現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
世のハンドメイド作品の販売ページは、びっくりするくらいお粗末。ほとんどのハンドメイド作家は、何一つ意識しないまま雰囲気で販売ページを作っているようです。
ボクは元々営業マン。ブログアフィリエイトで稼いでた経験もあります。しゃべりで、提案書で、文章で、モノを売るためのノウハウを持っています。
そんなに特別なノウハウじゃないんですが、ハンドメイド界隈には教えてくれる人がいないんでしょうね。
その「売るノウハウ」を、ハンドメイド販売にも転用したら…?
見違えるでしょうね。売上2倍や3倍はザラです。
どんな話なんだろう…ゴクリ
この記事では、購入率を最大限まで引き上げる、販売ページの作り方をレクチャーしましょう。わかりやすいように、チェックポイント方式にしました。
なお、販売ページの構成要素は、大きく「画像」と「文章」です。その2つに分けて、それぞれチェックポイントを解説しましょう。
有益さは100%保証する!絶対に最後までチェックしてね!
メルカリで不用品を売るのとはワケが違う!
本題の前に、マインドから整えてもらいたいと思います。
あなたはメルカリで不用品を売ったことがありますか?ボクは50回くらいは売りました。その前にも、ヤフオクで同じ数くらい売ってます。
通算100回は不用品を売った経験があるボクですが、画像や文章なんて意識したことありません。画像は2〜3枚で、文章は3行くらい。必要最低限な上にテキトーです。
それでも問題なく売れたよ
あなたもメルカリで不用品を売ったことがあるなら、同じような経験をしたことがあるはずです。あまり苦労した記憶はないはずです。
同じ感覚でハンドメイド作品を売ったら、100%売れません。もう、けちょんけちょんに売れません。
不用品とハンドメイド作品、一体何が違うんだ?
あなたの作品はまだ誰にも知られていない
不用品は、すでに世に出ている既製品です。買っていくお客さんは、その商品やブランドを知っている状態で、より安く買おうとして、メルカリに訪れるわけです。
すでに知られている商品、あるいは信頼されているブランドなので、多くを語る必要はありません。極端な話、状態が分かる写真1枚と商品名だけでも売れます。
中古のiPhoneを出品すれば、語るまでもなく、お客さんは何が売られているのか理解できるよね
一方で、あなたの作品・ブランドは、まだお客さんの知るところではありません。海の物とも山の物とも、石とも玉とも知れない状態です。
画像や文章をふんだんに使って、「こんなに素晴らしい作品なんです!」とわからせない限り、スタートラインにも立てないのです。
無名のハンドメイド作品は、メルカリ感覚で「ペッ」と出品しても、まず売れません。この事実を理解してください。
作品の魅力を伝え切らなきゃ!
販売ページ売り切るための3つの大原則
販売ページの購入率を最大限まで高めるコツは、割とたくさんあります。後ほどひとつずつ解説していきます。
しかし全ては、次の3つの原則に集約されます。
販売ページ売り切るための原則
- 作品を100%伝え切ること
- フューチャーペーシング
- お客さんに考えさせない
これ、バチクソ大事だよ!絶対理解して!
原則1. 作品を「100%」伝え切ること
ハンドメイド作家だけでなく、多くのクリエーターはこう嘆いています。
「実物を見て、手に取って貰えば、良さをわかってもらえるんだけど…」と。
んー、甘い。MAXコーヒーレベルに甘い。
- 実物を見に来てもらえる努力をするか
- 画面越しでも実物通りに伝え切る努力をするか
道は2つに1つです。
どちらもやらずに嘆いているだけじゃ、不遇な現状は一生変わらない!
実物を見てもらえるに越したことはないのですが、なかなか難しいですね。そこで、販売ページで、あの手この手で作品を伝え切るのです。
色も、サイズ感も、質感も、重さも、雰囲気も、利用シーンも、魅力も、デメリットさえも。
あたかも目の前で手に取って、実際に使ったかのような印象を与える。これが、販売ページの役割です。
情報量は多いほど良いですね。画像の枚数は多いほど良く、文章の文字数も多いほど良いです。
もちろん、ムダな情報で長ったらしいのはダメですよ。しかし、実物の作品を伝え切るために必要な情報であれば、どんなに長くても、長すぎることはありません。
「100%」を超えて伝えてはいけない
逆に、「100%」を超えて伝えるのは禁物です。実物より良く見せようと、「盛ってはいけない」ということです。
「盛り」は、初見のお客さんを釣る効果はあります。飲食店のポスターには、実物よりボリューミーで色鮮やかな料理の写真が並んでいますね。
しかし、いざ実物を見たお客さんは、どう思うでしょうか?
