現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
ハンドメイド作品をお客さんに発送する際、何らかの「紙」を同梱することがあります。
入れなくても構わないのですが、何もないと開封したときにあっさりし過ぎる感がありますね。お客さんの満足度を下げないため、何かしら入れておくのがオススメです。
例えば、次のようなものです。
- サンキューレター
- パンフレット
- 取扱説明書
- ギャランティーカード
- 領収書
ちなみに、ショップカードと納品書は必要ないので、ここでは挙げてない
ただこれらの紙の中には、同梱発送すると違法になってしまうケースが存在します。
しかも、少なくない数のハンドメイド作家が、そうとは知らずに違法発送してしまっている現状があります。
ボクもいい大人になるまで知りませんでした。初めてルールを知ったときは、「え?そうなの?」と驚いたものです。
普通の倫理観だと、ダメって感じがしない話なのかな?
引っ張るようなネタではないので、先に結論を言ってしまいましょう。
お手紙の類は、封筒などに入れて、封をした状態で同梱発送するのは違法となります。
逆に言えば、封筒に入れずにペライチ枚の紙を同梱したり、封筒に入れても封をしなければ、同梱発送はOKです。
とまぁ、ここで終わっても良いのですが、もう少し細かいルールを解説してきましょう。ネット販売に絡む法律なので、知っておいて損はありません。
「信書」は同梱発送できません
郵便法では、「信書」の取り扱いについて、次の通り規定されています。
会社(*日本郵便株式会社のこと)以外の者は、何人も、他人の信書の送達を業としてはならない。
郵便法第四条2項
運送営業者、その代表者又はその代理人その他の従業者は、その運送方法により他人のために信書の送達をしてはならない。
郵便法第四条3項
「日本郵便株式会社」とは、民営化された後の「郵便局」のことです。
カンタンに言えば、「信書」を送っていいのは郵便局だけで、宅配業者が送るのはNGよ。ということですね。
逆に言えば、「信書」ではない書類なら、誰が誰に送ろうが、一向に構わないということになります。
「信書」って、どういう意味だろう?
ちゃんと説明するから大丈夫よ
「信書」って何なの?
「信書」は、法律用語なので、聞き馴染みがないかもしれませんね。
「信書」は、次のように定義されています。
(信書とは)特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書をいう
郵便法第四条2項
ちょっとわかりにくいので、意訳しましょう。
特定の誰かへ宛てた書類は、ほとんどが「信書」です。不特定多数の人に同じ書類を送る場合は、「信書ではない」となります。
誤解を恐れずに言えば、「〇〇さまへ」と宛先がついている書類は、ほぼ「信書」と思ってもらって良いでしょう。
にゃるほど。じゃ、お手紙は「信書」だね
以下の図は、総務省のHPから拝借したものです。
ハンドメイド作家の場合は、
- サンキューレター
- 領収書
- 納品書
- ギャランティーカード
あたりが「信書」に該当します。
よってこれらの書類は、「原則」としては、郵便局に送ってもらわらなければならないわけです。
ヤマトや佐川の荷物に同梱するのは、「原則」NGです。なお、ゆうパックは郵便局の配送サービスですが、信書は送れないのでご注意を。
あえて「原則」と連呼しているのは、「例外」があるからだ
それは次の章で解説しよう
【例外】無封の添え状は同梱OK
「郵便法」には、こうも記載されています。
ただし、貨物に添付する無封の添え状又は送り状は、この限りでない。
郵便法第四条3項
これは朗報ですね。
この但し書きがあるために、封をしていない状態の書類であれば、「信書」であっても同梱発送可能になるからです。
封さえしなければ、ヤマトや佐川の荷物にお手紙を同梱してもOKだ!
なんだ!大丈夫なんじゃん!
良かった〜
一応、キーワードとして「無封」と「添え状又は送り状」が出てきたので、それぞれ解説しておきましょう。
「無封」はどんな状態を指す?
総務省のガイドラインより、「無封」は、次のように定義されています。
「無封」とは、
- (1)封筒等に納めていない状態
- (2)封筒等に納めて納入口を閉じていない状態
のことをいいます。
また、封筒等に納めて納入口を閉じている場合であっても、
- (3)当該封筒等が透明であり容易に内容物を透視することができる状態
- (4)当該封筒等の納入口付近に「開閉自由」等の表示(※)をするなど運送営業者等が内容物の確認のために任意に開閉しても差し支えないものであることが一見して判別できるようにしてある状態
も「無封」に含まれます。
「信書に該当する文書に関する指針」Q&A集より
ペライチの状態で書類を同封するのは、もちろんOK。透明のビニール袋に入れるのもOKですし、封筒に入れても封をしていなければOKということです。
個人的には、手紙をロウで封するのがカッコ良いなぁと思っているんですが、封しちゃっているので「無封」になりません。
残念ですが、法律なんで仕方ありませんね。
封筒に「開閉自由」と書いておけば、無封扱いになるんだけどさ。そんなのダサいしね
「無封」ってのは、必ずしも「物理的に封をしてない」って意味ではないんだね
「添え状又は送り状」って何?
無封であれば「信書」の同梱発送が可能になるわけですが、それは、あくまで「添え状又は送り状」に限るということ。
では、どういう「信書」が、「添え状又は送り状」として認められるのでしょうか?
添え状・送り状は、貨物という送付の主体があって、その送付に関する事項が記載された文書が従として添えられる場合に限られるものである。
「信書に該当する文書に関する指針(平成15年総務省告示第270号)」より引用
同梱が可能になる書類は、あくまで荷物が「主」で、その荷物に付随した「従」の書類に限るよ。と言っているわけですね。
作品に「サンキューレター」を同梱するのは、作品が「主」で、手紙が「従」の関係が成り立っています。よって、同梱は適法になります。
仮の話ですが、作品とは全く関係ない、「保険サービスの契約書」を同梱するとしたら、これは主従関係がありません。よって、同梱は違法です。
穿った例ですが、荷物が「チロルチョコ1個」で、「お手紙」が添えられてたとしましょう。どちらかと言えば、手紙が「主」ですから、同梱は違法の可能性が高そうです。
まとめ
ハンドメイド作家が書類を同梱発送するケースは、そう複雑な話にはなりません。
書類といっても、1枚か、せいぜい2枚程度のカンタンな内容です。かつ、作品と無関係な書類を同梱することは、まずないでしょう。
そうなると、「無封であれば、書類の同梱はOK」という理解で基本問題ありません。
これさえ押さえておけば、法律違反することはまずないと思うよ
裸のままの紙を同梱しても良いですし、オシャレな封筒に入れても封をしなければ問題ありません。
知っておきさえすれば、何ら恐れることはありませんね。
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