現役専業ハンドメイド作家の奥さんのマーケティングやってます♪
あなたが誠意を持って作品を販売して、細心の注意を払ったとしても、レビューで悪いクチコミを書かれてしまうことがあります。
星5のレビューが続いていたところで、1つでも悪いレビューを目にすれば、実に悲しい気持ちになりますね。
ですが、そう気を落とすことはありません。
悪いクチコミを書かれても、正しく対処すればノーダメージです。むしろ、以前よりもっと売れるように仕向けることもできます。
キレイに折れた骨は、くっついたら前より丈夫になるって言うよね。これと似ている
この記事では、
- 悪いクチコミのハンドリングの仕方
- 悪いクチコミへの具体的な返信例
を解説します。
今までのあなたなら、悪いレビューを見た瞬間に冷や汗をかいていたはず。悲しみや憤りのような、黒い感情が渦巻いていたはずです。
しかし、この記事を読み終えたあなたは、悪いレビューへの考え方が180°変わります。「お、来たぞ!」と、前向きにチャンスと捉えられるようになります。
実際に、悪いレビューを売上に変えられるようになるのです。
内容が気になってきましたか?ぜひこの有意義なノウハウを持って帰ってください!
どこからが悪いレビューに該当するのか?
そもそも論として、どういうレビューが「悪いレビュー」に該当するのでしょうか?
星4でも悪いレビュー
レビューは星5が標準。中間の星3が標準ではありません。星5で当たり前なのです。
もし購入前の期待値通りに満足を与えられていてば、星5はもらえます。そう、レビューの星は、減点方式による採点なんですね。
星を1つでも減らされたということは、何かしらの点で期待値を下回ったということです。
星5でも「〇〇」と言われたら悪いレビュー
ただし、星5だからといって安心してはいけませんよ。星5が必ずしも良いレビューとは限りません。
消費者の側も、「星5で当たり前」という認識を持っています。そのために、無碍に星を下げることに、若干の良心の呵責を覚える人もたくさんいます。
多少不満はあっても、遠慮して星5をつけてしまうお客さんが一定数いるのです。
こういうところは、和を尊ぶ日本人っぽい考え方だよね
悪いレビューを見分けるには、ポイントがあります。
「良い内容」+「逆説の接続詞(けど/だが/だけど/ですが)」+「悪い内容」
が書かれていたら、十中八九お客さんは不満に感じています。
逆の順番で、「悪い内容」+「逆説の接続詞」+「良い内容」の場合は、お客さんはトータルでは不満に感じていません。
「汚いけど美味いラーメン屋」は、「美味い」の方が結論です。反対に、「美味いけど汚いラーメン屋」は、「汚い」がその人の結論です。
- 「梱包は雑でしたが、作品は気に入りました」は、良いレビュー
- 「作品は気に入りましたが、梱包は雑でした」は、悪いレビュー
なんですね。日本語って難しいですね。
でも、あなたも日本語ネイティブなら、このニュアンスを理解できるはずです。
悪いレビューは、そう悪いことじゃない
あなたが誠実な売り手であれば、あなたのレビューはほとんどが星5だと思います。
ごく少数、星を下げられたレビューがあったとしても、それは全く問題になりません。
悪いレビューはお客さんを安心させる?
今日のお客さんは、良いレビューだけが並んでいると、「これ、ホントかな?」と疑います。作為的に悪いレビューを見せないようにしているのでは?と勘ぐるわけですね。
クチコミがセールスを強力に後押しするのは、それが利害関係のない第三者からの意見だからです。心理学では「ウィンザー効果」と呼ばれています。
誰かの作為が及んでいると感じた瞬間に、そのクチコミは疑わしいものになってしまうんですね。だからAmazonも楽天も、悪いレビューを絶対に消さないわけです。
10レビュー中、3つが悪い内容だったら、それは問題があるでしょう。流石に悪いレビューの割合が多すぎますから。
一方で100レビュー中、1つか2つの悪いレビューは、悪い印象にはなりません。むしろ、「残りの98か99人は、ホントに満足してるんだな」と、安心感さえ覚えます。
もちろん、無傷で悪いレビューがないのは良いことだから、あえて悪いレビューを貰いにいく必要はないよ
たまに悪いレビューを食らっても、怪我の功名ってことだね
悪いレビューはむしろチャンスだ!
