現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
「あれ?この人の作品、わたしの作品にそっくりじゃない…?」
「え?もしかして、パクられた!?」
ハンドメイドの由々しきパクり問題。自分が一生懸命考えて作った作品が、誰かにパクられたら、メチャクチャむかつきますよね。
- 「それ、犯罪じゃないの?」
- 「著作権の侵害じゃない?」
って思ったあなたの感覚は正常です。
しかし実際には、ハンドメイドのパクりに、法的責任を問うのはほぼ不可能なんです。
えー!なんで!?めっちゃ悪いことなのに!
倫理的にはアウトなんだけど、法律的にはシロになっちゃうんだよね
この記事では、ハンドメイドのパクリが違法にならない理由を解説しています。
その上で、
- パクられたらどう対処すれば良いか?
- 逆にパクったと言われたらどう対処するか?
- そもそもパクらせないためにどんな行動をとるべきか?
まで踏み込んでいます。
ある程度売れている作家さんには、パクりは付きものかもしれません。アンチが湧くのと同じく、通過儀礼と呼べるかもしれませんね。
パクりが作家間のトラブルに発展するとキツいです。時間と労力もそうですが、何より精神がツラいですね。
パクリ問題とどのようにして折り合いをつけていくべきか。処世術として身につけておけば、手痛いトラブルを未然に防げるでしょう。
ぜひ最後までチェックしてみてください!
ハンドメイドのパクリは違法にならない理由
一般論として、ビジネスには「知的財産権」があります。カンタンに言えば、「他人にパクられない権利」ですね。
しかし現実問題、ハンドメイド作品が知的財産権で守られるケースはほとんどありません。
ハンドメイド作品の「著作権」は認められない
「著作権」とは、オリジナルの作品を、他人に勝手に利用されないための権利です。
「著作権」とは、「著作物」を創作した者(「著作者」)に与えられる、自分が創作した著作物を無断でコピーされたり、インターネットで利用されない権利です。
公益社団法人著作権情報センター
届出する必要はなく、作品を世に送り出した瞬間から権利が発生します。
ただし著作権の保護対象は、「著作物」と認められるものだけ。何でもかんでも、保護対象になるわけではありません。
(著作物とは)思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
著作権法第2条第1項第1号
この一文から、「著作物」の定義が見えててきます。
- 「思想又は感情」を
→「単なる事実やデータ」など(人の思想や感情を伴わないもの)が除かれます。 - 「創造的」に
→「模倣品」や「ありふれたもの」(誰が表現しても同じようなもの)が除かれます。 - 「表現したもの」であって
→「アイデア」など(表現されていないもの)が除かれます。 - 「文芸,学術,美術又は音楽の範囲」に属するもの
→「工業製品」などが除かれます。
参考:文化庁ホームページ
イメージ的には、「鑑賞する」が想定されているものが、著作物として認められます。アート作品とでも言いましょうか。
ハンドメイド作品に多い、財布やバッグやアクセサリーなどの「使う」が想定されている実用的な製品は、著作物とは認められません。
確かにハンドメイドは、アートっぽいところはあっても、アート作品ではないよね
ただ作風によっては、著作権が認められるケースもあります。
- 絵画のように、純粋に「鑑賞する」作品
- 工芸品のように「使う」よりも「鑑賞する」が主体の作品
であれば、著作権が認められるかもしれません。
ただ「使う」を強調した作品じゃないと、売れづらいのが実情
純粋なアート作品を売るのは、ハンドメイドよりもずっと難易度が高い
「意匠登録」していれば守られるが…
「意匠権」の線はどうでしょうか?
「意匠権」とは、工業製品のデザインを独占使用できる権利です。基本的には同じ製品を複数個製造できることが原則なので、一点物系の作品は意匠権を取得できません。
ただハンドメイド作品でも、同じデザインや図案を繰り返し使えて、同じ販売ページで販売し続けられるような作品であれば、意匠権を取得できる可能性があります。
お!意匠権で救われるか!?
