現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
インターネット隆盛の現代。ハンドメイド作家の主戦場は、「ネット販売」です。きっとあなたも、ネットで作品を売っている1人だと思います。
さて、そんなネット販売にも、複数のチャネルがあります。
- minne
- Creema
- Iichi
- メルカリ
- BASE
- STORES
- Shopify
あたりですね。
大体このどれかか、もしくは複数を使っているんじゃない?
多くの作家さんは、販売手数料だけを見ているようです。ノウハウ発信者すらも、手数料を1番の比較ポイントにしているきらいがあります。
作家さんはまだしも、ノウハウ発信者のバカさ加減には辟易しますね…。販売チャネルを手数料の大小で考えるなど、マヌケのやることです。
冷静に考えてみてくださいな。賃貸物件を、塾を、結婚式場を、東京から大阪までの移動手段を、値段の安さだけで決めますか?
安さだけで決めるなら、東京から大阪まで、一生バスで行けば良いよ
この記事では、ネット販売チャネルの選び方を、完全レクチャーします。
どれはやる価値があって、どれはないのか。どれが効率が良くて、どれが悪いのか。全て解説しちゃいます。
あなたが気にしたこともなかった視点を、次々と登場します。あなたの目からボロボロとウロコが落ちること、間違いありません。
「どこで売るか?」で、もう迷わせません。ぜひ最後までご覧あれ。
*解説する各サービスの仕様や数字は、本記事執筆時点の情報となります。
「マーケットプレイス型」と「ネットショップ型」は分けて考えよう
ネット販売チャネルは、大きく3つに大別されます。
ハンドメイド作品の販売チャネルの分類
- マーケットプレイス型(ハンドメイド特化)
minne、Creema、Iichi - マーケットプレイス型(総合)
メルカリ、ヤフオク、ラクマ - ネットショップ型
BASE、STORES、Shopify
先に強く言っておきたいのですが、「マーケットプレイス型」と「ネットショップ型」は、一緒くたに考えないでください。
全くもって別物です。選び方も異なりますし、併用の仕方だって異なります。
総じて「BASE」などのネットショップサービスの方が、販売手数料は安く済みます。しかしそこだけ見て、「安い方が良いね!」などと、決して考えないでください。
マーケットプレイス(ハンドメイド特化)の特徴
マーケットプレイス型(ハンドメイド特化)
- minne
- Creema
- Iichi
集客能力 | 【○】あり |
---|---|
取引相場 | 普通〜高い |
海外販売 | 【○】できる |
ブランディング | 【△】ちょっと難しい |
匿名販売・発送 | 【○】できる |
販売手数料 | 約10〜20% |
顧客情報へのアクセス | 【×】できない |
最大の特徴は集客能力
マーケットプレイスの最大の特徴は、マーケットプレイス自体に集客能力があることです。minneに出品すれば、minneを覗きに来るお客さんが常にやってきます。
また、マーケットプレイスの運営が、SNSや特集掲載などで、あなたの作品の露出を増やしてくれます。ネットショップでは、まずあり得ません。
作家自身で広告やSNSでお客さんを呼び込まなくても、作品を売ることができます(といっても、有象無象の作家が出品しているので、手放しで売れるわけではないが)。
「BASE」などのネットショップよりも販売手数料が高いのは、集客能力への対価だと思って
イベント出展の機会も
minneや Creemaのようなメジャーサービスだと、東京ビッグサイトのような大きな会場でやるハンドメイドイベントに参加できます。
運営がお客さんを集めてくれるので、出展するだけでインプレッション(露出)を獲得できます。それだけでなく、人気作家さんを間近で見れたり、お客さんと直に話せたりと、何かと学びの多い機会にもなるんですね。
希望すれば絶対参加できるわけではなく、抽選だったりするのですが、意外とすんなり受かります。ウチの奥さんも、駆け出しの頃にフツーに出展できました。
あれは多分、競争率そんな高くないよ
どのプラットフォームを選ぶか?