「あれ?思ってたよりショボいなぁ…」ですね。あなたも経験があるはずです。
あるある!あの残念な気持ち!
「盛り」は、購入前の期待値を上げて、購入後の満足度を下げる行為に他なりません。
1回で売り切る短期のビジネスなら、盛りに盛って「売り逃げバイバイ」も良いでしょう(倫理観はさておき)。
ハンドメイドは長期のビジネスです。お客さんの満足がリピートにつながり、その評判が次のお客さんにつながっていく。
こういうビジネスでは、目の前のお客さんの満足度を下げる行為はご法度なのです。
作品の魅力を「120%伝えよう」と考えてはいけません。元々作品が持っている魅力を、「100%(そのまま)伝える」が正しい考え方です。
原則2. フューチャーペーシング
初めて聞く人には衝撃的な話かもしれませんが、お客さんはあなたの作品にお金を払っているのではありません。
その作品を使った先にある「理想の未来」に、お金を払っているのです。
買い物をするお客さんの脳裏には、必ず「悩み」や「欲求」が存在します。その悩みを解決したり、欲求を満たしたりした先にある「理想の未来」を買っているのです。
- 「マットレス」を買うお客さんは、マットレスが欲しいのではなく、「快適な睡眠」が欲しいのです。
- 「化粧品」を買うお客さんは、優れた成分が欲しいのではなく、「プルプルのお肌」が欲しいのです。
- 「新幹線」に乗る人は、新幹線を乗車にお金を払っているようで、実際には「遠い距離を素早く移動すること」を買っているのです。
こういった、お客さんが求める理想の未来、お客さんが商品を買う真の理由を、マーケティング用語で「ベネフィット」と呼びます。
ここまでが前段。ここまではOK?
うむ、大丈夫だと思う!
それを踏まえ、販売ページで何を伝えれば良いのか?
「フューチャーペーシング」です。横文字が続いてすみませんが、大事なので。
フューチャーペーシングとは、お客さんに理想の未来をイメージさせ、あたかもその理想の状態に身を置いたかのように思わせること。
ハンドメイド作品であれば、身につけたり、家に飾ったりした情景を、ありありと見せつけるのです。心の中では、すでに「買った後」の状態に持っていくわけです。
ポイントは、
- 映像的なイメージであること
- 具体的であること
- 感情が伴っていること
まず、お客さんが中心にいる1枚の「写真」をイメージします。
その写真内のディティールを具体的に描写し、その中心にいるお客さんがどんなハッピーな気持ちになっているかを伝えるのです。
この1枚の「青写真」は、まさにお客さんの「ベネフィット」そのもの。あなたの作品にお金を払う理由そのものになります。
また、生き生きとした具体的なイメージを持ってもらうことで、お客さんは、その理想の未来を手に入れたかのように錯覚します。
心理学の「保有効果」によれば、人は「欲しい!」と思う気持ちよりも、持っているものを「失いたくない!」と思う気持ちの方が2倍も強い。
あなたの作品を手にした未来をイメージさせれば、お客さんの中で「買う」が既定路線になります。これで、ざっと2倍売れやすくなります。
原則3. お客さんに考えさせない
「作品を100%伝え切ること」と「フューチャーペーシング」は、超超超大事なエッセンスです。
しかし、販売ページを最後まで見てもらわないことには、何も伝えられません。
最後まで読ませるには、販売ページを眺めているお客さんに考えさせてはいけません。
- えーっと、それはつまり…
- 45cmってどれくらいかな?
- 小さい子供が使って大丈夫かな?