とはいえ、特許庁に意匠登録しなければ、意匠権は発生しません。著作権のように、勝手に効力が発生する類の権利ではないのです。
また、出願料と、毎年の登録料もかかります。
■出願料
項目 | 金額 |
---|---|
意匠登録出願 | 16,000円 |
秘密意匠の請求* | 5,100円 |
*秘密意匠の請求:意匠登録から最大3年間、意匠の内容を公報に載せず、秘密にすることを求めること。
■登録料
項目 | 金額 |
---|---|
第1年から第3年まで | 毎年 8,500円 |
第4年から第25年まで | 毎年 16,900円 |
これは独力で登録する場合の費用ね
実際には、専門家の手を借りないと厳しいので、+αの金額がかかるよ
よほど渾身の自信作&ヒット作なら、意匠登録するのもアリでしょう。しかし、全ての作品を意匠登録するのは、個人にはハードルが高いと思います。
理屈だけで言えば、ハンドメイド作品のパクリを「意匠権」で防ぐことは可能です。しかし現実的には、運用面でちょっと厳しいのではないでしょうか。
「不正競争防止法」は知名度が求められる
「著作権」はほぼダメで、「意匠権」は現実的ではない。
最後に残るのが、「不正競争防止法」です。読んで字の如く、ビジネスにおいて不適切な競争行為を防ぐための法律です。
「産地偽装」や「営業秘密の不正利用」なども含まれますが、ハンドメイドのパクリに関連するのは次の2つ。
- 著名表示冒用行為
他人の商標などと混同させる表示をすることを禁止する - 形態模倣商品の提供行為
他人の商品の形をマネして提供することを禁止する
前者は「商標権」、後者は「意匠権」として、特許庁に登録して保護するのが一般的。ですが、「不正競争防止法」なら、登録の有無に関わらず取り締まることができます。
しかしながら、不正競争防止法の線で争うには、かなりの知名度が必要です。
「マリカー事件」では、任天堂の「マリオ」に出てくるキャラクターに類似するコスチュームを表示していた業者が、「著名表示冒用行為」と認定され、差し止め&損害賠償請求が命じられました。
マリオカートは、かなりの知名度だなー
コアなファンではないごく普通の人が、そのブランド名や商品形態を見ただけで、「あ、あそこの商品だ!欲しい!」と思うレベルの知名度が求められるんです。
個人レベルのささやかなビジネスでは、不正競争防止法で争うのは非常に厳しいと言えるでしょう。
ハンドメイド作品を守ってくれる知的財産権や法律がないわけではない。が、現実的には難しいって結論
合法だからパクっていいわけではない
というわけで、ハンドメイド作品のパクりに、法的な責任を問うことはできません。
しかし、「違法じゃないからやってしまえ」という、どこかの国のような考え方はいかがでしょうか?
日本がそういうお国柄じゃなかったからこそ、
- アニメ
- 漫画
- ハンドメイド
といったクリエーター文化が発展してきたと言えるのではないでしょうか。
そんな日本人の国民性において、法的責任はなくても、「パクりは明確な悪」と認識されます。
当たり前だよ!絶対あり得ない!
もしあなたが誰かの作品をパクって、その事実がSNSなどで広まったらどうなるでしょう?事実として、悪い情報ほどバズりやすいです。
あなたの悪事は、インターネット上に「デジタルタトゥー」として刻まれます。
デジタルタトゥーとは?
インターネット上で公開された個人に関する情報が、一度拡散してしまうと、完全に削除するのが不可能である様を、「刺青(タトゥー)」に喩えたネット用語。
そうなったら、クリエーターとしてはおしまいですね。
パクりが違法でないからといって、ビジネスが無傷で済むわけではないのです。この事実を、胸に刻み込んでくださいね。
法律に頼らないパクられ対策3選
法律の力は頼れない環境で、あなたの作品を第3者にパクられないためには、どんな対策を取れば良いでしょうか?
法律に頼らないパクられ対策
- 「盗作禁止」と明記する
- 真似できないクオリティを貫く
- 作品だけでなくストーリーで売る
難易度には差がありますが、もちろんできることはあります。
対策①:「盗作禁止」と明記する
誰でも簡単にできる対策が、作品の説明書きに
- 「盗作禁止」
- 「類似品にご注意ください」
と書いておくことです。
もちろん、「盗作禁止」の言葉をつけたところで、ハンドメイド作品のパクりに法的責任を負わせることはできません。
しかし、「この作家は、盗作に対して強い態度で臨んでくる人だ」という印象を与えることはできます。
ある意味で、防犯対策にも通じるところがあります。
ダミーカメラを設置したり、「防犯カメラ作動中」のシールを貼っておけば、泥棒に「この家は防犯意識が高そうだ」という印象を与えられますね。
これだけでも、盗作を思い止まらせる効果が期待できるでしょう。
また副次的な効果で、お客さんに「盗作されるほど人気な作家さんなんだ!」という印象を植え付けることもできます。
小手先のテクではあるけど、一石二鳥でやり得よ!