どのプラットフォームを選ぶかも、やはり集客能力での判断です。「そこにターゲットのお客さんが集まるか?」を基準にします。
くれぐれも、販売手数料の高いor安いで考えないでください。
- 「イワナ」を釣りなら「渓流」に行くように、
- 「ブラックバス」を釣るなら「湖」に行くように、
- 「イカ」を釣るなら「漁船」に乗せてもらうように、
ターゲットがいる場所へ出向かない限り、獲物は決して釣れません。ケチって近所の川で釣り糸を垂らしても、そこに獲物はいないのです。
そういう意味では、正味のターゲット数では、メルカリのような総合マーケットプレイスよりも、ハンドメイド特化型マーケットプレイスに軍配が上がるでしょう。
手数料でしか考えられない人は、ホントにバカだと思うよ。言っちゃ悪いけど、レベルが低すぎる
多くのマーケットプレイスで出品するほど売れる
理屈だけで言えば、全部のマーケットプレイスに出品するのが、もっとも売上が大きくなります。
懲りもせず釣りで例えるなら、釣竿1本よりも、4本並べた方が釣果を期待できるのは明らかですよね?引っかかった竿から、お客さんを釣り上げれば良いんですから。
現実的にどれだけ多くのマーケットプレイスに出品するかは、作風によります。一点物は売り場が増えるとツラいですが、受注制作なら、売り場の多さは負担になりません。
「minneとCreemaのどっち?」で悩む作家さんは多いと思うけど、両方に出品すれば良いのよ
マーケットプレイス(総合)の特徴
マーケットプレイス型(総合)
- メルカリ
- ヤフオク
- ラクマ
集客能力 | 【○】あり |
---|---|
取引相場 | 安い |
海外販売 | 【△】一応できる |
ブランディング | 【×】できない |
匿名販売・発送 | 【○】できる |
販売手数料 | 約10% |
顧客情報へのアクセス | 【×】できない |
基本的には、ハンドメイド特化のマーケットプレイスと同じ特徴を持っています。しかしながら、一切合切のアイテムを取り扱うがゆえの違いもあります。
相場の安さがネック
別名「フリマサイト(アプリ)」とも呼ばれるように、元は「不用品を定価以下で販売する場所」です。ゆえに、どうしても安く買いたいお客さんが集まります。
ブランド品なら高く売れることもありますが、無名のハンドメイド作品では、どうしても安い値段でしか売れづらい。総じて、安い相場に落ち着いてしまいます。
初心者にやさしいアルゴリズム
minneや Creemaのようなハンドメイド特化マーケットプレイスは、独自のアルゴリズムによって、どの作品を上位に表示するかを調整しています。
結果として、既に売れている作品や、レビューの多い作家の作品が上位に上がりやすく、駆け出しの作家には不利なアルゴリズムが働いています。
しかし、メルカリやヤフオクは良い意味で単純。単に、「出品日時が若い順」、あるいは「落札日時が近い順」で並んでいます。
初心者でもインプレッション(露出)を獲得できるという点が、総合マーケットプレイス、もといフリマアプリの最たるメリットです。
ネットショップの特徴
ネットショップ型
- BASE
- STORES
- Shopify
集客能力 | 【×】なし |
---|---|
取引相場 | 存在しない(いくらでも高くできる) |
海外販売 | 【○】できる |
ブランディング | 【○】できる |
匿名販売・発送 | 【△】できたりできなかったり |
販売手数料 | 2.9%〜 |
顧客情報へのアクセス | 【○】できる |
総じてネットショップは、「集客能力」という特大のピースを失った代わりに、それ以外の全てを強化できる選択肢と言えます。
集客能力は、「弱い」のではなく「ない」
ネットショップサービスは、しばしば「集客が弱い」と言われています。が、この表現は正確でありません。「単体では集客できない」と言った方が正しいでしょう。
ただオープンしただけでは、砂漠にお店を開いたようなもの。一生お客は訪れません。
どこかの通り沿いに出店するリアル店舗とは異なり、ネットショップの場合、流入経路を設けない限り、誰も辿り着けません。
SNSか、広告か、あるいはSEO(ブログ記事などでGoogleの検索にヒットさせる)か。何かしらの形で、ネットショップまでの流入経路を確保する必要があります。
「ネットショップで売る=自力で集客しなければならない」と、肝に銘じて!