とか考え始めると、画面をスクロールする手が止まります。ここで、離脱されてしまうのです。
とにかく、読み進めるお客さんの脳みそを働かせない。
販売ページを読み進めるお客さんの心境は、常に「うんうん、いいね」です。ずっと「うんうん」状態のまま、「ん?」と引っかからずに最後まで辿り着かせるのです。
「実物は思ってたより良かった」と言わせない
お客さんからのレビューで、「実物は想像してたよりステキでした!」という反応をもらった経験はありますか?
「やったー!ほめられた♪」と、喜んでいてはダメですよ。
「実物の方が良かった」ということは、販売ページで作品の魅力を100%伝えきれていないということです。
「販売ページが、果たすべき役割を十分に果たしていないぞ!」と、堂々と言われてしまっているんですから。
あ、この手のレビューって反省点なのか
引き出したいのは、「思った通りサイコーでした!」
- 販売ページで、「これサイコーじゃない!?」と思わせて、
- 実物を見て使って、「やっぱりサイコーだった!」と言わせる
これが、販売ページがキチンと役割を果たしている状態です。
お客さんからのレビューで引き出したい言葉は、「想像していた通り、とってもステキな作品でした!」です。
チェックポイント【画像編】
ハンドメイド作品の場合、やはりビジュアルが大事なので、重要度としては「画像>文章」になります。
ここでは、「上手いor下手」の話はしません。どんなに下手くそであっても、やれば絶対にプラスの成果につながるポイントを解説します。
スゲェ強気で出たな!?大丈夫か?
うん。だってこれは真理だからね。スキル云々を超越した話だ
実物に近い画像になっているか?
実物の作品をイメージしてもらうためには、実物を目で見たような画像を用意しなければなりません。
カメラの解像度
まず、解像度が高く、粗くない画像が求められます。理想を言えば、ミラーレス一眼レフのカメラが良いですね。
ただ最近のスマホはカメラ性能が高いので、スマホでも大丈夫です。iPhoneで言えば、レンズが2つ以上付いているモデルであれば、概ね問題ないでしょう。
色合いの観点
ややこしい話をしますが、実はモノ自体に色はありません。光に含まれる色(可視光線)を、物体が反射することによって、その物体がその色に見えるのです。
あなたの作品の色合いは、作品そのものが発しているのではなく、光の色を見ていることになるです。
つまり、光源が変われば、色合いも変わってしまうのです。蛍光灯は青っぽく見えますし、電球は赤っぽく見えます。
人間の目にもっとも自然に映る色は、太陽の自然光の色。原則として、作品の撮影は太陽光の下で行わなければなりません。
あらゆるアングルの画像が用意されているか?
お店で実物の作品を手に取ったら、グルッと見回しますよね。
実物をイメージさせるためには、当然ながら作品の全アングルの画像を用意する必要があります。
立方体のように考えて、
- 正面と背面
- 右側と左側
- 上面と底面
の6枚の画像が基本になるでしょう。
ただ形によって、必要なアングル数は変わってきます。
平べったい作品の場合、「表」と「裏」と「側面」の3枚だけで事足ります。バッグのように内部構造がある場合は、それだけ必要な枚数は増えますね。
例えばブーケなら、下からのアングルは必要ないよね?みたいな話ね
臨機応変にってことね
着画や利用シーンに近い画像を用意しているか?
繰り返しになりますが、お客さんが欲しいのは、あなたの作品そのものではありません。作品を使うことで手に入る理想の未来です。
ということは、実際にお客さんが利用しているシーンに近い画像が、最低でも1枚は必要になります。
- 身につけるアイテムであれば着画
- インテリアなどなら相応しい場所に置いて使っているシーン
- 収納力が自慢の財布であれば、実際にカードやお金を詰め込んだシーン
が必要です。
お客さんの脳内に、「理想の未来を手にした映像イメージ」をぶち込むわけです。
販売ページに載るあらゆる情報の中で、購入を決意させるのはこの1枚の画像。他の情報は、この決意を追認させるための補足に過ぎません。
もれなく、間違いなく、絶対に押さえて!
サイズ感が一目で分かる画像を用意しているか?