対策②:真似できないクオリティを貫く
より本質的なパクり対策は、そもそも「パクろうと思ってもパクれないクオリティ」の作品を作ることです。
- より高いスキルを必要とする作品
- より高い知識が必要とする作品
- より高いセンスを必要とする作品
- 普通では仕入れられない素材を使った作品
を作りましょう。
図案に関しては、素人がアレンジしたら成立しない繊細なバランスがいいですね。丸パクリするクレイジーな相手だと部が悪いのですが、多少アレンジする良心がある相手なら十分効果があります。
んー、すごい高度なことが求められてる?
それがそうでもないんだな
もし高いクオリティを発揮できるような人なら、あるいはそれを追い求めるような人なら、他人の作品をパクろうとはしません。あなたもそうでしょう?
技術もないし、技術を追い求める気もないから、他人の作品をパクってサクッと儲けようとするのです。
基本的に、ハンドメイドに愛がない人が、パクりをするのです。
あなたのように本気でハンドメイドに取り組む人なら、自然と技術は向上していくはずです。遠からず、ポンコツ作家には真似できないレベルに到達するでしょう。
対策③:作品だけでなくストーリーで売る
ブランディングの本質に迫る話をしましょう。
お客さんは、作品そのものだけを消費しているわけでありません。
その作家の
- 考えだったり
- 人柄だったり
- 発信だったり
その全てがつながった「ストーリー」を消費しているのです。ストーリーの一部として、作品を買うのです。
ピンと来ないですかね?
でもあなただって、きっと同じような消費行動を取ってますよ?
例えば、Appleは強いストーリーを持ったブランドです。
シンプルな機能美と、最高の使いやすさを常に追求しています。スティーブ・ジョブズというカリスマが紡いできたストーリーは、今もAppleの中に息づいていますね。
Apple製品は、中華ブランドに真似されまくっています。スペックで言えば、別にAppleが一番ということもありません。
しかしAppleファンは、Appleの模造品には目もくれません。値段が高くても、Apple製品を買い続けます。
時価総額世界一のApple社を引き合いに出すと、少々ハードルが高いと感じるかもしれませんね。でも規模の大小は、全く関係ありません。
あなたが大切にする「信念」を持ち、その想いをあなたの一挙手一投足まで、澄み渡らせれば良いのです。
「信念」という言葉がピンとこなければ、「こだわり」「哲学」「理念」という言葉に置き換えても良いよ
作品だけでなく、言葉遣いやSNSの発信内容に至るまで、その「信念」を徹底し、決して裏切らないということです。
その行動の軌跡が、振り返ったときに「ストーリー」になっているんですから。
ボクの奥さんは、「ヒグチユウコ」さんという画家・絵本作家さんのファンです。
世界観とか人柄とか、諸々含めて好きなんですね。ボクの目から見ても、本当に細かいところまで、クリエーターのこだわりが行き届いています。
だから誰かが、「ヒグチユウコ風」の絵本を書いたとしても、ボクの奥さんは買わないでしょう。ただ真似た作品には、ストーリーはないですから。
確かに!モノは同じでも、偽物を買おうとは思わないね!
誰かに「パクられたら」どう対処するか?
「あれ?この人の作品、わたしの作品にそっくりじゃない…?」
「え?もしかして、パクられた!?」
と気づいたとき、どう対処するのが得策でしょうか?
スルー(無視)するのがオススメ
実のところ、パクリに気付いても無視してしまうのが良いかと思います。
特に「なんとなく似てる気がする」くらいのレベルなら、何も行動を起こさない方が賢明でしょう。
パクリかどうかの線引きには個人差がありますし、どっちみち法的責任は問えません。けしかけたところで、拗れて時間と精神をすり減らす可能性の方が高いでしょう。
シャクだと思うけど、ここは「損して得とる」をオススメする
また、相手が丸パクリであっても、あえて行動を起こさない方がベターだと思います。
むしろ、「偽物が存在するくらい人気がある」という権威づけになるので、放置することがプラスに働く面もあるからです。
エルメス、ロレックス、NIKEなども、偽物の存在によって、ブランド価値が上がっていることに気づくでしょう。そういうポジティブな捉え方が良いと思います。
むしろパクり作家すらも利用するしたたかさ!
