできません。失敗の可能性もあります。
ラーニングゾーンでは、不安やストレスを感じやすくなります。逆に言えば、「緊張感」や「恐怖心」が芽生えたら、それはラーニングゾーンに足を踏み入れている証拠です。
ラーニングゾーンの例
- 実家を出て一人暮らしをする
- 海外旅行に行く
- 転職する
- 趣味を仕事にする
「ラーニングゾーン」は、またの名を「ストレッチゾーン」とも呼びます。つまり、あなたのコンフォートゾーンをストレッチ(拡張)してくれる領域ということです。
あなたはこれまでの人生で、多くのラーニングゾーンに足を踏み入れ、克服し、新たなコンフォートゾーンとして編入させてきました。
- 自転車に乗れるようになった
- 掛け算の九九が言えるようになった
- エクセルで簡単な表計算ができるようになった
- 確定申告ができるようになった
のも、過去のあなたがラーニングゾーンに果敢に攻めて、コンフォートゾーンに組み入れていったからです。それはあなたの成長の軌跡です。
「ラーニングゾーン」を、新たな「コンフォートゾーン」にしていく!それが成長!
20代中盤までは、常に生活の中にラーニングゾーンが組み込まれています。それは、進級や、受験や、新しい人間関係や、就活や、就職だったりします。
しかし、30代を過ぎると、だんだんラーニングゾーンが減っていきます。意識しなければ、いつもと同じ毎日の繰り返しに。そうなっては、成長も止まってしまいます。
あなたもそうじゃない?
この記事は、「コンフォートゾーン世代」に向けて書いているよ!
パニックゾーン
先のラーニングゾーンは、過去のあなたの経験の延長線上にあり、背伸びやジャンプをすれば、何とかこなせる領域でした。
その先にある「パニックゾーン」は、過去のあなたの経験では、まったく手の届かない「混乱の領域」です。
どうすれば成功できるかの予測もできず、もはや「何がわからないかもわからない」という状態です。もはや不安しかなく、強いストレスを感じるでしょう。
パニックゾーンの例
- 英語が話せないのに、英語の会議でスピーカーになる
- 平社員が、突然大企業の社長になる
- 海外旅行中に、荷物を全部盗まれる
- 異世界に転生する
パニックゾーンは、あなた自身にとって相当な恐怖。自ら足を踏み入れることはないでしょう。かといって、天変地異でもない限りは、外部からあなたがパニックゾーンに放り込まれることもありません。
GMOグループ出身の人に聞いたのですが、社内の言葉に「あなたに解決できない問題は、そもそもあなたには起こらない」があるそうです。
言われてみれば、確かにその通りですね。およそ、仕事上で生じる問題は、どこまでいってもラーニングゾーンの1番外側までということになるでしょう。
パニックゾーンは、人生に何回もないんじゃないかな?
乗り越え続けたら、とんでもない化け物になってそう
コンフォートゾーンに浸かっている3つサイン
今のあなたが、コンフォートゾーンに浸かりきっているか否かを、見分けるサインがあります。
コンフォートゾーンに浸かっているサイン
- 「緊張感」や「恐れ」を全く感じない
- 同じような毎日を繰り返している
- 接する人の顔ぶれに変化がない
もし該当するなら、あなたは高確率でコンフォートゾーンの中で、ぬくぬくやっています。成長が止まっているサインでもあります。
ちなみに、ボクも気を抜くと、すぐにこの状況になってしまいます。3つとも完全に当てはまってしまうシーンが、しょっちゅうあるんですよね…。
ぜひ自分自身で気づいてほしい!気づいて行動を始めてほしい!
