ご質問いただきました!
ハンドメイド販売は、スマホだけでもやっていけるものでしょうか?
一応パソコンはあるのですが、古すぎてまともに動かないと思います。それに、パソコンに滅多に触らない仕事をしてきたので、あまり得意じゃありません。
販売サイトもCanvaもスマホ対応しているので、スマホオンリーでの運用も全く不可能ではないかと思っています。
一昔前は、パソコンがなきゃ、ネットの仕事なんて何1つできませんでした。
が、時代は変わりましたね。スマホだけでも、大抵のことは完結します。質問者さんの言う通り、スマホ対応していないツールの方が珍しいでしょう。
少し前は、「パソコン苦手=高齢者」でしたが、その風潮も変わってきましたね。スマホが優秀すぎるゆえに、若者の方がパソコンに触れないという逆転現象が起こっているようです。
ハンドメイド作家も一種のネット自営業者になるわけですが、スマホで完結できるのか?はたまた、今でもパソコンは必要なのか?
これはあるあるの質問。バシッと回答しよう!
まず結論から。
「パソコンなしは非効率。ネットビジネスするなら、パソコンは必須」です。
グレーな部分はありません。答えは、これ一択です。
できるかできないかの話じゃない
質問者さんの言う通り、スマホでほぼ何でもできます。
ハンドメイド販売で使うツールは多岐に渡りますが、それでもパソコンでしか使えないツールはおそらく存在しないかと。
- スマホオンリーでハンドメイド販売できますか?
- 「Yes」or「No」どっち?
と聞かれれば、答えは「Yes(スマホだけでもできる)」です。
しかしそれが、「正しいやり方か?」と聞かれれば、答えは明確に「No」です。
「can(できる)」ではなく、「should(すべき)」の話をしている
パソコンの作業効率は段違い
スマホと比べて、パソコンは何が違うのか?
主な違いは、次の通りです。
パソコンがスマホと異なる点
- 画面サイズが大きい
- キーボードが独立している
- 処理能力が高い
この中で、「処理能力(CPU)」の違いは、さほど問題になりません。スマホだからといって、ツールが動かないことは通常ありません。
しかし、他2つは、作業効率に決定的な差を生んでいます。
画面サイズが大きい
パソコンとスマホは色々と違うのですが、1番重要なのは「画面の大きさ」ですね。以外にも、マシンスペック云々ではなく、単純なサイズの話です。
スマホは画面サイズが小さいので、ボタンを非表示にしたり、元々横並びだった要素を縦並びにして、見やすくする工夫がなされている。
その結果、
- ボタンを表示させるために1度タップしたり、
- 全部見るまでに、ずっと下までスクロールしたり、
など、余計な操作を強いられます。
これを聞いて、「なんだ、それくらいのことか」と思われたかもしれません。でもこれが、チリツモでとんでもない差になってくるのです。
比較的コンパクトなノートパソコンでも、スクリーンの大きさは、大体スマホの「5〜10倍程度」だと思います。
ボクの環境だと、10倍くらいだね
荒っぽい計算ですが、パソコンを使うことで、余計な操作が「1/5〜1/10」に減っているわけです。スマホ画面でチマチマ作業なんて、面倒でやってられません。
また画面サイズが大きいと、各種アプリやブラウザタブの切り替えも、ずっと楽です。スマホで別アプリに移動するのって、面倒じゃないですか?
そもそも、スプレッドシート(Googleツール内のExcel)をスマホの小さい画面で見るなんて考えられないしね
ボクなんか、ただのネットサーフィンですら、スマホの画面じゃ不満だよ
キーボードが独立している
キーボードが独立していると、すごい便利な機能が使えるようになるんですね。
そう、「ショートカットキー」です。
めちゃくちゃ頻繁に使うのが、
- コピー
- ペースト
- 元に戻る(undo)
ですね。「呼吸」や「歩行」くらい自然に使っているので、もはや何回を数えることすらできないレベルです。
スマホで「コピー&ペースト」するのって、めちゃくちゃ面倒じゃないですか?でもパソコンなら、ショートカットキー2回だけ。チョー楽。
計算したことはないですが、ショートカットキーによる作業時間の短縮は、莫大な数字になってくるでしょう。
ボクは、SNSで見る「ショートカットキーマスター」では全然ないけど、それでも相当な恩恵を受けてるね
スマホはあくまで補助ツール
もちろんスマホを全く使わないわけではありません。
こう考えましょう。
「メインの作業はパソコン。スマホはあくまで、補助ツール」と。
- 外出先
- 電車で移動中
- 旅行中でパソコンは持っていかなかったけど、どうしても今ちょっとだけ作業がしたい!