顧客情報をゲットできる
ネットショップの最大の利点は、過去に購入してくれたお客さんの情報をゲットできる点。マーケットプレイスの場合は、顧客情報はあくまで向こうの持ち物なので、作家側からアクセスできません。
「1対5の法則」によれば、既存のお客さんは、新規のお客さんよりも5倍カンタンに売れます。既存顧客のプールを使いこなせば、ずっと効率的に売上を上げられます。
基本的には、メルマガを使うことになるでしょう。新作の案内を配信すれば、タダ同然で、しかも反応の良いお客さんだけに広告が打てるわけです。
凄まじいアドバンテージであることがお分かりかな?
顧客情報を自分で持つことの意味
江戸時代の商人が、火事のとき真っ先に顧客台帳を守ったというのは、よく知られた話。商品よりも設備よりも価値があるのは、顧客リストなのです。
マーケットプレイス(例えばminne)の場合、お客さんは、あくまでminneのお客さんです。もしminneが閉鎖したり、垢BANされたりしたら、もうお客さんにコンタクトを取れなくなってしまいます。
一方で、あなたが自分で持っている顧客情報は、誰にも奪えません。どんなトラブルに見舞われようと、再びお客さんにコンタクトをとって、ビジネスを継続できるのです。
安い相場に足を引っ張られない
minneやCreemaなどのマーケットプレイスには、安く売る作家も多くいます。本当に売りたい値段は、相場を大きく超えてしまい、売れないというパターンに陥りがち。
一方であなただけのネットショップには、あなたの作品しか並びません。どんなに高い値段で売っても、悪目立ちすることはありません。
選ぶネットショップサービスはどれか1つ
集客能力のないネットショップの場合、「ターゲットによって選ぶ」とか「複数サービスで出店する」という考え方はありません。
どれか1つだけ、気に入ったネットショップサービスを選びます。
選び方は、「どれだけ気の利いた機能を持っているか?」が基準になります。もちろん、販売する上で有利になる機能を持っているかという話ですね。
じゃ、「BASE」と「STORES」の両方に出品する意味はないんだね
ハンドメイド特化のマーケットプレイス4選
ここからは、具体的な販売チャネルとして、個々のサービスを紹介していきます。まずは多くの作家さんが最初にお世話になるであろう、マーケットプレイスから。
結論を言ってしまうと、「minne」と「Creema」は、ほぼマスト採用で良いでしょう。あとはお好みで選んで貰えば良いと思います。
minne
運営会社 | GMOペパボ株式会社 |
---|---|
初期費用 | 無料 |
客層 | 10〜40代の女性が多い |
取引相場 | Creema・iichiと比べると安め |
スマホアプリ | 【○】あり |
匿名配送 | 【○】あり |
特定商取引法の 表記非公開 | 【○】住所・電話番号を非公開にできる |
minne PLUS非会員 | minne PLUS会員 | |
---|---|---|
月額費用 | 無料 | 1,650円(税込) |
販売手数料 | 10.89%(作品・オプション・送料の合計に対して) | 10.56%(作品・オプション・送料の合計に対して) |
振込手数料 | 220円 | 220円 |
動画のアップロード | 【×】不可 | 【○】可能 |
プッシュ配信 | 【×】不可 | 【○】フォロワーへ配信可能 |
国内最大のハンドメイドマーケットプレイス
minneは、国内最大のハンドメイドのマーケットプレイスです。各社のサービスレベルは、minneを基準にして考えると良いでしょう。
特に理由がなければ、何も考えずにとりあえず出品でOKです。
他のマーケットプレイスと比べると、10〜20代の女性が多く、全体的に若い年代のお客さんが中心。そのため、他社に比べると、相場感的には安めになっています。
minne PLUSは使えるぞ!
minneは開発母体がしっかりした会社なので、新機能もどんどんと打ち出していっています。特に成果に影響するのが、「minne PLUS」というサブスクオプション。
販売手数料が安くなることに着目する人もいるみたいですが、大バカ野郎ですね。
大事なのは、「動画アップロード」と「フォロワーへのプッシュ配信(擬似的なメルマガ機能)」が開放されること。どちらも、マーケティングには間違いなく有効です。
月額1,650円は、少々気になる金額とは思います。しかし、月に1作品プラスで多く買われればペイするレベル。十分に回収できる投資だと思いますよ?