サイン1. 「緊張感」や「恐れ」を全く感じない
仕事に対して、「緊張感」も「恐れ」も感じなければ、残念ながらコンフォートゾーンに閉じこもっている証拠です。
なぜ緊張も恐れもないかといえば、経験則で結果が100%わかっているからです。
いつもと同じような頑張りで、いつもと同じような加減具合で、卒なくこなせるとわかっているからです。失敗なんてあり得ないと、安心しきっているからですね。
もしラーニングゾーンに少しでも差し掛かっているなら、多少の緊張感や恐れが出てきます。結果を100%予測できないから、緊張や恐れを感じるはずなのです。
サイン2. 同じような毎日を繰り返している
毎日同じ朝を迎えて、同じように出かけて、同じように仕事して、同じようにご飯を食べて、同じようにテレビを見て、同じように寝床に入る。
毎日が同じルーティーンの繰り返しで過ぎているようなら、あなたの生活は、100%コンフォートゾーン内に収まってしまっているでしょう。
時間が過ぎるのが早いと感じたら
このサインには、もう1つ特徴があり、時間が過ぎるのがとにかく早く感じます。
よく「歳を取ると、時間が早く進むようになる」と言われますよね。これは、「ジャネの法則」として知られている現象です。
確かに、5歳の子供にとっての1年は、人生の1/5。30歳なら、人生の1/30です。その差が時間を早く感じさせているという意見には、説得力があります。
しかし最近は、そうではないと感じるようになりました。
先日、奥さんと子供が実家に帰る機会(*家庭の危機ではない)があり、その隙に10日間1人旅をしたんですね。その10日間は、とても充実していたと同時に、とても長く感じたのです。
新鮮な日々の連続は、歳をとっても長く感じるのです。
「あぁ、そういうことか」と合点がいったよ
「ジャネの法則」の真意は、別のところにあったんだって
時間が早く感じるのは、いつも同じ日々を過ごしているからだったんですね。
爺さん婆さんになって、時間が過ぎるのが早いのは当然ですね。仕事を引退して、子供は独立して、10年も20年も同じ毎日を繰り返しているんですから。
しかも、歳をとって色々経験すれば、子供や若者の頃にはよくあった「未知との遭遇」も無くなってしまいます。そうして、「光陰矢の如し」となっていくわけです。
サイン3. 接する人の顔ぶれに変化がない
あなたが山に籠って、仙人のような生活をしているわけでもなければ、新しいことにチャレンジすると、新しい人とのつながりができるはずです。
また新しい機会は、人が運んでくることが往々にしてあります。
もし、毎日顔を合わせる人に変化がないとしたら、あなたは何のチャレンジもしていないことになるでしょう。
ヤバい!いつも同じ顔ぶれ!っていうか、そもそも人と会ってない!
コンフォートゾーンにあるあなたの強み
一般的に、「コンフォートゾーン=実家暮らし」のようなニュアンスで語られます。そのため、「そこから早く出てけ!」というアドバイスがなされます。
この記事もそういうニュアンスを含んでいるのですが、別の側面もあります。
コンフォートゾーンは、あなたの「強み」でもあるのです。
もしあなたが永遠に絵を描いていられるタイプの人なら、「絵を描くこと」は、あなたに取ってはコンフォートゾーンです。
しかし、世間一般の人にとって、絵を描くのは結構難しいことです。なかなかチャレンジングな活動です。少なくともボクにはそうですね。
それを自然に、苦もなく続けられるというのは、それだけで強みなのです。
上手い下手の問題じゃない
あなたは、「もっと上手い人はいるから…」と思うかもしれません。
でも、日本一にならなきゃ「強み」じゃないなんてことはありません。あなたのコンフォートゾーンは、間違いなく強みですよ。
- 毎週皇居ランで走っているなら、「走る」は強みです。
- 毎日手料理をしているなら、「料理」は強みです。
- 子供の学校グッズをミシンでサッと作れるなら、「裁縫」は強みです
ちなみにボクは、文章を書くのがコンフォートゾーンです。いくらでも書けますし、永遠に書けます。もちろん文章は、ボクの強みです。
予想だけど、あなたは文章が得意な方ではないと思う。図星かな?
勝手に決めつけんなよ(まぁ苦手だけどさ)
あなたから見て、このブログを執筆しているボクはどう見えたでしょう?
きっと、ボクが「文章を書くのが強み」と言ったことに、同意してもらえると思います。しかし、ボクより文章が上手い人は、何万人もいるでしょう。
少なくとも、「あなたよりハンドメイド作品を上手く作れる人」よりも、「ボクより文章を上手く書ける人」の方が、何十倍も多いと思いますよ?