動物図鑑がそうであるように、単体の絵面だけでは大きさを判断できません。かと言って、文字だけで「縦10cm/横5cm」もイメージしづらいですね。
そこで、比較対象となる「みんながよく知っているアイテム」と「作品」を収めた画像を1枚用意しておきましょう。サイズ感を視覚的にわかりやすく伝えるのです。
昔は、よくタバコの箱と比べられてたね
100円玉とかね
服やバッグのような身につけるアイテムであれば、着画もサイズ感を伝える役割を果たします。
着画の際は、モデルの身長も併記しましょう。服のようにサイズがあるなら、何サイズを着ているかも併記してください。
(可能であれば)動画も入っているか?
文章などに比べて画像が重要なのは、圧倒的に情報量が多いから。情報量が多いほど、実物のイメージをよりリアルに伝えられるからです。
コンピュータの世界には、情報量を数値化した「byte(バイト)」という便利な単位があります。
そのバイト換算で、画像よりもさらに情報量が多いのが動画。動画は、画像よりも、実物のイメージをよりリアルに感じ取ってもらえます。
「動画の編集とかよくわからない…」と思われたかもしれませんが、そういう次元の話ではありません。
(動画が)上手い下手という技術のレベルはさておき、ただ動画を載せるだけで売れやすくなると言っています。
作品を手のひらに乗っけて、グルッと回すだけでもいいですし、ツンと触ったり、揺らしたりするだけでも良いです。これだけでも、画像よりずっと雄弁に伝わります。
動画をアップロードできるかは、販売するプラットフォームによりけり。可能ならぜひ掲載してね
チェックポイント【文章編】
前述の通り、重要度は「画像>文章」ではあります。
確かに、お客さんが「買う方針」を決めるのは、絶対的に画像によって。画像なしでは、どんな明文を書いたところで、作品は売れませんからね。
しかし、画像を見て「いいじゃんこれ!」となったお客さんを、最終的にポチらせるのは文章です。文章によって、「買う方針」を「買う決心」まで持っていくのです。
たった1人に向けた文章になっているか?
売るための文章は、「お客様各位」から始まる文章のように、当たり障りなく誰にでも当てはまるような文章を書いてはいけません。
販売のための文章は、しばしば「セールスレター」と呼ばれます。
そう、これは、あなたからお客さんへの「手紙」なのです。「1対多」ではなく、あなたとお客さんの「1体1」の文章でなければなりません。
この話は、販売ページの文章全体を貫く、とっても大切なポイントです。
- ターゲットとなるお客さんを具体的にイメージして、その人に向けて書く
- ターゲット以外のお客さんは、一切無視する
を意識してください。
ターゲットをさらに1人まで落とし込んだ「ペルソナ」がいれば、ペルソナに向けて文章を書いてください。かつ、そのペルソナを親しい友人だと思いましょう。
大切な友人に、あなたの作品をすすめるとしたら、どんな文章を書くでしょうか?
友人相手に、無味乾燥な仕様の列挙だけで終わることはないでしょう。かと言って、グイグイ売り込むこともしないはずです。
ただただ友人の幸福だけを願い、そのためにあなたの作品がどう役に立てるか。これを丁寧に説明するんじゃないでしょうか?
ターゲットのお客さんを友達だと思って、手紙を書くように!
お客さんの悩みや欲求に言及しているか?
お客さんは、「悩み」を解決したり、「欲求」を満たすために買い物をします。
「悩み」や「欲求」を強く自覚している人もいれば、ぼんやりと言葉にできないような感情として持っている人もいます。
そこにズバッと、「こういう悩みですよね?」「これを求めてるんですよね?」と、こっちから言ってあげるのです。
- 〇〇の雰囲気ってとっても魅力的!でもそういうアイテムって、マニアックすぎて既製品では売ってないんですよね
- 大ぶりなピアスで思いっきり存在感を出したい!けど現実は、重さがネックでどうしても小さくまとまりがち
- 「青」のアイテムって、実際には紺とか水色が多いですよね。いわゆる「真っ青」って、意外と少ないと感じるのは私だけでしょうか?