あなたが誠意ある売り手で、かつ悪いレビューの割合が極めて少数であるならば、悪いレビューはむしろチャンスです。
「あちゃー」ではなく、「お!来たぞ来たぞ!」と、前のめりになる場面です。
悪いレビューはファンの始まり
コールセンター界隈で有名な「グッドマンの法則」によれば、クレーム対応に満足したお客さんは、これまで以上に熱心なファンになります。
ボクも法人営業時代、タフな案件が多かったせいか、よくクレームを受けていました。今はないと思いますが、机をバンバン叩かれながら怒られたものです。
ボクのミスというよりは、障害とかそういう感じのクレームがほとんどだけどね
しかしクレームに対して誠意をもって話し、お客さんが納得する対応を取れば、以前よりも強い絆で結ばれるようになります。
ボクの営業を後押ししてくれるようになったり、次にトラブルに見舞われたときに、ボクをかばってくれるようになったり。戦友のような間柄に発展します。
「ピンチはチャンス」は、陳腐な言い回しですが、クレーム対応に関しては紛れもなく真実です。身を持って経験したボクが保証します。
悪いレビューに適切に反応して、適切に対応すれば、そのお客さんはあなたの熱心なファンに変わります。このチャンスを逃す手はないでしょう?
悪いレビューをセールスの踏み台にする
1つ前の件りは、「対 悪いレビューをしたお客さん1人」の話ですが、こちらは「対 未来のお客さん全員」の話です。
前述の通り、全体のレビュー数に占める悪いレビューの割合が多くなければ、お客さんはさほど悪い印象は受けません。
その数少ない悪いレビューに、あなたが誠心誠意で対応した痕跡が残っていたら?
例えば、お客さんからの「作品に傷がついていた」というクチコミに対し、
「大変申し訳ございません。送料は当方負担で交換させていただきます」と返信した履歴が残っていたら?
あなたからの購入を検討する未来のお客さんは、「そうか。万が一トラブルがあっても、ちゃんと対応してくれるんだ。じゃあ安心だ」と感じるでしょうね。
お客さんは買った後の失敗を恐れますから、1つ懸念が晴れることになります。購入を後押しされた気持ちになるでしょう。
つまり、こう考えてみてください。
悪いレビューは、あなたの誠意や良心をアピールする絶好の機会であると。これは未来のお客さんに対する、セールスのチャンスなんだと。
釣り竿がしなって、「お!魚がかかったぞ!」みたいな感じよ
悪いクチコミへの返信のポイント
この後の章で、悪いクチコミへの具体的な返信例を挙げていきます。
が、その前に、全てのクチコミへの返信に共通するポイントを解説しておきましょう。遵守すべきルールと考えてもらって差し支えありません。
ポイント1. 後ろで見ている未来のお客さんに向けて書く
クチコミへの返信は、見かけ上はその1人のお客さんに向けて書いています。が、実際には、後からそのレビューを見る未来のお客さんに向けて書きます。
良いクチコミでも悪いクチコミでも、この考え方は共通ですね。
あまりこう言いたくはありませんが、実に打算的な話です。後ろに控えているお客さんに「いい格好」を見せつけるつもりで書いてください。
ポイント2. (非があるなら)まず謝る
ビジネス経験が浅い人や、プライドが高い人にありがちなのが、言い訳から始めること。「わたしは悪くないんです!」と、一発目に自己正当化から始めてしまうのです。
ダメですよ。もしあなたに、1%でも非があるなら、一言目は「〇〇な思いをさせてしまい申し訳ございません」です。
ポイント3. 言い返さない
場合によっては、お客さんの言いがかり感の方が強いかもしれません。あなたは、「言いたいこと言いやがって!」と思うかもしれません。
しかし、あなたにほんの少しでも非があるなら、言い返してはいけません。ニュアンス的には、お客さんの非を口にしないということです。
先の通り、まずは謝罪から入って、「かくかくしかじかの理由から、こういう結果となってしまいました」と経緯だけを述べるのです。相手の非に帰させてはいけません。
ポイント4. 定型文を使わない