それでもボクにとって、文章が強みであることは変わりません。実際に、多くの作家さんから、本サイトへの感謝の言葉が日々届いています。
もしあなたが、ハンドメイド作品を永遠に作っていられるなら、あなたにとってハンドメイドは「強み」以外の何物でもありません。
コンフォートゾーンは「広げる」もの
あなたがずっとやり続けて苦にならないことは、あなたにとって「強み」です。
誰が何と言おうが、あなた自身が謙遜しようが、あなたの「コンフォートゾーン」は、あなたの「強み」なのです。
コンフォートゾーンは、「捨てろ!」という話ではありません。強みを捨てるなんて、とんでもない話ですからね。
そうではなく、強みであるコンフォートゾーンを、「もっと拡張していこう!」という話なのです。
コンフォートゾーンを広げていくことが、「成長」だもんね!
コンフォートゾーンから抜け出せない原因
さてあなたは、なぜコンフォートゾーンから中々抜け出せないのでしょうか?
安心してください。履いてますよあなただけじゃありません。
人間は誰しも、コンフォートゾーンから抜け出そうとしないのがデフォルトなのです。
現状維持バイアス
コンフォートゾーンに留まろうとする傾向は、心理学的には「現状維持バイアスが効いているから」という説明になります。
「現状維持バイアス」の意味は、読んで字の如く。「現状からの変化を拒む」という人類共通の心理傾向を指しています。
あなたが知りたいのは、「なぜそのような仕組みが、人間の脳に備わっているか?」という点ですね。
こう想像してみてください。
時代はそうですね、ざっと1万年前ってことにしておきましょう。その頃の日本は縄文時代です。
あなたは、ある集落で平和に暮らしています。木の実を摘んだり、あるいは海を潜って魚や貝を採ったりして、十分な食糧を得ています。
そこで集落の長が、「明日から、向こうの山を越えて、別の土地に移り住もう!」と言ったら、あなたはどう思うでしょうか?
「いやいや。別に今の場所でよくない?」って思いますよね。
まず、遠くに行くのは大変です。怪我をするかもしれません。そして、山の向こうの土地が、いま以上に豊かな土地かもわかりません。
これがもし、「今の場所だと敵から身を守れない」とか「この海は魚が取れなくなった」だったら、話が変わってきます。現状維持では身を滅ぼしますから、移住に賛成するでしょう。
しかし、「いま快適に暮らせてるのに、なぜ、わざわざ冒険する必要があるのか?」と思いますよね。これが、現状維持バイアスの心理です。
切羽詰まっていない限り、エネルギーを費やして頑張ろうとはしないのです。これが人間(というより生物)の基本的なスタンスなのです。
理屈はわかったけど、なんで縄文時代にタイムスリップさせられたの?
人間の思考回路が、1万年以上前から変わっていないからだよ
1万年よりも遥か昔にチューニングされたままだから、心理を読み解くには遠い祖先の気持ちになる必要があるんだ
困っていない人ほど抜け出せない
もしあなたが一家の大黒柱で、かつこれからビジネスを始めるとしたら、売れなければ飯が食えません。
あなたは、チャレンジの必要に迫られていて、かつ、そのことをよく理解しています。こういう人は、コンフォートゾーンの殻を破っていきます。というより、留まっていられません。
問題となるのは、生活に困っていない人です。
コンフォートゾーンに留まりがちな人
- 副業サラリーマン
- 旦那の収入で暮らしている専業主婦
- 親の遺産で暮らせる人
- そこそこ売れている個人事業主
彼ら彼女らは、頑張ってチャレンジする必要に迫られていない人達です。
給料は麻薬だ。社会はあなたに夢を諦めさせるためにお金を渡す。
Meta(旧Facebook)創業者 マークザッカーバーグ
中々過激な言葉ですが、真理を突いています。安定した生活ができている現状は、チャレンジを諦めるのに十分な理由になるのです。
そういう意味では、むしろ売れた後の人の方が、コンフォートゾーンを打ち破るのが困難になります。
ひょっとすると、苦境に喘いでいる地方の伝統工芸作家さんもそうなのかもね
中途半端に売れてる現状があるから、中々殻を破れないのかもね。でも、そのままだとジリ貧になっちゃうんだよな
個人事業はコンフォートゾーンから抜け出しづらい
先ほど、「サラリーマンは安定収入があるので、コンフォートゾーンを抜け出してチャレンジする理由に欠ける」と言いました。あなたも同意してくれたと思います。
しかし、別の側面から見ると、サラリーマンは「コンフォートゾーンの外に出る機会」という意味で、意外と恵まれた環境であるとも言えます。
サラリーマンは、本人が好むと好まざると、上から仕事が降ってきます。人事部や上司が、社員を育成する気があるなら、常に実力の少し上の仕事をアサインするでしょう。
少なくともボクが勤めていた会社はそうでした。プールでピンと背伸びして、水面からほんの少し顔を出して息ができるくらいの環境と言えば伝わるでしょうか?