プラットフォームに通報する
もし、メルカリやminneのようなプラットフォームに出品してるなら、運営に通報する手があります。
仲裁してくれたり、プラットフォーム側が損害賠償を受けてくれるなんてことはありませんが、パクリ作家の出品停止くらいは対応してくれるかもしれません。
とはいえ、相当程度に似ていない限り、動いてくれることはないでしょう。作品画像や説明文までパクっているなら、動いてくれると思いますが。
実のところ、やってここまでくらいかな
個人的には、これ以上は踏み込まなくて良いと思う
相手を特定せずにSNSで愚痴る
SNSでパクられたことを公表する手もありますね。
ただし、相手を名指ししてしまうとトラブルになって、逆に面倒になります。SNSとは、そういう場所であることに留意しましょう。
最近、とってもショックなことがありました…
minneで、わたしのとそっくりの作品を見つけてしまったんです
パクりとは思いたくないですが、偶然にしては似すぎている…
もし見かけた場合は、注意してくださいね
くらいの感じですね。
もし盗作者があなたのSNSを見ていれば、「やば、気づかれてる」と、手を引いてくれるかもしれません。
またあなたの熱心なファン(数人でも構わない)が、盗作者を探して、自主的にプラットフォームの通報ボタンを押してくれるかもしれません。
直接抗議するなら慎重に
本人への直接抗議は、できれば取りたくない手段。トラブルに発展するリスクが高いので、オススメはしません。
「許せない」という感情的な理由ではなく、ビジネスとして「損害を被っている」と判断したときだけ切るカードと考えてください。
ただし抗議をするとしても、かなり柔らかく接する必要があります。
- 強い口調
- 断定口調
- 命令口調
は避けてください。
いきなり、「出品を取り下げてください」とか言わない方が良いよ
まずは、「ご確認いただけますでしょうか?」だね
これは人間関係全般に言えることですが、こちらが強く当たると、向こうも硬い態度を取ります。逆に穏和に接すれば、相手の態度も柔らかくなります。
変な例えですが、自分のお腹を触ってみてください。
- 優しくさわれば、お腹はプニプニと柔らかいままです。
- 強く押すと、体が反応して腹筋が硬くなります。
対人関係も全く同じなのです。
繰り返しになりますが、仮に本当に相手がパクっていたとしても、法的責任は問えません。
あなたが強く踏み込むほど、相手は頑なになり、法的根拠をがないことを盾に正当化してくるでしょう。くれぐれも論破しようとは思わないことです。
あなたが「パクり」だと言われたらどう対処するか?
逆に、誰かに「パクられた!」と言われてしまったら、どう対処すべきでしょうか?
パクった心当たりがある場合
当サイトの読者に、パクるような人がいるとは思いたくないですが…、
もしあなたにパクった心当たりがあるなら、平身低頭謝って、すぐに販売中止してください。関連する画像やSNSの投稿は、全て削除してください。
あなたがどんな沙汰を受けるかは、相手のさじ加減次第。あなたが誠意を見せて迅速に行動すれば、穏便に済ませてくれるかもしれません。
できることと言えば、これくらいです。
そして悔い改めて、2度とパクりなどしないということ!
どんな罰則が想定されるか?
なお最悪の場合、あなたがどんな沙汰を受けるかについても触れておきましょう。
もし、ブランドロゴやキャラクターをパクっていた場合はマズいですね。
損害賠償を請求される可能性があります。高いと感じた場合には、弁護士などに相談してください。最終的には、裁判所に命じられた金額を支払うことになります。
また、逮捕の可能性があることも付け加えておきます。
事例|鬼滅の刃の偽マスクを販売して書類送検
2022年、人気アニメの「鬼滅の刃」「呪術廻戦」のキャラクターを無断で使用したマスクを販売した50代の女性が書類送検されました。
「著作権法」及び「商標法違反」の偽マスクを販売した容疑によってです。
出展:読売新聞オンライン
事例|偽シャネルの犬用アイテム販売で逮捕
2020年、シャネルに類似したロゴを縫い付けたペット用品を販売していた容疑で、30代の会社社長の女性が逮捕されました。「商標法違反」の疑いです。
なお容疑者の女性は、SNS上で制作工程を堂々と発信していて、犯罪の意識がなかった可能性を感じさせます。
出展:デイリースポーツ
事例|ジーンズ商標を無断使用したバッグ販売で逮捕
2022年、「リーバイス」「エドウィン」「リー」などのジーンズをリメイクしたバッグを製造・販売した疑いで、50代の女性が逮捕されました。
「商標権違反」の疑いです。容疑者は、バッグを自作したことを認め、「悪意はなかった」と話していたようです。
出展:読売新聞オンライン