絶対にやってはいけないのが、全員に同じ返信文を返すこと。
未来のお客さんに対し、「わたしは、個々のお客さんへの対応に、時間を割く気がありません」と公言しているようなものですから。
そこに誠意はありません。定型文で返信するくらいなら、むしろ返信しない方が良いくらいです。
おおよそ同じ文章で構わないので、多少の変化をつけてください。「コピペ」ではなく、「毎回文章を手打ちしている感」を出しましょう。
【全3パターン】悪いクチコミへの返信例
では、悪いクチコミに対し、具体的にどんな返信をすれば良いかをレクチャーします。
悪いクチコミと言っても、大きく3つのパターンに分かれます。
悪いクチコミの分類
- リカバリーの余地がある場合
- リカバリーの余地がない場合
- 根拠のない言いがかりの場合
それぞれのパターン別に、返信の仕方を見ていきましょう。
パターン1. リカバリーの余地がある場合
お客さんが何かしら不満を持っていて、かつ今からでもあなたがその状況を改善できるケースです。
ほとんど場合は、「作品に何かしらの不具合があった」という内容になるでしょう。
お客さんからの悪いクチコミ
作品無事に届きました。概ね写真の通りでしたが、一箇所フレームにシミのようなものがありました。
あなたからのクチコミへの返信
作品の説明が至らず大変申し訳ございません。本フレームはアンティーク加工が施されており、シミにも似た黒ずみがある個体もございます。こちらの説明不足でしたので、〇〇様のご希望に沿った対応を致したく存じます。後ほどメッセージでご連絡させていただきます。
と返信して、その通りメッセージで個別に連絡します。
あなたからお客さんへの個別メッセージ
レビューにてコメントいただいた件になります。説明が至らず、不満な体験をさせてしまい、誠に申し訳ございません。もし〇〇様がご希望であれば、送料は当方負担で、新しい品に交換対応させていただきます。ご返信を待ちしております。どうぞよろしくお願いします。
全員が見れるクチコミへの返信で、「交換」や「返品」と書くと、押せばカンタンに通る作家と思われます。ここでは誠意だけ見せて、具体的な対応はボカすのが無難。
具体的な対応については、個別メッセージで話しましょう。
なお、お客さんに「どうして欲しいですか?」と聞くのではなく、あなたの方から提案してください。もちろん、お客さんが十分に納得すると思われる案をです。
もしお客さんから、「いや、交換(あるいは返品)はしなくていいよ」と言われたら、それはそれでOK。このお客さんにも、未来のお客さんにも、あなたの誠意と良心は伝わりましたから。
ちなみに、場合によっては作品に問題はないケースもあるかもしれません。例えば、イベント事に使う予定だったのに、配送遅延で間に合わなかったとか。
あなたに非はないので、対応しないという選択もあります。しかし、未来のリターンを期待するなら、返品を受け付けても良い場面だと思います。
パターン2. リカバリーの余地がない場合
お客さんは何かしら不満を持ったが、すでに作品が手元に届いた後となっては、何もしようがないケースもあります。
総じて言えば、「作品は問題なかったが、それ以外の箇所で不満な対応があった」とまとめられるでしょう。
お客さんからの悪いクチコミ
段ボール内に緩衝材が入っていなかったので、内箱がへこんでいました。幸い中身は無事でしたが、少し残念な気持ちになりました。
あなたからのクチコミへの返信
梱包に対し、ご不満な思いをさせてしまい申し訳ございません。内箱で作品は十分に守れるとの判断から、緩衝材は入れておりませんでした。ただ、〇〇様のご指摘はもっともですので、より安全な梱包を検討してまいります。もし、その後に作品の破損などお気づきになりましたら、お手数ですがメッセージにてご連絡いただけますと幸いです。
基本的には、「ごめんなさい!」と謝るくらいしかできません。せいぜいが、お客さんの苦言から勉強させてもらいましたと言うくらいです。