Creema
運営会社 | 株式会社クリーマ |
---|---|
客層 | 20〜40代の女性が多い |
取引相場 | minneよりもやや高め |
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 無料 |
販売手数料 | 作品・素材:11%(税込) フード:15.4%(税込) 台湾、香港サイトでの販売:21%+42円(税込) |
振込手数料 | 合計金額30,000円未満:176円 合計金額30,000円以上:275円 PayPay銀行の場合:一律55円 |
スマホアプリ | 【○】あり |
匿名配送 | 【×】なし |
特定商取引法の 表記非公開 | 【×】非公開にできない |
動画のアップロード | 【×】なし |
プッシュ配信 | 【×】なし |
業界第2位のメジャーサービス
Creemaは、minneに次ぐ業界第2位。規模も大きく、ここまでが「ハンドメイドマーケットプレイスの雄」と言ったところでしょうか。
ここまでは、「とりあえず出品しとけ精神」で良いと思いますよ。
minneよりもプロ志向
minneはプロもアマチュアも混ざった感があります。一方で Creemaは、もっとプロ志向の作家が多く、プロとセミプロといった感がありますね。
お客さんもより高品質の作品を求めている傾向があるため、minneよりも相場は高めとなっています。
iichi
運営会社 | iichi株式会社 |
---|---|
客層 | minne・Creemaよりもプロ志向/年齢層高め |
取引相場 | minneより高め/Creemaよりもやや高いか |
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 無料 |
販売手数料 | 20%(税込) |
振込手数料 | PayPay銀行意外:一律160円 PayPay銀行の場合:一律55円 |
スマホアプリ | 【×】なし |
匿名配送 | 【×】なし |
特定商取引法の 表記非公開 | 【×】非公開にできない |
動画のアップロード | 【×】なし |
プッシュ配信 | 【×】なし |
プロ志向のiichi
iichi は、上2つに比べると知名度はずっと劣りますが、ハンドメイドのマーケットプレイスとしては根強い人気があります。
特色としては、素人感がより少なく、プロの職人や工房の出品が目立つ点。単価も相応に高めになっています。年齢層も相応に若干高く、印象としては30〜50代くらいです。
男性も見ているかも?
minneやCreemaはホントに「女性向け」って感じで、作家さんも女性が大半です。
一方でiichiは、男性作家さんの割合が比較的に多く、おそらく男性客も一定数いるものと思います。男性がターゲットの作品なら、出品を検討してみてください。
販売手数料20%は高いのか?
販売手数料20%は高い。しかしこれは、iichi側からのメッセージとも受け取れます。すなわち、「プロとして、利益が残る値段でも売れる作品を売れよ?」と。
iichiがよりプロ志向で、より高い相場のマーケットプレイスとして維持されているのは、間違いなく販売手数料による選別が効いているからです。
「20%差っ引かれても利益が出る金額をつける」という考え方は、全くもってその通り。確かに高いんですが、それでも儲かる作品に仕上げていきましょう。
ハンドメイド作品が売れるの総合マーケットプレイス1選
総合マーケットプレイスはいくつかあります。が、ハンドメイド作品を売るとなると、メルカリが最右翼でしょう。
他のマーケットプレイスに出品してももちろんOKですが、あえて他を説明するほどの意味はないかと。メルカリの特徴だけ押さえておけば十分です。
メルカリ
運営会社 | 株式会社メルカリ |
---|---|
客層 | 老若男女あらゆるお客さん |
取引相場 | 安め |
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 無料 |
販売手数料 | 10%(税込) |
振込手数料 | 一律200円 |
スマホアプリ | 【○】あり |
匿名配送 | 【○】あり |
特定商取引法の 表記非公開 | 【○】住所・電話番号を非公開にできる |
動画のアップロード | 【×】なし |
プッシュ配信 | 【×】なし |
良くも悪くもごった煮マーケットプレイス
メルカリは、言わずと知れた国内最大のマーケットプレイス。老いも若きも、女も男も、民度の高い低いも入り混じって、あらゆるお客さんが集まります。
そのために、相当マニアックな品でも、誰かしらには見てもらう機会があります。