こう言われたお客さんは、ピクッと反応します。
「そうそう!そうなの!この作家さん、わたしの気持ちをわかってくれてる!」と、あなたに強い興味を示します。
それまで頬杖しながら何となく眺めていたところを、背筋を伸ばして座り直し、あなたの作品を前のめりで吟味することでしょう。
作品が悩みや欲求へのアンサーになっているか?
お客さんの心を読んで、「こういう悩みですよね?」「これを求めてるんですよね?」と差し込んだら、当然、あなたの作品がそのアンサーになっていなければなりません。
「大ぶりなピアスで思いっきり存在感を出したい!けど現実は、重さがネックでどうしても小さくまとまりがち」
と差し込んだのなら、
「こちらのピアスは、金属製のワイヤーを編み込んで製作しています。一際大きく存在感を放ちながらも、重さは一般的なピアスと変わりません」
というアンサーにするのです。
「身につけて歩いたら、揺れるたびにピアスが視界に入ります。あなたとすれ違う人は、その存在感に思わず振り返って、2度見してしまうでしょう」
と、続けます。
(上記例のセンスがズレているかもですが、それは置いておいて)「あなたの人生(または生活)に、こういう変化が起きます」と明示的に伝えるのです。
ここでお客さんは、いよいよ「この作品こそ、わたしの求めていたものだ!」と気づくことになります。
(あれば)作家の権威性をアピールできているか?
お客さんは素人なので、作品画像だけでは、それがどれほど優れているのか(あるいはショボいか)判断できません。
そこで、あなたのスキルの優位性を客観的に示す情報があれば、ぜひ載せましょう。
- 受賞歴
- 有名店や高級店で勤めていた経歴
- (それなりに長い)製作年数
- これまで販売してきた数
- メディアでの掲載
- 資格や称号
- 美大や専門学校の出身
といった情報です。
こういった情報は、ひっくるめて「権威性」と呼ばれます。
人は権威性には従順で、「京都大学の教授」とか、「雑誌で紹介された」とか言われると、「じゃあ間違いないな」と思うものなのです。
ただ、権威性を示す何某かを持っていない作家さんも多いでしょう。なければしょうがありません。あればで結構です。
製作工程を説明できているか?
ボクは常々、「ハンドメイド作品は高く売るべき」と言い続けています。
そうすると、パッと見では「結構お高いのね」という値付けなるでしょう。少なくとも、安い工業製品よりは、ずっと高い値段になるはずです。
あなたの中では、「手が込んでるから、これくらいの値段は当然」と思っているかもしれません。事実そうだと思いますし、相応に高い値段で売るべきです。
しかし、お客さんは、あなたが思っている「当然」を知りません。別に高い金額を払えないのではありません。高い理由に納得したいだけなのです。
そっか!お客さんは、高い理由を知りたいだけなんだ!
高い理由を端的に伝えるには、製作工程を素人にもわかるように説明するのが効果的。
あなたが一端の実力を持ったハンドメイド作家であれば、その製作過程は、素人の想像を超えたものになっているはず。想像以上の高いスキルと手間を要しているはずです。
製作工程を聞いたお客さんは、「え!?そんなことまでやってたの?」と、驚くことでしょう。そして、高い値段の理由に、深く納得します。
ポイントは、「こんなのやって当たり前」とは思わないこと。
あなたの業界では当たり前かもしれませんし、他の作家もやっているかもしれません。でもお客さんは、そんなこと露も知りません。
例えば、(おそらくあなたの作品についてド素人の)ボクに、あなたの作品が「0」から「10」まで、どうやってできているかを説明してください。
実際には文字数の関係で、ハイライト(主だったところ)を説明することになるけどね
素材の良さをアピールできているか?
作品を高く売るためには、やはり良い素材を使うべきでしょう。
そこまではわかっている作家さんも多いのですが、その素材の良さを素人に伝え切る努力は、まだまだ足りないと見えます。
「貴重な〇〇産の」とか「〇〇社製の」とかだけでは、お客さんは何が良いのかイマイチわかりません。「だから何なの?」状態です。
- 「〇〇産のxxは、通常の2倍のサイズ」
- 「〇〇社製は、xxという染色技法を使っているので、鮮やかさが違う」
- 「〇〇という木材は、xxに使用されることで有名で、強度と耐久性に優れている」
みたいに、素人でも「おお、それはいいね!」と理解できる説明を添えてください。
上記は、「鮮やかさ」とか「強度」といった、抽象的な言葉を使っていますが、できることなら具体的な説明を心がけてください。
デメリットを語っているか?