もし、パクったのが他人のハンドメイド作品のデザインだった場合、法的責任は問われないケースが多いでしょう。
とはいえ、SNSなどで、「こいつはパクリ作家だ!」と暴露される可能性があります。そうなっては、これまで積み上げてきたブランドやお客さんとの関係が台無しに。
間違っても、法律を盾に抵抗しようとは思わないでください。火に油を注ぎ、キツい報復を食らうことになるやもしれませんので。
パクった心当たりがない場合
もしあなたが、
- 他人のブランドやキャラクターを使用していない
- 他の作品の真似もしていない
なら、「何言ってんだコイツ?」って思ってしまうところですね。
本音では、「お前なんかパクってねーよ、このタコ!」と突き返したいところですが、いったん冷静になりましょう。
まずは、「パクられた!」と主張する相手方の作品に、目を通しましょう。実際に、相手と自分の作品に、似ているところがあるかチェックしてみてください。
ひょっとすると、相手の言い分にも一利あるかもしれないからね
似ていたら
「似ている」「似ていない」は、人によって判断がブレるので、線引きは難しいところがあります。また、偶然にデザインが似てしまうこともあるでしょう。
もし可能であれば、あなた側が折れてしまって、販売を取り下げるのも1つの手です。
パクってないから強い態度で臨んでも良いのですが、ダル絡みされると面倒。取り下げてもビジネス的なインパクトが小さくて済むなら、損して得取る選択肢も視野に入れてみてください。
やってないパクりを認めるわけじゃないよね?
もちろん。偶然に似ちゃっただけだけど、「お客さんが混乱するといけないから」という理由ね
もちろんパクっていないと主張して、販売を継続するのも良いでしょう。
その場合は、あなたの作品がどういう経緯でこの形になったのか、具体的に伝えると良いでしょう。あなたが何を参考にして制作したのか。
併せて、その作品をいつ頃から販売しているかも伝えましょう。口だけでは何とでも言えるので、古いレビューやSNSの投稿などを、証拠の魚拓として添えてください。
トラブルに発展する可能性は否めませんが、最悪の場合でもダル絡みされるだけ。法的責任を負う可能性は限りなく低いと思われます。
ただし、相手を論破しようとしたり、挑発したりはしないように。あなたの主張が正しかったとしても、相手の反感を買えば、相手はあげた拳を下ろせなくなります。
真摯に、穏便に、あなたの主張を伝えるようにしてください。
似ていなかったら
部分的に似ている箇所はあるかもしれないが、全体的に見たら全然似ていない。パクリと言われる筋合いはない。
そう感じたのなら、販売を続ければ良いでしょう。特に反応もせず、そのまま無視してしまっても良いと思います。
しつこく付き纏われて、「これ以上は、業務や私生活に支障をきたす」と感じたなら、法律の専門家に相談しましょう。
ハンドメイド作品のデザインが似ているだけなら、あなたが法的責任を負う可能性は限りなく低いです。専門家の意見を持って、ビシッと決着をつけてもらいましょう。
まとめ
実はハンドメイドに限らず、パクりとか権利侵害って、法的に追求しづらいゾーンがあるんだよね
パクリは許せないし、それを正せないのも腹立たしい!
そうだね。だからこそ、上手に付き合ってく必要があるんだ
この記事をまとめます。
ハンドメイドのパクりが違法にならない理由
- 「著作権」は、「鑑賞する」を主としたアート性のある作品を保護している。「使う」に主軸があるハンドメイド作品は保護されない。
- 「意匠権」は、特許庁に登録する必要がある。手間もお金もかかり、個人の作家にはハードルが高い。
- 「不正競争防止法」は、かなり知名度がないと対象にならない
法律に頼らないパクられ対策
- 「盗作禁止」と明記する
- 真似できないクオリティを貫く
- 作品だけでなくストーリーで売る
きっとあなたは、他人の作品をパクるような人ではないはず。問題になるのは、どこぞのポンコツ作家にパクられることですね。
ただ所詮はパクるような奴に、ハンドメイドへの愛もなければ、向上心もありません。あなたの敵ではないでしょう。いつかはマネできないクオリティに到達するはずです。
また見方を変えれば、「パクられるくらいあなたの作品が優れている」という証でもあります。むしろ、「偽物の存在を権威づけに利用する」くらいのしたたかさで臨みましょう。
なお、ハンドメイドにおける権利侵害を避ける方法は、↓の記事でも詳しく解説しています。
知らず知らずに他人の権利を侵害して、トラブルに巻き込まれるのを避けたい人は、こちらもチェックしてみてください。
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