ただし、お客さんの質はあまり良くありません。ハンドメイドに理解のない人の方が多いので、トラブルや辛辣なレビューに遭遇することもあるでしょう。
アルゴリズムの違いは注目に値する
すでに上の方でも触れているのですが、もう一度。
メルカリのアルゴリズムは、新しく出品した商品が上位表示されます。あなたがどんなに駆け出しの作家であっても、一定のインプレッション(露出)を確保できます。
あまり長居する売り場ではないと思っていますが、minneやCreemaで売れるまでの最初期は、メルカリを主戦場とする手もアリですね。
まぁ、最初からメルカリはスキップでも良いと思うけどね。ウチの奥さんも結局使ってない
ハンドメイド作品が売れるネットショップサービス3選
ネットショップに関しては、機能面を重視していきましょう。ホントであれば、規模の大きなサービスであるかも重要ですが、ここに挙げた選択肢なら問題ありません。
機能に関しては、日々更新されていくものなので、今後の進展によってオススメは変わってきます。現時点での意見だと思って聞いてください。
ネットショップサービスはいくつかあるんですが、特に理由がなければ「BASE」か「Shopify」のどちらかになると思います。
BASE
運営会社 | BASE株式会社 |
---|---|
決済手段 | クレジットカード/銀行振込/コンビニ払い/Pay-easy/後払い/キャリア決済/paypal/Amazon Pay |
メッセージ機能 | 【○】あり |
レビュー機能 | 【○】あり |
クーポン機能 | 【○】あり |
メルマガ | 【○】あり |
ブログ/SEO設定 | 【○】あり |
SNS連携 | Instagram/X/LINE公式アカウント/Facebook/YouTube/TikTok/note/Ameba |
Instagram販売 | 【○】あり |
海外配送 | 【○】あり |
外貨表示 | 【○】あり(34カ国) |
カゴ落ち防止 | 【○】あり |
アップセル・クロスセル | 【×】できない |
匿名配送 | 【○】あり |
特定商取引法の 表記非公開 | 【○】住所・電話番号を非公開にできる |
その他の機能 | 抽選機能、予約販売機能、ポイント機能 |
スタンダードプラン | グロースプラン | |
---|---|---|
月額費用 | 無料 | 【月払い】19,980円(税込) 【年払い】16,580円(税込) |
販売手数料 | 決済手数料:3.6%+40円/件 サービス利用料:3% 合計:6.6%+40円/件 | 決済手数料:2.9%のみ |
振込手数料 | 【振込手数料】 一律250円 【事務手数料】 ・2万円未満:500円 ・2万円以上:0円 | 【振込手数料】 一律250円 【事務手数料】 ・2万円未満:500円 ・2万円以上:0円 |
動画のアップロード | YouTube/Vimeoへアップロードすれば埋め込みが可能 | YouTube/Vimeoへアップロードすれば埋め込みが可能 |
サービスロゴの非表示 | 月額500円 | 月額500円 |
独自ドメインの利用 | 【○】可能 | 【○】可能 |
国内最大のネットショップサービス
ご存知の通り、「BASE」は日本最大のネットショップサービス。上場企業です。
ボクは基本、SaaS(≒IT系のツール)は、最大手を選べと言っています。ホントの意味で最大は「Shopify」なんですが、「BASE」も十分納得できる規模のサービスですね。
機能的にも卒がなく、「ここまでは欲しい」という機能は一通り揃っています。
売れるまでは無料
BASEが業界で初めて打ち出しのが、「月額無料・売れるまではタダ」という料金プランです。昔の「ソフトバンク同士は通話無料」に匹敵する革新的なプランだと思います。
固定費がかからないので、売れるまでの下積み期間、閑散期や休業期間は、費用負担なしでOK。個人のハンドメイド作家には、とっても魅力的なプランですね。
BASEがさらに特徴的なのは、無料プランと有料プランに機能差がないこと。違いは販売手数料のみ。無料プランでも、機能はフルに使えてしまうわけですね。
抽選機能がアツい
実のところ、BASEに含まれている機能は、Shopifyにもほぼ含まれています。そんな中、唯一BASEの方が優れているのが、「抽選販売」の仕組み。
Shopifyにも抽選機能はあるのですが、有料だったり、無料の場合は不完全だったりします。追加費用なしで、想像通りの抽選販売ができるのは、BASEの強みです。
ちなみに抽選販売は、顧客リストを集める上で有効な手立てになります。ここで深くは触れませんが、「抽選販売は美味しい」という事実だけは伝えておきましょう。
総じて、良い感じにまとまってるサービスだ!