こんなシーンは、スマホの出番です。
これはボクの傾向ですが、ガッツリ取り組まねばならない作業なら、パソコンを使えない環境では諦めます。要点だけメモしておいて、家に帰ってから作業します。
しかし、ちょっと手直しするだけなら、さっさと片付けてしまいたい。こういうときは、ちょっと面倒でもスマホで終わらせて、気持ちをスッキリさせます。
こんな感じで、スマホはサブ機として活用するのがオススメ!
スマホオンリーは「組織の長」の特権
世の中には、スマホ一本で仕事をしている人もいます。しかし、こういう人にはカラクリがあるんですね。
細かい作業を、他の人にやってもらっているのです。それは自分の部下かもしれませんし、外注先かもしれません。
現場作業を誰かにやらせたら、後に残る仕事は「マネジメント」のみ。
マネジメントに専念するなら、自分で手を動かすのはコミュニケーションツール(メールやチャット)くらい。あとは、誰かにやらせたアウトプットさえ確認できればOK。
これなら、スマホオンリーでもやっていけます。
というわけで、スマホオンリーで仕事が成立するのは、「組織の長」だけ
スマホだけで仕事なんて、10年はえー
世の中には、「スマホだけでいけるよ」と言う人もいますが、それは「相当優秀なら」という前提付き。誰でもすぐにマネできることじゃありません。
ハンドメイド作家でも、自分は制作だけに専念して、あとの作業は誰かに丸投げできないこともありません。しかし、それなりにお金のかかる話です。
そんなリッチなご身分の作家は、ほんの一握りの売れている作家の、さらにほんの一握りでしょう。少なくとも、ボクは会ったことがありません。
プロなら道具は揃えるべき
あなたにパソコンが必要な理由は、十分伝え切れたと思います。
もしあなたが、まだ「でも何とかスマホだけで…」と思っているようなら、叱ってやらねばなりません。
プロならば、相応の「道具」に投資するのが当然でしょう?あなたはプロのハンドメイド作家であり、同時に、プロのネット自営業者でもあるのです。
- 美容師が、家にある普通のハサミを使うか?
- 大工が、普通のドライバーでチマチマとネジ絞めするか?
- ホストが、安い既製品のスーツを着るか?
これと同じことです。
控えめに言って、ありえないな!
ひょっとすると、「制作のための道具はちゃんと揃えてる。でも、パソコンは制作のためのアイテムじゃないから…」と、駄々こねる人もいるかもしれませんね。
ハンドメイド作家における「パソコン」は、工務店における「車」みたいなものです。
工務店の仕事は、頑張れば電車&バス移動でもできるかもしれません。でもしないでしょう。あまりにも非効率ですから。
工務店にとって、工具と同時に、車も必要不可欠な道具です。これと全く同じ。ハンドメイド販売するなら、パソコンは必要不可欠な道具に含まれます。
投資しないという選択は、事実上ありません。
とは言え、先立つお金がない?
とまぁ、ここまで正論を言ってきました。本気でビジネスとして取り組むなら、今すぐパソコンを買った方が良いという意見は変わりません。
しかし、いくらパソコンが大事と言っても、材料費や制作に使う道具ほどではありません。しかも、どんなに安くとも数万円の単位ですから、ボチボチ高額です。
まだ1円も稼いでいないヒヨッコ作家さんは、いきなりパソコンを買える状況にはないかもしれません。もしかすると、家族を説得できないという人もいるでしょう。
それはそれで、しょうがないことです。無い袖は振れませんから。
どうしてもパソコンが買えそうにないなら、しばらくはスマホだけで構いません。月に2,3万円でも売れて、懐に少し余裕が出てきたら、迷わずパソコンを買ってください。
わたしにパソコンが使いこなせるか?
