デザフェスなどに足を運ぶと、ガシャポンで売っているブースをちょこちょこ目にします。
あと、定番の売り方に福袋ってのもありますよね。
こういう変化球の売り方は、ハンドメイド作家にはどうなんでしょうか?やる価値はあるでしょうか?
んー、ガシャポンに福袋か。考えたこともなかったな
確かに、イベント会場でガチャポンの筐体を置いているブースはよく目にします。割と人が集まっているシーンも見たことがあります。
まずはクイックに結論から。
「正攻法で売る方が良いんじゃない?」です。
ガシャポンも福袋もやらず、普通に売る方が良いんでね?ということですね。
個人的には、「福袋はないなー」と思っていますが、「ガシャポンは作風によってはありかも?」という気もしています。その辺りもお話ししましょう。
いつもに比べると歯切れの悪い回答になっちゃうけど、許してね
ガシャポンや福袋が提供する価値の違い
普通の購買体験は、
- 「これください」
- 「はい、〇〇円になります」
のやり取りです。欲しいものを指差して、相応の金額を払う取引です。
一方で、ガシャポンや福袋は中身が見えません。
ただものを売っているのではなく、何が当たるかわからないワクワク感やドキドキ感、つまり「エンタメ」を売っているわけです。
エンタメも1つの価値。ワクワクする体験にお客さんが呼び寄せられるのも、1つの道理というわけです。宝くじも同じようなものですね。
というわけで、ビジネスとして「あり」か「なし」かと言われれば、「あり」という答えになるね
ハンドメイドとの相性は?
ビジネスとしては成立するガシャポン商法や福袋商法。ハンドメイド作家にとっては、やる価値のある施策なのでしょうか?
「違うかな」というのがボクの意見です。
「高く売る」と「ランダム」は矛盾する
本サイトの熱心な読者さんならよくご存知と思いますが、ボクは「ハンドメイド作家は、高く少なく売れ」を絶対的な指針としています。
生産数を増やせないハンドメイド作家にとって、高く売ることは至上命題だ!
さて、あなたが高いお金を払ってでも欲しいもの、つまりはそれだけ大きな価値を感じている品を、何が当たるかわからない運任せで買うでしょうか?
家を、車を、一張羅の洋服を、高嶺の花のバッグを、ソファを、ダイニングテーブルを、スマホを、「ガシャポンや福袋で買うか?」という話です。
いやー、買わないでしょう
「高い買い物」と「何が当たるかわからないランダム性」は、両立しないのです。
所詮は「何が当たるかな?」を楽しむエンタメ消費。ガシャポンや福袋にすることで、普通に作品を売るより、高く売れることはないわけです。
であれば、「小細工せずに、普通に売れば良いじゃん?」ってことですよ。
売れっ子作家がガシャポンや福袋をやるか?
ちょっと冷静に考えてみて欲しいのですが、あなたが売れっ子作家だとしたら、ガシャポンや福袋で売ろうと思うでしょうか?
思わないですよね?だって面倒ですし、普通に売った方が高く売れますし。
結局のところ、普通に作品が売れないから、飛び道具で売ろうとしているわけです。
その飛び道具を考えているリソースは、商品企画やマーケティングなど、真っ当な方向に向けたほうが建設的だと思います。
ハイブランドを参考にしよう
ハイブランドの所作は、ハンドメイド作家も参考になるところが多いです。
両者は雰囲気こそ真逆かもしれませんが、「高く売ることが至上命題」という意味では共通しています。
ハイブランドが行なっている
- 高く売るための工夫
- 安く見られないための工夫
は、ハンドメイド作家も大いに学ぶところがありますね。
さて、そんなハイブランドは、ガシャポンや福袋をやるでしょうか?
やらないですよね。やったら安く見られますから。高嶺の花で居続けるためには、やらないことを見極める必要があるのです。
福袋なんて在庫処分セールだからね。直販でやっちゃダメでしょ
こういう作家ならガシャポンはアリ
「福袋」に関しては、どんな形であれ反対ですが、ある種の作家さんに関しては、「ガシャポン」はありかもしれません。
それは、イラスト系の作家さんのように、1回描くだけで、複数のアイテムを量産できる場合です。
ボクが「ハンドメイドは高く売れ」と言っているのは、生産数を増やせないから。この手の作家は、いくらでも生産を増やせるので、安く多く売る選択肢もあるわけです。
例えば、可愛いオリジナルキャラクターを描いて、そのキャラクターのチビ人形をOEMなどで生産します。これをガシャポンの景品とするわけです。
手頃な値段で、エンタメとして射倖心を楽しんでもらうのもアリでしょう。
またガシャポンの場合、普通は複数ラインナップが用意されていますから、集めたい気持ちから、2度目3度目を回させる効果もあります。普通の買い物にはない効果です。
- 手作りする作品は、普通の取引で高く売る
- OEMで作れる物は、ガシャポンで半分エンタメとして売る
なかなか良い棲み分けじゃないでしょうか?
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