サラリーマンは、ある程度受け身であっても、コンフォートゾーンを破っていく機会を与えられています。そうやって、着実に成長していける下地があるのです。
しかし、個人事業は違います。何をするかは完全に自由。誰もあなたに、実力以上のチャレンジを任せようとはしません。
こうなると、あなたの本能にある「現状維持バイアス」との戦いです。強い決意がない限り、いくらでも自分の殻に閉じこもることができてしまうのです。
ボクも会社員を卒業して個人で働くようになった身。このことを痛感するよ
コンフォートゾーンに留まるとどうなる?
では、そのコンフォートゾーンに留まっていると、あなたはどうなってしまうのでしょうか?
- 「1年以内」では、特に何も変わらないでしょう。
- 「5年後」では、明確な差になって現れます。
- 「20年後」では、収入の桁で言えば「0」1つか2つ分の差がつきます。
目を背けたくなるかもしれないけど、直視しなければならない!
趣味から抜け出せない
どんな仕事もそうですが、コンフォートゾーンに閉じこもっていては、趣味の域から脱せません。
ボクは文章を書くのが得意ですが、こうしてあなたが読んでくれているのは、あなたが読みたい文章を書いているからです。ボクが自分勝手に書いた文章では、誰も読んでくれません。
仕事にするということは、市場にいる「お客さん」に向けてコンテンツを届けるということです。
自分の殻を破って、お客さんに目を向けなければ、あなたのハンドメイドは決して仕事にはなりません。
成長が止まる
コンフォートゾーンにいる限り、あなたは成長しません。
イメージ的には、永遠に小学校の授業を受けている感じです。
厳密には、それでも少しずつ成長するかもしれません。「2桁の掛け算」が暗算でできるようになるかもしれませんね。
しかし周りは、中学校や高校に進学し、新しいレベルを習得します。「方程式」や、「微分」や「積分」をマスターしていきます。
あなたはちょびっとずつ成長しているかもしれませんが、コンフォートゾーンから抜け出している人からすれば、あなたは止まっているも同然でしょう。
あなたがカメの如く1m進む間に、周りはウサギの如く100m進んでいくだろうね
Oh…そうやって、圧倒的な差に…
(相対的に)後退していく
あなたは別に誰かと競ってはいないかもしれません。マイペースにハンドメイドができれば良いと思っているかもしれません。
しかし、あなたが成長せず、周りが成長していっているということは、相対的に見れば、あなたは後退していることになります。
- ワープロメーカー
- レンタルビデオ屋
- ガラケーメーカー
は、どんな末路を辿ったでしょう?
コンフォートゾーンに留まったまま、この世から姿を消しました。
「うちは、従来のやり方で上手くいってるんだよ。新しいことなんてする必要ない」と口にした瞬間に、凋落が始まるのです。
テレビ業界の落日も近いでしょう。公共の電波を独占的に使える位置に甘んじて、大した競合もいない中で、しょうもないコンテンツを垂れ流し続けていました。
テレビしか選択肢がない時代はそれでも通用しました。しかし、インターネット回線が、動画視聴に耐えられるレベルに達したことで、潮目が変わりました。
コンフォートゾーンでぬくぬくやってたテレビ業界は、ネットの熾烈な競争で揉まれたコンテンツには太刀打ちできません。
NetflixやDisneyプラスはおろか、個人のユーチューバーにも負ける始末。救えねえな
若者はテレビなんて持ってないしね。我が家もテレビ捨てちゃったし
ハンドメイド作家とコンフォートゾーン
ここまでコンフォートゾーンにまつわる一般論を展開してきました。次に、ハンドメイドの文脈に絡めた話をしてみましょう。
ハンドメイド作家がハマりがちなコンフォートゾーンを3つ挙げてみました。
趣味のハンドメイドから抜け出せない
ただ好きなように、思いのままに作る作品は、実に気がラクですね。
しかし、あなたが「好き」だけで作っている限り、あなたのハンドメイドはただの趣味です。小学生が自由帳に描いている絵と変わりません。
ハンドメイドを趣味ではなく、仕事にしたいなら、「好き」だけでは足りません。お客さんの存在を理解し、お客さんの需要に寄せていく必要が出てきます。