STORES
運営会社 | STORES 株式会社 |
---|---|
決済手段 | クレジットカード/銀行振込/コンビニ払い/paypay/後払い/キャリア決済/paypal/Amazon Pay/楽天ペイ/代引き(ベーシックプランのみ) |
メッセージ機能 | 【○】あり |
レビュー機能 | 【○】あり |
クーポン機能 | 【○】あり |
メルマガ | 【○】あり |
ブログ/SEO設定 | 【△】ニュース機能で代替。SEO設定は不可 |
SNS連携 | Instagram/X/Facebook |
Instagram販売 | 【×】できない |
海外配送 | 【○】あり |
外貨表示 | 【×】できない |
カゴ落ち防止 | 【×】できない |
アップセル・クロスセル | 【×】できない |
匿名配送 | 【×】できない |
特定商取引法の 表記非公開 | 【○】住所・電話番号を非公開にできる |
その他の機能 | 予約販売機能、まとめ売りの割引設定 |
フリープラン | スタンダードプラン | |
---|---|---|
月額費用 | 無料 | 【月払い】3,480円(税込) 【6ヶ月払い】3,240円(税込) 【年払い】2,980円(税込) |
販売手数料 | 5.5% | 3.6% |
振込手数料 | 【振込手数料】 一律275円 【事務手数料】 ・1万円未満:275円 ・1万円以上:0円 | 【振込手数料】 一律275円 【事務手数料】 ・1万円未満:275円 ・1万円以上:0円 |
動画のアップロード | YouTube/Vimeoへアップロードすれば埋め込みが可能 | YouTube/Vimeoへアップロードすれば埋め込みが可能 |
サービスロゴの非表示 | 【×】不可 | 【○】可能 |
独自ドメインの利用 | 【×】不可 | 【○】可能(ただし移管は不可) |
安さ以外は…
国内で2番目に有名なネットショップサービスが、「STORES」です。昔から、BASEの比較対象、もとい対抗馬として名前が上がるサービスです。
STORESも良いところはあると思います。が、「ハンドメイド作家が使う」という文脈で考えると、メリットは「安い」くらいしか思い当たりません…。
機能面はBASEの勝ちで、企業母体もBASEの方が強いです。規模が大きい方が開発力も強いですから、今後の機能拡張もBASEの方が期待できます。
で、「安い」と言っても、BASEと比べて目を見張るほど安いわけではありません。「これならBASEでよくない?」というのが、ボクの意見です。
独自ドメインの縛りがキツい
基本ネットショップサービスには、「独自ドメイン」という機能がついています。
まずドメインとは、URLの「https://」の直後に続く部分のこと。本サイトであれば、「handmade-marketing.net」がドメインです。
独自ドメインを使わない場合、サービス側で用意している共用ドメインを使うことになります。STORESなら、「〇〇〇〇.stores.jp」というドメインになります。「〇〇〇〇」の部分は、ユーザーが自分で決められます。
しかし、ブランディングや、長い目で見たSEO(Webサイトを検索上位に表示させること)を鑑みると、共用ではなく、独自ドメインを使うべき。
という前提ね
ふむふむ。続けてくれたまえ
普通、独自ドメインは、「ムームードメイン」とか「お名前.com」とかで取得して、各ネットショップと連携することになります。
STORESの場合、この仕様が特殊で、「STORES内で取得した独自ドメイン」しか使えないようになっています。
「ムームードメイン」や「お名前.com」で取得したドメイン(繰り返すが、これが普通の取得方法)は、STORESのネットショップには使えないわけです。
かつ、STORESで取得した独自ドメインは、移管もできません。他のネットショップサービスに移行したら、同じドメインを使い続けることはできません。
ネットショップはコロコロ変えるものではないのですが、将来の選択肢を狭める行為は避けるべきでしょう。
全体的には肯定できるサービスだけど、独自ドメインを自由に使えないのは、ネットサービスとしてちょっとおかしいと思うよ
Shopify
運営会社 | Shopify Inc. |
---|---|
決済手段 | クレジットカード/銀行振込/コンビニ払い/paypay/後払い/キャリア決済/paypal/Amazon Pay/楽天ペイ/Apple Pay/Google Pay /代引き |
メッセージ機能 | 【○】あり |
レビュー機能 | 【○】あり |
クーポン機能 | 【○】あり |
メルマガ | 【○】あり(klaviyoと連携するとさらに強力) |
ブログ/SEO設定 | 【○】あり |
SNS連携 | Instagram/X/Facebook/Pinterest |
Instagram販売 | 【○】あり |
海外配送 | 【○】あり |
外貨表示 | 【○】あり |
カゴ落ち防止 | 【○】あり |