さて、ここであなたの疑問は、「パソコンを買うべきか?」から、「買った後に使いこなせるか?」に移ったことでしょう。
心配は入りません。
あなたも知っている通り、パソコンでできることは、ほぼスマホでもできます。
少し視点を変えると、パソコンでやる作業は、今あなたがスマホでやっている作業と変わりません。新しい作業が増えるわけではありません。
使いこなせない理由を探す方が、苦しいくらい
「スマホではこうやればできたけど、パソコンではどうやるんだろう?」という思考回路になっていれば、早々にパソコンを使いこなせます。
問題になるとすれば、精々が「キーボードを打つのが遅い」くらい。
キーを探しながら打っているうちは、「スマホの方が早いのに…」と思うでしょう。が、それも慣れと時間の問題です。いずれは逆転します。
わたしも、最初はキーを探しながら人差し指でポチポチだった!
どんなパソコンを選ぶべき?
最後の疑問は、「じゃあ、どんなパソコンを買えば良いの?」ですね。
ここは、ゴメンナサイ!偉そうに言っておきながら、ボクはパソコンのハードには詳しくないんです!
というのも、ボクは「Microsoftアンチ」で、Appleの「Mac」しか使わないから!
スマホは、Androidは各メーカーから機種が出ているのに対し、iPhoneはApple製品だけですよね。なのでiPhoneユーザーは、スマホ機種の良し悪しがわからないはずです。
これと同じ状態ですね。ボクはMacしか買わないので、他のWindowsパソコンの良し悪しが、イマイチわからんのです。
個人的には「Macbook Air」がオススメ
と言いつつも、ちゃんとオススメ機種はあります。
ポジショントーク感は拭えませんが、「Macbook Air」の現行モデル(または1世代前まで)が、ボクの一押しです。
友人から聞かれたときもこう答えてます。
ボク自身は、今は「Macbook Pro」を使ってるけど、次は「Macbook Air」にしようと思ってるよ
で、お下がりは私がいただくと
Macか、Windowsか
根本的な話ですが、「Windows」よりも「OS X(MacのOS)」の方が使いやすいです。
ボクがなぜ「Microsoftアンチ」かといえば、Windowsが使いづらいからです(正確には、Microsoft製品は全体的に使いづらいと思っている)。
パソコンへの苦手意識がある人ほど、Macをオススメします。iPhoneユーザーであればなおのこと、Macの方が直感的に操作できると思います。
ノート型か、据え置き型か
次に出てくる選択が、
- 据え置き型の「iMac」
- ノート型の「Macbook」
のどちらにするか。
これは好みですが、ボクは持ち物をなるべく減らすために、できる限り「潰しの効く選択肢」を好んで選びます。
ノート型であれば、
- 普段は家で使って、
- 気分を変えたいときは喫茶店へ持っていって、
- 外出先にも持っていって、
- イベント会場に持っていって、
と何かと潰しが効きます。これが据え置き型では、そうはいきません。
そういう理由で、特別な意図がなければ、ノート型の「Macbook」をオススメします。
Airか、Proか
「Macbook」には、
- 薄さと軽さを重視した「Macbook Air」
- スペック重視の「Macbook Pro」
の2種類があります。
ボクがいま使っているのは、「Pro」の方です。というのも、昔は、「重たい作業をするならProを選べ」が通説だったからです。
しかし、iPhone同様にMacbookもかなり値上がりしています。「Macbook Pro」は最低30万円からと、ちょっと目ん玉飛び出るくらいの値段になってしまいました。
そこで、Appleストアに行ったときに、スタッフの人に聞いてみたんです。
ボク:
「Proは随分値上がりしましたね。昔は仕事で使うならProでしたけど、今はどうなんでしょう?デザインソフトを使ったり、プログラムを書いたり、重い作業だと動画編集もあるんですが、やっぱりProなんですかね?」
スタッフさん:
「今ならAirで十分ですよ。Apple独自のチップ*になってからは、以前よりもパワフルに動きます。大抵のユースケースは、Airで足りますよ。」
*元々Macはインテル製のチップを使っていたが、今はApple純正のチップを採用している。「M2」とか「M3」とか呼ばれているのが、Apple製のチップのこと
これは朗報でした。
ボクが最初に買った「Macbook Pro」は10万円くらいでした。それが最低30万円と言われてしまうと、もう懐だけでなく、心も痛い…。