意外に思われるかもしれませんが、デメリットは語った方が売れます。
理由は、大きく3つあります。
- 正しく設計されたデメリットは、メリットと表裏一体だから
- 自分から不利なことを言うと、相手に信頼されやすくなるから
- 不確実性が消えて、フラットに判断できるようになるから
販売ページの文脈で特に意識して欲しい、「不確実性が消えて、フラットに判断できるようになるから」を解説しましょう。
例えば、「マスカットの最中(もなか)」というスイーツ。これは、『美味しんぼ』で登場したメニューです。
美味しい反面、マスカットから汁が出て、最中の皮がふやけてしまうため、賞味期限が5分と極端に短いのがデメリットです。
さて、どこかの和菓子屋が、この「マスカット最中」を商品化したとします。ネックの賞味期限はいくらか延ばせても、以前として短いことには変わりないでしょう。
- 30分か?
- 1時間か?
- 3時間か?
もし何も書いていなければ、買って5分で、マスカットの汁でベチャベチャになるかもしれません。これでは、怖くて買って帰れません。
短くても「賞味期限は1時間」とわかっていれば、迷いはなくなります。「隣の県の親戚には持っていけないな」「隣町の友達なら間に合うな」と、購入か否か判断できます。
あー、言われてみればそうだねぇ
「リスク」とは、不確実性のこと。先が読めない状況がリスクなのです。どの程度悪いのかが見えない限り、お客さんは「底なし沼」に足を踏み入れる気持ちになります。
どんなに悪い情報であっても、判明している事実をリスクとは呼びません。「沼の深さは30cm」と判明すれば、足を踏み入れる迷いはなくなるのです。
ハンドメイド作品なら、繊細な箇所があったり、自宅で洗濯不可だったりと、ネガティブな特徴もあるでしょう。そんなネガティブな情報であっても、言わないよりはずっと良いのです。
騙されたと思って、デメリットもさらけ出してみて!
お客さんが感じる疑問に全て答え切っているか?
お客さんは、商品に関する疑問や懸念が残っている限り、なかなか財布を開こうとはしません。買った後の失敗をしたくないからです。
そこで、お客さんの疑問を1つ1つ消し込んで、買わない理由を摘んでいきましょう。このプロセスを、マーケティング用語で「反論処理」と呼びます。
対面営業が売りやすいのは、その場で反論処理ができるのも1つの要因だよ
ネット上の販売ページでは、お客さんから質問を受け付けて、答えることができません。メッセージ機能はありますが、9割のお客さんはサイレントカスタマー(何も言ってこない)ですからね。
そこで、お客さんが感じているだろう疑問や懸念を、先取りして、販売ページ内で答えておく必要があります。いわゆる「想定問答」するわけです。
あなたの想像だけでは、お客さんの疑問や不安を洗い出しきれないかもしれませんね。
- 過去にお客さんから受けた問い合わせ
- 過去にお客さんからレビューで指摘された箇所
- Amazon、楽天、その他の作家の作品のレビューで指摘されている箇所
を押さえておくと、抜け漏れを減らせます。
なお、お客さんの不安が的中している場合もあるでしょう。「このお皿、電子レンジはOKかしら?」という不安は実際にその通りで、電子レンジ非対応かもしれません。
しかし前述の通り、仮にデメリットに相当する内容であっても、ちゃんとお客さんに伝えてください。倫理観だけの話ではなく、デメリットも伝えた方が売れるので。
この想定問答は、販売ページ内の各文脈で散りばめても良いですし、別個にQ&Aの枠を設けても良いですし、注意書きの欄で表現しても良いです。
CTAを添えているか?
販売ページの最後、何か忘れていませんか?