ただ、少しでもお客さんに寄り添う気持ちを見せるために、「何かあれば対応します!」くらいの美辞麗句は、添えて然るべきでしょう。
基本的には、何も起こらずここで終了です。未来のお客さんに対して、ちゃんとあなたの誠意は伝わりました。これでOKです。
一応、「1件のクレームの裏には、24人のサイレントカスタマーがいる」と言われている
指摘そのものは、真摯に受け取るようにしてね
パターン3. 根拠のない言いがかりの場合
ハンドメイドでは滅多にありませんが、あなたを攻撃する意図で、言いがかりをつけてくるクレーマーもいます。アンチコメントみたいなものでしょうか。
無視しても良いのかもしれませんが、未来のお客さんに不安を与えるレビューを放置したくはないですよね。
「2度と来るな!」という気持ちは抑えて、静かな反論を加えることにしましょう。
お客さんからの悪いクチコミ
非常に質の悪い作品でした。これなら、100円ショップで自作した方がよっぽどマシ。この作家からは買わないことをオススメします。
あなたからのクチコミへの返信
この度は、当店の作品にご満足いただけなかったとのこと、大変申し訳なく思います。当店では、プロが使う高品質な素材を仕入れています。また作家自身は、専門店で4年間制作に携わった経験があります。とは言え、まだまだ修行の身ですので、ご満足いただけないお客様もいらっしゃるかと思います。次回はご満足いただけるよう、精進して参ります。
この言いがかりパターンへの返信は、少し文才が入ります。
相手を直接非難することなく、後ろに控えている善良なお客さんに、
- あなたが「聖人」で
- 言いがかりをつけてきた方が「頭がおかしい」
と理解させる必要があるからです。
口調はあえてバカ丁寧に。粗野な言いがかりとのコントラストを強調させて、あなたの方が品位ある人間であると印象付けるためです。
なんか、インテリヤ○ザみたいなやり方だな…
次に、言いがかりへは、あなたなりの反論を事実ベースで述べます。未来のお客さんに、どっちの意見が正しいか判断するための材料を与えるのです。
ここで終わってしまうと、ただ言い返した形になってしまいますね。「間違っているのは、お前の方だ!」と言って、リングにマイクをぶん投げた格好です。
そこで最後に、「でも、人によって好き嫌いあるから、ネガティブな意見もあるよね」と、言いがかりを言ってきた相手に同調してあげるのです。ちょっとだけ。
こうして静かに反論はしつつも、この不毛なやり取りを終わらせるわけよ
まとめ
真面目にやってる作家にとっては、悪いクチコミってチャンスなんだね
そう!釣り竿が引いて、「魚がかかったぞ!」みたいな感覚で良いのよ!
この記事をまとめます。
悪いレビューは怖くない
今日のお客さんは、良いレビューばかりだと作為を感じて疑いの目を向ける。むしろ、ほんの少し悪いレビューも混じっていた方が安心さえする
悪いレビューはむしろチャンス!
- 悪いクチコミを適切に対応すれば、お客さんはあなたのファンになる
- 悪いクチコミに適切に対処した履歴を残せば、それを見た未来のお客さんは購入を後押しさせる
悪いクチコミへの返信のコツ
- 後ろで見ている未来のお客さんに向けて書く
クチコミへの返信は、未来のお客さんが見るところになる。後ろに控えているお客さんに「いい格好」を見せつけるつもりで書こう - (非があるなら)まず謝る
大抵の場合、あなたの方にも1%は非がある。ならば、まず自分の非を謝罪するところか始める - 言い返さない
弁解のために言い訳を書くことはある。しかし、決してお客さんの非を口にしてはいけない - 定型文を使わない
明らかにコピペだと、お客さんを蔑ろにしていると映る。微妙に文章をいじって、毎回書いている感を出す
もしあなたが善良で、一般道徳をわきまえた作家なら、悪いレビューはほとんどついていないはずです。
ならば、たまに来る悪いレビューは、全く怖くありません。むしろチャンスです。そういう意識で対峙してくださいね。
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