アップセル・クロスセル | 【○】あり |
匿名配送 | 【×】不可 |
特定商取引法の 表記非公開 | 【×】不可 |
その他の機能 | 抽選機能、予約販売機能、ポイント機能 |
Basicプラン | |
---|---|
月額費用 | 【月払い】4,850円(税込) 【年払い】3,650円(税込) |
販売手数料 | 3.55%(AMEX/海外発行クレカは3.9%) |
振込手数料 | Shopifyペイメント利用で無料 |
動画のアップロード | 【○】可能(YouTube/Vimeoの埋め込みも可能) |
サービスロゴの非表示 | 【○】可能 |
独自ドメインの利用 | 【○】可能 |
*Shopifyには、複数のプランが存在していますが、ここでは、ハンドメイド作家が使うことになるであろうプランのみ触れています。
結論から言えば、一押しのネットショップサービスは、この「Shopify」です。
世界最大・最強のネットショップサービス
カナダで生まれの「Shopify」は、世界最大のネットショップサービス。ここまで成長した「BASE」も凄いですが、Shopifyは、さらに桁違いに大きなサービスなんですね。
機能面では、やはり圧倒的な充実度です。基本的に英語圏の方が、マーケティングは進んでますからね。国内サービスと比べるのは酷だと思います。
またShopifyのスゴいところは、1人で運営する零細ショップから、上場企業が運営する大規模ショップまで、同じサービスが使えること。それだけ柔軟で、かつ拡張性があるサービスということです。
まさに、「一生添い遂げられるネットショップサービス」だね!
Shopifyは意外と安い?
Shopifyに二の足を踏んでしまうのは、やはり無料プランがないからでしょう。
でもShopifyは、思っているよりは安く済みます。
以下のシンプルな条件で、コストを比較してみましょう。
- 単価:1万円
- 売上個数:月10個
- 売上:月10万円
「BASE」の無料プランの場合、販売手数料6.6%と、1件あたり40円がかかります。あと振り込み手数料250円。合計すると、「月7,250円のコスト負担」になります。
「Shopify」だと、販売手数料3.55%と、月額料金3,650円がかかります。合計すると、「月7,200円のコスト負担」になります。
あれ?ほとんど変わらないね!
ちなみに、売上が大きくなるほど、販売手数料の差が効いてきます。
上記の例を、単価はそのまま2倍の取引量にしてみましょう。
- 売上個数:20個
- 売上:月20万円
にすると、BASEは「月14,250円のコスト負担」で、Shopifyは「月10,750円のコスト負担」になります。
ボチボチ売れてる作家なら、Shopifyは安い選択肢だよ!
グローバルサービスゆえのとっつきにくさ
Shopifyは全世界で使われているサービスなので、日本の商習慣に合わせるという考え方はそもそもありません。
むしろ、「俺らがネットショップのスタンダードだから、君たちが俺に合わせてね」と言わんばかりです。この辺りは、GoogleもAppleも同じスタンスですけどね。
例えばBASEには、「特定商取引法」で開示が必須となる住所や電話番号を、BASE社の情報で代替する機能があります。作家側の個人情報を開示しなくても良くなるわけです。
しかし、Shopifyは、こういう日本仕様の機能はありません。個人情報を隠すには、バーチャルオフィスを契約することになるでしょうね。
多少とっつきにくさはあるだろうね。少なくとも、BASEの方が気楽に触れると思うよ
目を見張るメルマガ機能
「Shopifyが色々できるのはわかる。でも、個人のハンドメイド作家レベルなら、BASEの機能で十分なんじゃないの?」と、思われたかもしれませんね。
その意見には、ボクも大筋賛成です。しかし、こと一点、「メルマガ機能」だけは、Shopifyが圧倒的に強いのです。
BASEのメルマガは、すごくシンプル。メルマガ登録している(というよりは配信拒否していない)お客さんに対し、一斉にメールを配信する感じです。
一方で、「Shopify」と「klaviyo(有料)」というメール配信サービスを連携すると、
- 「A商品」を買ったお客さんに、3日連続フォローメールを送って、1年後にメンテナンスのメールを出す
- 「A商品」を買っているけど「B商品」は買っていないお客さんに、「C商品」の案内メールを出す
- 過去3回以上購入しているお得意さんだけに、新作の先行案内メールを出す
といったこともできます。
メルマガもやはり、ターゲットを狭めた配信が有効。「Shopify × klaviyo」で、お客さんを細かくセグメンテーション分けすれば、超きめ細やかな配信が可能になります。
ちなみに「klaviyo」は、Shopifyの推奨メールマーケティングツールに指定されていて、Shopifyから出資も受けています。公式公認ツールなので、安心して使えますね。
メルマガは効果が大きいから、この違いは見逃せないよ!
