作品が売れたら、ちょっとした「おまけ」を同梱すると良いという話をよく聞きます。
実際に効果はあるのでしょうか?もし効果があるならやってみても良いのかなと思っています。
また、やるとしたら、どんなおまけが良いかもアドバイスいただけると嬉しいです。
あー、前にウチの奥さんもやってたな、おまけ。もうやってないけどね
まずはクイックに結論から。
「おまけはいらない」です。
おまけにプラスの効果がないわけではありませんが、トータルで考えると旨みよりも負担の方が大きくなります。よって、オススメしません。
おまけの効果は?
一般論としては、おまけには次の2つの効果があります。
- お客さんを釣る効果
- 購入の満足度を高める効果
ただ、ハンドメイド作品のおまけの場合、前者の「お客さんを釣る効果」は期待できません。後者の「購入の満足度を高める効果」のみになります。
ハンドメイドのおまけでお客さんは釣れない
ペットボトル飲料に、人気アニメや漫画のおまけがついていたので買った。こういうのは良くある話ですね。おまけでお客さんが釣れている状態です。
ウチの子は、近所のラーメン屋でおまけの棒付き飴をもらってから、何度も行きたいとせがんできました。10円の飴でリピートされるんですから、店からしたら旨い話です。
しかし、こうやっておまけで釣れるのは、日用品や食品などの生活必需品に限られます。正直どの商品でも構わないから、ちょっとしたおまけに釣られるわけです。
さて、では洋服やバッグやインテリアはどうでしょう?
おまけがあったら買いますかね?
イヤー、買わんねぇ
きっと買わないでしょう。長く使う耐久財や、他人から見られるようなアイテム(総じて「ライフスタイル商品」と呼ばれる)は、あくまで気に入った品を買います。
おまけがあったところで、ダサい服を買うことはないわけです。
ハンドメイド作品もこちら側。洋服やバッグやインテリアのように、おまけによって、お客さんに選択を促すことはできません。
購入後の満足度は少し上がる
ハンドメイド作品のおまけに、「買わせる効果」はありませんが、「買った後の満足度をちょっと上げる効果」はあります。
仮に作品だけの満足度が「100」だったとしたら、おまけによって、満足度は「103」くらいになるかもしれませんね。
リピート購入に至るほどの効果はありませんが、レビュー率を上げるくらいの効果は期待できます。
おまけをオススメしない理由
奥さんは、ボクが気づかないうちにおまけを始めて、気づかないうちに止めてました。もしボクが気づいたら、即中止させていたでしょう。
すでに「おまけの効果は微妙」という話はしましたが、さらに追い討ちする別の理由もあります。
やめ時を見つけられなくなるから
「おまけをもらったお客さんがいる」と知った上で、自分はおまけをもらえなかったらどう思うでしょうか?
なんだか損した気持ちになりますよね。
別におまけ自体は大したものではありません。すごく欲しいわけでもありません。しかし、他の人はもらえて自分がもらえないのは、イヤーな気持ちになります。
こうなると、おまけを止めた瞬間に、未来のお客さんにわずかではあっても「不満」の種をばら撒くことになります。マイナススタートになってしまうわけです。
聖書っぽく言えば、「原罪」だね
このマイナススタートを避けるには、大した効果はないと知りながら、おまけを続けるしかありません。こうしてやめ時を見失っていくのです。
続けられる覚悟がないなら、安易におまけに手を出すべきではありません。
同じ費用でもっと効果のある手があるから
ハンドメイド作品につけるおまけは、買った後の満足度を少しだけ上げて、レビュー率を上げるくらいの価値しかありません。
同じ目的なら、もっと費用対効果の優れた施策はいくらでもあるでしょう。
- サンキューレター
- オリジナルパッケージ
- ギャランティカードやインストラクションカード
などです。
おまけは、所詮どこまでいっても「おまけ」。
一方でこれらは、おまけではなく、あくまで作品本体に付随する施策。本丸である作品の満足度を上げる装置として機能します。
お客さんは作品を買っているわけだから、その作品の満足度が上がる方が良いに決まってるでしょう?
こういうおまけならアリ
というわけで、ハンドメイド作品のおまけなど不要です。
ただ、以下の条件を満たすなら、そのおまけは「費用対効果アリ」と言えるでしょう。
- 余った材料で準備できる
- 作品と親和性がある
- ほぼ手間がかからない
- 苦もなく自然に続けられる
例えば、ボクの奥さんはフラワーアイテムを販売する作家です。
作品に使って余ったドライフラワー(安いやつ)数本を、サッと紐で縛って、ハサミで茎の長さを揃えて、ミニ花束みたいにして入れておく。こういうおまけです。
制作していれば常に出る端材で、秒で作れて、コストはタダ同然ですから、続けるのに負担はありません。しかし、作品ともリンクしていて気が利いています。
こういうおまけなら、やってみても良いかもしれません。
コメントを残す