「作品」ではなく、「商品」を意識するという話です。
ハンドメイド作家としてキャリアをスタートさせるなら、「あなた本意の作品」という殻を破って、「お客さんが欲しがる商品」に意識をシフトさせてください。
得意な制作だけではビジネスにならない
お客さんを意識し始めるのは、ハンドメイド作家にとって最初の関門でしょう。
しかし、それでもあなたは、モノづくりが好きなハンドメイド作家です。作品を作っている時間は、あなたにとって心地の良いコンフォートゾーンのはずです。
これで済めば良かったのですが、残念ながら、ハンドメイド作家は作っているだけでは食っていけません。作るだけでなく、「販売」もしていかなければなりません。
- ブランディングをやっていく
- 魅力的な作品画像を撮る
- 魅力的な作品紹介文を書く
- ネットショップに出品する
- SNSに投稿する
- (人によっては)ライブ配信で売ってみる
- (人によっては)イベントに出店してみる
といったアクションが必要になってきます。
そうなんだよ!作ってるだけじゃダメなんだ!
どれを見ても、ハンドメイド作家のコンフォートゾーンの内側に、元々あったアクションではないはず。多くの作家さんにとって試練だと思います。
緊張感がありますね。場合によっては、怖さも感じるかもしれません。しかし、それでもやらなきゃいけないのです。
他所と似たような作品になってしまう
あなたがラーメン屋さんを夢見る若者だとしましょう。まずは師匠のお店で修行し、師匠の技術を徹底的に学びました。
いよいよ免許皆伝ということで、自分のラーメン店をオープンさせることになりました。しかし、ここで師匠と全く同じ味のラーメンを出していたらどうでしょうか?
あなたは、師匠の二番煎じです。そこにあなたの価値はありません。お客さんは、あなたのお店でなければならない理由がありません。
それでもラーメン屋は「商圏」があるビジネスですから、もし師匠のお店が「埼玉」で、あなたが「東京」に出店するなら、お店は繁盛するかもしれません。
しかしハンドメイド作品には、商圏がありません。どこで売っていようと、日本全国に散らばる100万人以上のハンドメイド作家と、同じ土俵で戦うことになります。
ハンドメイド作品は、他所の誰かと同じような作品ではダメなのです。
作品で差別化できないから、「値段で勝負しよう」ってバカげた発想になっちゃうんだよ
作風の殻を破ろう
周りの作家の作品と似てしまう原因を考えてみましょう。
どんなハンドメイド作家さんも、最初は誰かの作品のマネからスタートしたはずです。
- 手芸作家さんは、「手芸本」を見てスタートしたかもしれません。
- お店で制作をやっていたなら、そのお店のやり方に従っていたはずです。
- 専門学校に通っていたなら、その専門学校の先生のやり方を学んでいます。
「学ぶ」の語源は、「まねぶ」です。最初は、誰かをマネることから始まります。これは全く悪いことではなく、むしろ正しい道筋でしょう。
しかし、誰かのマネしている限り、あなたは「二番煎じ」どころか、「千番煎じ」です。もはや出涸らしも出ない、ただのお湯。それが、スタート地点のあなたです。
あなたにとって、本や先生が教えてくれた通りに作ることは、さぞ気楽なことでしょう。そのコンフォートゾーンは、いつか抜け出さなければなりません。
そっか!習った通りにやってるだけじゃダメなのか!!
あなたがハンドメイド作家として成功したいなら、あなただけの「色」を出していかなければなりません。
- 別の技法と組み合わせてみたり
- 伝統的なモチーフを捨てて現代風のモチーフにアレンジしたり
- これまでにない色彩で表現してみたり
これまでのように、本や先生の言う通りでは作れません。
自分で考えて、自分が正解だと信じる道を進むしかありません。しかもその道が正しいとも限りません。行ったり来たりで、何度もリトライするかもしれません。
当然ですよね?だって、まだ正解のない道を進んでいるんですから。
きっとあなたは、「産みの苦しみ」を味わうことになるでしょう。でも、それで良いのです。
その「成長痛」は、あなたがコンフォートゾーンを破っていることの証だ!
