

お客さんからレビューが来た!満足してくれたみたい!
これは嬉しい瞬間ですね。
さて、そのレビューに何とコメントを返すか?
始めのうちは、素直にどんな言葉を返すかで悩む。しかし、場数が増えてくると返信内容が似通ってくるので、バリエーションに困る。さらに先には、そもそも返すのがしんどくなる。

ここで手間かけたくないしねぇ

たかがレビューへの返信と思うことなかれ!
ここ、お客さんから見られてますよ!
全力を尽くす場所ではありませんが、ぞんざいに扱うと売上にマイナス影響が…!
この記事を読んでもらえれば、程よいレビューへの返信具合がわかります。手間をかけすぎず、さりとてぞんざいにもしない。そんな返信の仕方です。
※本記事で扱うのは、「普通の(ポジティブな)レビューコメント」です。クレームや星を下げられたレビューへの返信は、別途↓の記事をご覧ください。
レビューへの返信の大前提

まず細かい話の前に、お客さんからのレビューへの返信にあたって、大前提となる話から始めましょう。
レビューへの返信の大前提
- 返信するor返信しないは統一する
- 定型で返すくらいなら、返さない方がマシ
- 未来のお客さん全員に向けて書く
それぞれ解説します。
返信するor返信しないは統一する
「この人には返信する、この人には返信しない」みたいな選別はNGです。
選別する意図はなく、たまたまであったとしても関係ありません。対応に差が出ることがよろしくないのです。

自分のレビューに返信されなかったお客さんの気持ちになってみて
「あれ?私も買ったのに、ぞんざいに扱われてる…?」って思いませんか?
既存のお客さんは、奇跡のような存在です。計算すると、作品が視界に入った人(インプレッション)のうち、何千〜何万人に1人の割合で、購入にたどり着いています。
購入されるとは、それくらい重くて大変なことなんですね。
既存のお客さんは、1度はあなたの作品の良さを認めて、お金を払ってくれた存在。どこぞの知らん人よりも、ずっと次の購入に近い距離にいます。
ぞんざいな印象を与えれば、上客候補をみすみす逃すことになるわけです。
だから、「0」か「100」かしかないのです。誰かのレビューに返信するということは、他すべてのレビューにも返信するということになるのです。
あえて返信しないという決断
中途半端に返信したりしなかったりするくらいなら、いっそ「全員に返信しない」と決めてしまった方が良いですね。
もちろん返信した方が、お客さんのファン化が進むので、売上にはプラスです。でも、一律で返信しないなら、お客さんも「そんなもんか」と悪いようには思いません。
月に100個売れるような作家は、いちいちレビューに返信するのも正直キツい。あえて「一律で返信しない」とポリシー統一してしまった方がベターかもしれません。
定型で返すくらいなら、返さない方がマシ
「全員に返信する」としたとしても、定型文で返すのは最悪ですね。
たまに、すべてのお客さんに、「ありがとうございました」だけで返している作家さんも目にします。
これは意訳すると、「私は、お客さん一人ひとりと向き合う気がありません」と公言しているようなもの。
印象としては、次のとおり。
- Good:お客さんごとに個別の内容で返信
- Neutral:一律で返信しない
- Bad:定型文で返信
冷静に想像してみてください。もし不具合などがあったときに、定型文で返してくるお店に、納得できる対応を期待できるでしょうか?

確かに!連絡すら返ってこなそう!

