ミシンで布バッグを作るのが好きですが、ほとんど売れません。
販売に向けての行動力がなく、周りのススメでSNSもやってますが投稿数も少なく写真がまたどヘタで、映えることが苦手。1年過ぎましたがフォロワーとかは20人のままです。
周りのススメで、「売れ筋を作って売ってみては?」と言われ、その通りにやってみました。なるほど、メルカリに出品すると、いきなりたくさん売れました。
「売れ筋」とは、子供用のエプロンです。下手な写真でも、下手な文章でも、値段を安価(利益は500円ぐらい)にしてるせいか。
「売れた」ということが嬉しくてしばらく続けていましたが、子供エプロンなんか作っても楽しくないのです。
作りたい作品を売っていきたいです。愚痴のようになってしまってすみませんが、どうすれば良いかアドバイスをいただけないでしょうか。
おお。これは深い悩みですね。
売れるものを取るか、作りたいものを取るか。
この話は、長い目線で考える必要があります。
人によって意見が割れそうだけど、ボクの考えをビシッと伝えるね
まずはクイックに結論から。
「ある程度は、売れる作品に寄せる必要はある。しかし、作りたい作品を捨ててしまってはクリエーターは終わり」です。
楽しくない作品で飯が食えるほど甘くない
ハンドメイドに限りませんが、クリエーター業は、楽しくもない作品を作って成功できるほど甘い世界ではありません。
悩めるあなたに、2500年前の偉人の言葉を授けましょう。
これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。
(その分野を知っているだけの人は、その分野を好きな人には敵わない。そして、その分野を好きな人は、その分野を楽しんでいる人には敵わない)
孔子『論語』より
楽しいからこそ、24時間そのことばっかり考えても苦にならず、どんなに気の遠くなるような作業でも、厭わずに続けられるのです。
その結果、神が細部に宿り、お客さんの心を打つ作品になるのです。それは、楽しめない人には、絶対に辿り着けない高みです。
「好き」や「楽しい」と思えること自体が、あなたの強みなのです。
雑魚でも売れる時代はとっくに終わってる
現代のハンドメイド市場は、少し前の「素人に毛が生えたレベル」ではありません。
- 生地を買って縫ったら売れる
- 天然石のビーズに紐を通しただけで売れる
なんて時代は、とっくに終わっています。
ホントだよな。今じゃ絶対通用しないもん
作家自身が楽しめもしない作品で、現代のハンドメイド市場を生き残れるわけがありません。そんな甘い時代は、とうに終わっていますよ!
「好き」や「楽しい」という気持ちすら起こらないなら、あなたにとって取り組む価値はありません。今は小銭を稼げるかもしれませんが、その先に未来はありません。
なぜ子供用エプロンは売れたのか?
まず、子供用のエプロン自体に、需要はあります。小学校の家庭科で使うか、あるいはお家で料理の手伝いをするときに使うか。そんなところでしょう。
子供の数は減っているとはいえ、毎年それなりの数の子供達が、エプロンを使う歳になっていきます。底堅い需要があると見て、間違いありません。
安いから売れただけ
子供用エプロンにお金を払う親の心境になってください。
一時的に使うだけで、しかも汚れるエプロンです。自分用のエプロンだって安く済ませようとするんですから、子供用なんてなおさらです。
「子供用のエプロンなんて、安く済ませたい。メルカリで安いのあるかな」が、親御さんのリアルな心境です。
質問者さん自身も理解しているように、子供用エプロンが売れたのは、単に安かったから。粗利500円ですから、多分1,500円とか2,000円とかそんなもんだったのでしょう。
100着売っても、手残り5万円。で、楽しくもないと
あまり良い人生じゃないねぇ
「安さ」で売っても未来はない
あなたより100円安く売る出品者が現れれば、お客さんはあっさりなびくでしょう。そう、ここはトイレットペーパーや牛乳と同じ、価格勝負のフィールドなのです。
価格勝負のフィールドは、本来は大量生産できる企業の領域です。たくさん売れるから、少ない粗利でも、チリツモで食っていける収入になるのです。
そんな企業の採算ラインすら下回ったことで、ハンドメイド品が売れただけのこと。
本来欲しい額の値段をつけたら、間違いなく売れなくなるでしょう。ここは、絶対に利益を取れないフィールドなのです。ハンドメイド作家が手を出す領域じゃありません。
その先に未来はない!
どう折り合いをつけていくか?
この質問者さんは、まだ本当に売りたいバッグを、積極的に販売していませんでした。怖さだったり、苦手意識が勝ってしまい、なかなか出品できずにいたのです。
そこで、「まずは出品してみて!話はそれから!」とアドバイスをしました。
ただここでは、「作りたい作品」と「お客さんの需要がある商品」とのギャップをどう埋めていくか。どう折り合いをつけていくかを解説したいと思います。
ある程度は、需要に寄せる必要がある
まず、お客さんの需要がないことには、やはり売れません。
もしあなたが100%作りたいものが、お客さんにとって必要がないものなのであれば、お客さんの欲しがる方へ寄せていくしかないでしょう。
しかしこれは、「0か100か」という話ではありません。
お客さんの需要に合わせた途端に、全く興味のない作品を作らなければならなくなるわけではありません。
冷静に考えてみて。そんな両極端な話、聞いたことある?
あなたも作っていて楽しいし、お客さんも欲しがるラインは、確かに存在します。何もあなたが全て譲歩するわけではないのです。
質問者さんの場合は、「手提げバッグ」が作りたいものでした。意味不明なオブジェではなく、バッグですから、もちろん需要はあるでしょう。
ただお客さんは、漠然と「バッグが欲しい」とは思っていません。「〇〇を入れるためのバッグが欲しい」と思っていますから、その「〇〇」は考えるべきですね。
ついつい「0」か「100」で考えがちだけど、その中間もあるはずだよね!
ユニークな実用品を売ろう
- 他の作品と差別化できていない
- 買う習慣がない作品になってしまっている
のどちらかです。
逆にいえば、「ユニークな実用品」を作っている限り、作品自体が理由で売れないことはありません。
「ユニーク」の部分は、主にデザインやモチーフの話です。ここはやはり、クリエーターとして、オリジナリティあふれるものにしていく必要がありますね。
「実用品」の部分は、要するに普段の生活で使う習慣があるものか、という話です。
例えば、ただのアートボードは、使い道がありません。一般のお客さんからすると、雰囲気は気に入っても、購入には至らない作品です。
そうではなく、例えばスマホケースにしたり、ブックスタンドにしたり、お皿にしたりすることで、何かしら使い道のある作品にするのです。
「ユニークな実用品」は、ハンドメイドの明確な勝ち筋。ぜひ意識してみてね
参考記事
コメントを残す