コンフォートゾーンから抜け出す4ステップ
コンフォートゾーンから抜け出す1番手っ取り早い方法は、「行動しなければ死ぬ環境」に身を置くことです。
売れない芸人さんのように、あえて身の丈の合わない家賃のタワマンに引っ越せば、あなたも奮起するに違いありません。
とはいえ、そんなハイリスクは取れないでしょうし、ボクも責任を取れません。そこで、もっと教科書通りのステップを用意しました。
ステップ1. 目標を定める
あなたの目の前には、無限の可能性が広がっています。あなたが不老不死で、永遠の時間があるなら、手当たり次第にチャレンジしても良いでしょう。
しかし誠に遺憾ながら、あなたの人生は有限なんだな
無限の可能性の中から、あなたが登りたい山を1つか2つに絞らなければなりません。つまり、「目標」を定めなければならないのです。
「コンフォートゾーンから抜ける」必要があるのは、あくまで、「あなたが登りたい山を登るため」という文脈でです。
あなたの目標に関係ないなら、あえて苦手なことにチャレンジする必要はないでしょう。ムダではありませんが、もっと大事なチャレンジがあるはずです。
今更セロリ嫌いを克服してもしょうがないしな
あなたがヨーロッパで活躍するサッカー選手になりたいとしたら、英語はマストです。加えて、現地のスペイン語やドイツ語も必要になるかもしれません。
しかし、日本でハンドメイド作家として生きていくのに、英語はあまり必要ありません。スペイン語やドイツ語は、全く必要ありません。
全くのムダではありませんが、あなたがやるべきことは他にあるはずです。
ボクはリズム感がなく、音ゲーが壊滅的にヘタクソです。しかし、今のところボクの目標にリズム感は必要ないので、頑張って克服する必要はありません。
必要なチャレンジを選別するために、まずは「目標」という名の「羅針盤」を手に入れてください。話はそれからです。
ステップ2. 必要なアクションを事前に勉強する
目標が決まれば、何をしなければならないかが見えてきます。しかし、いきなり行動を始めてはいけません。
まずは、予習をしましょう。
というのも、あなたがこれからチャレンジする99.9%の行動は、すでに誰かが通ってきた道です。
- 写真撮影にしても
- SNSにしても
- ネットショップの運営にしても
すでに何百万人(世界的に見れば何億人)もの人が、通り過ぎていった道。
たくさんの人が通れば、そこは獣道ではなく、舗装された道路になります。つまり、安全で、効果が保証されている、効率的なやり方が存在しているということです。
多くのハンドメイド作家は、
- 必要最低限の学びをスキップしようとして、「どこから始めたら良いかわからない」と嘆きます。
- 「やってみるしかない」と、行き当たりばったりで突撃して、「やっぱり素人には難しかった」とグチります。
いやいや、ちゃんと学べば誰でもできるから。
そこは「急がば回れ」ですよ。一手間かけて勉強したほうが、ずっと早くことが進むのです。そろそろ気づいてください。
不精して、遠回りする、作家かな(悲しみの五七五)
先人達の知恵を借りて、スマートな近道を学ぼう!
ステップ3. 心理的安全を確保した上でスタート
目標が決まって、スマートなやり方を学んだら、あとは突き進むだけ。
しかし、ここで立ち止まってしまう人が少なくありません。
- やるべきことはわかっている
- やり方も大体イメージできてる
- でも、体が動かない
こういう状態です。
これな、めっちゃ分かる。何でだろうね?
その感情の裏にあるのは、「未知への恐怖」でしょう。
新しいことにチャレンジするわけですから、その先には大なり小なり、知らない世界が待っています。あなたの生活や人生に、何かしらの変化を与えることでしょう。
人間の脳には、未知なるモノへの恐怖心が埋め込まれています。あなたにとってそのチャレンジは、海の向こうの国に行くかのような感覚になってしまうのです。
ここで、その恐怖心を取り除き、「心理的安全」を確保していきましょう。あなたの脳から、動けなくなる理由を取り払うのです。
やり方はカンタン。次の順番で考えてください。
- この行動は、最悪の場合にどれほどの損害を被るか?
- 未来の自分は、その最悪の損害を受け入れられるか?
- 「YES」ならGO。「NO」ならNOT GO
以上です。ね?カンタンでしょう?