定型文で返すくらいなら、返さない方がマシなのよ
(例外)あえて定型文で突き放すやり方
とっても珍しいケースにはなりますが、逆に、この悪印象を逆手に取ることもできます。
もしあなたが、極度に人との接触を嫌うタイプで、お客さんから馴れ馴れしくされたくないなら、あえて定型文で返す手もあります。
返信しないよりも、定型文で「ありがとうございました」と一律に返している方が、ずっと距離を感じる対応になります。
ただし、売上にはマイナス影響なので、人気作家に許された手段だと思ってください。
未来のお客さん全員に向けて書く
レビューへの返信は、一見すると、レビューをくれたお客さんとの1対1のコミュニケーションです。
表面的にはそうですが、真実は、この作品ページを見にくるお客さん全てに対するコミュニケーションなのです。
これからあなたの作品に興味を持つ新規のお客さんは、ほぼほぼレビューに目を通します。当然、作家からの返信にも目をやります。
ここで、作家のお客さんに対する態度を見るわけです。

ここも、セールスの場であることを自覚しよう
未来のお客さんに伝えたいこと
では、未来のお客さんに、一体何を伝えるのか?
作品について伝えるべき情報は、作品紹介の中で触れています。ここで改めて書く内容はありません。
伝えたいのは、「わたし(=作家であるあなた)は、お客様一人ひとりの満足に対し、最大限の関心を払っている」という姿勢です。
売れないセールスマンほど、必死で売り込もうとします。
その姿勢を見るや、お客さんは警戒します。ベクトルが、「お客さん→←売り手」で衝突しているので、お客さんはセールストークを信用しきれず、疑ってかかるのです。
一方で売れるセールスマンは、「お客さん→売り手→」という具合にベクトルを合わせます。
「わたしは売りたいのではなく、ただただ、あなたの満足に貢献したいんです」と。だからお客さんは、セールストークを疑わずに耳を傾けるようになるのです。
返信の仕方を見れば、わかってしまいます。
- 売れたらそこでおしまいと思っているのか?
- 強欲にも、さらに売り込もうとしているのか?
- これから使うことになるお客さんの満足を気にかけているのか?
お客さんがレビューを書くタイミングは、作品が届いて2-3日以内がほとんど。これから、何年も使い続けていくことになります。
売り手からしたら、売って手元から離れた瞬間に終わりますが、お客さんからしたら、これから始まるわけです。
お客さんの「これから」に関心を払う。その姿勢を伝えることで、あなたは熟練のセールスマンの技術を我が物にできるのです。
レビューへの返信のコツ

続いて、もう少し細かい話をしていきましょう。後ほど構成にも触れますが、その手前で意識して欲しい内容です。
レビューへの返信のコツ
- 返信のボリュームに差をつけすぎない
- お客さんごとに、ほんのちょっと変化をつける
- 温度感(距離感)をコントロールする
それぞれ解説します。
返信のボリュームに差をつけすぎない
先ほど、「返信するorしないは統一しましょう」と話しました。
似たような話で、対応に差をつけないことで、相対的にぞんざいに扱われるお客さんをなくしましょう。という話です。
そうすると、あるお客さんに長文で返信してしまうと、他のお客さんにも同じように長文で返信しなきゃいけません。未来の自分の首が絞まります。
目安というほどでもないですが、大体100〜200字くらいでしょう。コンパクトにまとめて、100字くらい。200字書いたら結構長めで、かなり丁寧な印象になります。

もちろん、たくさん書いてくださったお客さんには、多少長くなるくらいはOKよ
クレームへの返信が長くなるのはしょうがない
ただし、クレームやネガティブなコメントに対する返信は例外です。
先ほど述べた通り、レビューへの返信は、未来の全てのお客さんを意識して書きます。
「クレーム内容に対する弁解」と「リカバリー対応でお客さんを気遣っている様子」を見せなければなりません。必要に応じて文字数を割いてください。
こちらのケースは↓の記事をご覧ください。
お客さんごとに、ほんのちょっと変化をつける
定型文で返すのはNGと話しましたね。なので、まるまるコピーで返信せず、ちょっと変化を加えなければなりません。
とは言え、そんなに返信のバリエーションは出てこないでしょう。
大丈夫です。大事なのは、機械的な返信ではなく、ちゃんと人間が「その都度タイプしてる感」です。
ほんのちょっと、語尾や助詞を変えるだけでも、画面の向こうで人が打ってくれてる感が出ます。