お客さんに、「何をして欲しいか?」を伝え忘れているんじゃないでしょうか。
マーケティングの世界では、お客さんにとって欲しい行動を明示的に伝えることを、「CTA(Call to Action)」と呼びます。日本語に訳したら「行動喚起」ですね。
- ご購入ください
- 会員登録はこちら
- お見積り依頼はこちら
- まずは無料サンプルをご請求ください
- 面談の予約はこちらです
これらは全て「CTA」です。売る商品によって、取ってもらう行動は変わってきます。
ハードルの低いステップから踏ませた方が売れやすいのが定説。が、ハンドメイド作品の場合は、シンプルに「ご購入ください」で良いでしょう。
単価がかなり高い作品なら、「問い合わせ」や「無料相談」をCTAにしても良いかもね
例えば「〇〇セット一式のオーダーメイド」で「単価5万円」とかなら
CTAのポイントは、お客さんにとって、行動するだけの理由を添えてあげること。汎用的に使えるのが、「いま買わないといけない理由」を添えることです。
お客さんは、いつでも買えるなら、「いま買わなくてもいっか」と判断を保留にしがちです。とりあえずカートに入れてみたものの、そのまま存在を忘れていくのです。
- こちらは期間限定での販売となっております。終了後の再販予定はありません
- いま予約のお客さんが殺到しておりまして、ご注文から発送まで2ヶ月ほどいただいております
- 当店の販売は、月初の3日間のみとなっております。次回の販売は1ヶ月後となります
- 本作品は一点物です。過去の作品をご覧になったお客様より、「再販できますか?」とお問い合わせを多数いただきますが、お断りさせていただいています。
といった具合で、「今しか買えないよ?」をアピールするのです。
で、単に「ご購入ください」だけでは芸がない。「気に入っていただけましたら、どうかお早めにお買い求めください」くらいがちょうど良いですね。
なんつーか、老獪だな
スラスラ読みやすい文章になっているか?
文章全体を通して、読みやすい日本語になっているかも気にしましょう。
と、言われても難しいですよね。なぜか、国語の授業では、正しい文章の書き方を教えてくれないので。
特に気にして欲しいのは、次のポイントです。
- 語り口調で書く
- 読点(、)で文章を区切る
- 長い文章は分割する
- 専門用語は大事なポイントだけ。使うなら小学生でもわかる単語で説明する
- あいまいな言葉を具体的な言葉に置き換える
ホントはもう少し意識して欲しいことがあるんですが、長くなるので、細かい話は割愛します。詳細は↓の記事をご覧ください。
インプレッション、CTR、CVRの三位一体で売ろう
本記事では、「販売ページの購入率を上げる方法」を、懇切丁寧に解説してきました。間違いなく、あなたの売上にプラスの影響を与える内容です。
しかし、これだけで売れるかというと、そうではありません。
おいおい、これで売れるんちゃうんかい?お?
売れる可能性は、劇的に上がる。これは嘘偽りない
でも、それだけじゃダメなんだ。まぁ続きを聞いてよ
モノがどれだけ売れるかは、次の3つの変数で決まります。
「モノがどれだけ売れるか」を導く公式
①インプレッション数 × ②クリック率(CTR) × ③コンバージョン率(CVR)
= 売上個数
3つの変数の意味
- インプレッション
表示回数のこと。お客さんの目に、どれだけ商品が露出したかを測る - CTR(Click Through Rate)・クリック率
販売ページをクリックする確率。つまり、販売ページの閲覧率とも言える - CVR(ConVersion Rate)・コンバージョン率
成約率。ハンドメイドであれば、販売ページから購入される確率
難しく聞こえたかもしれませんが、大したことは言っていませんよ。これらはWEBマーケティングの概念ではありますが、リアル店舗も全く同じ力学で動いています。
この記事で解説している内容は、全て、「CVR」を上げるための方法です。CVRがいくら高くても、他の変数が「0」なら、売上はゼロのままです。
「CTR(クリック率)」は、まだ良いです。多少粗があっても、思いっきり外すことは少ないので、売上ゼロにはなりません。
しかし、「インプレッション」が足りないと、残酷な結果にしかなりません。「人っ子ひとり通らない砂漠にオープンしたお店」と表現すれば伝わるでしょうか?
というわけで、「インプレッション」「CTR(クリック率)」「CVR(成約率=購入率)」は、どれが欠けてもいけません。三位一体で考えましょう。
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