賭けても良いですが、ハンドメイド作家のチャレンジで、受け入れられないほどの損害を被ることはありません。あなたもすぐに気がつくでしょう。
「ああ、失敗しても大したことないのか」と気づけば、あなたの心に「心理的安全」が芽生えます。これであなたを阻むものは、もう何もありません。
あとは前に進むだけ!
ステップ4. 絶頂期で次へ行く
普通の記事なら、以上の3ステップでおしまいにするところ。でもボクは、ここで終わらせません。もう1つ大事なステップを追加したいと思います。
あなたがチャレンジに成功した後の話です。
もちろんあなたも、いつかはそうなるんだ!
登り調子のときは、そのまま登っていけば良いでしょう。ビジネスが1番楽しいときです。
しかし、いずれはその山を登り切ってしまうときが来ます。
例えば、あなたが考案したある作品がヒットしたとしましょう。改良を加え、バリエーションを増やし、益々売れ行きが伸びていきます。
しかしいずれは、生産量の限界にぶつかります。数を増やせなければ、値上げするしかありませんが、その値上げにも限界があります。
やるだけやった。もうこれ以上は伸ばせない。
この先は、現状維持になります。あなたにとっては、新たなコンフォートゾーンです。長い目で見れば、緩やかに下り坂になっていくでしょう。
ここまで来てしまったら、もう次に移るしかありません。コンフォートゾーンをさらに広げて、次のステージへ行くのです。
サッカーの中田英寿選手は、この上ないキャリアを歩み、29歳の若さで引退しました。やろうと思えば続けられたでしょう。Jリーグに戻る道もあったはずです。
でも、潔く引退を選びました。
中田英寿選手にとって、その先にあるのは、良くて現状維持。おそらくは下り坂だと判断したのでしょう。ならば絶頂の今やめるべきだと。
ヒデの決断は、素晴らしい英断だったと思うよ
あなたにとって、次のステージは何でしょうか?
- 多くの場合は、新作を作ることかもしれません
- 実用的な作品から、アート思考の作品にシフトすることかもしれません
- 海外展開かもしれません
- OEMという別の道かもしれません
賭けても良いのですが、あらかじめ決意していない限り、「絶頂期で次に行く」という判断はできません。しばらくは、甘い蜜をしゃぶりたくなるのが人間です。
もちろん、併売することで、しばらくその利益を享受することは構いません。
しかし、そこで留まってはいけません。必ず、次の矢を仕込まねばなりません。そうやって、コンフォートゾーンを広げ続けなければならないのです。
言われなかったら、絶対あぐらかいて、うちわで扇いでるな!
さらに効果を高めるアイデア
ダメ押しで、さらにコンフォートゾーンを押し広げるアイデアを紹介しましょう。
同じレベルの仲間を作る
「赤信号みんなで渡れば怖くない」という言葉、あなたも聞いたことがあるでしょう。
みんなでやれば、怖いことでも、間違っていることですらやれてしまうのです。
心理学では、「同調行動」とか、「社会的証明」とか呼ばれてるよ
- 「他の人がやっている」
- →「危険な行動ではない」あるいは「正しい行動だ」
- →「わたしもそうしよう!」
という心理になるからですね。
最初は作品1つ出品するのも、SNSに1つ投稿するのも、怖さを感じるでしょう。しかし仲間が一緒なら、「えいや!」とやれてしまう気がしませんか?