あとは、AIを使う手もあるね。AIは定型文で返してこないから
温度感(距離感)をコントロールする
お客さんとの距離感は、近い方が売れやすいです。
人間は社会的な動物(=群れで協力して暮らすタイプの生き物)です。近しい間柄の人間ほど、協力体制を密にする必要がありますから、近い人ほど大切に扱おうとします。
- フランクにすればするほど
- 気遣いを入れれば入れるほど
- 個人的な話をすればするほど
お客さんとの距離が縮まり、売れやすくなります。
ただ、お客さんとの距離が縮まるのは、疲弊の原因にもなりますね。性格的に、あまり距離を詰められたくない作家さんも多いでしょう。

わたしも距離感は保っておきたいタイプ〜
なので、意図的に距離感を調整する必要があります。
例えば、「!」のような記号を使うと、距離感は縮まります。絵文字を使うと、もっと縮まります。
距離を一定に保つなら、記号や絵文字は使わず、丁寧寄りの敬語で返信するのが良いですね。悪い印象は与えずに、一定の距離感はキープできるので。
レビューへの返信文の構成

大まかに、以下の構成で考えましょう。サンキューレター(またはサンキューカード)も、構成はほぼ同じです。
レビューへの返信文の構成
- お客さんのニックネーム(省略することが多い)
- 感謝の言葉
- お客さんに向けた個別の内容
- 次につながる一言
トータルで、大体100〜200字。サラッと書いたら、100文字くらいになると思います。
特に重要なのが、「感謝の言葉」と「お客さんに向けた個別の内容」です。この2つさえあれば、返信は成立します。

基本的には、「お客さんに向けた個別の内容」の部分で違いを出すことになる
1. お客さんのニックネーム
形式上は、買ってくれたお客さん1名に対する返信です。
メールや手紙と同じで、「〇〇様」と名前で呼んであげるのが適切でしょう。
ただ、ネット上に公開されるので、もちろん個人情報は載せちゃダメ。プラットフォーム内で登録されたニックネームがあれば、その呼び名を冒頭につけましょう。
ただ、現実的にはニックネームが公開されていないことも多いので、一律で省略としても良いでしょう。
2. 感謝の言葉
本文の最初は、やはり「買ってくださってありがとう!」の感謝ですね。言うまでもなく、必須事項です。
- この度はご注文くださり、誠にありがとうございます。
- 当店のピアスを迎えいただき、誠にありがとうございます。
- 数あるショップの中から選んでいただき、ありがとうございます。
といった具合ですね。
より丁寧にするなら、「無事に届いたようで安心しました」くらいの美辞麗句を挟んでも良いでしょう。
3. お客さんに向けた個別の内容
ここが肝。1番手間をかける(といっても長く書くわけではないが)のもここ。
お客さんからのレビューコメントへのアンサーとして、個別の内容を書くことになります。
「〇〇に使おうと思ってます」というレビューに対し、「〇〇のシーンで、お客さんの理想の未来が訪れることを願ってます」という気持ちを添えるイメージです。
あとは、使用上のアドバイスなどあれば、この場で差し込んでも良いですね。
ただ、レビューコメントが、「ありがとうございました。思っていた通り良い品でした」のようにアッサリしていると、返しに困ります。こういうシーンはまずまず多い。
その場合に備えて、何パターンか用意しておくと良いでしょう。

後ほど例文の方でも触れるので、詳細はそちらで!
4. 次につながる一言
なくても構わないけど、最後の〆の言葉はあっても良いですね。
伝えたいのは、
- 「わたしは、今後もあなたと良好な関係でありたい」
- 「またご一緒したい」
という気持ち。
「またの機会がありましたらよろしくお願いします」のような、機械がしゃべったような〆は良くないですね。人の心を感じない社交辞令にしか聞こえません。
パターンとしては、
- またお会いできることを楽しみしている
- 使って気になることがあったら遠慮なく言って
のどちらかでしょうね。
美辞麗句なとこはあるので、なくても問題にはなりません。書く場合は、売り込みにならないよう注意してください。