オススメのネット販売チャネルの組み合わせ
この記事の結論として、「どの販売チャネルを選ぶべきか?」をお伝えしましょう。
複数チャネルが基本
まず、すべての作家さんに肝に銘じてほしいのは、販売チャネルを分散させるということ。昔の人はこれを、「卵を一つのカゴに盛るな」と表現しました。
全ての卵が盛られたカゴを、うっかり落としてしまったら?全ての卵が台無しになりますね。そうならないために、複数のカゴに分けて盛ろうというありがたい格言です。
あなたが「minne」だけで売っていたとしましょう。突然minneがサービス終了したら?minneで垢BANを食らって、過去のレビューが消し飛んだら?
Oh…メモアテラレナイヨ…
実店舗しか販売チャネルがないお店は、コロナ禍でどうなったでしょうか?ネットで販売するチャネルがあれば、難局を乗り切れたはずです。
あなたがどんなステージの作家であっても、初心者でも上級者でも、ボクの意見は変わりません。販売チャネルは、常に複数持っておくべきです。
初心者はマーケットプレイスだけでOK
駆け出しの作家さんは、マーケットプレイスだけにしておきましょう。「BASE」も「Shopify」も、まだ使わなくて良いです。
理由は、売れる作品作りに専念してほしいからです。
初めからネットショップを運営してしまうと、サイトの作り込みや集客にも気を使わなければなりません。しかし、売れる作品を作れていなければ、何をしても徒労です。
特別な理由がない限りは、まずは「minne」と「Creema」ですね。余裕が出てきたら、「iichi」も、和風のアイテムであれば、「Etsy」なんかも検討してみてください。
最低1つヒット作を生み出すまでは、マーケットプレイスだけで十分
男性向けの作品なら
ハンドメイドといえばminneとCreemaですが、どちらも女性が集まるマーケットプレイス。男性はほぼいません。というか、サービス自体を知りもしません。
しょうがないので、
- 男女関係なく集まる「メルカリ」
- いくらか男性割合が高そうな「iichi」
に出品しておきましょう。
売れてきたらネットショップに移行
より効率の良いマーケティングを行なっていくなら、いつかは自社ネットショップをメインに据える必要があるでしょう。
周りの作品の安い値段に影響されないのも大きいですが、何より既存の顧客情報を使ったマーケティングが強力です。
月10万円売れるようになったら、自社ネットショップに切り替えて良い頃合い。SNSに貼っているリンクを、minneやCreemaから自社ネットショップに貼り替えましょう。
マーケットプレイスも併売し続けよう
ただしこれは、minneやCreemaの売り場を閉鎖することを意味しません。
ネットショップの流入経路は、大抵はSNSになるでしょう。SNSで垢BAN喰らったら、流入が途絶えてしまいます。新規のお客さんが入ってこなくなるわけです。
minneやCreemaも、細々とでも併売し続けていれば、そちらの流入は途絶えません。また、チリツモでレビューが溜まっていけば、どんどん売れやすくもなっていきます。
ボクのオススメは、
- メイン:Shopify
- サブ:minne、Creema
の組み合わせ。
メインの「Shopify」に抵抗があれば、次善で「BASE」でも良いでしょう。
サブの各種マーケットプレイスは、「minne」と「Creema」が基本あって、あとはお好みで増やしてください。増やさなくても良いですけどね。
長期にわたって安定した実入りを確保するためにも、ネットショップとマーケットプレイスの併売を続けていきましょう。
ここは騙されたと思ってその通りにして!
いつかボクに感謝する日が来る(かもしれない)から!
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