同レベルのハンドメイド作家さんとつながり、同じようにチャレンジをしていけば、チャレンジへの恐怖心がなくなります。
ボクのように、孤高で黙々やるのも悪くありませんが、強い気持ちを持ち続ける必要があります。それはそれで修羅の道なので、仲間がいた方が成功しやすいでしょう。
少し上のレベルの先輩を見つける
あなたよりも少し先を行っている先輩作家を見つけてみてください。あなたがコンフォートゾーンを抜けて、チャレンジした先にある、未来のあなたの像がそこにあります。
おそらくは、あなたが漠然と恐れを抱くような姿は、どこにも見当たらないはずです。
同時に、意外と今の自分とそこまで変わらないことにも気がつくでしょう。同じような身分で、同じようなものを食べて、同じような悩みを抱えていることに。
「あの人にできたなら、わたしにもできるんじゃないか?」と思えればしめたもの。いや、実際にその通りなんですけどね。
イベント出店で人気作家さんの隣になったけど、確かに同じようなママさんだったよ
チャレンジを宣言する
あなたの身近な人に、あなたのチャレンジを宣言するのも良いですね。
行動を始める前に、とりあえず家族や友人やハンドメイド仲間に、「今度、〇〇にチャレンジしようと思うんだ!」と言ってしまうのです。
心理学では、「宣言効果」と呼ばれています。そのまんまなんですが、宣言することで、後に引けなくなるからです。
宣言効果の効き目は、「関係の近さ」×「人数」です。
知らない人に宣言するよりも、身近な人に宣言する方が、後に引けなくなります。知らないフォロワーであっても、何百人何千人に宣言すれば、それはそれで引けなくなります。
インフルエンサーの行動力の凄さは、「宣言効果」にあると言っても良い
万単位のフォロワーに「やる!」って宣言したら、もうやるしかないもんね
長尺の目で物事を見る
あなたが今コンフォートゾーンにいるとしたら、おそらく生活には困っていないと思います。少なくとも、残り1ヶ月で貯金が尽きてしまう状態ではないでしょう。
コンフォートゾーンに閉じこもっていても、向こう何ヶ月かで問題に発展することはありません。今のままでも、十分にコンフォート(快適)に暮らせます。
しかし、10年、20年、30年の長尺の視点で見たらどうでしょうか?
想像してみてください。コンフォートゾーンに閉じこもったままのあなたに、どんな未来が待っているでしょうか?
- 今「本業+ハンドメイド副業」でやっている人は、同じペースで30年続けられそうですか?
- 将来「結婚したい」「子供を持ちたい」と思っている人は、今と同じやり方で、家庭とハンドメイドを両立できそうですか?
- 今の売り方は、10年後でも通用してそうですか?
- 今のやり方で、未来のお客さん(現代の若者)を満足させられそうですか?
- 今と同じ生活をあと30年続けるのは、あなたにとって幸せな人生ですか?
- 老後のお金は大丈夫そうですか?
遠い未来に想いを馳せると、何となくヒリつくものを感じるでしょう。
「あれ?わたしこのままで大丈夫かな?」と思いましたよね。
そうだね。きっと大丈夫じゃない(笑)
いや、笑えねーから
どれだけ多くの後期高齢者が、「やらなかった(あるいはやれなかった)後悔」を抱えて生きていると思いますか?
あなたの人生は、まだ何十年も続きます。
朝のパチンコ屋の前を通ってみてください。コンフォートゾーンから抜け出すことを怠った高齢者が、たくさん並んでいます。あぁ、なんと惨めな光景でしょうか。
あなたは、あんな老後を送って良い人じゃない。目の前だけの課題と快楽しか見ない、バカな大人にならないでください。
ぜひ、身の回りのあらゆることを、長尺の視点で見つめてください。長い目で見て、あなたの人生にとっての最善を考えてみてください。
流される日々に終止符を!
実際のところ、コンフォートゾーン内には、常に「やるべき」と思われる仕事が転がっています。もっともらしい仕事で、ちゃんと意味のある仕事です。
ハンドメイド作家であれば、売れた作品を補充するために、また同じ作品を作ります。ボクであれば、いつものように新しい記事をブログに投稿します。
変わり映えのしない日々の繰り返しだね
次のいずれかに該当すれば、あなたはコンフォートゾーンの中にいます。
- 「緊張感」や「恐れ」を全く感じない
- 同じような毎日を繰り返している
- 接する人の顔ぶれに変化がない
同じ仕事を繰り返していれば、成長はどんどん鈍化していきます。いずれは完全に成長がストップしてしまうでしょう。どこかで殻を破らなきゃいけないのです。
ハンドメイド作家であれば、
- 「新作の構想」を練る必要があるかもしれません。
- 「新しい技法」にチャレンジする必要があるかもしれません。
- 「新しい売り方」にチャレンジする必要があるかもしれません。
しかし、人事部も上司もいないあなたに、誰も「そうしろ」とは言ってくれません。誰かが外側から、あなたの殻を破ってはくれないのです。
あなたが自分自身で気づき、内側から殻を破って、コンフォートゾーンの外に出なければなりません。その事実を、ゆめゆめ忘れないでください。
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