しかし、今なら「Macbook Air」で十分という確認が取れました。「Air」であれば、今でも10万円代で買えます。というわけで、ボクも次に買い換えるときは「Air」です。
13インチか、15インチか
最後に選ぶのが、画面サイズです。
- 13インチ
- 15インチ
のどちらかになります。
これはホントに趣味になってくるのですが、ボクだったら画面サイズの大きい「15インチ」を選びます。これくらいあった方が、作業はしやすいですね。
ただ、「13インチ」のコンパクトさも魅力です。サラリーマン時代は、会社では13インチをMacbook Airを使っていたのですが、軽くて薄くて持ち運びに最高でした。
- ほぼ家でしか使わないなら「15インチ」
- 持ち歩きを想定しているなら「13インチ」
が良いでしょうね。
あとは、普段使っているカバンに入るかも確認しておきましょう。
男性が使うカバンであれば、「15インチ」が問題なく入ります。しかし、女性物の一回り小さいカバンだと、「13インチ」しか入らないかもしれません。
Macの弱点
というわけで、ボクが個人的にオススメするのは、「Macbook Air」です。
しかし、Mac特有の弱点もあります。ここは隠さずにお伝えしておきましょう。
やっぱり高い
Androidに比べiPhoneの値が張るように、やっぱりWindowsパソコンと比べると、Macはいくらかお高めです。
「Macbook Air」は、昔は8万円くらいで買えた気がしますが、今は15万円から。ボクが選ぶ15インチモデルだと、大体20万円です。
まー、安くはないね!
ただ、「Apple公式の整備済製品」だと、定価より3万円くらい安く買えます。ちゃんとメーカー保証の対象になっているので、安心して購入できますよ。
なお「整備済製品」とは、返品された新古品や、中古品をキレイに整備し直した端末のこと。新品とまでは言えないが、中古品よりもずっと程度の良いものです。
ボクがいま使ってるのも整備済製品だし、次買うときもその予定だよ
とは言え、それでもまずまず高いですよね。
Windowsであれば、10万円以内で十分使えるスペックのパソコンも手に入るでしょう。価格重視で、かつボクのように変なこだわりがないなら、Windowsで良いと思います。
行政系のオンライン申請に対応していないケースがある
Macのこのデメリットは、伝えないわけにはいきません。
昨今は、デジタル庁の主導なんですかね。税金だったり、社会保険関連だったりの避けられない申請業務が、オンラインでできるようになりました。
しかし、いくつかはWindowsオンリーで、残念ながらMacは対応していません。
というのも、パソコンOSのシェアは、Windowsが7割を占めていています。大企業やお役所系は、Windowsが99%と思ってもらって差し支えありません。
一応、MacのOS Xもシェア15%くらいと、見逃せない程度には使われているんですけどね。でもお役所様からは、軽んじても良いくらいの存在のようです。
といっても、遅れながらMacに対応してきています。
例えば、確定申告は、オンラインだけでいけますね。個人事業主だと、確定申告くらいしかないので、Macでも何ら問題ありません。
法人の場合も、確定申告はオンラインでいけました。ただ、年金事務所系は全滅だった気がします。
年に何回もある手続きじゃないので、Mac不可の申請業務は、今のところは都度郵送で済ませています。困るほどではありません。
この先もMacしか使う気ないけど、行政手続き用にやっすいWindowsを買っとくか悩み中
それはシャクだなー。早く対応してほしいね
Chromebookはナシで
一応、選んじゃダメなPCがあるので言っておきます。「Chromebook(クロームブック)」はナシでお願いします。
Chromebookとは、カンタンに言えば、「Chromeブラウザ専用PC」です。要するに、ウェブブラウザ以外のアプリケーションは、使えないということです。
Canvaのように、WEBブラウザで動くツールはセーフですが、パソコンにアプリをダウンロードする類のツールは、原則使えないと思ってください。
例えば、Adobeのソフトはほぼ全滅です。「Photoshop」や「Illustrator」は、Chromebookでは使えません。
Chromebook自体は、とても良いプロダクトなんですが、どう考えてもセカンドPCです。1台目に買うものではありません。
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