こちらも、後の例文を参考にしてもらおう!
レビューコメントへの返信例文

では、具体的にどんな内容で返信するか?
例文を出しましょう。
- お客さんから「しっかりめ」のコメントが来た
- お客さんから「あっさりめ」のコメントが来た
のそれぞれのシーンで返信文の案を紹介しましょう。
商材は、「エレガントなピアス」としておきます。
しっかりコメントへの返信例文
しっかりコメントの方が、お客さんへの個別の内容を書くヒントが多い。要するに、返信内容を書きやすいですね。
お客さんからのレビューコメント
結婚式に使うアクセサリーとして購入しました。実物を見ると、写真で見るよりもずっと繊細で、思わずうっとりしてしまいました。当日に使用するのを楽しみにしています。結婚式後も、晴れの日用のアクセサリーとして大事に使わせていただこうと思っています。
以下が、返信例文です。
返信例文
このたびは当店のピアスをお迎えいただき、誠にありがとうございます。大切な結婚式に選んでいただけたこと、とても光栄です。実物も気に入っていただけたようで、ほっとしました。特別な一日が、素敵な思い出になりますように。引き続き、晴れの日のお供として、大切にしていただけたら嬉しいです。またお手伝いできる機会がありましたら、ぜひお声がけくださいませ。
(171文字)
あっさりコメントへの返信例文
あっさりコメントだと、お客さんへの個別の内容に困ってしまう。
こちらでよしなに考えてあげなきゃいけません。
お客さんからのレビューコメント
作品無事に到着しました。この度はありがとうございました。
以下が、返信例文です。
返信例文
ご購入いただき、誠にありがとうございます。無事にお手元に届いて安心しました。当店のピアスが日々のコーディネートに華やかさを加え、素敵な時間をお届けできることを願っています。どうぞ末永くご愛用いただけますように。
(105文字)
AIに書いてもらうのもアリ!
実を言うと、上記の例文はChatGPTに書いてもらいました。一部表現を修正したくらいで、95%はそのまま使ってます。
実のところ、レビューコメントへの返信は、サクッとAIを取り入れやすいシーンかと。毎回微妙に違う回答を返してくるので、自然と定型文は避けられます。
プロンプトについては、それなりに条件を細かく指定してます。おいおい公開しようかなと(こういうのって、すぐにパクる発信者がいるからイヤなんですよね…)。
個別に問い合わせいただければ、プロンプト公開しますよ。隠したい気持ちは全くないので。
まとめ

今回は、意外と悩ましいレビューコメントへの返信を取り上げたよ

地味に時間取られるから、型が決めといた方がラクだね!
レビューへの返信の大前提
- 返信するor返信しないは統一する
「0」か「100」かしかない。書くのが億劫になったら、一律で返さないとした方が良い - 定型で返すくらいなら、返さない方がマシ
定型文で返すのは、「お客さん一人ひとりに向き合う気がない」という意思表示になってしまう - 未来のお客さんに向けて書く
ここもセールスの場。「お客様一人ひとりの満足に対し、最大限の関心を払っている」という姿勢を伝える
レビューへの返信のコツ
- 返信のボリュームに差をつけすぎない
相対的にぞんざいに扱われるお客さんをなくすため。100〜200文字が目安 - お客さんごとに、ほんのちょっと変化をつける
定型文にしないために。語尾や助詞を変えて、「毎回タイプしてる感」を出す - 温度感(距離感)をコントロールする
距離感を縮めた方が売れやすくなるが、疲弊の元にもなる。ほどほどの距離感をキープするが吉
レビューへの返信文の構成
- お客さんのニックネーム
実際には、省略することのほうが多い - 感謝の言葉
まずは、「買ってくれてありがとう!」の気持ちを述べる - お客さんに向けた個別の内容
レビューコメントから、お客さんごとに個別の内容を返す。「お客さんの理想の未来が訪れることを願ってます」という気持ちを述べる - 次につながる一言
「今後もあなたと良好な関係でありたい」という気持ちを述べて締める。美辞麗句なので、なくても問題はない
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